地震雲ってなに?【3】
その場を動かない富士山の「つるし雲」は、「大気重力波」の一種である「山岳波」によるものでした。このように、何らかの理由で気流が波打つと、前の記事の模式図のように、上層には「レンズ雲」、中、下層には縞状の雲ができます。
そのような場合、気流の波ができる原因が存在する間はその場で同じ形の雲が発生し続けますので、見かけ上は長時間動かない雲となるわけです。そういえば、縞状の雲も「地震雲」だと言われていますね。
では、まず縞状の「地震雲」の正体を明らかにしましょう。次の二つの画像は、地震雲だと言われたものです。
近くに山も無いのに、見事に縞模様の雲が出ています。これは一体何故なのでしょうか。
実はこれもごく普通の気象現象のひとつで、「大気重力波」による雲の一種です。要は、大気が何らかの理由で押し上げられると、上下に波打つ波動を発生させるということです。ここで採り上げた画像の様な雲は、冷たい空気の上に暖かい空気が押し上げられた時に発生する大気の波動によるもので、温暖前線が接近して来るときに出来やすいものです。
なお、前の記事の模式図にもある「レンズ雲」は、温暖前線が接近して来た時に発生する「大気重力波」でもできることがあります。『レンズ雲が出ると天気が悪くなる』と言われるのはこのためです。ちなみに、「レンズ雲」も地震の前兆だと言う話も聞きますが、これは見かけが一見不思議な形であることと、低層の雲が動いていても、高層で長時間動かないでいるという不思議なイメージから、いつの間にか「地震雲」の仲間に入れられてしまったようですね。
雲や気象についてある程度の知識を持ち、毎日空を意識して見ていれば、こんな雲はいつでも普通に出ているのですが。たまに不思議な雲を見かけると、とりあえず地震と結びつけてネット上にアップする人が絶えませんので、いつまで経ってもそんな根拠の無い誤解が続いています。中にはそれを商売にしている人もいるくらいですから、呆れたものです。
とりあえずここまでで、縞状の雲と長時間その場を動かない雲は、ごく普通の気象現象であるという事がおわかりいただけたと思います。次回からは、「地震雲」だと言われるいろいろな形状の雲について、個別に検証して行きます。
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【つづく】
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