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2012年1月23日 (月)

地震雲ってなに?【7】

このブログを読んでいただいてる方は、おそらく「地震雲」と言われる雲の画像をたくさん見て来られた方が多いと思いますが、あまりご覧になられた事が無い方は、ぜひいちど画像検索してみてください。とにかく膨大な量の画像がみつかります。

さて、「垂直に出る竜巻状の雲」の話ですが、私も沢山の画像を見て来ました。その上で、共通する特徴を挙げて見ます。

■観測者から上下約30~60度、左右約30~40度くらいの角度で見上げたもの、つまり空を見上げた視界の中心付近に見えるものが多い。
■雲の「上下」が切れて見えるものが多く、特に地平線まで到達して見えるものはほとんど無い。
■竜巻状に渦を巻いていたり、「下」の方がすぼまって見える。
■夕暮れ時の写真が比較的多い。
どうでしょうか。改めて上記の特徴を「地震雲」の画像に当てはめてみてください。

ここで、もう一度羽田空港の写真を見てください。
Photo_4
この写真は、上記の4条件をすべて満たしているのですが、先にも述べた通り、これは地面と平行に発生した飛行機雲なのは間違いありません。

でも垂直に立った様に見えるのは、これもあくまで「見かけ上」の問題。写真の左に見える、崩れかけた長い飛行機雲や、右に見える小さな飛行機雲の断片は、垂直に立ったように見えませんね。これは視界の中心を外れるほど、見かけ上の角度が「寝て」行くからです。

下(に見える)の方がすぼまって竜巻状に見えるのは、まず距離の問題。観測者から遠くだから細く見えるということと、観測者から離れる方向に飛んでいく飛行機が発生させる飛行機雲の場合、下(に見える=遠い)部分の方が発生してからの経過時間が短いので、上(に見える=手前)側より拡散の度合いが小さいからです。

渦を巻いたように見えることがあるのは、飛行機雲が実際に渦を巻いているからです。飛行機はその後ろに「航跡乱気流(ウェイクタービュランス)」という気流の乱れを発生させていますが、その気流が渦を巻いているので、飛行機雲も渦巻状の構造になることが多く、それが時間の経過と共に風に流されたり、広く拡散した場合に、より渦巻き状の構造が目立って来るわけです。

夕暮れ時の画像が多いのは、そんな時間帯には、見かけの距離感が狂いやすいからです。飛行機雲の下(に見える=遠い)側、つまり沈みかけた太陽からの光線をより多く受ける部分が明るくなります。明るい部分の距離は近く錯覚しやすいので、遠くの部分がより近く見え、垂直に立っているような感覚を増幅します。これは『夜の火事は近く見える』というのと一緒。

さらに雲の「上下」が切れていると、垂直に見える錯覚をさらに増幅するようですね。当然ながら、飛行機雲は飛行機が雲が発生しやすい条件(一般に、気温が低くて湿度が高い)の中を飛んだ時にできるもので、大気重力波によって波打った大気の中を飛行する場合は、異なる温度や湿度の大気層を突き抜けて飛ぶことになり、断片的な飛行機雲が発生することもよくあります。ネット上にも、そのような断片的な飛行機雲が「地震雲」とされている画像はたくさんあります。

以上の事を踏まえた上で、阪神・淡路大震災の前日に撮られた写真を、もう一度見てください。
Kobe_tatumaki_3
この写真も、前述の4条件を満たしているのがわかりますが、まだ「明石海峡大橋の上」に「垂直に立った」雲だと思いますか?そう見えるのは確かです。しかしそう見えるということが、見える通りのものが存在する証明にはなり得ないのです。

次回は、「垂直に立った竜巻状の雲」が実在するかどうかについて、結論を出します。


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【つづく】

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