地震関連情報1/25
■1月25日(水)
一昨日、1月23日(月)、午後8時45分頃、福島県沖を震源とするマグニチュード5.1の地震が発生し、最大震度5弱を記録しました。震源の深さは50kmです。
この地震は、今までとは少し違ったタイプです。震災以降、福島県浜通り南部を震源域とする群発地震が続き、震度5強、5弱クラスもかなり発生しました。その震源深さは10km以下の、いわゆる正断層型の直下型地震でした。しかし23日の地震は震源深さ50kmであり、太平洋プレートが西向きに押す力による、逆断層型のスラブ内地震です。このタイプで震度5弱が発生したのは、震災後初めてではないでしょうか。
福島県浜通りとその沖合いでは、現在三種類の地震が起きてます。まずは震災直後から非常に多発した、浜通り南部から茨城県北部へ続く震源域で発生している、震源深さ10km程度の正断層型地震です。この地震は、昨年11月頃から目だってその発生回数が減り始めています。なお、この地震の発生メカニズムは、膨大な発生回数にも関わらず、まったくわかっていません。
それに代わって、同じ頃からおき始めたのが、浜通りの少し北部からその沖合いで発生する、深さ20km程度の地震です。深さとしては震災本震の震源深さに近いのですが、震源域が本震震源域よりかなり陸地寄りもしくは内陸部で、本震と同様な「プレート境界型地震」とは異なります。今のところ、明確は発生メカニズムは不明です。
さらに12月頃から目立ち始めたのが、上記の地震とほぼ同じ震源域で発生している、深さ40~60kmの地震です。これは震災後の地殻変動によって大きく太平洋側(東側)に移動した北米プレートが、再び太平洋プレートの西向きの動きに押し戻され、圧縮される過程で発生することが予想されていた、逆断層型のスラブ内地震です。
危険度で言えば、このスラブ内地震が最も大きいと思われますが、今まで最大でも震度3クラスまでしか発生していませんでした。しかし震度5弱クラスが発生したことで、改めて危険度が浮き彫りになりました。
スラブ内地震の特徴は、震源が比較的深いので、海底で発生した場合でも海底面の変形を伴うことが少ないので、直下型やプレート境界型に比べて津波が発生する可能性は小さくなります。しかし陸地直下もしくは沿岸に近い海底で発生するために、陸上での揺れが大きくなる傾向があります。
23日の地震もこのタイプだったため、マグニチュード5.1と極端に大きく無い規模だったにも関わらず、震央直近では震度5弱と、他のタイプより大きめの震度を記録しました。
震災本震の余震発生回数はかなり減少して来ていますが、今後福島県浜通り付近では、このような状態がしばらく続くと予想されますので、引き続き警戒を続ける必要があります。
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