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2012年1月17日 (火)

地震雲ってなに?【2】

いわゆる地震雲だとされる雲にはいくつかの種類がありますが、その多くに共通する特徴とされるものに、「長時間その場を動かない」というものがあります。まず、そこから考えてみます。

雲がその場を動かない理由はふたつ。「風が無い」か、「その場所で雲が発生している」のどちらかです。これ以外の理由はありません。風が無ければ、雲は流されずにその場にとどまります。実際には上空が全く無風状態という事はほとんど無いのですが、ごく弱い風の場合は、見かけ上は動かない雲に見えることもあります。でもこれは特に説明の必要はありませんね。では「その場所で発生している」とは。

これには非常にわかりやすい事例があります。下の画像は、富士山にでる「つるし雲」です。
Photo
この雲は、富士山に北寄りの風が吹きつけたときに、山の風下側に出ることがあります。強い北風の中でも、この雲は動きません。

この雲の発生メカニズムは、「大気重力波」と呼ばれる現象によります。山に当たって強制的に上空へ押し上げられた密度の高い空気は、周囲の気圧の低い空気より重いため、重力によって下降します。そして今度は重力加速度によって密度の高い低層にまで下降すると、周囲の空気より軽いために上昇します。この動きが波となって大気中を伝わって行くのが「大気重力波」です。

「大気重力波」のうち、強い風が吹きつけた山の風下側で起きるものを、特に「山岳波」と言います。山に当たった気流は一気に上空に押し上げられ、山を通り過ぎると巨大な波となって、しばらく大きく上下動しながら流れて行くわけです。

一般に、高度が100m上がると気温は0.6℃下がり、上昇した空気は冷やされます。さらに周囲の気圧が下がるので体積が大きくなり(断熱膨張)、露点が下がって含まれる水蒸気が凝結しやすくなります。これらの効果によって、雲が発生するわけです。

つるし雲の形を見ると、山を越えた気流が一旦山肌を駆け下り、再び上昇、そして下降する巨大な空気の波が見えて来ませんか。富士山は特に周りに山が無い孤峰なので、このような独特の形の雲ができるわけです。 下図が、その模式図です。
Jpg
山脈を超えて上下動を繰り返す気流と、その波の中で回転する気流(ローター)によって巨大な縞状の雲ができることがあり、これを「ローター雲」と言いますが、つるし雲も、発生メカニズムはローター雲と基本的には同じです。

このように、その場で雲が発生する条件が整っている場合は、雲はその場で発生し続けますので、見かけ上は動かない雲に見えるというわけです。ですから、雲が動かないからと言って、全く異常な現象ではありません。

ここまでの内容は「地震雲」と全然関係無いじゃないかと言われそうですが、実はこの雲ができるメカニズムがとても重要なのです。雲とは、空気中に含まれる目に見えない水蒸気が凝結して水滴となり、目に見える状態になったものであり、例外はありません。それを覚えておいてください。

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