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2018年4月 1日 (日)

【エイプリルフールネタ】情報解禁します(#1354)

ここしばらく更新ペースが落ちてしまっておりますが、それにも関連するお知らせがあります。

実は、あるプロジェクトが進行していたのです。本日、情報解禁します。


『本当に大切なこと』を集約する


発表します。当ブログ『生き残れ。Annex』が書籍になります。

普段から数字優先で中身が薄いメディアの姿勢を批判している当ブログではありますが、それでもお声がけいただけた奇特なメディアがありました。

しかし管理人としては、防災でカネ儲けするつもりはありませんし、当初はお断りしておりました。それに、あらゆる分野にわたる膨大な情報を一冊の本にまとめることなど無理、どうしても過不足が生じてしまうし、半端なことはやりたくなかったのです。

でも先方のお考えを何度か伺ううちに、それならやれそうかな、という気になりました。書籍だけではなく、ネットや映像メディアも併用した情報発信のご提案だったのです。


ひとつネタバレしますと、防災マンガも収録されまして、当ブログで連載した防災小説『生き残れ。』が原作となります。すでにプロ漫画家さんによるラフも上がっております。主人公の三崎玲奈、かなり魅力的なキャラになっていますよ。

その他諸々の絡みもありまして、ブログ本編での情報発信を抑えていたような状況です。

そんなわけで、あくまで『本当に大切な』防災情報を新しい形で発信するプロジェクトが、間もなくスタートします。

書籍タイトルはちょっと変わりまして、

生き残れ。〜あなたは”本当に大切なこと”をまだ知らない〜

そのまんまですがw、この”本当に大切なこと”をタイトルに入れるのは、管理人がこだわった部分ではあります。


出版日やメディア展開など詳細はまた後日お知らせします。人気書籍になるかどうかは自信がありませんが、これまで無かったタイプの防災本になるかと。

販売はネット上でが中心になる予定ですが、一部有名書店などでも販売されるようです。


2012年1月に当ブログを始めて6年余り、管理人がお伝えしたかったことが、いよいよ新しい形で始動します。どうぞご期待ください。


・・・という日が来る夢を見ました。すいませんエイプリルフールネタでしたーwww

■当記事は、カテゴリ【四月バカ】です。

2018年3月25日 (日)

【東京くらし防災02】どこかで見たような、でも違うような(#1353)

そんなわけで、今回から『東京くらし防災』の内容について、あれこれとつついていきます。


基本コンセプトというか


表紙にも書いてあるひとこと。

『わたしの「いつも」がいのちを救う』

これがこの本のコンセプトというわけですが、このスタイルでは、すでに『地震イツモノート』という有名な本があるわけで、なんかモロ被りだなと。まあ、民業圧迫と目くじらを立てる人もいないでしょうが。まさか、ひらがなとカタカナの違いがあるとは言いますまいw

さておき、巻頭には本文のインデックスとなる15の項目がイラスト入りで並んでいるわけですが、その15番目にこんなのが。
Kurasi_pic01_2
これ、笑うところですかねw

さておき、その他の14項目を列記してみます。

1・外出先では非常口を確認
2・カーテンは閉めて寝る
3・食器の重ね方を変えてみる
4・包丁は使ったらすぐしまう
5・寝転んで危険を探してみる
6・日用品を多めに買い置きする
7・行けるときにトイレは済ませておく
8・生理用品はもう一周期分買っておく
9・災害時の集合場所を決めておく
10・公衆電話の使い方を子供に教えておく
11・地域の行事に参加してみる
12・災害時のペットの預け先を探しておく
13・ママバッグは使った分だけ足しておく
14・チョコレートやキャラメルをカバンに入れておく

という感じです。こんな項目をメインに持ってくるとは、従来の防災本とはけっこう違いますよね。あくまで、日常生活でふつうにできることに特化しているようです。


お約束のアレがない


その一方で、この手の情報にありがちな、アレがほとんどありません。

曰く、今後何年間にでかいのが来る確率が何パーセントとか、震度いくつとか津波なんメートルが予想される地域がこれだけあるとか、いわゆる『専門家』が大好きな数字ネタです。

そういうもので恐怖感をアオれば、みんな災害対策を進めるだろうというのが、まさにオッサン発想ではないかと。

この点は当ブログでも何度も指摘していますが、女性目線でなくとも、そんなマクロ視点はどうでもいいんですよ。大切なことは、自分の居場所にでかいのが来るのか、その時自分の周りに何が起きるのか、それを効果的にヘッジするにはどうするか、これだけなのです。

そして、1995年の阪神大震災以来、我々はもう知っているのです。日本中、どこででかいのが起きてもおかしくないと。

しかも地震だけでなく、豪雨などの気象災害はそれこそどこでも起きて、それがしばしば過去の尺度が通用しないほどの規模で襲いかかってくることも増えました。

そういう現実を前に、数字ネタは何を今更というだけでなく、実感に乏しい小難しいことを羅列されるだけで、なんだか面倒くさくなってしまうだけではないかと。

そういう数字ネタを知識として押さえておこうと考えるのは、管理人も含めた防災ヲタくらいでしょう。少なくとも、大災害に対して漠然とした恐怖感を抱きつつも、具体的にどうすれば良いかわからない人々にとっては、ほとんどどうでも良い情報なのです。

そういうのをごっそりカットした構成は、本来必要な情報に集中するためにも、ある意味で必然とも言えるのです。


面白くないかもですが


これも当ブログでよく使う表現なのですが、災害対策に完璧はあり得ません。でも、やったらやった分だけ、『生き残る』確率が確実に上がって行くということです。

だから、できることから少しずつという現実的なコンセプトが必要なのです。この『東京くらし防災』は、そういう点でも、まず一読をオススメしたいなと。

なんだかのっけからホメすぎかもしれませんねw次回から、本文の内容についてあれこれ考えて行きます。

■当記事は、カテゴリ【『東京くらし防災』ってどうよ】です。

2018年3月 6日 (火)

【東京くらし防災01】ピンク色のニクイ奴w(#1352)

妙なタイトルで恐縮です。当ブログ読者の方から情報を頂戴した、”あの本”を入手いたしました。
Img_1151

当ブログでさんざんツッコませていただいた、『東京防災』の続編とも言える、『東京くらし防災』です。

なんでも女性目線での防災本ということで、装丁はピンク色でイラストもかわいらしく、言われなくても「これは女性向けを意識したな」とわかります。


ちょっと違うぞ


管理人は、あの『東京防災』に散々ツッコんだわけですが、今度もまあ似たようなものかな、女性目線と言っても、所詮はオッサンが「女性向けですよ」と宣って、女性の意見もちりばめたそれっぽい情報をまとめたものだろうよという、偏見に満ち満ちた視線でページをめくりはじめました。どんなツッコみネタが現れるかなと、正直ワクワクしながらw

でも、ひと通り目を通して、かなり見方が変わりました。これ、かなりいいじゃんと。

もちろん、細かい部分にはツッコみたいところもありますが、基本的なコンセプトと情報の選択や表現方法など、あの『東京防災』よりは、はるかに実用的だと感じてしまったのです。

そこで奥付を見てみると、監修者が全員女性なんですね。それも、エラそうに受け売りの理屈を宣うメディア芸者みたいな『防災の専門家』じゃなくて、現場で実際に活動されている方が大半のようで。

こういう企画が持ち上がった時、旧来の『防災の専門家』はメシのタネだと群がったでしょうが、そういう手合いを排除して、『女性目線』に純化したコンセプトを実現したことを、まずは素直に賞賛したいと思います。


ユニバーサルということ


もっとも、大半の災害対策は性別とは関係ありません。しかし、一方で女性特有の対策や、女性が共感しやすい情報もあり、それが自然な形でかなり網羅されているように感じます。これ、オッサンがやると「女性はこうだ、私は知っている」みたいな、上から目線になりやすいんですよね。

それ以前に、我々の約半分を占める女性のための情報が、従来の防災情報ではなぜかマイノリティ情報というか、おまけやトリビア的な扱いになっていることがあまりにも多かったわけで、当ブログでもその点を何度も指摘してきました。

ともかくも、大半の情報は性別を超えて共通です。それを理屈優先ではなくて、生活の中での場面に応じた平易な表現でまとめられている『東京くらし防災』は、男性にもオススメできるかと。いやむしろ、”本当は役に立たない”理屈ばかり気にしている男性にこそ、一読をオススメしたいと感じる防災本です。

要は、一般論として『弱者にやさしい』ものは、誰にでもわかりやすく使いやすいというユニバーサルデザインが、かなり実現されているかと。

あ、女性が必ずしも災害弱者だと考えているわけじゃないですからね。いらん反感を買わないために、念のため付け加えておきます。


毒は少なめです


これまで、世間の防災情報に対して散々ツッコんできた管理人がこんなにホメるなんて、我ながら実に気持ち悪いですねwでも、ホメ殺しじゃありません。

これからのシリーズ記事、縦横無尽にぶった斬る記事を期待されている方には、実に面白くないシリーズになるかとは存じますが、おかしなコンセプトや内容をぶった斬るのは、本来望むところではありません。

あくまでも情報を吟味し、過不足を指摘し、批判だけでなく提案もしながら、『本当に役に立つ』情報を見いだして提示して行くことが、管理人が当ブログをやっている本来の目的です。その点『東京防災』は、枝葉のツッコみどころが多すぎたw

『東京防災』へのツッコミは、こちらの過去記事をご覧ください。
■カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】


手前味噌と言われようとも


もうとつ、管理人がホメたいというか、単純に喜ばしいことがあります。

管理人は、当ブログの1300本を超える記事の中で、折りに触れて『防災の専門家』は言わないけれど、本当はこうじゃないか?という現実的な災害対策を、たくさん提示してきました。

この『東京くらし防災』には、そんな管理人の考えと共通する、このことは皆に知っておいて欲しいなと考えている内容が、かなり見受けられるのです。

でも、当ブログ記事内でよく書いているように、そんなもの、本来は「ちょっと考えればわかること」なのです。今まで、理屈優先でちっとも現実を考えていない輩が多すぎた、ということですよ。

そういう点もピックアップしながら、改めて解説して行きます。例によって、別に自慢したいわけじゃありません。誰が出した情報だろうと、正しいものは正しく間違いは間違いだということです。

それでは、シリーズ記事を始めます。もちろん、ツッコむべき部分はしっかりやりますよw

とりあえず、主に東京都民や都内に通われている方になってしまいますが、『東京くらし防災』、実際にご覧になってみてください。 本書についての詳細や、ウェブ上での閲覧はこちらから。

■東京都防災ホームページ

なお、当シリーズは、専用新カテゴリ【『東京くらし防災』ってどうよ】にまとめることにします。


■当記事は、カテゴリ【『東京くらし防災』ってどうよ】です。

2018年2月23日 (金)

続・スター☆誕生www(#1351)

当カテゴリ前記事(#1348)から続きます。

前記事では高橋に加えて、島村、長尾といった“メディア芸者系”学者を挙げましたが、そういえば木村ってのも同類だよな。

要は、程度の差こそあれメディアが求めるインパクトのあるコメントを出すために、臆面もなく科学的事実をねじ曲げたり、どうでも良いことを針小棒大に吹く連中ということですね。

その中でも特にヒドいというか、尋常ではないデタラメが一番多いのが高橋、という感じ。


お元気ですか?w


メディアに作られたスターなど、所詮は旬が過ぎたら使い捨て。でもその前に、落ちてきた人気を回復するために、いろいろ『テコ入れ』が行われるわけです。

ドラマの視聴率が落ちてきたらお色気シーンを増やすとか、バラエティならば、“数字を持っている”タレントを出すとか、過激な新企画をぶっこむとか。

で、最近いい感じで旬が過ぎつつあるのが、当ブログではお馴染みの村井。おっとその前に、もう完全に過ぎちゃった早川もいますね。もうメディアからコメントを求められることも無いようだし。

なんたって、今やさらに過激なヨタをかます高橋の方が、メディア的にはぜんぜん数字になるもんね。

それでも、村井はまだメディア露出があるわけですよ。なんたって芸能プロダクションがバックについてるから。過去記事にも書いてますけど、村井のナントカ機構という会社の住所、バックについている芸能プロダクションと同じですし。

そんな流れもあって、今でも『週刊P』は村井推し一筋で、未だに『驚異の的中率!』みたいな記事が上がってます。でも、最近だいぶニュアンスが変わっている気がしますね。

以前に比べて、○○を的中させたのなんのとか、専門外なのにこんなスゴいことをやっているとか、やたらと賞賛がドぎつくなっているのが目立ちます。

しかも、以前はなかった、村井メルマガの宣伝文句や申し込み方法とかが記事本文に入っていたり。まあ、それだけ『数字』を渇望している、せざるを得ない、ということなんでしょうね。

そういう『テコ入れ』のプロがバックについているわけだから、その辺はお手のものということでしょう。派手な花火を打ち上げて、それが新規客の目に留まることで、とりあえず目先の数字を多少は浮揚する効果はあるかと。


大衆は大きなウソには騙される


一方、村井はどこかの講演か何かで、今後は電子基準点データ(のノイズ)だけでなく、AIなんちゃらを導入するだの、新しそうなことをいろいろ言っています。AI、旬ですからねw 要は、みんながよくわからない、なんだかスゴそうなネタを投下して、話題の維持を図ろうという感じ。これぞまさに、『テコ入れ』のセオリー通りです。

さらに。村井の言う“危険ゾーン”が、ほぼ日本列島全土をカバーして、どこで地震が起きても的中を宣言できる体制なのは既報の通りですが、最近はさらに、○○地方が危ないとかいう“予知”を乱発しています。 それも例によって、ほぼ日本列島全土に。

で、あとはそのどこかで本当に大きな地震が起きるのを、ひたすら待っている。そうなったら、『週刊P』とかの総力を挙げて「センセイスゴい!」キャンペーンをブチカマすのでしょう。

でも所詮、根拠の無いインチキは永続などしませんし、センセイもだいぶお歳でもあるし、せめて一発は大当たり(に見える)花火を打ち上げたいのでしょうね。バックについた側としては、これまでの“投資”も回収したいでしょうしw

こういうのも、芸能界とかエンタメならいいでしょう。でも、言うまでもなく巨大災害が起きたら、少なくない命が、膨大な財産が失われるのです。

だから、できることなら誰もが災害を予知したい。そういう気持ちを逆手に取って、インチキかまして商売にするという輩と(それも名誉教授だの教授だのが!)、それをまたアオって商売するメディアの姿勢、さらにはそれが商売になってしまうという現実に、暗澹たる気持ちになります。

いくら防犯キャンペーンを打っても、いわゆるオレオレ詐欺の被害が減るどころか増えているという現実を見ても、ある割合の人々は、こういう手の込んだ『大きなウソ』に騙されてしまう。つまり、カネになる。 インチキ災害予知に食いつくのもオレオレ詐欺にひっかかるのも、要は我が身や身内の危機を未然に防ぎたい、ヒドい目に遭う前に解決したいという、基本的には同じ心理のはずですから。

巨大災害からひとりでも多くの命を救いたい、という気持ちが本心であっても、現象としての、記号としての命は、たくさん失われた方が、インチキ予知にとっては『数字』になるのです。

そんなものをアテにしている商売を、いつまで放置するのですか。


全然負けてる


過日、台湾の花蓮県で起きた地震の後、台湾の学会は、地震について流布しているエセ予知などについて、「根拠が無いので信用してはいけない」という公式見解を発表したとのこと。

翻って我が国、個人レベルではインチキやエセ科学を批判する専門家は少なくありませんが、相手はメディアの巨大な威力をバックに言いたい放題ですから、やはり、権威ある組織が公式に、強力に否定して欲しいと考えるのは管理人だけではないでしょう。そういう点で、台湾の方がずっと真摯で先進的ですね。

東日本大震災後、デマ情報の流布に対しては然るべき対応をする体制になったはず。 でも実際に摘発されたのは、熊本地震後に遊び半分で『ライオンが脱走した』とデマをツイートした素人くらいじゃないですか?

大学とかの権威をバックにした輩は、例えその名を汚していても、アンタッチャブルなのですか?

心ある専門家の皆様と、たとえ数字にならなくても、社会正義を標榜するメディアの皆様の奮起を、心から期待しております。素人のブログなど、ゴマメの歯軋り以下ですので。


■当記事は、カテゴリ【エセ科学・オカルト排除】です。

2018年2月12日 (月)

続・陸自戦闘ヘリ墜落について(#1350)

前記事(#1349)から続きます。

その後の報道では、事故機のローターヘッド(メインローター取り付け部)は、メーカーで組み立てられたアセンブリを組み付けた状態だったとのこと。

ローターヘッド部の破断が事故の主原因であることがほぼ疑いない以上、部品自体の不良か、組み付け状態の不良があったことは間違いありません。

しかし、現時点ではメーカー側もしくは陸自側の問題かを断定できる状態ではありませんが。


よくもまあデタラメを


事故直後、管理人はたまたまフジテレビのニュースを観たのですが、実に香ばしい大ウソつきが登場しておりました。

”軍事に詳しい”とされる自局の解説委員が登場して、墜落時の映像を見ながらコメントしていたのですが、要約すると、

「テイルローターの機能が失われると、パイロットは操縦棹を前に倒して降下しながら加速して、機体のコントロールをしようとしたかもしれない」と。

資料映像でも、同型機画像のテイルローター部分をアップにして、いかにもそこが主原因の可能性が高いような印象でした。まあ、自局のエラい解説委員様がそう言うのだから、そういう映像になるのでしょうが。

でも、お詳しい方はもうおわかりですよね。前述の通り、テイルローターの機能喪失ならば機体は水平回転を始めますし、事故機はそうならずにすぐに落下を始めている。すなわち、テイルローターが主原因の可能性は無いのです。

なお、解説委員が言う操作とは『オートローテーション』という技術で、これは主にエンジンが停止した場合に、機首を下げてまっすぐ降下しながら速度を上げ、メインローターを風圧で回転させて揚力を得ながら着陸する方法です。

それができれば、かなりの速度で着陸することにはなりますが、人家を避けるなどの操縦は十分可能なのです。

ちなみに、一般的なヘリはメインローターとテイルローターは機械的に連結されているので(事故機もそう)、エンジンが止まればメイン、テイルともパワーがかからなくなるので、トルク反動は発生しません。だからこそ、『オートローテーション』でまっすぐに降下できるのです。

仮に、テイルローターの破損などで機体が回転を始めてしまった場合は、エンジンからローターにパワーを伝えるクラッチを切って、メイン、テールローター両方を自由回転の状態にすることで、『オートローテーション』に入れることができます。

しかし、事故機は水平回転せずに急激に落下を始めているし、それ以前の問題として、頭の上で回転しているメインローターが吹っ飛んだことを、パイロットがわからないわけがない。

この事故においては、パイロットは全く為す術が無かったのです。解説委員の発言は、万策尽きても最後まであきらめなかったはずという、パイロットを擁護するニュアンスがあったのかもしれませんが、事故原因解説としては、噴飯もの以外のなにものでもありません。

要は、映像からわかることを無視したか理解できなかったか(おそらく後者)で、とりあえず『オートローテーション』の半端な、そして全くピント外れの知識をひけらかしただけでしょう。

航空の専門家ではないにしても、解説委員、しかも”軍事に詳しい”とされる人間がこの程度ですよ。それとも、事故原因を粉飾してとりあえずお茶を濁すという、自局の人間ならではの意志でもあったのでしょうか。

何にしても、為す術もなく民家に突っ込んで行く数秒間、乗員の無念を思うと落涙を禁じ得ません。ご冥福をお祈りします。


冷静に考えよう


米軍ヘリの部品落下や異常着陸が続いている最中、今度は自衛隊もかと、誰もが感じるでしょう。

いずれも、機体の整備や運用の問題が根底にあります。それらを是正し、異常事態を根絶しなければなりません。管理人のようなマニアでも、空から何か落ちてくれば死にますし、そんな目には遭いたくない。

なんでこんなことを書くかというと、こういう事故が起こると、マニアは知識をひけらかせるので喜ぶ、という偏見が必ずあるからです。

なにしろ、問題には原因があります。それを正さなければなりません。ただ感情的に米軍が自衛隊がと非難しても、何も解決しません。天災は防げませんが、人災は防げるのです。

こじつけではありませんが、そういう理性的な姿勢こそが、防災の基本だと考えます。

それにしても、これに限らず、一部の『専門家』のレベルの低さには、呆れるのを通り越して悲しくなります。大ウソつきや能力不足の『専門家』をきちんと批判し、ご退場いただくのも我々の声ではありますが、それ以前に、各界の良識ある『専門家』の皆様も、もっと声を上げていただきたいと、切に願う次第ではあります。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2018年2月 8日 (木)

陸自戦闘ヘリ墜落について(#1349)

佐賀県で、陸上自衛隊の戦闘ヘリコプター、AH64D(愛称・ロングボウアパッチ)が民家に墜落して乗員2名が死亡するという、ショッキングな事故が起きました。やはり書かずにはいられません。今回はこの事故の考察と、バカ丸出しの『専門家』について。

航空機、ミリタリーマニアの管理人ですから、かなりマニアックな内容となりますが、基本的にはとてもシンプルなことなのです。


なぜ事故は起きたか


事故の第一報を聞いた瞬間、管理人はローター(回転翼)のトラブルを想像しました。なぜなら、

■AH64型戦闘ヘリコプターは米国を始めとする西側各国で大量に配備されてるが、特に構造、設計上の弱点と言える部分に起因する、ある種の類型的な事故がす多発するようなことは起きていない。

■墜落地点周辺にはに空き地が多いのに民家を直撃していることから、瞬間的に深刻な操縦不能に陥ったことが明らか。

ヘリコプターがそのような状態に陥る原因は、ひとつしか考えられません。それは、ローターの破損です。

そのような事故は、低空飛行時に電線などとの接触によって発生することが多いのですが、報道によればかなり飛行高度があったとのことで、その可能性は排除できました。

そして、近くの自動車教習所で撮影された墜落時のドラレコ画像を見て、それは確信に変わりました。映像から読み取れることは、

■通常の水平飛行をしている最中に突然姿勢を崩し、その後はあたかも“石のように”ほとんどまっすぐ落下し、最後には“木の葉のように”不規則な回転をしている。最初にテイルローター(機体尾部の小回転翼)の機能が失われれば、機体はトルク反動ですぐに水平回転を始めるので、事故機のトラブルはメインローター(主回転翼)に発生し、瞬間的にメインローターが失われたと考えられる。メインローターが機体に残っていれば、竹トンボが姿勢を保つのと同じ原理(ジャイロ効果)により、“木の葉のような”不規則な回転はしない。

ちなみに、トルク反動のわかりやすい例は、回転椅子に座って両手を広げ、例えば時計回りに身体を回転させようとすると、回転椅子は反時計方向に回る、ということです。

ヘリコプターは、メインローターから離れた尾部でテイルローターを回し、メインローターの回転と逆向きにかかる回転力であるトルク反動を打ち消しているから、機体は回転せずに飛べるのです。(二重反転式ローター、圧縮空気噴出式など例外もありますが、トルク反動を打ち消している点で同様です)

■落下の最中、薄い黒煙のようなものが見える。通常のヘリならば、飛散した部品がエンジンカバーを突き破ってエンジンを損傷することも考えられるが、戦闘ヘリであるAH64Dのエンジンカバーは、23ミリ機関砲弾の直撃に耐えられる以上の装甲が施されているので、その可能性は排除される上、破断したローター部品がエンジン吸気口から吸い込まれてエンジンを損傷する可能性も、構造的にまず無い。よって、異常姿勢での急降下によってエンジンへの吸気が乱れ、コンプレッサーストール(異常燃焼の一種)が発生して黒煙が出たものと考えられる。または、急に負荷を失ったエンジンが異常回転して損傷したかもしれない。いずれにしろ、エンジントラブルが原因ではない。

目撃者の証言からも、空中でローターが飛び散ったというものが複数ありました。これらのことから、ヘリにとって最も恐るべき事態、空中でメインローターを失うという、信じられないようなことが起きてしまったことがわかります。


整備不良か?


その後の報道では、事故機はメインローターのマスト(取り付け軸部分)を交換した後の試験飛行だったとのこと。交換した部分にトラブルが起きたのですから、組み付けもしくは部品の不良によって、ローター破断が起きた可能性が非常に高いということがわかります。

手前味噌ながら、専門家ではないただのマニアの管理人でも、これくらいまではわかるのです。航空機に詳しい皆様も、ほぼ同様のご見解になるかと。

しかし、そうではない輩もいるのです。

次回はさらなる考察と、やはり現れたエセ『専門家』についてです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2018年2月 6日 (火)

スター☆誕生www(#1348)

我々は今、新たなスターの誕生を目の当たりにしてます。その一方で、落ち目の芸人再生への努力も見ることができます。


世の中が求めている?


スターとは、有り体に言えば大衆が求めている姿が具現化したものです。ですから、本来はスター足るべき実力を備えた人間が自然に見いだされ、多くの人が感動、共感、納得することで、いわばボトムアップの形で世に出て来るのです。

しかし一方で、スターの存在によって収益をアップしたい”業界”と、スターになりたいから”業界”にすり寄る人間の存在によって、『スター生産』活動も行われる。

最近の防災関係メディアにおいては、今まさに『スター生産』が成果を上げつつあり、そうなると「バスに乗り遅れるな」とばかりに周囲も後追いに走り、露出が急増することによって”スターらしきもの”が造り上げられる。

そんなのの筆頭が、立命館大学教授、高橋と言えるかと。


魂を売るということ


この高橋、災害・防災関係の報道において、以前から何かとメディアにコメントを求められる存在ではありました。その頃からウソばかり言って、批判の声は常にあったのです。同様の存在として、島村、長尾というのもいます。

この辺りの方々は、科学的には当たり前のことを針小棒大に言って災害の恐怖をアオる、くらいのうちはまだかわいいものでしたが、最近は平気で大ウソをつきます。全く科学的根拠の無いことをいかにも科学の常識のような、ましてや自分の研究成果のような物言いもします。

特に、全くサプライズだった白根山噴火の後がヒドい。例えば高橋は、東日本大震災後に加速した太平洋プレート(これは事実)の摩擦によって地下のマグマが増え、それが白根山噴火に繋がった、というような物言いです。

しかも、年間数cmという太平洋プレートの動きが震災後は30〜40cmになっているという、地球物理学も現実の観測結果もどうでもいい、完全にエセ科学というかほとんどオカルトみたいなことも言う。現役の大学教授がですよ。それが事実ならガチで日本沈没するわw

そもそも、プレートが地下深くに潜ってマグマになるという話自体がデタラメもいいところなのですが、そんなことをしたり顔で断言したりもしています。自分のエセ理論を補強、粉飾するためのネタとして。

要は、インパクトと大衆向けの単純化を求めるメディアの要求に乗っかり、事実も科学も吹っ飛ばして言いたい放題なのです。科学者としての魂を売り飛ばした哀れな『スター』が、また誕生したようです。どうせ使い捨てなんですけどね。

もちろん、管理人みたいな素人だけじゃなく、まともな科学者からは非難轟々ではありますが、『スター』の勢いと露出の前には、正論はなかなか広まらない。


拡大再生産に走れ!


そうなると、メディアはさらに大きな『数字』を生むスターに育てあげようと、大ヨイショ大会が始まる。

なんでも、高橋センセイはここ1〜2年に噴火する可能性のある火山を10も”予言”していて、そのひとつに白根山が入っていたと大騒ぎ。

でもその10火山、元来活動が活発な山と、震災後に火山性微動の増加などが観測された山ばかり。そんなもん管理人でも挙げられるわw 誰も予測していなかった御嶽山の噴火など、もう遠い過去なのです。

でも教授という肩書きと、サプライズ噴火で高まった不安の相乗効果で、『数字』になってしまう。そしてメディアは『数字』の拡大を図るため、セオリー通りにあの『キラーコンテンツ』に走っているわけですよ。

次は富士山か?と。

なんともアホくさい話です。もっとも、当ブログをご愛読いただいている皆様は、こんなアオりネタには振り回されないとは存じますが。

で、白根山噴火後に高橋がスター化の流れに乗ったおかげもあり、島村や長尾といった”メディア芸者”的学者の露出も増えているという流れ。

こうなると、いいかげん甘い汁を吸った本人たちに自重を求めても、どうなるものでもないでしょう。というか、素人としては、大学や他の科学者が、SNSで批判するくらいで放置していることが悲しすぎる。

そんな、メディア芸者の暴走を止めるのは大学や科学者の仕事ではないでしょうが、そろそろなんとかしてくれませんか。


やることやったところもある


皆様は覚えていらっしゃるでしょうか。東日本大震災後しばらく、『巨大地震前には電磁波の放射によって電離層が変化してFM電波の伝播状態が変わる』という理論で、さらなる巨大地震が近いと主張し、盛んにメディアが持ち上げた北海道大学教授がいたこことを。

あの方は、メディア芸者というよりは自分の理論に自信がおありだったようですが、北海道大学側は根拠なしとして公式HPの閉鎖などの措置を取り、その後教授も辞められたようで。

そして現実はやっぱり何も起きなかったわけで、氏の理論は誤りだったことが証明されたわけです。もしかしたら100%誤りではない、そういうことが起きることもあるという可能性は排除できませんが、少なくとも地震予知ができるレベル、こういうことが起きたから近々でかいのが起きる、という話ではなかったわけです。

もう今は、誰も話題にもしない。こうやって、使い捨てられた対象の代わりに、世の中というかメディアは常に新たなスターを渇望しているのです。

でもほんと、なんとかしてくださいよ良識の府の心ある皆様。


長くなりましたので、”落ち目芸人の再生”についてはまた次回に。


■当記事は、カテゴリ【エセ科学・オカルト排除】です。

2018年1月 9日 (火)

新年のごあいさつ(#1347)

今更ながらではございますが、皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

かなり長いこと更新できずにおりましたが、決して自然消滅させたりはいたしません。もし終了する時は、その旨をきちんとお知らせいたします。

これからも、かなりスローペースになりそうではありますが、ぼちぼちと更新して行きたいと考えております。

当ブログは、2012年1月12日に第1号記事をアップして以来、まもなく7周年を迎えます。

正直なところ、これだけ長くやると、ひと通りの内容を書き切ってしまったという感が、無きにしもあらずではあります。

それでも、世に防災の間違い、ウソ、インチキのネタは尽きませんし、状況もいろいろ変化していますので、またボチボチとやって行こうと考えております。

改めまして、本年もよろしくお願いいたします。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2017年10月30日 (月)

【ミサイル攻撃の基礎知識12】できることはごく僅か(#1346)

前回は、核爆発の際に起きることをざっくりとまとめました。今回からは、小説の登場人物の行動を例に、核爆発への対処方法を考えます。


大前提として


これは言わずもがななのですが、実際に核攻撃を受けた場合、爆心から比較的近い距離で被爆したら、何をやってもほとんど無駄、というのが現実ではあります。

爆心付近では、深さ数十メートル以上で、NBC(核、生物、化学兵器)防護性能のある専用シェルター内にでもいない限り、生き残ることはほとんど不可能でしょう。

市販の家庭用シェルターなどではひとたまりもありませんし、仮に最初の爆発を生き残っても、その後の大火災や濃密な残留放射線から生き残ることは困難です。

これから述べる対策は、あくまで爆心からある程度の距離があった場合に効果を発揮”するかもしれない”というものです。

その『ある程度の距離』とは、核爆発の規模や周囲の地形、地物などの状況に左右されるもので、何km離れたら助かる、という話ではありません。

現代の核爆弾は、15〜20キロトン(TNT火薬1万5千〜2万トンと同等の爆発エネルギー量)と言われる広島型原爆の何十倍、何百倍ものエネルギーを放出します。

それはもちろん、爆風の威力だけでなく、熱線や放射線の威力もはるかに大きい、ということでもあります。

マニアックなことに触れれば、最先端の核爆弾は、放射線、熱線、爆風の威力が用途によってある程度コントロールされているものもあります。

しかし、少なくとも現在の我が国に飛んでくるかもしれない核爆弾は、そういうタイプでは無いことは確かです。


ある程度の距離が前提


前記事で述べた通り、核爆発において最初に放出されるのが放射線です。それとほぼ同時に火球が発生し、超高温の熱線が放射されます。そして、音速を超える爆風(衝撃波)と、吹き飛ばされたものが襲ってきます。

広島や長崎で、原爆が『ピカドン』と言われた所以です。火球が放つ閃光がピカっと光った直後に、爆風がドンと襲って来たわけです。

まず、この段階をいかに生き残るか。繰り返しますが、これから述べる方法は、”たまたま”あなたの居場所が爆心からかなりの距離があり、放射線も熱線も爆風も、ある程度減衰した状態で効果を発揮するものです。


ある事実から学ぶ


以下は、広島で起きたひとつの事実です。

爆心から何kmも離れたある学校では、始業前に(広島原爆の起爆は午前8時15分)、教員が職員室に全員集まっていました。

その時、広島市の中心部の方角で、強烈な閃光が発せられました。『ピカドン』のピカです。すると、ひとりを除いた全員が、「何事だ?」とばかりに席を立って窓を見ました。

その数秒後、爆風が襲いました。コンクリート造りの校舎自体は爆風に耐えたものの、窓などの開口部から突入した超音速の爆風が室内を吹き抜けて立ち上がった全員を吹き飛ばし、全滅しました。

その中でひとりだけ生き残った教員は、閃光を見た瞬間、反射的に窓の下に身を伏せたのです。

その教員は、中国戦線での従軍経験があったので、攻撃(らしきもの)を受けたと判断した瞬間、まず遮蔽物の陰に身を伏せるという行動が身についていたために、爆風に吹き飛ばされず、ガラスなどの破片も浴びなかったのです。

加えて、当時は全く意識されていなかったことですが、コンクリート壁の陰に伏せたことで、起爆後1分ほどの間に照射される、強い放射線もかなり遮蔽されていたはずです。

この人の行動が、不時の核攻撃における唯一絶対の対処方法と言っても過言ではありませんが、これも、熱線が致命的ではなくなり、爆風がある程度減衰する距離と、それに耐えた校舎という遮蔽物があってこそだったわけです。

次回は、この事実を前提として、小説の中での防護方法を解説します。


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2017年10月16日 (月)

【ミサイル攻撃の基礎知識11】核爆発で何が起きるか(#1345)

ここまで、弾道ミサイル攻撃下における3つのシチュエーションを小説形式で書いてきましたが、小説はここまでにします。

バッドエンドはいくらでも想像できますが、それを描くことにあまり意味は無いし、胸くそ悪くなるだけです。かと言って、下手なハッピーエンドはもっと意味がありませんし。

というわけで、ここからは小説で描いたシチュエーションの解説編とします。

なお、管理人は子供の頃から広島・長崎への原爆攻撃に関する興味を持っており、手前味噌ながら、蓄積した知識は、かつて広島の平和記念資料館を訪れた際、案内の語り部と同等以上の解説ができると感じたくらいではあります。


核爆発の効果


原爆や水爆など、核爆発が起きた場合の被害は、主に下記の6つの要素によります。
■放射線
■熱線
■爆風(衝撃波)
■電磁波 (EMP)
■放射性降下物(フォールアウト)
■残留放射線

それぞれについて、ざっくりと解説します。


放射線


起爆の直後、百万分の1秒から約1分の間に、強力な中性子線やガンマ線が照射されます。

中性子線やガンマ線は生物の細胞を破壊して、死亡または重篤な障害を発生させるため、爆心地付近で強力な放射線の直射を受けた生物は、瞬時に死滅します。

広島型原爆の場合は、爆心から1km程度で直射またはそれに近い状態だった人は、致死量をはるかに超える放射線を瞬時に浴びました。

中性子線やガンマ線を効果的に防ぐ物質は、身の回りのものでは水だけと言っても良いでしょう。厚いコンクリート壁は、中性子線やガンマ線をある程度減衰させる効果があります。


熱線


起爆直後には、いわゆる『火球』が発生します。

広島型原爆の場合、火球は起爆1秒後に直径約280mに拡大し、その中心温度は約100万℃、表面は太陽の表面とほぼ同じ6000℃で、猛烈な輻射熱により、爆心付近の地表温度は3000~4000℃に達しました。

広島では、原爆は『原爆ドーム』のほぼ直上577mで起爆しましたが、火球は最終的に地表にまで達して、猛烈な圧力と高温で、爆心付近のすべての可燃物を瞬時に焼き尽くしました。人間は、文字通り“蒸発”したような例もあったのです。

火球からの輻射熱により、爆心から1.2km程度以下で直射を受けた人間は瞬間的に内臓にまで達する重度の火傷を負い、その多くが死亡しました。

3~4km離れていても、木材が瞬時に黒こげになるレベルで、ほとんどの可燃物が発火、人間の素肌は重い火傷を負いました。


爆風


次に起きるのが、爆風(衝撃波)です。

その速度は音速を超えて秒速440m程度に達し、頑丈な鉄筋コンクリート造りなどの建物以外は、ほとんどのものを吹き飛ばします。破壊され、吹き飛ばされたものは超音速で他のものに衝突し、連鎖的に破壊を拡大します。

頑丈な建物でも、窓などの開口部などから爆風が突入し、内部を破壊します。

広島の『原爆ドーム』は、ほぼ直上のごく近くから爆風を受けたため、屋根と床のほとんどが吹き抜けてしまったものの、垂直の壁だけが辛うじて持ちこたえた状態です。

なお爆心付近は、衝撃波の拡散によって気圧が極端に低くなるため、次の瞬間には爆心に向かって吹き戻す、逆向きの爆風も発生します。 爆心に立ち上るキノコ雲は、この吹き戻しの爆風が爆心で衝突して起きる、強い上昇気流によるものです。

爆風の威力は、爆発の規模によって大きく異なります。現代の核爆弾は、広島型の数倍から数十倍以上の威力を持っていると考えられます。


電磁波


核爆発に伴って、強力な電磁波が発生します。

これはEMP(Erectric Magnetic Pulse)と呼ばれ、これを受けた電子部品は不可逆的に損傷します。すなわち、現代ではあらゆるものに搭載されてる集積回路が一瞬で全滅してしまい、交換する以外に対処方法は無いのです。

広島・長崎の時代には集積回路が存在しなかったので大きな問題となりませんでしたが、あらゆる機器やインフラに集積回路が使われている現代社会では、EMPこそが恐ろしい問題です。

地表近くでの核爆発では、EMPが影響する範囲はある程度局限されますが、上空数万mで核爆発を起こした場合、地上への被害は事実上無いものの、強力なEMPの影響が地表付近の起爆よりもはるかに広い範囲、爆発の規模によっては国家レベルの範囲に影響し、電磁波防護されていないあらゆる電子機器を破壊します。

コンピューター制御によるほとんどの機器やインフラが停止し、迅速な復旧もできなくなった時に何が起きるかは、想像を絶します。


放射性降下物


地表付近で核爆発が起きると、放射能汚染された物質が上空に大量に吹き上げられ、後にそれが広い範囲に降り注ぎます。これを放射性降下物(フォールアウト)と呼びます。

典型的なものが、広島に降った『黒い雨』です。これは核爆発と大火災で発生した強い上昇気流が積乱雲を発生させ、局地的な豪雨となったものです。 その際、上空に吹き上げられた、放射能汚染された塵埃が雨に混ざって降り、黒い雨となりました。この雨により、直接の被害が無かった地域にまで、放射能汚染が広がったのです。

福島第一原発事故の後、上空に吹き上げられた放射性物質が自然の雨に混ざって降ったのも、フォールアウトの一種と言えます。

雨が降らなくても、上空の気流に乗って拡散した放射性物質が広い範囲に降下します。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では、気流に乗った放射性物質がヨーロッパの広い範囲に拡散・降下して汚染が広がりました。


残留放射線


地表付近での核爆発後は、一帯の地物が強い放射能を帯びますので、その地域に留まったり、外から入って来た人に対しての放射線障害が拡大します。

このため、十分な防護装備が無い場合は外部から救援に向かうことも難しくなり、被害を拡大することになります。

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