地震雲ってなに?【最終回】
今回で【地震雲ってなに?】シリーズはおしまいです。ところで、お気づきになられたかどうか、私はここまで『地震雲なんてものは無い』とは、ひとことも言っていません。何故なら、「地震雲」というものが本格的な科学的研究の対象にされたことは無く、よって『地震と雲の発生は完全に無関係である』という科学的結論もないからです。いくら信じられない事だと言っても、合理的に完全否定されていないものを、存在しないとは断言できません。それが科学的態度というものです。
正直言いますと、防災屋である私のスタンスにおいては、「地震雲」など存在しようとしまいと、どうでも良いのです。仮に地震と雲が何らかの相関を持つとしても、それが防災に活かせる精度の情報をもたらさない限り、全く取るに足らないものです。
あくまでこのブログでは、良く「地震雲」だと言われる「動かない雲」や「縞状の雲」は、ごく普通の気象現象によるものであること、「放射状の雲」や「竜巻状に直立した雲」は、見かけ上や錯覚によるものであることを解説してきました。つまり「地震雲」だとされる対象そのものが、最初から存在しないということを明らかにしたまでです。
この結論については、個人の見解を差し挟む余地のない、厳然たる事実です。この事実を踏まえた上で、皆さんご自身で、「地震雲」というものがあるのか無いのかを、ご判断いただきたいと思います。なお、こんな事をやろうと思ったのも、防災の現場、特に若い人の間にこの手の不良情報があまりに多くはびこっていて、本当に大切なことがおろそかにされているという危機感を強く持っているからなのです。
なお、本文は本館のmixiコミュに掲載したものを加筆訂正したものですが、本館では「地震雲」のほかに「ケムトレイル」、「HAARP」、「終末論」についても、巷で言われる事は本当なのかを、あくまで現実的、科学的に検証しています。結論だけ言っておけば、『何も心配いりません』ということです。
長くなりますが、最後にちょっとまとめを。
ネット上では、下記の視点で雲の画像を見てください。もちろん、あなた自身が空を見上げる時にもぜひ。
■観測者から遠ざかるにつれて、放射状に拡がる雲の画像はあるか。
■垂直に立った雲を、真下付近から見上げたような画像はあるか。
■平地以外から垂直に立った雲を撮影した画像、例えば山の上や、飛行機の中から撮影された画像はあるか。
何も見つからないので、すぐつまらなくなってくると思いますが(笑)、その結果が、答えです。
次回からは、管理人てばがお勧めする、「ありきたりでは無い防災グッズ」を、シリーズで紹介して行きます。
【おわり】
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