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2012年2月

2012年2月29日 (水)

家に備える防災グッズ【11】

前回記事の最後で、今回は「衛生」編と予告したのですが、もう一回「安全」編を続けます。申し訳ありません。

前回、靴の話題の中で、管理人は避難時の靴として、踏み抜き防止インソール入りのゴム長靴もお勧めしています。ところが、一部の「防災マニュアル」には、避難時に長靴は避ける、中には「厳禁」とまで言っているものもありますので、その点について。
Annex_045
画像は管理人のゴム長靴です。ボランティア活動などで使い込んでいます。ちなみに爪先に鉄板が入った、安全長靴です。

アンチ長靴派(笑)の禁止理由としては、中に水が入ると重くなって脱げ易い、泥にはまると脱げ易い、流れる水の中では抵抗が大きく、流され易いなどが挙げられています。中には胸まで一体の長靴(川釣りなどで使う“ウェルダー”)は、水中で転倒すると足が浮いて溺れやすいから、なんて解説もありました。災害避難時にウェルダーを着る人がいればですけどね(笑)

管理人の意見としては、全部まとめて「だからどうした?」ということです。

まず、過去の災害時、豪雨や洪水の避難時も含めて、長靴が原因の事故が1件でもあったのでしょうか?災害時でなくても、水辺の仕事やレジャーで、長靴が原因の事故がどれだけあったのでしょうか?漁師さんや川釣りをする人は、そんなに危険な「ウェルダー」を使っているというのですかね?それに、長靴のせいで流されるような危険な状況では、どだい徒歩避難などできません。

そのような特性があるのなら、それに見合った使い方をすれば良いだけのこと。こんな理屈を並べる「指導者」は、少なくとも自分で使った経験など無いのでしょうね。こういうのを何と言うかというと、もうお判りですよね。「机上の空論」です。

管理人が長靴をお勧めするのは、避難生活における防水、防寒、防汚、安全に絶大な効果があるからです。津波、洪水、液状化などの被災地を一度でも見たことがあるなら、長靴禁止などとは決して言えないはずです。後から持ち出せばいいとか言われそうですが、それができなくなるかもしれないのが、災害ではないですか。

それに長靴がダメなら、ほとんどの人は普段履きのスニーカーや、場合によってはサンダルや革靴などで避難することになるでしょう。緊急時に、前回記事のキャラバンシューズのような、理想的な靴を履けるひとがどれだけいると言うのでしょうか。むしろ長靴が履ければ御の字というくらいなものです。

文句ばかりではいけませんので、長靴の特性に見合った対策を。一番簡単なのがこんな感じです。
Annex_046
長靴の上部とズボンをガムテープでぐるぐる巻きにして繋いでしまいます。画像では軽く巻いていますが、実際にはもっとぐるぐる巻いた方が良いでしょう。これで水が大量に流れ込むのを防げますし、泥地でもかなり脱げずらくなります。

さらに確実な方法は、スカートの女性やお子さんにも適しています。
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カッパのズボンの裾を長靴の上に出して、裾と長靴をガムテープでぐるぐる巻きにすれば、水や泥の浸入をほぼ完全に防ぐことができますし、泥地ではさらに脱げずらくなります。

どちらの場合も、膝を深く曲げた状態でガムテープを巻くのがポイントです。膝を伸ばしたまま巻くと、ズボンやカッパが突っ張ってしゃがめなくなりますよ(笑)これは、オフロードライダーが泥地を走る時に使う方法でもあります。

最後に、長靴をお勧めしないケースについて。長靴の最大の欠点はフィット感に乏しい、つまりゆるいということです。ですから長時間歩くと中で足が動き、マメができやすいのです。ですから、長距離徒歩移動のための装備としては、これははっきりとお勧めしません。もし長靴で何キロも歩かなければならない場合は、足の裏、小指などマメができやすい場所に、事前に絆創膏を貼って予防すると良いでしょう。

次回は、本当に「衛生」編です。

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家の中の地震対策【11】

今回は、火災対策の続きです。

阪神・淡路大震災では、午前5時46分という早朝の発災だったにも関わらず、発災から15分以内、事実上は地震の発生とほぼ同時に、46件の火災が発生しました。そして、その大半は倒壊した家屋からでした。その時、何が起きたのでしょうか。

冬の朝6時前で、まだ真っ暗です。でも既に動き始めている人も大勢いました。ストーブなどがつけられ、朝食の準備で火も使われていたでしょう。そんな状態で家が倒壊し、火災になったケースが一番多いと思われます。倒壊にまで至らなくても、石油ストーブの上にタンスが倒れ掛かったりすることで、火災に発展したケースも考えられます。でも、それだけではありませんでした。火災発生原因のかなり多くの割合が、「電気火災」で占められていることがわかっているのです。

これは家の倒壊によって、電気の引込み線が引きちぎられ、分電盤が破壊され、電気器具が押しつぶされたりすることで発生した電気火花が、倒壊した家に火を放ったケースです。このような火災は、一旦家が倒壊してしまうと、どんな対策をしていても完全に防ぐことは困難です。

つまり火を使っている時の地震や、地震による電気設備の損傷を原因とする火災を防ぐ最良の方法は、圧死や窒息死による犠牲者を減らす最良の方法と同じく、「建物の耐震強度アップ」だということなのです。当ブログとしても、「建物の耐震強度アップ」、つまり家を潰さない、そして家具類を倒さないことが、家の中で最も優先されるべき地震火災対策であることを、強く主張します。


では次に、家が倒壊しないで済んだ場合の火災原因について考えます。その場合はやはり、台所や石油ストーブからの出火が多くを占めることになります。前回記事で述べたとおり、現在は火を使っている最中に強い地震を感じた場合は、なにがなんでも火を消すことより、まず自身の安全を優先するということが常識になっています。これは器具の安全性がかなり向上していることによるものですが、それでも、例えば天ぷら調理中ならば油に火が入ったり、転倒したストーブが自動消火しても、余熱で周囲の可燃物に着火したりすることも考えられます。それに強い地震では、撒き散らされた油に火がつく可能性も非常に高いのは言うまでもありません。

そんな場合には、とにかく最短時間で「初期消火」をしなければなりません。しかし多くの場合、水は使えません。断水しているからとかではなく、「水をかけてはいけない」のです。台所の出火原因のトップが、天ぷらやフライ調理中の油火災です。居室内ではファンヒータータイプでは無い、いわゆる「石油ストーブ」の転倒による出火が高い割合を占めます。どちらも、油火災です。

油火災に水をかけると、高温で水が一瞬で沸騰して水蒸気爆発を起こし、火のついた油を爆発的に周囲に撒き散らします。天ぷら油鍋にそれをやると、一瞬で初期消火不能レベルの火災に拡大してしまいます。当然、火のついた高温の油をかぶる危険も非常に大きくなります。

何故か昔から、油に火がついたら青菜を入れる、中性洗剤を入れる、マヨネーズを入れるとか、全く根拠が無いか、多少根拠があっても実際にやるのは全く不可能という「迷信」がはびこっていますが、そんなものは全く意味が無いか、危険極まりない行為に過ぎません。忘れてください。ちなみに、青菜は意味が無いどころか、水分が水蒸気爆発を起こして、水をかけたのと同じようなことになります。

それ以前に、燃え盛る天ぷら油やストーブに、実際に近づいたことのある人はいますか?それだけで危険極まりないというのに、地震直後や、目の前で大きな火が上がっているという、とても動転しているときにそんなことが出来ると考えること自体がナンセンスです。まさに机上の空論です。同様の理由で、燃える鍋などの上からかけて酸素を遮断して消火するという防火クロスも、理論上の効果はともかく、実際に火に近づかなければならないという理由だけで、管理人は全くお勧めしません。あれなど、一度失敗したらやりなおしは効きませんし、鍋を倒して煮えたぎる油をぶちまける可能性もあります。管理人は、実験でやれといわれてもイヤですね。それにもちろん、鍋がひっくり返っていたらお手上げです。

ではどうするか。ところで、火が燃えるということには、三つの要素があります。それは酸素、可燃物、温度です。これらのいずれかを取り除けば、火は消えます。そしてそれを消火者が安全な距離から行えるものは何かというと、消火器しかありません。マンションの廊下には大抵備えられていますし、街角のあちこちに備えている自治体もありますね。でも、それを取りに行く時間は、ほとんど無いのです。

初期消火が可能なレベルは、火が天井に達するまでです。天井板が燃え始めたり、カーテンに着火して天井に火が届くようなレベルになると、大型の消火器でも消火はかなり困難なのです。なんとしてもその前に、火を制圧しなければなりません。家の中に、あの赤い大きな消火器が置いておければ理想的ですが、なかなか現実的ではありませんね。

その場合頼りになる、ほとんど唯一の防災グッズが、これです。
Photo
エアゾール式の消火器です。これは一本で約20秒間ほど消火薬剤を噴射できますが、大型消火器ほどの効果はありませんので、これを「必ず複数」、火を使う場所に置いておくことです。

もし一本で消しきれなかったらそれでお手上げでは困りますから、必ず複数です。これで火を制圧している間に別の人が大型の消火器を取りに行ったり、断水していなければマンションの消火栓からホースを引いたり、119番通報したりすることもできます。一人ではそれもできませんので、しつこいですが、「必ず複数」です。ホームセンターで1本700円程度で販売されていますので、あまり負担にもなりません。

なお、消火器の中には通電中の電気火災に対応していないものもあります。液状の薬剤を噴射するものは、感電の危険があるからです。最近の消火器はほとんど電気火災にも対応しているはずですが、念のため確認してから購入してください。どんな火災に対応するかは、必ず本体に表示してあります。

ちなみに、消火器とは前述の「燃焼の三要素」のうち、可燃物を消火薬剤で覆って酸素を遮断し、同時に冷却して温度を発火点以下に下げるという効果で火を消すものです。そのためには火点に接近して、薬剤を火点に直接かけてやらなければならないのですが、倒壊家屋の場合はそれがほとんど不可能なため、初期消火が困難なわけです。

長くなりましたので、火災編は次回も続きます。なお、管理人は「防火管理者」資格を持っております。


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2012年2月28日 (火)

地震関連情報2/28

本日2月28日、午後2時20分頃、茨城県沖、深さ20kmを震源とするマグニチュード5.1の地震が発生し、水戸市、日立市などで最大震度4を記録しました。

この付近では2月19日に、茨城県北部内陸、深さ10kmを震源とするマグニチュード5.1の地震が発生していますが、今回の震源域とは異なります。

2月19日の地震は、震災直後から深さ10km程度の地震が非常に多く発生している、福島県浜通りの震源域とほぼ一体化した、福島と発生メカニズムも類似していると思われる震源域で発生しています。

しかし本日の地震は、上記震源域より若干海側(茨城北部海岸線付近)から沖に至る場所の、深さ20km程度の震源域で発生しています。震災の震源域よりも若干内陸側になります。この付近での深さ20km程度の地震は、昨年の11月頃から散発的に発生が見られ始めたもので、震災の直接的な余震とは異なるものと考えられます。そして本日の地震は、この震源域が動き始めて以降で最大クラスです。

管理人の個人的な印象としては、震災後の巨大な地殻変動が少し沈静化し(通常、地震後の地殻変動は、半年程度で大きな動きが鎮静化するとされています)、ふたたび震災前のバランスを取り戻す方向への「新しい段階」の動きによって発生し始めたものではないかと考えています。

ただしこの千葉沖、茨城、福島付近の震源域については、従来の学説では説明しきれない現象が数多く起きているのが実態であり、今後どのような動きに繋がるのかは、例によって全く予断を許しません。引き続き、高度の警戒態勢を続ける必要があります。

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2012年2月27日 (月)

【シミュレーション解説編】地震・帰宅困難【2】

【シミュレーション解説編】地震・帰宅困難【1】から続きます。


綾乃が意識を取り戻したとき、川の上流で起きた大火災がさらに広がり、火災旋風が発生します。火災旋風とは、大火災の上昇気流が巻き起こす炎の竜巻で、風に流されて気圧の低い方向へ移動します。

大正12年の関東大震災では、火災旋風が東京、本所区(当時)の広場を襲い、そこに避難していた約4万人が、一瞬で焼死しました。火災旋風はすべての可燃物に火を放ち、酸素を一瞬で燃焼しつくすのです。

昭和20年3月の東京大空襲でも、焼夷弾攻撃による大火災で火災旋風が発生し、それが隅田川を北から南に下りました。隅田川の両岸の火災で逃げ場を失い、橋の上に避難していた人々は、ほとんど逃げることも出来ずに、そのまま焼死しました。隅田川にかかる橋のひとつ、言問橋(ことといばし)上だけでも二千人以上が焼け死んだとされていますが、他の橋でも同じようなことが起きたはずです。

このように、火災旋風は周囲に比べて相対的に気圧が低い、つまり風が吹き込むひらけた場所や、風の通り道になる川沿いに移動するのです。風上で大火災が発生すると、広い河川敷でも絶対安全とは言い切れません。最近は、避難場所を高層建物で囲い、防火壁のような役割を持たせているところもありますが、それはまさに火災旋風対策なのです。

綾乃は、火災旋風というものは知らなかったものの、火の竜巻が迫ってくる危険は理解しました。しかし極度の低体温症のため、すでに手足に力が入らなくなっていました。少しでもカロリーを補給したり、血流を確保する運動をしていたら、逃げられる可能性があったかもしれません。しかし、手遅れでした。


このストーリーでは、火災旋風の危険を題材にしています。しかし実際の危険はこれだけでは無く、大火災でなくても、行く手を火災に遮られる可能性は非常に大きいのです。ラッシュ時のように混雑した道では、戻るに戻れません。後方の群衆は状況がわからず、ひたすら前進してきます。橋が落ちていても、近くに行くまではわかりません。

沿岸部や河口付近では、津波の危険もあります。東日本大震災では、津波は川を最大6kmも遡り、そこで氾濫しました。さらに道路が陥没したり、地盤が液状化したりして通行不能になることもあります。そこへ間断なく余震が襲い、建物の倒壊や落下物によって、さらに人的被害が増えて行きます。そして、逃げ場を失ったり動転した人々がパニックを起こし、状況は連鎖的に悪化して行きます。

という最悪のシミュレーションを、あなたは「大袈裟だ」と笑い飛ばせますか?


このストーリーに込めた最大のメッセージは、大災害直後には、徒歩帰宅を始めるべきでは無い、ということなのです。そのために家族などとはできる限り多くの連絡手段を確保し、普段から行動を打ち合わせておきかなければなりません。そして出先には、理想的には三日間、最低でも一日分の水と食料、歩きやすい靴、防水、防寒装備を用意しておき、状況がある程度落ち着いてから、徒歩移動を始めるべきだということなのです。

家に帰るために命を危険に晒すなど、全くのナンセンスです。もし、3月11日の東京近郊などで、徒歩帰宅できて「なんとかなる」と思っている方がいましたら、大きな間違いです。あの日は大きな地震が起きて交通が止まっただけで、その他の都市機能はほとんど生きていたのです。管理人に言わせれば、あれは「最良の帰宅困難」でした。 逆に、それでもあの混乱だったという意味を考えてください。

繰り返しますが、大地震後の都市、つまり「最悪の帰宅困難」時には、 停電、断水、道路や橋の途絶、大火災、水・食料の入手困難、群衆のパニック、津波、液状化、余震による被害などが襲い掛かってきます。そしてそれに暑さ、寒さ、悪天候が加わったら、あなたは何十キロも歩いて家に帰りつくことができるでしょうか?

大切なことは、大災害時にはすぐに帰宅行動に移らず、周辺や行先の状況を見極めてから移動を開始することであり、そのための装備や備蓄を、普段から整えておかなければならないということなのです。

最後に、この画像をご覧ください。
Photo
これは東京都が作成した、冬の北風が強い午後6時過ぎに、東京直下型地震が発生した場合の火災発生想定図です。赤色が濃いほど、大火災が発生する確率が高い地域です。これを見ればわかるように、都心部からどの方向へ向かっても、大火災が想定される地域を通らなければならないのです。

さらに、東京を震度6強クラスが襲った場合、70ヶ所で橋が落ちると想定されています。そしてこれは東京だけでなく、多くの大都市で、似たような状況が起こるのです。

あなたは、それでもすぐに帰りますか?


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家に備える防災グッズ【10】

今回から「安全・衛生」編です。

家に備える「安全・衛生」グッズの目的は、地震などからの緊急避難時の傷害を防ぎ、その後の不自由な避難生活中にも身体をできるだけ痛めず、衛生状態を維持することで、病気や体調を崩すことを防ぐということです。

まず緊急避難時ですが、安全な場所に到達するまでの間、様々な危険から身体を守らなければなりません。その際に考えられる危険は、倒壊物、瓦礫、ガラス等の接触や、衝突、転倒などによる外傷、火災の熱、煙や化学物質の吸入による障害、放射性物質の付着、吸入などが考えられます。

まず発災直後ですが、阪神・淡路大震災の教訓としても良く知られているのが、「家の中に靴やスリッパを置いておけ」というものです。飛散したガラス、食器などの中を素足で避難したために、足に怪我をしてその後の行動が困難になった人が非常に多かったのです。特に寝室や寝る場所のすぐ近くには、そのまま履いて外に出られる靴か、最低でもスリッパは置いておかなければなりません。

家を出る時は、できるだけ底が厚くて頑丈な、防水性の高い靴を履きます。瓦礫などの中を進む時には、クギなどの踏み抜きや瓦礫などの接触による傷害が考えられ、それは発災直後が一番危険なのです。そして場合によっては暗闇、水の中や、液状化などで足下が見えない、足場の悪い中を移動する中で、できるだけ足を守らなければなりません。ひとつの例として、下画像のようなキャラバンシューズや踏み抜き防止インソールを入れた長靴をお勧めします。
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登山靴やコンバットブーツ(下画像)のようなものがあれば強度は理想的ですが、編み上げのものは脱着に時間がかかるのが難点ですので、ジッパーで脱着できるものが良いでしょう。画像のものは管理人が防災活動やボランティアなどで使用しているジッパーつきコンバットブーツです。性能的にはレスキュー隊や自衛隊が使用しているものに近いもので、靴底もかなり強度があって簡単には貫通しないものの、耐ふみ抜き性能に完全を期すならば、踏み抜き防止インソールの併用をお勧めします。

いずれにしても、くるぶしまで保護できるハイカットの靴の方が、安全性が格段に向上します。このような頑丈で防護性能の高い靴は、特に避難生活初期には非常に重宝します。キャラバンシューズやコンバットブーツは長距離歩行にも使えますので、可能ならば出先に用意しておくのも良いでしょう。

爪先や足の裏に鉄板が入った「安全靴」も良いのですが、重量があることと、どうしても固くて足にフィットしずらいので、特に長距離を歩くための装備としては、あまりお勧めしません。最近はスニーカータイプのような簡易なものもありますが、足場の悪い中の行動を考えると、やはりブロックパターン底の方が適しています。


頭部を保護するために欲しいのが、ヘルメットです。
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避難行動中はもちろん、あとで物資を取りに行ったり、救助活動などのために損傷した建物内に入る時には是非欲しいものです。画像は管理人宅の廊下の状態ですが、どこかにしまい込んでいては、緊急避難時に使えません。非常持ち出しリュックのストラップに軽く結びつけて置いても良いでしょう。

管理人宅のヘルメットは、下画像のようになっています。
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壁にかけたヘルメットの中に、100均ビニールポンチョ、カップ型マスク、タオル、園芸用ゴム手袋をフリーザーバッグに入れてセットしています。こうしておけば、最悪の場合でも危険、悪天候、寒さに対応する最低限の装備が一緒に持ち出せるわけです。

あれこれ頭が働かない緊急時のためには、とにかく最小の手順で最大の効果が発揮できるように、普段から備えておくことです。細かいことですが、ヘルメットには反射テープを貼って、夜間の視認性を上げています。こんな装備が、車の中にあっても良いですね。

防水・防寒編でも触れましたが、家に備えるカッパは、その後の作業や放射性物質防護にも効果的な、上下セパレートタイプも用意しておくと良いでしょう。これも前出ですが、手の保護のためには厚手の作業用ゴム手袋や、瓦礫やたき火も安全に扱える厚手の革手袋も欲しいところです。軍手と併せて用意しておきましょう。
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避難時の服装ですが、防寒を別にすれば、一番気にしたいのは耐熱性です。火災の危険がある時は、化学繊維の服は非常に危険です。一部の「防災マニュアル」には、火に近づく時は、「女性はすぐにストッキングを脱げ」というものもあります。これは確かに間違いではありません。ナイロンなどの化学繊維は簡単に溶けて高温のまま肌に貼り付きますから、特に直接肌に触れているものが最も危険です。

しかしそれ以前に、普通の服は化学繊維が使われているのが当たり前ですから、もし火が迫ったら化学繊維の服はすぐに脱ぐと覚えておきましょう。化学繊維が溶けて肌に貼り付くくらいなら、素肌の方がまだマシと言えるくらいです。そんな場合はビニールカッパや、最近流行りのダウンコートも危険です。

なお、熱に強いのは綿、絹、ウール、革などの天然素材100%のものです。火災の危険が大きい時は、余裕があればできるだけ天然素材の服を身につけるべきです。例えば革のコートとジーンズはかなり耐熱性が高いものです。

火災のすぐ近くを通らなければならないような時は、上記のような対策をしてから、板などでできるだけ輻射熱を避けながら、最短時間で一気に駆け抜けなければなりません。髪の毛も非常に熱に弱いので、長い髪はまとめてヘルメット、ウールのニットキャップ、綿や絹のスカーフで包むようにしましょう。赤ちゃんや幼児は綿のフード付きカバーオールや大きなバスタオルなどで全身をくるむと良いでしょう。防災ずきんがあれば、もちろんとても有効です。

これらの対策で、熱に対する安全が絶対に確保できるというものではありませんが、安全性が高まることは間違いありませんので、是非覚えておいてください。あまり考えたくありませんが、ギリギリの状況になった時に、確実に差が出ます。

次回は、衛生について考えます。

お薦めの折りたたみ式ヘルメットです。

作業用ゴム手袋
作業用革手袋


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【シミュレーション解説編】地震・帰宅困難【1】

長文の本文をお読みいただき、ありがとうございました。

このストーリーを読まれて、大袈裟だと思われた方は多いと思います。 でも、現実に起こりうることなのです。正直言うと、これでも想定を甘くしています。 綾乃が生き残るためにはどうするべきだったのか、ひとつひとつ解説して行きたいと思います。

まず、綾乃は真治に連絡しようとして、固定電話、携帯電話、メールが不通だった段階で、それ以上の手段を考えませんでした。しかし、災害伝言ダイヤル、災害伝言板、各種SNS、ツイッター、スカイプなどの通信手段は、まだ生きているかもしれません。家族や大切な人とは、できるだけ多くの手段で連絡ができるように、普段から打ち合わせておくべきです。もしなんらかの方法で真治の安否がわかれば、そもそも綾乃は急いで帰宅する必要さえ無かったのです。

連絡が完全に途絶しても、大災害時にはお互いにどのような行動をするかを打ち合わせておけば、それだけでも安心感が違います。災害直後の街を移動することは、後で述べるように非常に大きな危険を伴うので、状況が落ち着くまで、もしくは何らかの通信手段が復旧するまで、安全な場所で待機すべきなのです。

流入人口が多い大都市では、主要な道路はラッシュ時の駅のような混雑になります。思うように進むことも、ましてや流れに逆らって戻ることなどさらに困難です。商店の品物はすぐに売り切れ、断水でトイレも使えません。このストーリーの想定は12月の寒い夜ですが、そんな中を、電車通勤に合わせた防寒装備とハイヒールなどで歩き出すことは、あまりにも危険な行動です。何十キロに渡る長距離徒歩帰宅を想定するならば、歩きやすい靴と、特に冬場は予備の防寒装備、必要量に足りる水と食料を用意していないと、安全に歩き通すのは非常に困難です。

このストーリーでは、綾乃は余震による落下物を、間一髪で避けることが出来ました。しかし実際には、余震による落下物や建物の倒壊で、さらに大きな被害が出る可能性があります。そうでなくても、大きな余震が来たら、群衆はパニックを起こし、それだけでも大きな人的被害は免れないでしょう。少しでも怪我をししてしまったら、すぐに治療が受けられる可能性はほとんど無いと考えねばなりません。

発災が冬ならは、屋外ではどんどん体温を奪われます。そして食料も水も無く、カロリーを補給できない状況では、空腹感と疲労感が強くなります。綾乃は、早く帰宅したい一心で、休憩も取らずに何時間も歩き続けてしまいますが、これは疲労を倍加させてしまう行動です。

疲労が少ない歩き方の一例として、55分歩いて5分休み、それを3~4回繰り返した後に、30~40分の休憩を入れるサイクルを繰り返すという方法があります。休憩中には靴を脱ぎ、足の裏を良くマッサージすると、疲労感軽減に効果的です。しかしそれ以前に、パンプスなどでは、足を痛めることは避けられません。綾乃はとりあえず、数キロを歩いて都県境の橋までたどり着けますが、そこまで歩きつかないことも、十分に考えられます。

歩いている最中にも、電話やネット接続がダウンしている中で、トランジスタラジオが無いので道路情報がわかりませんでした。もしなんらかの情報機器があれば、大きな橋の崩落などは、ある程度事前に把握できたでしょう。

身体が冷え切って体温が下がってくると、低体温症の初期症状が現われます。低体温症は、水分やカロリーの補給が無いと、加速度的に悪化します。具体的な症状は、身体の防衛反応によって、脳や身体幹の主要な臓器に血流が集中し、手足など末端への血流が少なくなるのです。そのため運動能力が次第に失われ、手足先を意識的に動かして血流を確保しないと、最後には動けなくなります。

綾乃はなんとか河川敷まで下りることができましたが、安心感から身体の力が抜け、座り込んでしまいます。その際に身体が温かく感じていますが、これは低体温症が危険な状態になっている証拠です。もしあのまま意識を失っていたとしても、凍死する可能性が非常に大きかったでしょう。これは若い人でも十分に起こりうることで、子供や年配者ならなおさらです。

ちなみに、約37℃程度の体温が2℃下がるだけで、低体温症で生命が危険に晒されます。

長くなりましたので、次回に続きます。


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2012年2月26日 (日)

家の中の地震対策【10】

今回は、家の中の火災対策です。

「グラっと来たら、火の始末」という標語を見なくなって久しくなります。これが実は危険な行為だということは、すでにかなり浸透しているのではないでしょうか。最近のガスメーターには、強い地震を感じてガスを止める機能が普及していますし、暖房器具にも自動消火装置が当たり前になり、昔ほど地震の揺れによって火災が発生する危険が、かつてほど大きく無くなって来たからです。

それより、歩くのも困難な強い揺れの中で無理に火を消そうとして、煮えたぎったお湯や油をかぶってしまう危険の方がはるかに大きいのはもとより、実際には激しい揺れの中で火を消す行為自体が、かなり困難なのです。これは起震車でも体験できますので、機会があったら是非やってみてください。震度6クラス以上では、ほんと無理です。

管理人が指導するときは、「コンロなどのすぐ脇にいて、地震の最初の揺れを感じてから2秒以内に消火できるならばすぐに消火。さもなくばまず、お湯や油が飛散しないだけの距離まで離れよ」と言います。感覚的には、グラっと感じた瞬間、あ、火消せないと感じたら、まず逃げちゃいましょう。その場合どこへ逃げるかということも、普段から考えて、実際に何度も動いておきましょう。日ごろから意識と訓練をしていないと、反射的に身体が動かないものです。

17年前に発生した阪神・淡路大震災では、同時多発的に火災が発生し、広い範囲を焼き尽くしました。午前5時46分の発災から15分の間に発生した火災は、46件と言われています。
Photo
この写真からも、火災が同時多発的であったことがわかります。


当時の神戸市消防本部の同時火災対応能力は10件とされていましたから、その時点ですでに能力の約5倍で、火災はさらに増加して行きました。しかも激しい渋滞によって消防車が現着できず、断水によって消火栓もほとんど使えず、現着しても遠くの水利からホースを引かなければなりませんでした。伸ばしたホースが道路を渡る部分では、車に踏みつけられて水が止まったりホースが破れたりするトラブルも多発し、さらに消火活動を困難にしました。(現在は、車がホースを乗り越すためのスロープが装備されています)

そしてほとんどの消防隊は、現場急行の途上で周辺住民から人命救助の要請を多く受けたため、神戸市消防本部は活動方針を変更、人命救助優先の体制を取ったのです。このため多くの火災は、下画像のように燃えるに任せられる結果となりました。もっとも、そうでなくても全く対応できない火災の方がはるかに多かったのです。
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このような状況は、大都市圏で巨大地震が発生した場合、確実に繰り返されることになるでしょう。根本的な解決策は、存在しないのです。状況はかなり異なりますが、東日本大震災でも気仙沼市を始め多くの場所で、火災は燃えるに任せられました。


阪神・淡路大震災の例で注目すべきことは、まず午前5時46分という時間の発災でも、直後にそれだけ多数の火災が発生したということです。これがもし街の活動が活発な時間帯だったら、さらに多数が発生したでしょう。特に繁華街の状況は、全く違っていたはずです。

そして発災直後の火災の多くが、倒壊家屋からの出火だったことがわかっています。実はここが大きなポイントです。家が倒壊しなければ、火災にならなかったケースがかなり多かったと考えられるのです。つまり家屋の耐震強度アップは、倒壊による犠牲者を激減させると共に火災の発生も抑止する、最も優先しなければならない対策だということです。

倒壊家屋から出た火は、火元に接近することが困難なため初期消火がほとんど不可能というのが、阪神・淡路大震災の火災に関する最大の教訓です。倒壊家屋から一旦火が出ると、消火器程度ではほとんど手がつけられないでしょう。さらに道路の障害や激しい渋滞で、消防の対応はほとんど期待できません。阪神・淡路大震災では、初期消火が可能と思われた火災でも、119番通報したからと放置され、そのまま燃え広がった例も少なくありません。

大地震の時は、消防も救急も警察も「来ない」のです。そんな中では、自力でできることを、できるだけやるしかありません。

それは具体的にはどんなことでしょうか。次回に続きます。

■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。

2012年2月25日 (土)

家に備える防災グッズ【9】

今回は「防水・防寒」編のつづきです。

家に必ず備蓄しておきたい「防水・防寒」グッズがあります。それはこちら。
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おなじみのブルーシートです。写真のものは厚手でロープを通すハトメがついているものですが、薄手で安価なものもあります。どちらも、災害時にこれほど使えるものはありません。まず、非常持ち出しにも、四畳半サイズくらいのものを一枚入れておくことをお勧めします。

避難所などでは、床に敷いて汚れ防止、床の冷気の遮断、雨、風よけ、張ったロープにかけて簡易テント、車のドアを開けてかければ簡易シェルター、荷物の防水、保護などに加え、筒状に畳んでその間に入れば、かなり温かい寝袋にもなります。

家にはある程度の枚数を備蓄しておけば、屋根やガラス窓が損傷した場合の保護と養生ができます。また、放射線環境下で屋内待機する場合には、玄関の一部を仕切って脱衣所とすることで、外出後に放射性物質が居室内に入りずらくするという使い方もできます。

そのような使い方のために、ブルーシートと一緒に用意しておきたいのがこちら。
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Paracode
備蓄にガムテープは定番ですが、画像の「養生テープ」も用意することもお勧めします。これは粘着力があまり強くなくて簡単にはがせ、しかもノリが残りませんので、一時的に貼ったり、貼ったりはがしたりを繰り返す場所に便利です。ホームセンターで入手できます。さらに、ハトメつきのブルーシートをテント代わりに張ったりする場合に、細くて丈夫なヒモが必要になります。画像はパラシュートコードですが、太さ、強度ともそのような使用には理想的です。

ブルーシートは、厚手の四畳半サイズが500~700円程度、薄手のものなら、4畳半で300円程度、12畳くらいの大判でも1000円しないくらいです。できるだけ大判のものを、数枚は備蓄しておきたいものです。

避難所生活で活躍するのがこちら。
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組み合わせて使うウレタンマットです。これはスペースに合わせて敷く形を変えられ、固い床のクッションと、冷気の遮断に絶大な効果があります。寝袋代わりのブルーシートの中に入れると、クッションと断熱に絶大な効果があります。さらに裏技として、リュックにこのマットをぎっしり詰め込むと、大人でも浮かせる簡易ライフジャケットになります。水際や船上での作業での安全確保に、代用品ながらかなりの効果を発揮します。

定番の軍手に加えて用意したいのがこちら。
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管理人が震災よりずっと前から準備をお勧めしている作業用ゴム手袋と、園芸・台所用の薄手のゴム手袋です。これこそ自宅、避難所に関わらず、避難生活の必需品です。手を濡らしたり、汚す作業はいくらでもあり、断水下ではろくに洗うこともできません。そんな中で手を濡らさず、温かく、清潔に保つために、これほど便利なものもありません。東日本大震災被災者からも、寒い中で軍手での作業は辛く、ゴム手袋が欲しかったという生の声が上がっています。

被災後の街や避難所生活では、ゴム長靴も活躍します。長靴を用意する際は、踏み抜き防止インソールもセットしておくと、瓦礫の中に入る時でもかなり安心です。実際、津波被災地では救助従事者やボランティアの踏み抜き事故が多発しました。

長靴にはこんなものもありますよ、くらいの感じで、管理人からの提案です。
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長靴は場所を取りますが、ひとつの解決策です。これはあの日本野鳥の会オリジナル商品、「バードウォッチング長靴」というもので、実は隠れた人気商品です。写真のようにコンパクトに収納でき、緊急時に持ち出したり、車に乗せておくのも容易です。管理人は車載用にしています。

もちろん、管理人は日本野鳥の会とは何の利害関係もありませんので、念のため。

今回は、定番の防水・防寒グッズ以外のものを中心に考えて見ました。

次回は「安全・衛生」編です。

以下、Amazonの販売ページへのリンクです。
ブルーシート
養生テープ
パラシュートコード
ジョイントマット
作業用ゴム手袋
バードウォッチング長靴

■このシリーズは、カテゴリ【防災用備品】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。

またもや地震雲多発(笑)

一昨日から昨日にかけて、あちこちの「地震雲」系のブログなどへの画像投稿が急増しています。

まあどれも地震雲などと言うものではないのですが、これは日本列島に西から低気圧が接近して天気が崩れる傾向にあるために、高空の湿度が上がって飛行機雲が出来やすくなる、寒気の上に暖気が押し上げられて(温暖前線)大気重力波による縞状の雲が発生しやすくなっている、寒気と暖気が入り混じって不安定になり、不均一な乱れた雲が発生しやすくなっているという、至極真っ当な理由によるものです。

見かけがちょっと不気味だと、みんな地震雲ってことになってますね(笑)

地震雲なんてものがあると信じている方には、何も申しません。ただ、そんなネタを見て漠然と不安になっている方、何も心配いりませんよ。

それでも不安な方、当ブログのカテゴリ【エセ科学・オカルト排除】に、地震雲(といわれる雲)についての記事がありますので、まずはそれをご覧ください。少しはご安心いただけるかと思います。


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【シミュレーションストーリー】地震・帰宅困難

本日2月24日、NHKテレビ地上波で(関東ローカルだと思いますが)、首都圏スペシャル「都市に生きる覚悟~首都圏大地震に備えて~」 という番組が放送されました。首都圏における地震や津波の新たな被害想定や、発生しうる帰宅困難などのシミュレーションなどの内容でしたが、それらは決して最近わかった事では無く、東日本大震災前からずっと指摘されていたことです。それが震災時の、管理人に言わせれば「最良の帰宅困難」によってクローズアップされたに過ぎません。

当ブログ本館、mixiのコミュニティ「生き残れ。~災害に備えよう~」では、災害の様々な状況で発生する状況を少しでもリアルに感じていただくために、小説形式でシミュレーションを行っています。そのAnnex版の初回として、大都市圏を巨大地震が襲った時起こる、「最悪の帰宅困難」とはどんな状況かというシミュレーションをお送りします。正直なところこれでも最悪では無いと思いますが、ひとつの起こりうる現実として、ご覧ください。後ほど解説も掲載します。なお、このシミュレーションは2011年10月15日に、本館コミュニティにアップしたものです。

■ここから、本文です。かなり長文です。

この物語は、様々な災害に直面し、最悪の結果になって しまった状況を想定したフィクションです。 登場人物は、災害の危機に対して、何か「正しくない」行動を 取ってしまっています。 どのような準備や行動をすれば、災害から生き残れる可能性が生まれたかを考えてみてください。
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【想定】
20××年 12月19日 午後7時32分
東京都港区 - 大田区某所
館山 綾乃 27歳 経理事務担当
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暗がりの中で、真っ黒な人波に押し流される様に歩きながら、綾乃は後悔し始めていた。

冷たい北風が強くなり始めた夕刻、東京の内陸直下でマグニチュード8.1の地震が発生した。 都心部は震度6強の揺れに襲われたが、綾乃が勤める港区のオフィスでは、室内はメチャメチャに なったもののそれほど大きな建物被害は無く、幸いなことに同僚も皆ほとんど怪我も無く無事だった。

激しい揺れが収まると、綾乃はすぐに横浜市内の会社に勤務している夫の真治に連絡を取ろうとしたが、携帯も 一般電話もメールも不通になっていたので、迷わず川崎市内の自宅に帰る事にしたのだ。 上司や同僚には『今動くのは危険だ』と止められたが、それを振り切って出て来てしまった。 夫は無事だろうか。そして自分の無事も早く知らせたい。その思いだけが、綾乃を 突き動かしていた。

しかし当然ながら電車もバスも止まっている。幹線道路は交通規制されているが、ほとんど動かない車の列に埋め尽くされている。その他の道路も大渋滞で、タクシーでも動きようがない。それどころか、あちこちのビルから吐き出される人波が車道にまで溢れ、サイレンを鳴らしながら大音量で道を空けろとがなり立てるパトカー や消防車さえも、人波に遮られてろくに進めない。

そんな中、綾乃は今まで一度も実際の距離など考えたことも無い、自宅まで歩き通す覚悟でオフィスを出た。でも歩き始めてまだ30分ほどだというのに、、強さを増す北風がカシミヤのコートを 突き通して、身体の熱を奪い始めていた。そしてそれ以上に、タイトスカートにパンプスという およそ歩くことに向いてない自分の服装に苛立ち、ほとんど何も考えずに出てきてしまった 事を後悔し始めていたのだ。とにかく足が痛くて、この先どれだけ歩けるか、早くも不安が 頭をもたげて来ていた。

それに、停電で明かりの無い夜がこんなに暗いものだったとは。せめて、足元を照らすライトのひとつでも用意しておけばと、真剣に後悔した。明かりには、暗闇で萎えかけた心を奮い立たせる力があるのだという事も、その時始めて理解した。暗がりは、心細さをどこまでも増幅する。

明かりの落ちたビル街をゆっくりと流れる黒い人波が、渋滞している車のライトとビルの非常灯のぼんやりした明かりに、その輪郭だけを浮かびあがらせている。 あちこちのビルの暗いエントランスでは、冷え切ったコンクリートの上に座り込んだり、寝転んだまま動かない男女の姿もあったが、 だれもがちらっと視線を走らせるだけで、皆一様に目を伏せて通り過ぎる。

コンビニエンスストアがランタンの明かりだけで店を開いてはいたが、既に店の棚はほとんど 空っぽだ。文房具や雑誌類だけほとんど売れ残っているのが、この異常な状況を際立たせているようだ。 店の前を通る誰もが、ガラス窓越しにそんな状態を見て、さらに入口の
【断水のため、トイレは使えません】
という貼り紙に目をやっては、ため息をつきながら通り過ぎて行った。僅かな明かりに白い息がふわりと立ち昇り、風に流れる。この先、ずっとこんな状態なのだろうか。不意に身体が大きく震え、 綾乃はコートの襟を両手で合わせた。

綾乃は時々、ビルから落ちて来たガラスの鋭い破片を踏みつけ、そのジャリっという冷たい感触に驚いた。歩道に大きな袖看板が落ちている場所もあり、そこだけは黒い人波が左右に割れている。綾乃はひしゃげた看板の下に血溜まりらしい黒い染みがあるのを横目で見たが、それを現実とは認めないと言わんばかりに顔を背け、小走りに通り過ぎた。

その時、足下にズシンという衝撃を感じた。黒い人波にざわめきが拡がる。誰かが叫ぶ。
「余震だ!」
「でかいぞっ!」
次の衝撃とほぼ同時に、地面が振り回されるように回転し始めた…綾乃にはそう感じた。それまである一定の秩序を保っていた群衆の動きが、乱れた。手近なビルに駆け込む者、渋滞した車道に飛び出す者、その場でしゃがみこむ者。男の怒号と女の悲鳴、けたたましい車のホーンが入り乱れ、それを地鳴りのような轟音がかき消した。

恐怖に立ちすくんでいた綾乃は、すぐ横のビルに駆け込もうとした男に突き飛ばされ、エントランスのガラス壁に背中からぶつかった。後頭部をしたたかに打ち付け、その場に崩れ落ちるようにしゃがみこんだ瞬間、ビルの上からガラスの破片が降り注いで来た。

エントランスの庇の下にいる綾乃の目の前で、歩道にいた何人かが、ぐえっ、ひゅうっという奇妙な息の音を立てて、頭や首を押さえながらバタバタと倒れた。車のライトを反射したガラス片がきらきらと光る暗い歩道に、十数人がうめき声を上げながらうごめき、地面に黒い染みが拡がって行く。 何人かは、全く動かない。綾乃は、すぐ近くで誰かが凄まじい悲鳴を上げるのを聞いた気がしたが、それが自分の悲鳴だということに気付くまでに、しばらく時間がかかった。

どれくらい、歩いただろうか。綾乃の身体は凍え、頭がぼんやりしてきている。パンプスを履いた爪先は、おそらく血が滲んでいるだろうと思うほどに痛んだが、その痛みも自分の身体のものでは無いように、なんだかずっと遠くに感じる。薄手の革手袋をしただけの指先はもうだいぶ前から感覚が無く、コートのポケットに突っ込んでいても、全く回復しない。

どこか暖かい場所で、休みたかった。せめて暖かいものを飲みたかった。しかしそんな場所は、その機能のほとんどを停止した都市には無く、水一滴を手に入れる事さえできなかった。歩きながら、何度か携帯電話を操作してみたが、電話もメールも全く反応が無い。周囲からどこかの体育館やショッピングセンターが臨時避難所になっているという話も聞こえて来たが、道を外れてそこへ行く気も無かった。一度休んだら二度と歩き出せないような気がして、休まずにずっと歩き続けて来たのだ。少しでも早く、夫の元に行かなければ。

都心部を抜けると、周りに損傷した家屋やビルが目立つようになってきた。完全に倒壊している家も少なく無い。幸いにしてその辺りでは火は出ていないが、空が少し広く見渡せるようになると、遠くの空が赤く染まっているのが見えた。綾乃の目指す方向とは少し違っていたが、おそらく大きな火事が起きているのだろう。

街を抜ける広い道路は交通規制されているものの、まだ多くの車が身動き出来ない渋滞の中に捕らわれていた。そんな車の間にまで歩く人々が広がり、まるでアリの隊列のように、静かに進んで行く。時折、鋭いホーンの音が冷たい空気を切り裂く。


夜半近くになって綾乃はやっと、都県境に架かる長い橋の近くにまでやってきた。その橋を渡れば、家までは一時間、いや、今の綾乃の足では二時間以上か、とにかくそれくらいあれば家にたどりつけるはずだ。夫は、家に帰っているだろうか。それ以前に、家は無事だろうか。そんな思いが、気を逸らせた。

しかし夜が更けるにつれて気温はさらに下がり、北風も強まっている。綾乃の身体は芯から冷え切り、強い渇きと空腹も感じていた。足の痛みはとうに限界を超えたというか、既にほどんど感覚が無い。そして次第に、手足に力が入らなくなって来ている。頭もさらにぼうっとしてきて、細かいことは何も考えられない。綾乃は頭の隅で感じていた。ここで止まったら、本当にもう二度と動き出せないに違い無い。

都県境の橋に近づくにつれて、人の群れが進む速度が何故か遅くなり、ついには完全に止まってしまった。耳をこらすと、ずっと前の方から、男の怒号や女の叫びが風に乗って聞こえて来る。その時、綾乃の耳に、周りで話す人の声が届いた。
「橋が、落ちているらしい…」

綾乃は、それを他人事のように聞き流していた。驚く気力も無く、凍えて疲れきった綾乃の思考は、その事実を受け入れる事を拒否していた。ただ、これ以上進めない、夫の元にたどり着けない、それだけは理解できた。綾乃の目から、涙が溢れ出した。声を上げて泣くような感情はもう残っていない。ただ、ここまでの道中でも見てきた、あまりに理不尽で過酷な現実へのショックも加わり、ただ呆然と涙を流すことしかできなかった。

しかし現実は、そんなひとりの感情など全く意に介さない。その時、再び大きな余震が襲ってきた。悲鳴と怒号が渦巻き、群衆は我先にと川に向かって走り始めた。とにかく河原へ降りれば、なんとかなる、皆がそう思っていた。

周りの動きに流されて、綾乃も駆け出した。足が、思うように動かない。忘れかけていた痛みが甦り、綾乃は歯を食いしばって走った。転んだ人間の上にはあとから何人もが圧し掛かり、絶叫が響き渡る。

それでも綾乃は、なんとか堤防にまでたどり着いた。滑り落ちるように土手を下り、河川敷のグラウンドにまで下りて来た。河川敷には既に何万人もの人々が避難しているようで、真っ黒な群衆の中で、ライトの光があちこちで交錯している。発電機もあるのだろうか、遠くには強い明かりを放つサーチライトも灯っていたし、大きな焚き火も見えた。ここでなら少し休めるかもしれない。綾乃はそう思うと、全身の力が抜けて行き、枯れ草の上に崩れるように座り込んだ。

そんな綾乃の姿を気遣って、何人かの人々が声を掛けてきたが、もうそれに答える気力は無い。反応の無い綾乃に、皆少し困惑した表情を見せながら立ち去って行った。それ以上他人を気遣う余裕など、ほとんどだれにも残っていないのだ。

北風の通り道になっている河川敷は、街中よりずっと冷え込んでいた。でも、ここならとりあえず地震の危険からは逃れられるはずだ。それだけでも、綾乃は十分過ぎるほどに安心できた。ずっと続いてきた緊張が少しほぐれると、なんだか身体が温かくなって行くような気がした。そして次第に綾乃の意識は薄れて行き、枯れ草の上にうずくまった。


綾乃はふと、意識を取り戻した。誰かが、周りで叫んでいる。
「逃げろ!」
と言っているようだった。綾乃はぼんやりした頭で、なんとかそれを理解しようとした。何故、逃げなければいけないのだろうか。自分がうずくまっている冷たい地面は揺れていないし、ここなら安全だと思っていたのに…。

叫び声が続く。 「火が来る!」

火…?ここには燃えるものなんか無い…綾乃はうずくまったままやっと頭だけを動かして、川の上流の方向を見た。自分が意識を失ってからだいぶ時間が経ったのか、その方向の空は大火災で真っ赤に染まっている。意外なほど近くまで火が迫っているようだが、直接火が見えるわけでもない。なんでそんなに…

その時、綾乃は見た。北風が吹き抜けてくる川の上流から、高さ百メートル以上もあろうかという炎の柱が迫って来ていた。オレンジ色に光るそれは渦を巻きながら、周囲にきらきらと光る火の粉を撒き散らしていて、“きれい”としか表現のしようが無い姿だった。綾乃はそれが何か理解できず、しばらく見とれていた。

「なに…あれ…?」
綾乃がつぶやいた時、誰かの声が耳に届いた。
「火災旋風が来るっ!」
上流の大火災現場で発生した火災旋風が強い北風に流され、風の通り道になっている河川敷を駆け下って来たのだ。猛烈な輻射熱と火の粉で河川敷の枯れ草が一瞬で燃え上がり、さらには堤防の裏側の家々にまで火を放った。

綾乃はうずくまったまま、周りの群衆が自分の周りを駆け抜け、下流の方向へ逃げて行く地鳴りのような足音を感じていた。自分も逃げなければと、頭では考えていた。しかし極度の低体温状態に陥った綾乃の身体は、意志に反してまったく言う事を聞かなかった。

人が走るより速い速度で、炎の竜巻が迫ってくる。綾乃はその熱を頬に感じた時、頭の隅で、自分の運命を悟った。

【おわり】


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2012年2月23日 (木)

家の中の地震対策【9】

今回は、家具などに関するその他の対策です。
その対策は非常に多岐に渡り、とてもすべてを記すことはできませんので、まずは基本的な考え方から。それは

「倒さない、落とさない、飛び散らせない、動かさない」

ということです。そのような視点でご自宅の中の危険を探し、できる対策を進めてください。いくつか、代表的な対策例を挙げてみます。


寝室にはなるべく家具を置かず、置く場合でも背の高い、転倒しやすいものは避ける。

寝る場所や普段の居場所は、家具の転倒範囲から離れた場所にする。避けられない場合は、もし家具が倒れても別の場所にひっかかりやすい、生存空間が残りやすい配置を考える。

家具の上にはものを置かず、特に重量のあるものやガラス類は絶対に置かない。本が詰まった箱やガラスの人形ケースなどは絶対にNG。

食器棚の上段や天袋など高い場所には大皿、鉄鍋、土鍋、ガラスポットなど重量物は入れない。激しい揺れでは扉が開き、一瞬で中身がぶちまけられるので、扉には必ず解放防止ロックをつける。普段あまり開け閉めしない天袋などは、取っ手を丈夫なヒモで結んでおけば、扉が開いて中身が飛び出すのを防ぐことができる。

子供部屋には背の高い家具を置かない。本棚には本の飛び出しを防ぐゴムバンドなどを張る。大量の本の直撃は想像以上の衝撃であり、本に埋もれて動けなくなることもある。

テレビやパソコンなどは、スタンドの下に衝撃吸収ジェルを挟んだり、台と本体をベルトで結着して、移動しないようにする。阪神・淡路大震災では、「テレビが飛んだ」という証言が多くあったが、その後ブラウン管から薄型が主流になり、ブラウン管テレビより対策がしやすくなった。

ピアノは、脚と本体に取り付けて移動や転倒を防ぐ専用器具を取り付ける。必ず専門店に相談を。ピアノが転倒したり動き出したりすると、家の中では最も危険な凶器となる。

冷蔵庫も、配置によっては暴れやすいもののひとつ。専用の固定、移動防止器具があるので取り付ける。

強化ガラスでない窓ガラスや食器棚などのガラス扉には、飛散防止フィルムを貼る。


ざっとこんなところでしょうか。正直なところ、何もかもを一度に対策するのは、楽ではありません。ですからまず危険度が大きいと思われる事から対策して行きましょう。具体的には大型で重い家具の転倒防止、高い場所や天袋にある危険物の撤去などです。子供部屋やお年寄りのいる部屋の対策も、優先しなければなりません。普段の居室では、寝室が最重点と言えるでしょう。

繰り返しますが、対策のすべてに共通する考え方は、
「倒さない、落とさない、飛び散らせない、動かさない」です。
ホームセンターなどの防災用品コーナーには様々な器具がありますので、それを見ているだけでも、自宅の危険と対策方法を気付くこともあります。ちょっと覗いて見ることをお勧めします。

次回は、地震の際の火災対策です。

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2012年2月22日 (水)

家に備える防災グッズ【8】

今回から、「防水・防寒」編です。

まず基本的考え方ですが、災害避難時も含めたアウトドアサバイバルの基本は、身体を濡らさない、冷やさないということです。つまり身体が冷えることによる様々な障害やエネルギーの無駄遣いを防ぐことが、厳しい環境を「生き残る」ために最も重要な要素なのです。これは寒い季節だけでなく、夏場でもおろそかにはできません。

身体の防寒に関しては、家には防寒衣類がいろいろありますので、特に改めて用意する必要も無いでしょう。
防寒衣類の考え方として、耐熱性を優先するのなら、木綿、毛など天然繊維が良いのですが、ちょっとかさ張るのが難点でしょうか。非常持ち出し用としては、軽量コンパクトで保温力の高い化学繊維、例えばフリースや、ヒートナントカというような発熱繊維が良いでしょう。ナイロンのウインドブレーカーのようなものでも、あると無いでは大違いです。

ところで、寒い時期の発災だった場合、避難の際に防寒衣を持ち出せるかどうかが、非常に重要になります。東日本大震災でも、一旦高台に避難したものの、防寒衣を持ち出せなかったために寒さに耐えられず、防寒衣を家に取りに戻っている最中に津波に襲われた例が、非常に多かったのがわかっています。

これは当ブログでもいつも言っていますが、地震で緊急避難する際には、「目の前にあるものしか持ち出せない」からなのです。揺れている最中や直後に別の部屋に行ったり、クロゼットを開けてコートなどの防寒衣を取り出すのは、ほとんど不可能と考えねばなりません。災害報道でお馴染みの「着のみ着のまま」という状態になるのは、偶然では無いのです。

それを解決する方法は、コートなどの防寒衣を、緊急避難の際にもワンアクションで手に取れる場所においておくこと、具体的には専用のものを非常持ち出しと一緒に置いておいたり、普段着ているコートは廊下や玄関のコートハンガーにかけておくなど、避難行動の最中にすぐ手に取れる状態にしておくことです。そして普段から、避難の際には「上着を持って出る」という意識を、家族で共有しておきましょう。言うまでも無く、お子さんやお年寄りの方が環境による条件は厳しくなるのです。

次善の策として、車の中に置いておくのも良いでしょう。車のスペアキーを非常持ち出しの中に入れておけば、確実に取り出すことができます。車の中には、災害時用以外でも雨や雪の中のトラブルを想定して、防水・防寒衣を用意しておくことをお勧めします。

次に雨具ですが、家に備えておくものとしては、機能的にはポンチョタイプがお勧めです。厚手のコートを着ていたり、荷物を背負ったり、子供を抱いたりした状態でもその上からすぐにかぶれ、一番すばやく行動に移ることができます。傘は避難生活中に使うものですから、非常持ち出しに入れる必要は無いと思います。

また避難生活中の作業や、放射性物質に対する簡易防護服としての使用も考えるならば、上下セパレートタイプのカッパも用意しておくと良いでしょう。家に装備する雨具類は、避難生活中にしばらく使うことを考えて、100円ショップものよりはしっかりしたものを用意したいものです。カッパ類は、防寒用にも優れた効果を発揮します。

今回は画像なしで恐縮ですが、管理人は非常持ち出しとしてポンチョを装備し、車の中には完全防水で保温力も高いコート(安価な放出軍用品)とセパレートカッパを家族分、カーショップで売っているプラケースに入れて、常時載せてあります。

次回は、家用の防水・防寒グッズとして欠かせないものです。

以下、Amazonの販売ページへのリンクです。
ポンチョ
レインウェア

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2012年2月20日 (月)

地震関連情報2/20

昨日2月19日午後2時54分ごろ、茨城県北部、深さ10kmを震源するマグニチュード5.1の地震が発生し、日立市で最大震度5弱を記録しました。

この地震は、福島県浜通りから茨城県北部にかけての深さ10km程度で群発していた震源域で発生したことから、震災後に同震源域で群発している、一連の誘発地震のひとつと考えられます。なお、この震源域で地震が群発しているメカニズムは、震災の影響には違いないものの、未だに判明していません。

当初は福島県浜通りと一体の震源域に見えていましたが、昨年11月頃から、福島・茨城県境付近を境に震源域が南北に分かれる傾向が出始めました。しかし今年に入ってから、ふたたび一体化するような発生分布に変わり始めました。その理由は不明ながら、現在も震源域の状況が連続的に変化している最中であり、今後どのような動きに結びつくのかは予断を許しません。

この震源域は東日本大震災の震源域とは異なり、いわゆる余震ではありません。発生メカニズム不明の誘発地震が、他の誘発地震震源域に比べて極端に数多く発生してきた地域です。現在は、発生回数は最盛期の数分の一程度にまで減っていますが、昨日の地震で、未だある程度の規模で発生する可能性があることが、再認識させられました。

引き続き十分な警戒が必要な震源域のひとつと言えます。


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家の中の地震対策【8】

今回は、家具の固定実践編です。これはもちろん管理人の場合の一例であり、すべての場合に最も有効だとは言い切れません。家具固定における一般的な問題を解決する、ひとつの現実的な方法としてご覧ください。

前回記事のように、一般的な家具固定具である突っ張り棒や固定ベルトは、その効果を発揮仕切れない場合も多いということがわかります。そこで、その他にはどんな方法があるかを考えました。

その結果たどり着いたのが、これ。
Jpg
Photo
粘着式のアンカー「ガムロック」です。ジェルタイプの粘着材で家具と壁を繋ぎ、暴れを押さえるものです。家具が転倒するのは、壁と家具が異なる周期で揺れることにより、家具の上部が壁から離れる動きが大きくなるからです。このアンカーはその動きを押さえるもので、実験によれば震度7クラスでも転倒を防いでいます。メリットとしては、家具にボルトを打って傷をつける必要が無いということと、手順に従えば何度もつけ直しができることです。

問題としては、これは器具自体の問題では無いのですが、最近の家屋では多くの場合壁がクロス張りのため、脱着の際にクロスがはがれることが多いということでしょうか。むしろ事情が許すならばクロスをはいで、壁材に直接貼る方が効果的ではあります。

「ガムロック」の場合、激しい振動の衝撃が加わった際に、粘着部がクロスごとはがれてしまう可能性も考えられますので、他の器具と併用するとより安心です。組み合わせの一例として、このタイプが手軽でお勧めです。
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家具の前面下部に挟む、クサビ型の振動抑制器具です。家具をわずかに後ろに傾けて、上部が暴れる動きを小さくするもので、これだけでもかなりの転倒防止効果がありますので、アンカーやベルトと併用すればかなり安全と言えます。ポイントは、クサビを入れてから粘着アンカーをつけるということ。逆だと、クサビを十分奥まで入れられなくなるので、効果が減ってしまいます。

クサビ型には、下画像のようなテープタイプもあります。
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家具の重量を受ける面積が大きいので、こちらの方がより効果的ではないかと考えられます。床がコンクリートやフローリングなど固いものなら効果は最大ですが、畳やカーペットなど柔らかい場合は、家具とクサビの下に丈夫な板を入れてしっかりと踏ん張れるようにすると、振動抑制効果がアップします。

見栄えを気にしなければ、新聞紙を固く折り畳んで家具の前面下部に挟み込み、7~10ミリほど持ち上がるようにするだけで、かなり近い効果があります。これが一番手軽な転倒対策でしょう。

クサビ型はほとんどの家具に装着可能で、なにより安価ですから、まずこれから取り付けて、可能ならばその他の器具を併用するという方法を、管理人はお勧めしたいと思います。複数の器具を併せることで効果をアップさせることができますし、ひとつがダメでも次の方法を用意しておくという、フェイルセイフ(予防安全)の発想でもあります。

非常に激しい地震で、最終的に転倒を防ぎ切れなかったとしても、器具を正しく装着していれば転倒するまでの時間がかなり長くなることは確実です。その間に家具の前から逃げることができれば、それで「成功」なのです。

次回は、家具に関するその他の対策です。



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家に備える防災グッズ【7】

今回は「視界」のうち、照明について考えます。

まず最初に、東日本大震災被災者の、生の声です。
「被災時には、ライトは何個あっても良い」

停電下の生活では、あらゆる場面で照明が必要になります。昼間でも、例えばトイレの個室では必要なのです。ですから人数や用途に合わせて、いろいろなライトが備えることをお勧めします。

家に非常用照明を備える場合まずお勧めしたいのは、「各部屋に最低一個ずつ」、ということです。どの部屋にいるときに停電しても、すぐに暗闇の中で行動できなければなりません。特に地震での停電時は、様々な危険物が散乱している可能性が高いですから、照明なしで動くのは危険すぎます。ですから、まず各部屋に一個ずつ、を基本と考えてください。

置き場所についてですが、絶対に置いておくべき場所があります。それは「玄関」です。地震の揺れの中で、とにかく玄関へ来ました。脱出を目前にして、そこから何かを取りに戻ることは、絶対というほど不可能です。その場にあるものしか持ち出せません。慌てると、それさえも簡単ではないのが現実です。これは阪神・淡路大震災の教訓ですし、管理人自身の体験からもそう言えます。ですから、非常持ち出しはもちろん、すぐ手に取れるライト類も、玄関に用意しておく必要があるのです。

では、どのような照明を用意したら良いのでしょうか。管理人は以前別記事で、防災グッズから「ロウソクを外すべき」と主張しました。安価で長時間持つというメリット以上に、災害後の混乱の中では、火災に繋がる危険があまりにも大きいからです。計画停電の夜のように、静かに過ごすのとは訳が違います。

ではどんなものが良いかというと、これはもう電池の持ちと明るさで、LEDライトしかありません。でも、いろいろな種類があります。管理人の装備の「一部」をご覧ください。
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これはもちろん全部が家用ではなく、持ち歩き装備や普段使っていないものも含まれます。家用の装備としては、基本的には、それなりに強力な懐中電灯タイプが複数欲しいところです。家用ですから、コンパクトさより光量を優先しましょう。単三電池2~4本を使用するLED懐中電灯ならば、十分な明るさがあります。画像では、上段左から4~6本目や上段の一番右の銀色の奴のクラスです。

さらにできれば捜索や救難用に、強力なライトも欲しいもの。画像の黄色い大型ライトは、LEDではなくハロゲン灯ですが、単ニ電池4本使用で、とにかく強力です。暗闇では100mくらいは十分に見通せ、建物内なら反射光で部屋全体が見えるくらい明るくなる光量ですが、このタイプでも1500円くらいです。ちなみに管理人は、同クラスの充電式を車に載せています。シガーライターから充電できるので、レジャー用としても活躍しています。

緊急避難時や、避難生活の様々な作業では、両手を空けられるヘッドランプが役立ちます。東日本大震災で、捜索する自衛隊員がヘルメットにつけていたのは、画像のものとほぼ同じタイプです。単三電池1本タイプで、価格は1500円程度からあります。

居場所で長時間使う明かりとしては、懐中電灯より、全周に光を放つランタンタイプがいいですね。画像のものは外国製の800円ほどの安物ですが、明るさも持続時間も十分です。単三電池3本使用です。このクラスは防水機能が無いので室内専用ですが、キャンプ用のランタンならば屋外でも使うことができます。
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計画停電の頃に有名になった技ですが、懐中電灯をランタンというか、ボンボリにする方法です。
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LEDライトをレジ袋の中に入れてやると、柔らかな光が四方に散りますので、部屋の照明にお勧めです。これは発熱量の大きなハロゲンライトだとレジ袋が溶ける恐れがありますので、LED限定の技と考えてください。

冒頭の「各部屋にひとつずつ」用や、玄関用としてお勧めしたいのが、このタイプ
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赤外線人感センサーつきのLEDライトです。人がセンサー範囲に入ると自動点灯し、このタイプは30秒で消灯します。毎日十数回の点灯を繰り返しても、単ニ電池二本で一年以上は楽に持ちます。本体をラックから外せますので、壁に取り付けておけば、すぐに手に取れる非常照明としてもいいですね。玄関にあれば、なには無くともこれだけは確実に手に取れます。センサーモードにしておけば、人がいれば停電になった瞬間に点灯してくれるのですから、気持ちの面でも余裕に繋がります。ちなみに、我が家では玄関灯です。

防災グッズの定番といえば、このタイプ。
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手回し充電式ライト+ラジオ+携帯電話充電器です。これはこれで非常に便利なグッズであることは疑い無いのですが、そこに阪神・淡路大震災の教訓があります。機能が集約されているが故の問題です。

それは、誰かがトイレに行ったりしている間は、ラジオを聴けない、ということです。情報が欲しいときそれが途切れるのは、平常時では想像できないストレスになるのです。ですから、このライトはあくまでもバックアップと考えて、それぞれが専用ライトを持っていれば、避難生活のストレスを軽くすることにもつながります。

用意したライトの置き場所ですが、非常持ち出しリュックの中に全部しまったりせず、普段から手に取りやすい場所に、必ず1~2本は出しておきましょう。揺れる暗闇では、引き出しやリュックをかき回す余裕はありません。特に就寝時には、横になったまますぐに手に取れる場所に必ず常備を。それが一番大切では無いかと、管理人は考えます。

ちなみに、ここで紹介したライトは、黄色い大型ライトを除いて、すべて単三電池使用です。電池サイズを統一しておけば、備蓄も楽になります。とりあえず単三電池20本パックでもあれば安心でしょう。


非常時に状況を正確に把握して正しい行動をするためには、「視界」の確保は最も重要です。皆様も小さなライトひとつで決して安心せず、「いつでも、できるだけ遠くが良く見えるように」という考え方で装備を選んでみてください。それはあなたに届く情報量の増加を意味し、確実に「生き残る」力の向上に繋がるのです。

次回からは、「防水・防寒」編に入ります。

以下は、Amazonの販売ページへのリンクです。
LEDライト
ヘッドランプ
ランタン
人感センサー ライト
ラジオ 手回し

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2012年2月18日 (土)

家の中の地震対策【7】

今回は、家具の固定の問題点と、その実際です。

まず、代表的な家具の転倒防止器具をご覧ください。
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おなじみの「突っ張り棒」に、下写真の左は「アングル金具」、右の二つは「固定用ベルト」です。すべて管理人の持ち物なのですが、なぜ使用状態の写真でないかというと、使っていない、いや「使えなかった」からなのです。

まず「突っ張り棒」。タンスなどと天井の間に入れて突っ張り、建物の揺れとタンスの揺れを強制的に同調させることによって、タンスだけが暴れて転倒するのを防止するものです。十分な効果を発揮するためには、かなりの突っ張り力をかけなければなりません。

しかし大抵の場合、天井材は和室なら板張り、洋室なら石膏ボード張りではありませんか?それでは、この器具が十分に機能するほどの力をかけられないのです。無理に力をかければ天井板が抜けますし、なんとか持ちこたえさせても、強い地震の揺れが来た瞬間に天井が抜けてしまっては、何もつけていないのとほとんど一緒です。

このタイプは、マンションなどでコンクリートの建物躯体に直接突っ張れるような場所でなければ、本来の機能を発揮しないのです。さらに、天板がベニヤ板の洋式家具(食器棚などに多いですね)の場合も、突っ張り力をかけすぎると天板が抜ける恐れがあります。もし、天井材や家具天板の強度に合わせて弱めの突っ張り力でつけている方がありましたら、是非とも他の器具と併用してください。それだけでは転倒を防げない可能性が大きいと思います。最悪の場合、激しく揺れ始めた瞬間に、突っ張り棒が吹っ飛ぶ怖れもあります。

ちなみに、薄い天板の家具に使うときは、天板の大きさと同じサイズの板を突っ張り棒との間に挟んで、面で押すようにするという解決策があります。天井が強固な場合にも、天井と突っ張り棒の間に同サイズくらいの板を挟むことで、器具が揺れでズレたり外れたりしずらくなり、より安全性が高まります。

次に良く見るのが、アングル金具、ベルトやチェーンなどで壁と家具を結着する方法です。ナイロンベルトはそれ自体に伸縮性があるのでチェーンより衝撃吸収能力が高いと考え、ベルト式を買って来ました。ところが、家具の後ろの壁も、大抵の家は石膏ボードか、和室は漆喰壁なんですよね。そんな所に取り付けボルトを植え込んでも、大した強度は期待できません。激しい揺れでベルトや金具に衝撃がかかった瞬間、ボルトがズボっと抜けてしまう可能性が高いのです。

ベルトをギチギチに締め上げておけば、壁と家具が一体になって揺れるために衝撃がかかりずらくはあるのですが、常時高いテンションをかけていると、石膏ボードがどんどんゆがんで劣化してしまい、そのうちヒビが入るか、割れるでしょう。それをなんとか防げないか、管理人はこんなものまで買ってきて、いろいろやったのですが。
Jpg
根本的解決にはなりませんでしたね。

ボルトを植え込むタイプの器具は、家具の後ろに上手い具合に柱が二本あるとか、木製のサンが通っている場所とかでないと本来の機能は発揮しませんし、そんな場所はあまりありません。建前上は、石膏ボードなどの裏に通っている筋交いなどの構造部材の位置を調べ、そこまでボルトを貫通させろとかいう、見事な机上の空論を唱える「防災のプロ」もいましたが、部屋の内壁にそんなもの普通ありませんし、素人がそれをどうやって調べろというのでしょうか。

机上の空論ついでに、この場合の解決策として、石膏ボードの裏面に同じ大きさの鉄板を入れ、鉄板までボルトを植え込めとか“本に書いていた”「防災のプロ」もおりました。できるものなら、まず自分でやってみろ(笑)

さて、では家具の背後がコンクリートの躯体そのものだったら。管理人の家にもそういう場所があります。ボルトを植え込むには理想的です。でも、躯体そのものに穴を開けるのは、賃貸の方には事実上無理ですよね。我が家は分譲ではあるものの、結局断念しました。

まず、ドライバーでボルトをねじ込める硬さではない、ということ。電動ドリルで穴をあけてから、そこへギリギリとボルトをねじ込むことになります。実は妙なものをたくさん持っている(笑)管理人は、電動ドリルもビット(ドリル刃)も持っています。でもやはり、建物の躯体に傷をつけるのはイヤだったのです。下手をすれば、その穴からクラック(ヒビ)が拡がるかもしれません。

ものすごく余談ながら、管理人は文系のくせにコンクリート構造物にはやたらとうるさく、今のマンションでリフォームのため内装を剥いだとき、躯体を隅々まで調べてクラック、中性化による変色、アルカリ骨材反応の徴候、鉄筋のサビによる爆裂、炭酸カルシウムの析出などを徹底的に観察した奴です。もちろん、耐震強度が落ちるような症状が無いかのチェックだったのですが。すいませんマニアックすぎる話で(笑)

というわけで、画像の耐震グッズは、我が家では結局出番がありませんでした。誤解なきように付け加えますが、これらのグッズに問題があるわけではありません。ただ、一般的な家屋には、本来の性能を発揮できる場所が実はとても少ないということなのです。これらの器具でしっかり対策済みの皆様は、うらやましいくらいにラッキーだったのだと思います。

次回は、「では一体どうしたのか?」という話です。

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家に備える防災グッズ【6】

今回から、「視界」編です。

このカテゴリーで家に備えるべきことは3つ。照明、目の保護、そして該当する方のみですが、視力矯正です。

順番は逆ですが、まずは視力矯正から。これはもう、メガネやコンタクトレンズの予備を用意することしかありません。
持ち歩きグッズ編でも書いたのですが、コンタクト派の方も、被災後に想定される劣悪な衛生状態を考えると、予備メガネのさらに予備を用意することをお勧めしたいと思います。

では、どこに用意すべきかというと、管理人の場合は普段使いのものプラス2つを、ひとつは部屋のベランダ側においた頑丈なキャビネットの中に、もうひとつは車のグローブボックスの中に置いています。つまり、仮に家(マンションの二階です)が倒壊しても取り出せるかもしれない窓際と、広い月極駐車場に置いた車の中という、どちらかは取り出せるであろう場所に分散してあるわけです。

そのような考え方で分散保管してあれば、なんとかなるでしょう。さらに、勤務先など出先にも予備があれば、なお安心です。細かいことですが、メガネは必ずハードケースに入れています。

次に目の保護です。阪神・淡路大震災でも、東日本大震災でも被災地の声として上がったのが、ホコリ対策品の必要性です。発災直後は建物の倒壊による猛烈なホコリ、火災の煙、場合によっては工場などから漏れた化学物質が流れてくるかもしれません。

その後は、救助や物資を運ぶために損傷、倒壊した建物に入ったり、津波や液状化で積もった泥が舞い上がる中を行動したりする際に、目を保護するものが必要になります。

持ち歩きグッズ編では、軽量コンパクトを優先して、水泳用ゴーグルをお勧めしました。性能的にはそれで十分なのですが、欠点は視界が狭いことなので、他にも少し考えて見ます。ホームセンターへ行けば作業用の防塵ゴーグルも安価で手に入るのですが、問題はやはり「曇り」です。

防塵ゴーグルは密閉性が高く、安価なものは曇り止めレンズでもないので、どうしても曇りやすいのです。特にメガネ使用者は、まずメガネから曇ります。ですから、ある程度防塵性能を犠牲にしても、通気性の高いものが欲しくなります。そこで使えるのが、スキー、スノボ用ゴーグルや、スポーツサングラスです。
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スキー、スノボ用ならば大抵は曇り止めレンズですし、通気口もたくさんあります。用途や状況によって通気量をガムテープなどで調節すれば、大抵のケースに対応できるでしょう。

スポーツサングラスのように、顔の丸みにフィットしたカバー範囲の広いレンズは、風で飛ばされてくる砂塵などから目をガードする効果が絶大ですので、次善の策としてこれもお勧めです。このほか、オートバイ用もなかなか使えますね。ちなみに管理人は、かつては泥まみれホコリまみれになるオフロードライダーでしたので、ホコリの辛さは実体験で知っております。

次回は、照明について考えます。



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家の中の地震対策【6】

今回は、建物自体の耐震補強の次に重要な、家具類の転倒・飛散防止についてです。

まず、阪神・淡路大震災のデータをご覧いただきましょう。犠牲者総数6434人のうち、約83%、約4590人が、自宅建物の倒壊等による原因で死亡しています。そしてそのうちの約10%、約460人が、家具類の転倒による原因で死亡しているのです。

意外に少ないとお感じになられた方もあるかもしれません。しかし、この数字は「明らかに家具の転倒が死因である」と識別されたケースだけの数字です。つまり、まず家具の転倒に巻き込まれ、脱出の機会を失った後に家が倒壊したり、火災によって死亡したようなケースは含まれていません。つまり家具が転倒・飛散しなければ助かったかもしれない人々が、何千人も存在した可能性があるのです。

さらに、死亡者数だけに注目すべきではありません。残念ながら管理人は正確なデータを持ち合わせていませんが、家具類の転倒や内容物の飛散によって負傷した人の数は、この何十倍にも及ぶはずなのです。大災害後の報道では、ある意味で「元気な」人々の様子が中心です。重傷を負って、負傷者が溢れる病院で苦しんだ人々、病院にも行けずに苦しんだ人々の現実は、倫理上のこともあってほとんど報道に乗りません。でも、メディアに乗らないからといって、忘れてはいけないのです。

東日本大震災においては、阪神・淡路大震災に比べて地震の揺れ自体が建物を破壊する力が小さく、家具の転倒も比較的少なかったはずです。しかし、犠牲者の中には、家具の転倒や建物の崩壊に巻き込まれ、脱出の機会を失ったまま津波に呑まれた人々が、確実に存在するはずです。そんなケースがどれだけあったかは、今となっては永遠の謎ではありますが。

とにかく、地震に対して最も大切なのは建物が倒壊しないこと。その次が、家具類が転倒・飛散しないこと。それが何より「生き残る」ための近道なのです。


「家具の固定」は、特に阪神・淡路大震災以降、かまびすしく言われるようになりました。そのための器具も、たくさん発売されています。既に十分な対策を取られている方も多いでしょう。でも、本当にそれで大丈夫ですか?これから対策をしようと思われている方、市販の対策器具を用意すれば、簡単にできるとお考えではありませんか?

管理人に言わせれば、この「家具の固定」こそ、机上の空論の宝庫なんですよ。

次回は、その実際をご覧いただきましょう。


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ありがとう!6000PV&おしらせ

先日、2月13日のエントリで、1月12日にスタートした当ブログのページビュー(PV)が、一ヶ月と1日目で5000PVに到達したことを書かせていただきました。

その後さらにたくさんのアクセスをいただき、5000PV到達から4日目の昨日2月17日、6000PVに到達いたしました。(アクセスカウンタはPC、スマホからのアクセス数しか表示できません)

皆様のご愛読、心から感謝いたします。今後も、皆様が災害から「生き残る」力をアップさせるために、本当に役立つ情報を厳選してお送りして参ります。


ここでひとつ、おしらせです。

現在、当ブログは「人気ブログランキング」と「にほんブログ村」のアクセスランキングに参加しております。
そのうち「にほんブログ村」では、サブカテゴリ「地震・災害」に参加しておりますが、本日から「防犯・防災」カテゴリにも参加いたしました。

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2012年2月17日 (金)

本当に役に立つブログのご紹介

必見のブログ、ご紹介します。

様々な災害から生き残るための基礎となる科学的知識を、かわいいイラストとマンガで面白く、わかりやすく解説してくれるブログがあります。

タイトルは「うさ家の生き残り大作戦」

作者・管理人は、私てばの盟友でもあるプロ漫画家「ことん」さんです。作者多忙のためしばらく更新されていませんでしたが、復活しました。

特に、放射線に関する解説は必見。放射線とはどういうもので、どういう影響があって、どれくらい危険なもので、どうすれば安全になるかというだれもが知りたい知識を、これほどまでにわかりやすく解説したものを、私は他に知りません。

是非、最初の記事から全部目を通してみてください。笑いながら、いろいろな知識が身につきます。
URLは下記です。直リンクできなくてすいません。

http://blog.zaq.ne.jp/cotonsurvival/



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家に備える防災グッズ【5】

今回は、一般に言われる災害用備蓄食糧の疑問点と問題点です。

まず管理人が声を大にして言いたいのが、「乾パン依存からの脱却」です。乾パンは我が国の伝統的非常食ですが、これだけ多くの高栄養保存食が手に入る今日、いまだに乾パンが非常食のメインであることが不思議です。保存が効き、軽量コンパクトであること以外に、非常食としてのメリットはあまりありません。

いわゆる非常持ち出しセットには、必ずと言って良いほど乾パンが入っていますが、思うにこれは、防災セットの売り手側の都合が優先されているとしか思えません。つまり、低コストであるということ。言い換えれば、利幅が大きいということです。

まず、乾パンを実際に食べたことがある人、どれだけいますか?それも乾パンだけの食事したことのある人、しかも何回も続けたことのある人は、実際の被災者以外ではまずいないのでは無いでしょうか。防災訓練での試食でも、そんなに量は食べませんし。

乾パンは乾燥していて味が薄く、カロリーもその他の栄養素も少なく、とてもたくさん食べたいものではありません。一部の乾パンには一緒に氷砂糖が入っていますが、それは味気なさをなんとか中和して食べるための、昔からの工夫なのです。その氷砂糖でさえ、最近の非常用乾パンにはあまり入っていません。つまり、コストダウンです。

何より、17年も前の阪神・淡路大震災における、乾パンの教訓をご存じですか?大切なことなのに、なんだかすっかり忘れ去られてしまっている感があります。

それは「大量に食べると、とても喉が乾く」ということ。パサパサの乾パンは、水なしではたくさん食べられないのです。水が無い、あってもわずかな環境の中で、乾きに苦しむ状態を“積極的に”作り出してしまう食品が、優れた非常食と言えるでしょうか。実は同じ声が、東日本大震災の被災地からも上がっています。

管理人は別に乾パン業界にケンカを売るつもりはありませんし、我が家の備蓄にも乾パンはあります。ただ、とりあえず乾パンがあれば大丈夫という、誤ったコンセンサスを正したいと考えます。

防災グッズとして、非常食には低コストの乾パンだけをセットして済ませている「防災用品業界」には、強く再考を望みます。とても使用者の立場に立った、過去の教訓を生かしたセレクションとは言えません。皆様もいろいろ検索してみてください。そういうの、多いですよ。あなたの家の備蓄は、どうですか?

長くなりますが、もう一点。

いわゆる「防災マニュアル」に、非常食としてカップラーメン類が入っているものが、かなり見られます。これも見事に机上の空論です。水や火力が十分に使える状況なら、暖かい麺類はとてもありがたい食品でしょう。でも、もうおわかりですよね。

カップラーメン類は水と火力をたくさん使わなければ食べられず、しかも塩辛くて喉が乾きやすいのです。被災直後のライフライン途絶下では、とても非常食と言えるものではありません。しかも容器がかさばるので、備蓄や運搬にもスペースに無駄が生じます。

実際の被災地では、水がなくてカップラーメンの麺をそのままかじったという話もありますが、塩辛いスープの粉をそのままなめると、普通に食べる以上に喉の乾きに苦しむことになります。

とにかくそんなものが「防災マニュアル」として大手を振っているのが現実です。カップラーメンは、某大手全国紙の防災特集にも載っていました。管理人はそれを保存してありますが、さすがに公開はしませんけど(笑)、どこかの「防災のプロ」が監修したはずのものでさえ、その程度のものもあるということです。

皆様は是非、「マニュアルに書いてあったから」では無く、災害下の不自由な環境の中では何が起こり、何が必要かをご自分で十分に考えて、備蓄食糧を選んでいただきたいと思います。

いつものスタイルですと管理人自身の備蓄を公開するところなのですが、これだけ多くの食品類があるなかで、それがマスターピースになることは本意ではありませんし、一般的にはあまり入手できない特殊なものも含まれるので(笑)今回は控えさせていただき、本編では考え方のみにさせていただきます。

次回は「視界」編です。


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家の中の地震対策【5】

今回は「家の中の地震対策」のうち、建物の耐震性が低いものの、すぐには補強工事ができない場合を考えます。
まず最初に、最も有効な方法から紹介します。費用はそれなりにかかりますが、これに勝るものはありません。

ところで、地震によって建物が倒壊すると、何故危険なのでしょうか。それは言うまでも無く、人が建物に押しつぶされてしまうから、つまり、人間の「生存空間」が無くなるからです。ならば、家がつぶれても「生存空間」が確保できれば、助かる可能性が大きいわけです。

というわけで、家の中に「つぶれない空間」を作る商品や技術があります。いわゆる「耐震シェルター」というものです。いろいろな企業が扱っていますが、特定のものを取り上げるわけにも行きませんので、これは皆様ご自身で「耐震シェルター」で検索してみてください。

部屋の中に強固な柱や梁を追加するもの、寝床や居間の上に鉄製のフレームを設置するもの、ベッドの上に強固な天蓋を追加するものなどいろいろなタイプがありますが、どれも家が倒壊する圧力に耐えて、人が生き残るスペースを確保するものです。

倒壊後、自力での脱出が困難な場合もありますが、耐震シェルターの中に水、食糧、ライト、サイレン、ホイッスル、バール、ジャッキ、ノコギリなどを備蓄しておくことで自力脱出の可能性も上がり、脱出が困難でも外部に助けを求めたり、長時間持ちこたえたりすることができます。特にお年寄り、身体の不自由な方、病気の方など、すぐに避難行動に移れない方の部屋や寝床に設置すると、安心度が違います。

一番確実な耐震シェルターに対し、次に一番簡単な方法を。

阪神・淡路大震災のように、寝ている時に地震に襲われるのが、一番危険です。そこで、二階建てならば普段から二階で過ごし、二階で寝るのが、最も簡単な生存空間確保の方法です。二階建て家屋の典型的な倒壊例の画像をご覧ください。
Photo
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このように二階がほぼ完全な形で残ることが多く、仮に二階の構造が破壊されても、二階の重量がかかる一階よりは確実に生存空間が多く残りますので、安全性がかなり高くなるのです。

もちろん、居室内の家具の転倒対策は必須です。巷の「防災マニュアル」では、単に「家具を固定しろ」としか書いていないことがほとんどですが、これがいざやってみると、これがいろいろ難しいということがわかります。

そんな家具固定の問題点と実際を、次回お送りします。

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家に備える防災グッズ【4】

今回は、「カロリー」編です。
家での備蓄ですから、これはもうかなり自由度が高くなります。要は常温で長期保存ができる食品なら大抵のものが備蓄食糧とすることができますので、工夫次第でいろいろ用意できます。

栄養面での注意点は、どうしても炭水化物が多くなりがちなので、たんぱく質、脂質を、肉類や魚介類の缶詰などで十分に補給できるようにしておきたいものです。

阪神・淡路大震災の教訓では、缶詰があっても缶切りが無くて困ったというものがありますが、その後缶詰の多くがプルトップ缶になっているので、楽にはなりました。もし普通の缶詰を備蓄する場合は、必ず缶切りを一緒に入れておきましょう。

停電で冷蔵庫が使えない状況では、野菜類など生鮮食品が決定的に不足しますので、長期になるとビタミン、ミネラル類の不足が体調に影響を及ぼしてきます。これをカバーするために、多種類のビタミンやミネラルが配合されたサプリメントも用意しておくと良いでしょう。必須ミネラル類は、乾燥わかめ、煮干し、干しぶどう、ピーナッツなどの乾物で補給するのも方法です

主食としては、生米はそれなりに保存に耐えますが、炊飯に水を大量に使いますので、レトルトの白米パックやアルファ化米(ごはんを乾燥させたもの。少量の水で戻せ、そのままでも食べられる)をメインにすると良いでしょう。餅も、焼くだけで食べられて、いざとなったら生でもかじることができますのでお勧めです。一切れずつ真空パックされたものが備蓄に適しています。パンはカビが生えやすいので、保存用の缶入りなどでなければ、備蓄には適しません。

レトルト食品は、カレーを代表にさまざまなものがありますので、いろいろ用意して置くと良いでしょう。被災時はいつにもまして食事の楽しみが大きくなりますが、しばらくは暖かい食事がおなか一杯食べられることは少ないので、バリエーションが多いことは、気持ちを元気に保つためにもとても大切です。ただし塩分濃度が高い、味の濃いものはなるべく避けます。塩辛すぎると、あとで喉が渇きます。

気持ちの余裕という面では、お茶やコーヒーがあると、とても気が休まったという被災者の声があります。これは特に備蓄しなくても、普段使っているものが持ち出せば良いでしょう。


ここまで備蓄食糧について基本的な考え方を述べてきましたが、条件をまとめますと、常温で長期保存ができ、加熱してもしなくても食べられ、水を多く使わず、あまり塩辛くなく、必要なカロリーと栄養素が摂れるもの、ということになります。

乳幼児がいる場合は、粉ミルクや幼児用の菓子類(ビスコの評判がいいですね)などの備蓄も当然必要です。大人用にも、甘い飴類、氷砂糖やチョコレート、クッキー類、汗をかいた時の電解質補給用の塩飴なども、疲労感を軽くし、気持ちの余裕を保つために効果的です。これは過去多くの被災経験者から上がった生の声です。

このような要素をふまえて、備蓄食糧を選んでください。基本的には家族全員の三日分と言われますが、それ以上補給を受けられない事態も考えられます。費用や備蓄スペースとの兼ね合いもありますが、少し余裕を持って揃えておいた方が良いでしょう。


次回は、一般に言われている備蓄食糧の疑問点と問題点です。

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逆説的証明(笑)

衝撃的(?)なニュースが飛び込んで来ました。

(以下引用)------------------------
【スニッカーズが「ダイエット」、250カロリー超は販売中止へ】
[15日 ロイター] 「スニッカーズ」などを製造する米マースは15日、250カロリー以上のチョコレート菓子を2013年末までに販売中止にすると発表した。「健康と栄養に対する包括的な取り組み」の一環だとしている。
-----------------------(引用終了)

管理人は、当ブログ内で「スニッカーズ」を高カロリー非常食のひとつとしてお勧めしていたのですが、来年一杯でなくなってしまうようです。まあ、これも“食べ過ぎるとヤバイ”高カロリーぶりのせいなので、非常食としての優秀性が逆説的に証明されたようなものですね。

チョコレート、キャラメル、ナッツという、脂質と糖分の固まりみたいな内容は、まさにエネルギーバーという呼び名に相応しいもの。すごく甘いのも、空腹時には実に魅力的だったのですが。手に入るうちは、非常食としてお勧めしつづけます。

ちょっと大人買いしておこうか(笑)



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2012年2月16日 (木)

家の中の地震対策【4】

今回は、新居選びの際に、現地でチェックすべきポイントです。でもこれは引越しをする方だけでなく、現在お住いや仕事をしている場所をチェックする「防災の目」でもありますので、皆様が参考にしていただきたと思います。

まず建物の周辺の様子から見てみましょう。あとで利用しやすくするために、箇条書き+解説という形にします。

■建物から表通りに出るまでの経路
複数の経路があるか、その途中に倒壊しそうな旧い建物、瓦屋根、倒れそうな壁、石灯籠、鳥居、石垣など、崩れて道を塞ぎそうなものは無いか。電柱も旧いものは折れたりして、上に乗っている変圧器が落ちてくることもある。

■周辺の様子
倒壊や火災の延焼危険が大きい旧い木造家屋密集地ではないか。細い道が入り組んではいないか。大地震が起きると、同時多発的に火災が発生し、倒壊家屋からの出火は、初期消火が困難。しかも素早い消防の対応は事実上期待できない。炎に囲まれる前に脱出しなければならない。豪雨で水が出そうな低地ではないか。都市部では、一見平坦に見える場所でも、ごくわずかな高低差によって水没しやすい場所もある。これは地元の人に聞くのが一番だ。

■避難場所までの経路
崩れそうな崖、盛土や土手は無いか、倒れて道路の障害になりそうな建物や壁などは無いか、落ちてきそうな看板類、ビルの外装材、割れて飛び散りそうなガラス窓は無いか。水が溜まりそうな低地、大雨や津波で氾濫しそうな河川は無いか。都市に降る豪雨はアスファルトの上を高速で流れ、短時間で低地の浸水や小河川の氾濫を招く。津波は川を何キロもさかのぼる。東日本大震災では河口から約6キロまで遡上し、氾濫した。さらに上流までさかのぼる可能性もある。海沿いの場合は津波避難場所を複数確認し、そこまでの経路も確かめておこう。

■その他の危険
周囲に爆発や大火災、有害物質の放出などを起しそうな工場などは無いか。ガスタンクや石油類のタンクは無いか。周辺道路は、災害時に渋滞しそうか。交通事故が多い場所では無いか。

このようなことが、「防災の目」です。さらに、「防犯の目」を加えると、見るポイントも変わります。

■見通し
建物は表通りから見通しが良いか、暗い死角はないか、周辺には街灯があるか。暗くて死角の多い建物は、侵入盗犯を呼び寄せる。

■周辺環境
周辺にはゴミが散乱していたり、落書きが多かったり、空き家が多かったりしないか。ゴミ出しのルールは守られているか。ゴミの放置は、放火犯を呼び寄せる。ルールが守られていない街は、住人に問題が多かったり、自治会組織などが機能していない可能性もある。

■交通量
周辺の人通り、車通りはどうか。平日と休日、昼間と夜間で全く表情を変える街も少なくない。できれば違う時間帯に何度かチェックしたい。人通りの少ない道は、ひったくりや痴漢を呼び寄せる。


このように「防災(防犯)の目」で、実地でチェックすべきです。もちろん上記のようなことがあったらダメだということでは無く、そこに存在する危険を正確に認識し、それが許容できることかどうかを判断する材料とするわけです。何か起きてから「そんなこと知らなかった」と言っても後の祭。自分の安全は、自分で守るという意識で望まなければなりません。

次回は本来のテーマ、「家の中の地震対策」に戻ります。

■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。

家に備える防災グッズ【3】

今回は、家における水の保管方法などを考えます。

家に備える防災グッズは、前述の通り緊急避難時用の「非常持ち出し」と、後で取りに戻る「備蓄」に分ける必要があります。

まず「非常持ち出し」用ですが、これは発災直後の混乱の中を持って逃げる訳ですから、できるだけ軽量コンパクトであることが必要で、両手を空けられるリュックに入れておくのが基本です。

その場合の水の量ですが、とりあえず一日分としたいものの、ひとり分の水だけで2kgになります。赤ちゃん用としてはそれくらい必要としても、大人や小学生以上の子供用としては、500ccのペットボトル1本、できれば2本が現実的でしょう。4人家族分で2~4kgということになります。

力のある方が運ぶならばさらに増やすこともできますが、基本は家にいることが多い方、多くの場合はママさんが運びやすい量にするべきです。お子さんを抱いたり、持ち出すべき備品をすべて身につけた最大負荷の状態を考え、非常持ち出しのサイズと重量を決めてください。なにしろ、持ち出すものの中で水が一番重いのです。さらに避難場所は、近くの避難所とは限りません。状況によっては何キロも移動しなければならないこともありますので、無理のない重量にしてください。

前出の「スーパーデリオス」が非常持ち出しに入れてあれば、より安心です。重量は65グラムくらいですから、負担になりません。

次に、あとで取りに帰るための備蓄です。収納方法は各家庭によってそれぞれでしょうが、ポイントは、万一家が倒壊したり、家具が倒れて散乱していたとしても、取り出しやすい場所にするということです。基本的には家の中で比較的強度があり、外からアクセスしやすい場所、例えば玄関側の窓際などにしておくべきです。収納場所、方法などについては、シリーズ最後で一度まとめます。

自家用車の中に少し備蓄しておくのも良いでしょう。万一、家の中から備蓄を取り出せない場合の予備にもなりますし、普段から車で移動中に何かトラブルで足止めを食ったとしても、水が車内にあればとりあえず安心です。問題は、あまり大量に乗せておくと、重さで車の燃費を悪化させるということですか。管理人は、2リットルペットボトル4本、計8リットル(約8kg)を常時乗せています。

車に乗せておく場合も、できればリュックサック、せめて丈夫な手提げバッグに入れておき、車を離れる時でも運搬しやすくしておくことです。せっかくの水を、運べないからと言って放棄したくはありません。車内の水は時々家の中の備蓄分と1本ずつローテーションして、お茶やコーヒー用として使っています。そうでもしないと存在を忘れそうで(笑)

家の中に備蓄する場合のもうひとつのポイントは、やっぱり水は重いということです。例えば2リットルペットボトル6本入りの箱、12kgや、20リットルタンク、20kgを運搬する方法を考えてありますか?男性でも、担いで運ぶのは楽な作業ではありません。

地震で家が損傷しなくても、余震が恐いから避難所へ移動したり、近くの公園でテントを張って過ごしたなどという話も良く聞きました。そんな時、水に限らず、重量物を運ぶための手段も、あると無いでは大違いです。そこで、牽引式の折りたたみカートや台車などの用意をお勧めします。
Carry_007
Carry_009
台車に乗っているのは10リットルのタンクと5リットルの蛇腹タンクです。これだけで15kg以上ですから、やはり手で長距離は運びたくは無いですね。タンクに貼ってある緑色のテープ(ガムテープよりはがしやすい“養生テープ”を使用)には、水を入れた日付が書いてあります。

細かいことですが、カートや台車で重量物を運ぶ時は、画像のように荷物をしっかり縛るロープやラバーコードが無いとすぐに落ちますので、併せて用意してください。重量物の場合は、自転車用の細いものでは張力が足らずに落ちやすくなりますので、オートバイ用の太いコードやネットをお勧めします。

その他キャスターつきのスーツケースなど、なにか「車輪」つきのものでなければ、長い距離を運ぶのは困難です。自転車のカゴは重量ですぐに壊れてしまいますし、荷台に乗せて押して歩くのも、長距離になると難しいものです。普段灯油をタンクで買われている方は、その大変さはご存じですよね。

カートや台車があれば、給水車から水をもらいに行く時や、雑用水を川やプールに汲みに行く時も楽ができます。さらに、エレベーターが止まったマンションの上層階まで階段で運び上げるためには、登山用品の「背負子」があると、格段に楽になります。

これはマンション二階住まいの管理人は持っていませんので、「背負子」「しょいこ」で検索してみてください。3000円台から20000円程度まで、いろいろあります。正直、ちょっと欲しくなっています(笑)

このように、防災用の備蓄のうちで一番重い水をはじめ、重量物を運ぶ方法は、基本的には「ママさん基準」で備蓄場所や運搬方法を考えておくことをお勧めします。

次回は、「カロリー」編です。



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家の中の地震対策【3】

今回は、新しい場所に住む前にやっておくべき、「防災の目」によるチェックポイントです。もうすぐ新生活が始まる季節。「防災の目」は、今から見開いておかねばならないのです。

あなたは新しい街に移り住むことになりました。さて、まず何をしたら良いでしょうか。

最初にやるのは、何をおいても「ハザードマップ」の入手です。これは自治体の「防災課」などで入手できますが、ウェブで公開していたり、郵送でも請求できる場合がありますので、まずは新住所の自治体に問い合わせてみましょう。

それを見れば、自治体によって項目に若干違いがありますが、洪水、津波の想定浸水区域、地震の際の揺れやすさ、活断層の位置、地盤の液状化危険区域、火災の拡大危険度、地すべり・がけ崩れ危険区域、火山噴火の被害予想区域など、その街の自然災害による危険度が把握できます。住む場所をまだ具体的に決めていない場合は、ハザードマップの情報も参考にすべきでしょう。

ひとつ注意すべきは、津波の想定浸水区域です。東日本大震災以降、津波の危険のある自治体の多くで、津波の想定波高を見直す動きがあります。現時点ではまだ新想定が反映されていないケースが多いと思いますので、その点は良く確認してください。街の標高や地形を考えて、自分自身である程度安全マージンを見ておく必要があるかもしれません。

ハザードマップを見ればわかりますが、便利で住みやすい場所と、災害危険区域、特に洪水や津波危険区域は、一般に重なっている場合が多いもの。でも、これから住む場所の危険を事前に把握しておくことで具体的な対策をすることもできますし、イザという時の行動も全く違って来るわけです。例えば、津波の危険がある時、どちらの方角へ避難すべきかはハザードマップを見ていればわかっているわけで、その知識の差が生死を分けることもあるのは、事実が証明しています。

次は現地での部屋探し。不動産会社に行く際は、必ず当地のハザードマップを持って行きましょう。それは「防災意識の高い客」の証明です。そして物件の内容だけでなく、周辺地域の様子や災害の危険度を積極的に確認すべきです。そのような知識が無い会社や、真摯に対応せずに話を進めようとする会社とは、管理人なら契約をためらいますね。

ちょっとマニアックな方法としては、地元の図書館などで、その地域の過去の災害史を調べて見るのも良いでしょう。どんな災害がどのくらいの頻度で起きているか、その原因は今は取り除かれているのか、否か。そんな知識も役立つ時があるかもしれません。単純に、自分がこれから住む街の歴史を知ることは、その街をより楽しむためにも役立つものです。

次回は、実際に街を歩きながらチェックするポイントです。

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2012年2月15日 (水)

家に備える防災グッズ【2】

『家に備える防災グッズ』、今回は「水」編です。

まず、どのくらいの量を備えたら良いかという問題から。一般に「大人ひとり一日2リットル」と言われて来ましたが、最近は3リットルと言われることも多くなってきたように思います。もちろん多いにこしたことはありませんが、備蓄できる量には限界があります。

管理人は身体が大きめで汗かきの方なのですが、それでも直接飲む水に関しては一日2リットルで大丈夫と経験的に感じています。実際に、水の補給ができない被災地にボランティアに行く時は2リットル×日数分を持参し、それなりに汗をかく作業をしつつも、ほぼ足りていました。真夏や激しく汗をかくような場合はともかく、あまり動かないのであれば、とりあえず凌げるでしょう。

ミルクを飲む赤ちゃんがいる場合には、単純計算で一回200cc×12回、2.4リットル必要になりますし、ほ乳瓶の煮沸を考えれば、さらに欲しいところです。そこで消毒はアルコール等で行うとして、その他の用途も含めて赤ちゃん用清浄水は一日3リットルと、管理人は考えています。

でも前述のように最近は、根拠を示さずにただ3リットルとするマニュアルが増えていますね。根拠もわからずとりあえず多めに言っておけ、というのであれば、マニュアルの意味がありません。中には、ひとり一日分3リットル×家族分を避難時に「持ち出せ」というような、いい加減にも程がある「防災マニュアル」も存在するんですよ。防災の世界は、机上の空論と安易なコピペの宝庫です(笑)


さて水の備蓄ですが、多くの場合は2リットル入りペットボトルで用意する形となるでしょう。仮に4人家族だとして、ひとり一日2リットル×4人分×3日分で24リットル、2リットル入りペットボトル12本を、常時備蓄しておくスペース、ありますか?あれば良いのですが。あまり奥まった場所に入れてしまうと、被災後に取り出せなくなる恐れもあります。

次善の策として、水道水をポリタンクに貯め置きする方法があります。20リットル入りタンクひとつあれば、4人で三日ほどはなんとかまかなえる訳ですが、これは定期的に入れ替えが必要です。風呂や洗濯に使えば無駄になはならないものの、20リットル、つまり20キロ以上あるタンクを、特に女性が日常的に扱うのは無理があると思いますので、いくつかのタンクに小分けしておくのも良いでしょう。

水道水を貯める場合のポイントは、浄水器を通さないこと。水道水に含まれる消毒用塩素を浄水器で除去してしまうと、痛みが早くなるからです。それでも、夏場は冷暗所で密閉して保管しても1週間、冬場でも2週間程度が目安で、それ以上の貯め置きは、不安があります。
そこで、用意して置きたいのがこれ。
Purax
食品添加物指定の次亜塩素酸ナトリウム剤です。要は水道水に入っている塩素系消毒剤、次亜塩素酸ナトリウムなのですが、これを入れて消毒してやれば、ウイルスと細菌を除去できますから、少し古い水でも安心です。濃いめの水溶液を作れば、ほ乳瓶の消毒にも使えます。ただし、使用に際しては十分に説明書を読み、正しい使い方をする必要があります。

画像は一例で、商品名「ピューラックス」です。他に、商品名「ケンミックス4」が、薬局やネット通販などで比較的入手しやすいでしょう。

そこで便利なのがこれ。
Delios
当ブログでは既に何度も登場している、「スーパーデリオス」です。中空糸膜フィルターと活性炭フィルターでミクロン単位の不純物や細菌までろ過できますし、使用期限もありません。不純物の無い水道水の除菌という使い方に限定すれば、これ1本で200リットル、ドラム缶1本分のろ過能力がありますから、とても心強いものです。

これなら雨水でも、風呂の残り湯でも、魚が住める程度の川の水でも、まずは飲める水にする能力がありますから、これだけで渇きに苦しむことは事実上なくなります。でも水に溶けこんだ有害物質やウイルスは除去できませんので、そこは注意が必要です。正しい使い方をしなければなりません。

浄水剤やろ過装置がなくても、火が使えれば多少古い水でも煮沸することで安全になります。消毒のためには、10分間沸騰させるのが目安です。

次回は、水を備蓄するに際してのいろいろを考えます。




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2012年2月14日 (火)

家の中の地震対策【2】

のっけからなんですが、ひとつお詫びをさせてください。前回記事の最後に、今回は耐震補強が難しい建物の地震対策と書いたのですが、その前に、ひとつ触れておきたい事実がありますので、急遽内容を差し替えます。申し訳ありません。今回は、これから一人暮らしをする、または既にしている若い方と、そのような方のご家族に、特に気にかけていただきたい内容です。

1995年の阪神・淡路大震災において、犠牲者の年齢層に特異な傾向が見られました。犠牲者数を縦軸に、年齢を横軸にとってグラフ化すると、基本的には年齢が上がるほど、右肩上がりのグラフになります。そのピークは60~70代で、80代以降になるとその層の人口自体が減るので、犠牲者数も減って行きます。

年齢が上がると犠牲者数が増えたのは、高齢者ほど耐震強度の低い家に住んでいた割合が高いこと、とっさに危険を避ける能力が低いこと、建物に閉じ込められた場合、水分不足、寒さなどに若い人ほど耐久力が無かったことなどが考えられ、ある意味では「想定の範囲内」という傾向です。

しかしグラフには、それまで誰も想定していなかった傾向が現れました。20~25歳代の犠牲者数が不自然に突出しており、当初はその理由がわからなかったのです。運動能力が高いはずの若い人たちが、なぜ数多く犠牲になったのでしょうか。

その後の調査で、その層の犠牲者の多くに、ある共通点が見いだされました。それは「地元神戸の人ではない」ということでした。その層の犠牲者の多くが、神戸市内へ通学したり、仕事をするために市外から移り住んで来た、ひとり暮らしの層だったのです。

では、なぜその層に犠牲が集中したのでしょうか。実はその理由が、建物の耐震強度だったのです。収入が多くない若年層は、家賃が安い、耐震強度が低いアパートなどに住んでいることが多く、それらが軒並み倒壊したために、逃げる間もなく犠牲になったということがわかりました。

地震の発生が皆が家を空ける時間帯だったら、また違った結果になっていたでしょう、でも午前5時46分という早朝の発生が、思わぬ事実を浮かび上がらせたのです。


住む部屋を選ぶとき、普通は家賃、間取り、交通、周辺の施設などを気にします。あちこち引越しをしてきた管理人も、昔はそうでした。しかしそこに「防災の目」が抜け落ちていたことが、若い命を無駄に散らす結果となってしまったのです。

このような悲劇を繰り返さないためにできる事は、だだひとつです。新しい場所に移り住む際は、街や物件を選ぶ際に、「防災の目」を加えることしかありません。家賃や便利さだけでに捉われず、最初に建物の耐震強度を確認するくらいの慎重さが必要なのです。これからお子さんを一人暮らしに送り出す親御さんも、このことは意識しておいてください。お子さんの安全のためには、費用の奮発が必要なこともありますし、なにより親御さんが正しい知識を持ち、お子さんの新居選びには、積極的に関わることをお勧めします。

もちろん「防災の目」は、ひとり暮らしをする人に限らず、新しい場所へ移り住むときには、常に見開いていないといけません。ではその「防災の目」は、建物の耐震強度以外にはどこへ向けるべきか。それを次回のテーマにしたいと思います。

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バレンタインデーには防災グッズを(笑)

ふと気がついたら、今日はバレンタインデーですね。

管理人は既婚ですし会社勤めでも無いので、義理チョコなどもらうこともなく気楽なものです。昔は「女子社員一同」とかでもらっても、お返しは個別にしなけりゃならず、勤め人時代にはあれが苦痛で苦痛で(笑)

ところで、本命の人にはリキ入れたチョコに加えて、非常用チョコレートなどつけるのはいかがでしょう。チューブ入りチョコに「あなたには無事でいてほしいから」などとメッセージを添えたりして。そんなことやられたら、私ならオチますね(笑)

まあ今日の今日じゃ間に合いませんので、今後のご参考に。

男子諸君、3/14のお返しには、非常時用の甘いキャンディーとしょっぱいキャンディーに、自分とお揃いのレスキューホイッスルなんてのはいかがでしょうか。「これを吹けば、ボクが助けに来るよ・・・」とか言いつつ(←あくまで、キモチでね)


などとバカな事を言っているようですが、管理人はそんなのが普通になることを願っているんですよ。日常の中にそれくらい防災の意識が溶け込むようになれば、人だけでなく、街全体、国全体の「生き残る」力が、最高度にまでアップすると思うからなんです。

人を愛する時、相手の命を守ることを考え、相手のために自分の命を守ることを考える。それが、防災のキモチの原点であって欲しいと思います。

管理人が本館コミュニティで良く使う言葉を、最後に。

「あなたが生き残らなければ、大切な人を守ることはできないのです。」



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家に備える防災グッズ【1】

『家の中の地震対策』と同時進行の新シリーズ二本目、始めます。こちらは、家(自宅)に備えておくべき防災グッズについて、最大公約数的な発想ではなく、あくまで実践的に突き詰めて考えます。備えただけでは不十分です。いざという時使えなければ、話になりません。

ご注意いただきたいのは、ここでの「家」とは、『家の中の地震対策』シリーズて提示する対策が完了している、つまり「家は完全に倒壊しない」前提で考えているということです。

まず、何を揃えたら良いかの前提となるのが、『普段持ち歩く防災グッズ』でも提示した、すべての防災グッズに共通する6つの要件です。
■水分
■カロリー
■視界
■防水・防寒
■安全・衛生
■情報
それに加えて■救護の要素も入ってきます。

そして、家に備蓄する防災グッズは、二種類に分けることが必要です。
●非常持ち出し用
●備蓄用
ということになります。このシリーズでは、上記6(7)要件に沿ったグッズを、それぞれ非常持ち出しと備蓄用に分けて考えて行く形となります。

基本的には過去の大災害、特に阪神・淡路大震災、新潟中越地震、そして東日本大震災被災者の実際の声を重視しながら、被災時には何が起きて、何が必要なのかという事実を浮き彫りにして行きます。そして、それに対応できる防災グッズとは何か、それをどのような形で準備すれば良いかという部分まで考えて行きます。

ありきたりの「防災グッズリスト」をいくら眺めても、モノは揃っても「生き残る」力は上がりません。その時何が起きて、その中で人はどのように感じ、行動し、欲し、嫌うか。それを理解していなければ、過去の教訓を活かしているとは言えないのです。

それでは次回から、具体的な話に入りましょう。まずは「水分」編です。

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家の中の地震対策【1】

新シリーズを始めます。タイトルは『家の中の地震対策』です。「家の中」とは、家の建物そのものも含んでいます。これから何回かに渡り、建物自体と建物の中での地震対策について考えて行きます。

まずすべての地震対策の大前提となる、最も重要なことから始めましょう。それは「建物の耐震補強」です。では何故、これが最も重要なのでしょうか。

我が国の建築基準法による耐震基準は、1981年に大幅に強化されました。その前後の建物の強度にどれくらい差があるかというのを明確に示すデータがあります。1995年に発生した阪神・淡路大震災では、最大震度7の激震が発生し、約10万棟の建物が全壊しました。その中で、新耐震基準に沿った建物の割合がどれくらいだったかご存じでしょうか。

なんと約0.2%、ほんの200棟ほどに過ぎなかったのです。

一方、阪神・淡路大震災犠牲者のデータは、恐るべき事実を我々に突きつけます。早朝の発生という条件も重なり、6434人という犠牲者の約86%、約5530人が、自宅内で犠牲になっています。そのうち、建物の倒壊が主な原因のいわゆる圧死(実際には多くが窒息死)が約83%、約4590人、倒壊した建物に閉じ込められたまま火災で焼死した人が約12%、約1110人という、身震いするような調査結果があります。自宅内で犠牲になった人のうち約95%、約5250人が、建物の倒壊による犠牲になったということができるのです。

東日本大震災では津波が最大の凶器となりましたが、阪神・淡路大震災では、自宅の建物が最大の凶器となりました。数字で表すとあまりに単純ですが、数千、数万の命があり、人生があり、それぞれに家族があったのです。それがあまりにも理不尽に失われた現実を、改めて考えて見てください。この悲劇を、ただ手をこまねいているだけで、また繰り返すのですか。


ともかくも、これらの二つの要素、新耐震基準建物の耐震強度の高さと、建物倒壊による犠牲者の多さから導き出される事実は、阪神・淡路大震災においては、もし仮にすべての建物の耐震補強が済んでいたら、5250人以上が犠牲にならずに済んだ可能性がある、ということです。

このことが、建物の耐震強度を上げることこそ、何にも優先すべき地震対策だと考えなければならない理由です。平たく言えば、最も効果的に犠牲を減らすことができる方法だということです。

ですからまず、お住まいの建物が1981年以前の建築の場合は耐震診断を受け、必要な場合には速やかに耐震補強をされることを、強くお勧めします。耐震診断の経費は、自治体が全額または一部の補助をしていることが多いので、まずはお住いの自治体の「防災課」に問い合わせてみてください。

集合住宅の場合は、自治会や管理会社に問い合わせることで、耐震強度や補強の状態を知ることができます。くり返しますが、これがすべての地震対策の最優先事項です。もちろん手間も費用もかかることなのですが、地震災害から「生き残る」ために、最も必要なことなのです。なお、耐震基準は1999年にさらに強化され、それに沿った建物は、さらに耐震強度が上がっています。

しかし、すぐには建物の耐震強度を上げられない事情もあるでしょう。それでも様々な対策によって、「家に殺される」危険を小さくすることができます。そんな方法も、併せて紹介して行きたいと思います。

次回は、耐震補強が困難な場合の対策を考えて行きます。

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2012年2月13日 (月)

ありがとう!5000PV

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携帯電話からのアクセスを含めると、5000PVを超えております。

読者の皆様に感謝します。

今後ともよろしくお願いいたします。


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これからの予定

いつも「生き残れ。Annex」をご覧いただき、ありがとうございます。
今後の記事掲載予定について、お知らせいたします。

防災グッズに関しては、「自宅に備える防災グッズ」(仮)シリーズを、カテゴリ【防災用備品】で展開して参ります。

それと同時に、自主防災において最も重要な「家の地震対策」(仮)を、カテゴリ【地震・津波対策】で展開して参ります。

二本同時進行は正直なところ楽ではありませんが、管理人としては「間に合わなかったらどうしよう」と思う気持ちが強いのです。本当に“その時”が来る前に、皆様にできるだけ対策を進めていただくために、敢えて同時進行します。

できるだけハイペースで更新して行きますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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普段持ち歩く防災グッズ【補足】

一旦終了すると言っておきながらなんですが、普段持ち歩く防災グッズについて、少し補足させていただきます。

このシリーズは、自然災害、特に地震・津波災害時の主に外的要因から「生き残る」ためのグッズという観点で進めてきましたが、その他の留意点で、特に大切なことを記しておきます。

まず、これは該当する方のみなのですが、普段服用している薬の予備を、最低3日分は常時持ち歩くことが必要です。理由は言うまでもありませんね。

さらに、処方箋のコピーを持ち歩くと安心でしょう。大災害時は、出先で薬の補充ができる可能性は低くなりますが、その機会があっても薬の正確な内容がわからないと、せっかくのチャンスを失います。基本的には医師から投薬の指示が無いと、薬局は薬を出しません。しかし受診したくでもできない非常時には、なんとしても薬をもらわないとなりません。その際に薬の正確な種類がわからなければ、これは問題外ということになります。

大災害で重症者が多数出ているような状況では、病院では「トリアージ」が行われ、軽症や慢性疾患では受診できない可能性が大きくなります。また、人工透析など継続的な加療が必要な方は、かかりつけ以外にも必要な治療が受けられる病院をいくつか確認し、その記録を持ち歩く必要があります。


もうひとつは情報の問題です。最近は連絡先情報を携帯電話、スマートホン等“だけ”に記録している方が多いと思いますが、それを失ったり電源が落ちた場合、例えばご家族の携帯電話に、記憶だけで電話やメールができますか?

非常時に連絡が必要な先は、電子機器に頼り切りにせずにメモを取り、財布など必ず持っているものの中に入れておきましょう。記憶に自信がある方でも、非常時の混乱の中では、なかなか思い出せないことも良くありますので、やはりバックアップが必要だと思います。

前述の薬や病院情報などももちろん、緊急時に必要な情報は皆、メモを持ち歩くようにしましょう。非常時に一番強いのは、最もアナログな方法なのです。

これで、『普段持ち歩く防災グッズ』シリーズ、本当に終わります。


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地震関連情報 2/13

昨日2月12日午後1時41分頃、三陸沖、深さ10kmを震源とするマグニチュード5.0の地震が発生し、気仙沼市で最大震度2を記録しました。

この地震は、東日本大震災本震震源域の東側(沖側)で、深さ10km程度の浅い震源という、予想される「アウターライズ地震」の特徴と合致します。

プレート境界型巨大地震の後には、高い確率で起こるとされている「アウターライズ地震」ですが、東日本大震災では3月11日のうちに、マグニチュード7.5の規模で発生が確認されています。しかしその後は小規模なものは起きているものの、津波を発生させるような規模のものは起きていません。

現時点でも、震災後の地殻変動の影響によって本震震源域沖側の「アウターライズ」部分に引っ張り力がかかっている状況であり、大規模な「アウターライズ地震」が発生する可能性は常にあります。

「アウターライズ地震」は、陸地から比較的遠い震源で発生するために、陸地の震度はそれほど大きくならない傾向があります。しかし震度の割りに大きな津波を発生させる「津波地震」となる可能性が大きいので、今後も十分な警戒が必要です。

震災被災地沿岸部で震度4以上の強めの揺れを感じた場合は、絶対に楽観的な判断をしないで、すぐに避難体制を取り、関連情報に注意してください。



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2012年2月12日 (日)

スタートから一ヶ月・絶大なご支持に感謝します

このブログ「生き残れ。Annex」は、本日でスタートから一ヶ月を迎えました。おかげさまでスタート直後から多くの皆様のアクセスをいただき、参加しているふたつのブログランキングのうち「人気ブログランキング」では、自然災害ジャンルで、週間アクセスランキング一位を二週間以上キープさせていただいております。
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このブログは、管理人が長年に渡って研究、蓄積してきた「生き残る」ための防災知識を広く知っていただこうと、mixiのコミュニティ「生き残れ。~災害に備えよう~」(2007年10月スタート)の別館(Annex)という位置づけで始めたものですが、管理人も想像していなかったほど多くのご支持をいただいております。ご愛顧に心から感謝申し上げます。

管理人は、このブログの内容が自然災害、特に地震・津波に対して不安をお持ちの皆様の「生き残る」力のアップに繋がりますことを、何より望んでおります。当然ながらランキングアップが目的ではありませんが、少しでも多くの方々にご覧いただくために、ランキングもできるだけ上位にいたいと思っております。

このブログの内容が役に立った、満足したとお思いいただけましたら、是非とも各記事のランキングタグのクリックをお願いいたします。また、当ブログはリンクフリーとしておりますので、広くご紹介いただけましたら幸いです。なお、管理人はアフィリエイト、タイアップ等は一切行っておりません。あくまで「防災屋」の目でセレクトし、基本的には自ら検証した商品や情報のみを、ボランタリーでお送りしておりますので、アクセス数アップ、ランキングアップによって管理人が金銭的利益を得ることは一切ありません。
(携帯電話からのアクセスで表示される広告は@niftyが出稿しているもので、管理人とは一切関係ありません)

今後も、世の中に溢れる根拠の無い不良情報を徹底的に排除し、多くの方にとって本当に役に立つ防災情報をお届けして行く所存です。今後とも、「生き残れ。Annex」をご愛顧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。ご意見、ご希望などありましたら、お気軽にコメントをお願いいたします。

■参考
当ブログの本館、mixiのコミュニティ「生き残れ。~災害に備えよう~」へのリンクです。
mixiユーザーの方は、本館もよろしくお願いいたします。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2673475
なお、本館ではメッセージ(メール)による防災相談も受け付けております。

普段持ち歩く防災グッズ【13・最終回】

今回で、このシリーズは一旦終了します。しかし持ち歩きや備蓄用グッズへのご要望が非常に多いことを鑑み、また別の形で「何を用意すべきか」という記事を掲載して行こうと考えております。

さて今回は最終回として、今まで紹介したグッズで、実際の持ち歩きセットを組んでみたいと思います。当シリーズ冒頭に書いた通り、想定するのは大都市圏へ、公共交通機関で通勤・通学をしている人です。

まず、最も問題になるのが「重量」です。言うまでも無く、できるだけ軽くしたいもの。そこで、現実的な目標重量として、できるだけ500ccのペットボトル1本分、500グラム前後にまとめることとしました。

次に「容積」ですが、これは持ち歩くバッグ等によっても許容量が変わりますが、とにかくできるだけコンパクトにという方向で考えました。

それらを重視しつつ、防災グッズの6要素、■水分、■カロリー、■視界、■防水・防寒、■安全・衛生、■情報から、バランス良くグッズを選択してみました。まずは、画像をご覧いただきましょう。管理人が500グラム前後に纏めるならこうする、という一例です。
Carry_005
■水分は、浄水ストローにしました。浄水剤と一緒にフリーザーバッグに入れて35グラムほどですが、これを「スーパーデリオス」にすると、65グラムほどになります。「スーパーデリオス」の方が手軽に浄水できますが、ここでは軽量、コンパクト、低コストを優先しました。できれば「スーパーデリオス」装備の方がベターではあります。

■カロリーは、その名の通り「カロリーメイト」ひと箱94グラムをセレクトしました。紙箱が無ければ約90グラムです。ひと箱で400キロカロリーが補給できます。

■視界は、単3電池使用のLEDライト60グラム(画像は別項で紹介したものと異なりますが、同等のものです)

■防水・防寒は、100均ビニールカッパ100グラム、アルミレスキューシート60グラム、タオル70グラムの三種です(防寒用手袋は平常装備と見なして除外しました)

■安全・衛生は、マスク3枚、ポケットティッシュ1パック、ウエットティッシュ10枚入り1パックをフリーザーバッグに入れたセットで30グラムです。マスクは、抗ウイルスマスクがあればより良いでしょう。

■情報は、単3電池ラジオ95グラム、レスキューIDホイッスル10グラムです。(携帯電話、スマートホンとその充電器は平常装備と見なして除外しました)

これらを単純合計すると554グラムで、これに予備の単3乾電池(1本20グラム)を2本追加すると、約594グラムということになります。特に冬季には、喫煙しない方でも使い捨てバーナーライター(約20グラム)をひとつ装備してあると安心でしょう。

女性専用用品については平常装備と見なして除外してありますが、災害時を想定して、通常より多めに用意されておくことをお勧めします。これは勤務先などに備蓄しておいても良いと思います。

これはあくまで一例ですので、地域、季節、気象条件、許容重量などによって、過去の記事を参考にしてアレンジしてみてください。ちなみに管理人の常時持ち歩き防災グッズの重量は、合計800グラム以上になり、バッグも防災グッズ収納を前提とした、コンパートメントやポケットがたくさんあるものを使用しています。


以上で、『普段持ち歩く防災グッズ』シリーズを終了します。繰り返しますが、これは管理人が限られた条件を前提としてセレクトした一例です。これだけあれば安心、というものではありませんが、災害後に想定される身体的危険に対し、比較的効率良く対応できる装備だと思います。ただしこれらは、あくまで災害の第一撃から「生き残った」後のための装備である、という事も忘れないでください。

「生き残る」ための防災とは、グッズを揃えるだけでなく、普段からの意識、行動、対策など、細かい要素の積み重ねなのです。そのためには、「その時」何が起こるかを正確に知ることが大前提となります。

当ブログでは、今後そのような災害知識についても解説していく予定です。

【普段持ち歩く防災グッズ おわり】


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2012年2月11日 (土)

防災グッズの疑問、問題

管理人が防災グッズに関して、疑問や問題に思っていることなど。

■ロウソクはいらない
非常持ち出しグッズの定番に、ロウソクがあります。停電しているとき、長時間に渡って明かりを得るという意味においては、手軽で安価なグッズではあります。

しかし大地震直後には、しばらくの間大きな余震が続きます。そんな中、暗い室内や避難所で、周りには可燃物がたくさんある中でロウソクを灯すことは、管理人は全く賛成できません。余震で倒れたり、可燃物が崩れてきたり、逃げる人に蹴飛ばされたり、点灯したまま寝込んでしまったりなど、あまりにも危険な要素が多すぎます。一旦火が出たら、消火用の水さえ無いことも多いのです。安全のためにはせめてガラス製のホヤか、キャンドルランタンのようなものが必要だと思いますが、できるだけ軽量にしたい装備には積極的にお勧めもできません。

昔は停電といえばロウソクが定番でしたが、現代は明るくて長時間持つLEDライトがあります。ここは考え方を変えて、火災事故防止のために、非常用装備から敢えてロウソクを外すことを、管理人は提案したいと思います。


■ナイフのこと
ナイフはアウトドア生活の必需品です。もちろん不自由な避難生活中でも大活躍します。管理人も、敢えて画像はアップしませんが、普段から小型アーミーナイフを持ち歩いていますし、非常持ち出しセットには、少し大きめのアーミーナイフが入っています。さらに大型のサバイバルナイフにマチェット(西洋ナタ)もあります。

しかし、このブログでも本館のmixiコミュニティでも、過去にナイフについて触れたことは一度もありません。それは、ナイフを取り巻く環境があまりに異常だからです。

青少年のナイフによる殺傷事件が多発した結果、工具代わりのツールナイフでもキャンプ用の刃物でも、とにかく刃物は持ち歩いてはダメという雰囲気になっています。警察官に職務質問などされてナイフが見つかると、良くて事実上の没収、下手をすると身柄を拘束されることにもなりかねず、そんな事態も実際に起きています。

犯罪抑止のための「刀狩り」にはもちろん賛成ですが、どのような目的でも、とにかく持ち歩くことは許すまじ、というのが現実です。

非常時に命を繋ぐツールのために犯罪者にさせられては、たまったものではありません。しかし正当な主張が受け入れられる余地もどうやらほとんど無いようですので、管理人は表立ってナイフ類の準備をお勧めすることはありません。しかしナイフに対する考え方と装備は、本文の冒頭の通りです。


■コストの問題
防災グッズに限らず、それなりの性能とクオリティを求めれば、価格は上がって行くものです。しかし「使うか使わないかわからない」防災グッズに関しては、その性能よりも、とにかく低コストであることが優先されて来たように思えます。これはある意味仕方ないことなのですが。

しかし東日本大震災が起き、その他の地域でも大規模地震の可能性が現実的に考えられて来た今、改めて防災グッズの性能とクオリティを見直すべきチャンスだと思うのです。

正直なところ、出来合いの「防災セット」に含まれるグッズの中には、現実には使えない、使いづらい、過酷な使用に耐えられないようなものも散見されるのです。これから防災グッズを揃える方は、それなりの性能のものを揃えることをお勧めしますし、既にいろいろ準備されている方は、今一度「本当に使えるか」考え直してみてはいかがでしょうか。


その他にもいろいろありますが、今回はこの辺で。


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2012年2月10日 (金)

普段持ち歩く防災グッズ【12】

今回は「番外」編とまとめです。

ここまで、普段持ち歩く防災グッズについて、■水分、■カロリー、■視界、■防水・防寒、■安全・衛生、■情報の各ジャンルに分けて考えて来ました。

ここでひとつお詫びしなければならないのですが、【1】の本文中、「紹介するのはすべて管理人が実際に持ち歩いているもの」と書いたものの、すべてを一緒に持ち歩いているのではありません。どれも管理人の持ち物ではありますが、行先や状況によって、使い分けています。一応、全てのグッズは常時持ち歩きか、自宅に準備している非常持ち出しのどちらかには、必ず含まれています。

さらに、常時持ち歩いているグッズは他にもありますし、今まで出てきていないグッズを追加する場合もあります。今回は、それらの一部を「番外」編として紹介したいと思います。

これは「情報」編に含めても良かったのですが、とりあえず別にしました。
Survive_007
コンビニで売っている、電池式の携帯充電器は常時持ち歩いています。災害以前に、充電が切れそうな時に重宝しています。管理人としては、手回し式充電器は持ち歩きにはちょっと大きいかなと思っていますので、非常持ち出しの方に入れています。ちなみに管理人は、スマートホンの便利さよりも災害時の冗長性を優先して、当分は普通の携帯電話、いわゆる「ガラケー」を使うつもりです。

次はこちら。これも、ほぼ常時持ち歩いています。
Photo
防煙フードです。パッケージのイラストにあるように、空気を入れて頭からかぶるプラスチックバッグです。煙の中でも視界を確保し、5分程度は呼吸ができます。これはもちろんビルや地下街にいるときの火災に備えたものですが、他者の救助も想定しています。火災の煙が薄くても、外から煙の中に飛び込むのは自殺行為です。火災の煙には、一酸化炭素や様々な有毒ガスが含まれるので、一息吸っただけで行動不能になることもあるのです。でもこれがあれば、熱と視界の問題が無ければ救出に行くことができます。

次は、ベルトに常時つけているポーチに入れているものです。
Photo_2
長さ120ミリの、一番小さなサイズのバールです。これは、自動車や建物のガラス破壊、石膏ボードやモルタル壁の破壊、羽目板などのクギ抜きなど、閉じ込められた場所からの脱出を想定しています。

「安全・衛生」編でも紹介した「衛生セット」の中に入れてあるのが、人口呼吸用フェイスマスク「キューマスク」です。(バッグの中の、日本赤十字のマークがついたもの)
Survive_009
これはマウスツーマウス人口呼吸時にバイスタンダーと要救護者の接触を防ぎ、体液等による感染を防ぐものです。使用するには、日本赤十字や消防などの救急救命講習を修了していることが前提となります。

これは、出張や旅行に行く時に必ず持って行きます。
Paracode
15メートルのパラシュートコードです。その名の通りパラシュート用のヒモで、静荷重250kgに耐える非常に丈夫なものです。これは火災や建物倒壊時の脱出用を想定しており、裂いたシーツを結んで作ったロープにらせん状に巻きつけることで、まず切れる心配が無くなります。その他、洗濯ロープ、レスキューシートと合わせて簡易シェルター作り、止血帯など、とても応用範囲が広いものです。

寒い時に被災した場合、屋外ではとにかく火を起こしたいもの。そのための装備がこれ。
Blog_007
ちょっとわかりづらいのですが、強い炎を噴射するバーナーライター(ターボライター)です。非常用装備に防水マッチや100円ライターを入れることを勧めているマニュアルは多いのですが、強風や雨、雪の中では、なかなか火口に着火できません。そこで、管理人は強力な炎が出るバーナーライターをお勧めします。画像はツインバーナーの大型のものですが、コンビニで使い捨てタイプで140円前後、ガス補給が出来るタイプでも300円前後で売っていますので、タバコを吸わない方もひとつ持っていると心強いものです。

ここまでシリーズで紹介してきたグッズを、管理人は状況に応じて持ち歩いています。参考にしてみてください。車やバイクでの移動ならば、全部を持ち歩くこともできますね。もちろんこれが全てでは無く、まずその時何が起きるか、それにどのように対処するかを正しく想定できれば、いわゆる「防災グッズ」でなくても、いろいろなものが「生き残る」ために応用できるのです。

さて、次回は最終回のまとめとして、実際の持ち歩きセットを組んで見たいと思います。

■このシリーズは、カテゴリ【防災用備品】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。


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2012年2月 9日 (木)

普段持ち歩く防災グッズ【11】

「情報」編、続きます。

ちょっと持ち歩きグッズから離れてしまうのですが、気になることをひとつ。

防災グッズの定番とも言える手回し式ラジオ+携帯電話充電器ですが、現在のところスマートホンに対応しているものは、ほとんど無いと思います。

以前から手回し式を用意されていて、スマートホンに乗り換えた方、非常時の充電方法はありますか?仮に手回し充電器が対応していても、携帯電話よりはるかに電力を食うスマートホンは、手動での充電はかなり困難かと思います。外付けの予備バッテリーは必須だと思いますが、消耗は時間の問題です。

また、普通の携帯電話をお使いの方も、ずっと前から手回し充電器を用意されている方は、一度現品を確認されることをお勧めします。もしかしたら一世代前の、ドコモで言えばFOMAの前、MOVA時代のものではありませんか?他社のものでも、現行のものはすべて旧世代とは充電プラグの形状が違うので、流用できません。

実は管理人もやってしまいました。阪神・淡路大震災後に入手した旧世代の充電器を、ずっと確認していなかったのです。あわてて最新のものを入手しました。皆様も、ぜひお確かめください。


最後に、ちょっと違う方向から。これも最近は定番と言える、エマージェンシーホイッスルです。これは、あなたから発信する、自分の存在を知らせる「情報グッズ」です。弱い息でも鋭く甲高い、遠くまで聞こえる音を発します。
Photo
倒壊した建物に閉じこめられた時、自分の居場所という情報を発信できなければ、発見されるのが遅れます。多人数が閉じこめられているときも、大抵は最初に居場所が特定された人から、救助が始まります。そう考えると、とても重要です。

防水のホイッスル本体の中には、住所、氏名、性別、年齢、血液型、緊急連絡先などを記したIDカードが入れられます。もしあなた自身が伝えられない状態でも、必要な情報が確実に伝わるのです。

家族全員にひとつずつ用意して、常に持ち歩くようにしましょう。画像の、100円ショップで売っているもので十分です。

「情報」編は、以上です。次回は「番外」編と、まとめです。

■参考データ
エマージェンシーIDホイッスル 重量10グラム、価格100円

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地震関連情報2/8【2/10訂正】

2月8日午後9時01分頃、新潟県佐渡島南西沖、深さ10kmで発生したマグニチュード5.7、最大震度5強の地震について、当記事では当初「正断層型」と記述しました。

これは震源の位置、深さ、震央周辺で過去、特に東日本大震災以降発生している地震のタイプから推測したものでしたが、気象庁の発表(速報)は、「逆断層型」となっておりましたので、お詫びして訂正いたします。

圧力軸については、当記事では「東西方向」と推測しましたが、気象庁発表では「西北西―東南東」となっておりますので、ほぼ正確でした。

この地震について管理人は、震災後の地殻変動によって東側にずれた北アメリカプレートにかかる、東向きの引っ張り力によって発生したものと推測しましたが(実際にそのタイプは周辺で多発しています)、気象庁発表によると、北アメリカープレートと、この地域ではすぐ西側に隣接するユーラシアプレートの相互関係によって発生した地震とされており、震災後の地殻変動との関係は不明、とのことです。


地震のメカニズムはともかく、この地震も「いつどこで何が起きてもおかしくない」という、震災後の日本列島の現状を現しています。できるうちに、できるだけの備えを進めてください。

2012年2月 8日 (水)

普段持ち歩く防災グッズ【10】

今回は「情報」編です。管理人が提示した6つの要件の最後になりますが、もう少し続きます。

まず最初に、災害時に必要な情報とはどんなものか、そこから考えて見ます。

発災直後は、広範囲の情報が必要です。災害の種類、規模、大まかな被害の状況、重大な被害が出ている場所、広範囲の道路や交通網の状況など、災害の全体像を把握し、以後の行動を決めるための情報です。

すぐに帰宅行動を始めるか、その場にとどまるか、避難場所へ移動するかなどを判断するための情報が必要なわけです。そのような情報が無いままに行動を始めるのは、大災害時には自殺行為にもなりかねません。もちろん、帰宅経路の安全が確認されて、長距離の歩行が可能な装備が揃っていれば、帰宅という判断もあり得ます。

発災当初の行動を決め、それが完了した次の段階で必要なのは、自分の居場所周辺の情報です。火災、津波などの被害拡大状況、救難や支援などの進捗状況などが、市区町村レベルで必要になります。

状況が落ち着いてくると、生活関連の情報、つまり救援物資の受け取り場所、ライフラインの状況、営業している店、罹災証明の申請方法など、さらに細かいレベルの情報が必要になります。

これらの情報を受け取るために持ち歩けるのは、ラジオと携帯電話またはスマートホンということになります。


まずラジオですが、なるべく小型軽量が望ましいのは言うまでもありません。ボタン電池や単4電池仕様のものがコンパクトですが、やはり電池の入手のしやすさ他の機器との共用できるものという発想で、単3電池仕様が良いでしょう。手回し発電式がいちばん安心と言えますが、持ち歩き用としてはサイズが多少大きいのが気になります。その点が問題なければ、ライトや携帯電話充電機能もセットされているものがお勧めです。
Survive_006
受信バンドは、AM・FMが受信できるものを。FM専用だと、山間部などでは受信できないことがあります。巻き取り式のイヤホンがついていれば、騒音の中でも聴き取れますし、夜の避難所など静かな場所でも安心して聴けます。

発災直後の広範な情報を得るためには、NHKのAMを聴くことをお勧めします。NHKは送信出力も大きく、送信所が各地にありますので、場所を問わずどこかの局が受信できるはずです。それに、過去の大災害や東日本大震災後の報道を見聞するに、やはり民放はどうしても「主観」や制作者の「意思」が比較的多く入り、余計な不安を煽るような報道も少なくなかったと感じていますので、やはりまずはNHKの情報を優先することをお勧めします。

自分の居場所周辺の被災情報は、その地方の地元AM・FM放送局が受信できれば、より詳細に入手できるでしょう。

地元のコミュニティFM局が受信できれば、さらに身近な情報が入手できます。コミュニティFM局は、阪神・淡路大震災、新潟中越地震、そして東日本大震災でも、被災者支援のための大きな力になっています。

このようにAM・FMラジオがあれば、発災後しばらくの間に必要な情報は大抵入手できますし、いかなる巨大災害でも、すべての局が停波することは考えられませんので、必ず情報が入手できるのが最大の強みと言えましょう。


次に携帯電話、スマートホンです。これはもう自動的に持ち歩きグッズに入っていますが、そのネット機能が使えるかは、居場所の通信インフラが生きていることが、もちろん前提となります。ネット接続ができればあらゆる情報が入手できる可能性がありますが、問題は、情報の正確度です。

発信者が個人である以上、必ずしも正確な情報とは限りませんし、ウソ、デマが大量に紛れ込むことは、東日本大震災で証明されてしまいました。膨大な情報トラフィックの中から正確な情報だけをピックアップするのは、事実上不可能です。

有用なサイト、例えば気象庁のサイトなどにはアクセスが集中し、つながりにくくなるでしょう。そして今後しばらくの間もっとも懸念されるのが、通信トラフィックの集中によるシステムダウンです。残念ながら、携帯電話の10倍と言われるデータを送受信するスマートホンの急速な普及による通信トラフィックの増大に、当分の間はシステムが追いつかないのです。

平時でもトラブルが起きている状況では、災害時、それもユーザー数が膨大な大都市圏が被災した場合に、正常に機能するかは全く未知数というか、少なくとも今後数年の間に発災した場合は、トラブルは避けられないと考えるべきでしょう。

携帯電話、スマートホンを経由したネット機能は、確かに有用ではありますが、冗長性、つまりいつでも安定して作動し、確実に情報が得られるかどうかについては期待しすぎない方が良いと、管理人は考えています。

そうなると、特に発災直後の、緊急性の高い情報を確実に得るためには、やはりラジオです。非常時に複雑なハイテクが機能せず、ローテクがその強さを見せつけた例は、過去にいくらでもあります。

ということで、当ブログとしては携帯やスマホに頼り切らず、持ち歩きグッズとしてもAM・FMラジオの装備をお勧めしたいと思います。しかし、実はコンパクトな国産ラジオは、思いのほか価格が張るものです。3000円くらいから、上は一万円近くまであります。

でもそこは実を取って、海外製のものをディスカウントストアやネットショップなどで探せば、1000円程度のものが見つかるでしょう。画像のものは、海外製で1000円でした。


長くなりましたので、次回に続きます。

■参考データ
AM・FMラジオ(単3電池1本使用) 重量96グラム(電池込み)

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おしらせ 2/8

カテゴリー区分変更のお知らせです。

ご好評いただいております『本当に必要な防災グッズとは?』ならびに『普段持ち歩く防災グッズ』の両シリーズは、過去にさかのぼって新設カテゴリ【防災用備品】に変更いたしました。

ご覧頂く際は、ご注意ください。なお、本文中のカテゴリ告知コメントも、すべて【防災用備品】に変更済みです。

今後、防災グッズに関しては、【防災用備品】カテゴリで、行動面などの対策を【地震・津波対策】カテゴリで展開して参ります。


今後とも「生き残れ。Annex」をよろしくお願いいたします。


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だれでも送れる救難信号とは?

普段持ち歩く防災グッズ【8】の中で、レスキューシートで救難信号を送る方法を書いたついでに、世界共通の救難信号についても記しました。(詳細は記事をご覧ください)

その流れで、多くの人が持っているもので救難信号を送る方法をお知らせします。


太陽光を上空の航空機や海上の船舶に向かって反射させるのが、一番遠距離まで届く救難信号なのですが、そのためには、やはり鏡が理想的です。女性ならば手鏡をお持ちの方も多いでしょうが、男性は滅多に持っていません。そこで、代用できるものを探します。

素通しのガラスでもそれなりの反射をしますが、それなら磨かれた金属板の方が適しています。そこで、気付かれた方もいらっしゃるのではないかと。

そうです。ipodシリーズの筐体が、理想的な反射板となります。まあ、スティーブもそこまで考えてはいなかったでしょうが(笑)でも、だれもが持っているものでもありません。ちなみに、管理人も持っていません。

そこで、誰もが持っていそうなものを、さらに探します。
実は、それは財布の中にあるんですよ。おそらく、あなたの財布の中にも。

それは、クレジットカードのホログラム。カード表面の、銀色で鳥とかが虹色に光っている、あの部分です。あれで太陽光を反射してやるんです。では、その使い方とは。これはホログラムだけでなく、全ての反射物に共通です。


まず、航空機や船舶に向かって立ち、片目をつぶります。

次に、腕を前に水平に伸ばして、指でVサインを作ります。

そして、二本の指の間の中心に、航空機や船を捉え続けます。

空いた手で反射物を持ち、Vサインと目の間からVサインの中心方向に向かって、少しずつ動かします。


つまり、指のVサインで銃の照準のように目標方向を定め、その方向へ向けて反射物を動かすことによって、キラキラと光らせるわけです。

捜索のための救難機などが来ていれば当然すぐに光に反応しますし、そうでなくても、人がいそうも無い場所から光が発せられれば、かなり注意を引くことができます。

「あんな小さなものでは大した反射しないだろう」とか、「机上の空論」だとかのご意見も出て来そうですが、これは英国の特殊部隊SASでも教育されている方法です。特殊な装備が無くても、誰もが持っているものを最大限に利用する、これこそがサバイバルの極意です。


夜間の救難信号には、大きな火を焚くのがベストでしょう。でも、それが救難信号だとは、救助隊でなければわからないかもしれません。もし、ある程度強力なライトがあれば、SOSを発信することができます。SOSとは、モールス信号で一番簡単な符号を世界共通の救難信号に定めたもので、下記の様に発信します。

【・・・---・・・】

音で表せばトトト ツーツーツー トトト、つまり短信号3回(=S)、長信号3回(=O)、短信号3回(=S)となるわけです。このようにライトを点滅し続ければ、救難信号であることがわかります。

余談ながら、音声通信での世界共通の救難信号は、『メーデー』(May day)です。無線機があれば『メーデー、メーデー』と繰り返すことで、世界どこでも救難信号と認識されます。


どれも知っていて損は無い知識です。


2012年2月 7日 (火)

普段持ち歩く防災グッズ【9】

今回は「安全・衛生」編です。

これはどういうことかと言うと、災害時において衛生状態を良好に保ち、身体の傷害、トラブルを防ぐということです。

まずは、手袋です。「防水・防寒」編にも登場しましたが、管理人は普段、防寒用手袋を持ち歩いていませんので、防寒用にも代用する前提で、作業用手袋とラテックス手袋を持ち歩いています。
Photo
画像は、作業用手袋の上にラテックス手袋を重ねてつけた状態です。本来は手に直接はめて使います。

ラテックス手袋は、主に負傷者救護時の血液感染防止用や、汚物を扱う時のために用意しています。裏技として、作業用手袋にかぶせても使うわけです。

作業用手袋は、災害時の避難行動やその後の多くの作業から、手を護ってくれます。しかし管理人が持ち歩いているものは、軽量コンパクトであることと、作業しやすさを重視して薄手のものなので強度はそれほど無く、耐熱性もほとんどありません。そこでヘビーデューティを想定するなら、こんなのも良いでしょう。
Survive_001
厚手の革手袋です。これなら保温力もかなりあり、切削、突き刺しにも強くて耐熱性も高いので、火を焚く時にも安全です。管理人も、行く場所によってはこちらを持っていくこともあります。


絆創膏(バンドエイド、リバテープ、カットバン、サビオ等)も重要です。これは一般的なものなので画像は載せませんが、箱ごとでは無く、他の衛生用品と共に何枚か、フリーザーバッグに入れておくと良いでしょう。軽い怪我に使えるのはもちろん、長距離徒歩移動の際には、足の小指の先、足の裏などに先に貼っておくことで、マメができるのを効果的に防ぎます。足の裏用には、正方形のタイプが使いやすいでしょう。マメができた足で何キロも歩くことは、事実上不可能です。


災害時にはきれいな水が入手できないことが多いので、手を洗うこともままなりませんし、怪我をしても、洗い流すこともできません。常に細菌感染の危険があります。それに対応したものがこちら。
Survive_005
エタノール(アルコール)です。画像はありませんが、ウエットティッシュのパックとポケットティッシュも一緒に持ち歩いています。エタノールは薬局で購入したものを、100円ショップのスプレーボトルに小分けしたものです。手が洗えない時、手指の消毒ができますし、傷口を清浄に保つこともできます。入手しやすいポケットティッシュに噴霧して使えば、ウエットティッシュの節約にもなります。小さなお子さんがいる場合には、特に重要な部分でもあります。ちなみに、ウエットティッシュ代わりとして、安価でとても有用なのが、赤ちゃん用おしりふきクロスです。

そして定番のマスク。
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管理人は、二種類持ち歩いています。まず安価な通常のマスク。これは主にホコリを防ぐ目的です。東日本大震災の被災地でも、ひどいホコリに悩まされ、マスクとゴーグルが欲しかったという声がありました。ホコリを防ぐためには前出の水泳用ゴーグルに加え、タオルの覆面とマスク併用するとさらに効果的です。

もうひとつは、抗ウイルスタイプです(パックされている方)。これは災害というより、インフルエンザのパンデミックに対応したものです。状況によって使い分けます。

これらをまとめて、フリーザーバッグに密封して持ち歩いています。内容は、マスク6枚、抗ウイルスマスク2枚、ラテックス手袋3組、ウエットティッシュ10枚入りパック1個、ポケットティッシュ1個、レジ袋(緊急時の手袋代わりと、血液汚染ゴミ等処理用)2枚、絆創膏5枚と、キューマスク(後で解説します)です。
Survive_009


大災害で負傷者がたくさん出た場合に、病院では「トリアージ」が行われ、重症者優先の治療体制になりますので、軽傷者は治療が受けられない可能性が高くなります。そのため、小さな怪我は自力で対処しなければなりません。怪我だけでなく、劣悪な衛生状態で体調を崩すことも防がねばなりません。特に下痢になると、身体の水分を大量に失いますので、非常に危険です。

ですから、まずなるべく身体を痛めないための「予防安全」が重要です。

次回は、「情報」編です。


■参考データ
作業用手袋(ミタニ・プロハンドラー) 重量65グラム、価格850円前後
革手袋(メーカー不明) 重量100グラム、価格1200円前後
エタノール+100均スプレーボトル 重量57グラム
衛生セット(マスクなど)+フリーザーバッグ 118グラム
※データは管理人調べ

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普段持ち歩く防災グッズ【8】

「防水・防寒」編、続きます。

ここで前回の記事の補足なのですが、レスキューシートの重要な使い方について。

レスキューシートはとても反射率が高いため、地面に広げておけば、航空機からの被発見率がぐっと上がります。船や航空機が見えた場合は、その方向に向けて広げることで、さらに見つかりやすくなります。

それに関連したことですが、災害時に孤立した人々が地面に「SOS」を描いているのが見られます。その代わりに、大きな「正三角形」でも大丈夫。これは世界共通の救難信号ですから、パイロットや救助隊が見れば、すぐ理解されます。

待避場所と表示場所が離れていたり、移動が必要になった場合には、「正三角形」のそばに石などで待避場所や移動方向を示す矢印を描いておきます。

人体でも救難信号が出せます。船や航空機の方を向いて両手を上げ、全身で「Y」の形を作ると、これも世界共通の救難信号になります。

火が焚ける場合は、生木を多く入れたり、砂や水を少しかけて煙をたくさん出して「のろし」を上げます。これは条件が良ければ、20km以上もの遠方からも視認することができますので、海に向かって信号するにも有効です。


さて、「防水・防寒」に戻ります。

非常時の防寒で特に重視したいのが、頭部です。頭部は表皮の近くに毛細血管が集中していますので、多量の熱を放出しており、その割合は、身体全体の放熱量の40%にもなります。ですから頭部を冷やすのは、体熱、つまりカロリーの大きな無駄遣いなのです。

何も対策をしないと、カロリーが十分に摂取できない非常時には、行動可能時間に大きな差が出ます。特に長距離徒歩移動中には、空腹感、疲労感が強くなるだけでなく、途中で力尽きるかどうかの分かれ目にもなりかねません。

そこで、頭部を保温する持ち歩きグッズとしてお勧めしたいのが、ニットキャップです。耐熱性を考えると、ウール100%のものが良いでしょう。
Cap_001
画像は管理人の私物で、米軍放出品の「ワッチキャップ」です、ウール100%で、価格も手頃です(下記)

それが無い場合でも、寒い季節には帽子、スカーフ、タオルなどで、とにかく頭部をできるだけ保温してください。ヘルメットをかぶる場合も、できるだけ何か下にかぶってください。ヘルメットに保温効果はほとんどありません。大きなスカーフやタオルがあれば、ヘルメットの上からかぶってしまう方法もあります。

頭部を保温すると血液が無駄に冷えませんので、身体全体が温かく感じますし、実際にかなり楽です。これは冬の屋外はもちろん、寒い部屋の中で頭に何かかぶるだけで、十分に実感できますので、一度試してみてください。管理人のパソコン部屋は寒いので(笑)、部屋の中でも愛用しています。


コートなどを着ていても、首まわりが開いていると、体熱がどんどん逃げて行きます。首周りも、マフラー、スカーフ、タオルなどをしっかり巻いてください。

そのためにも、持ち歩くカバンの底にでも、クッション代わりタオルを1~2本入れておくことをお勧めします。タオルは防水・防寒はもちろん、汗止め、包帯・止血帯代わりなど非常に使用範囲が広いので、ぜひ持ち歩きたいものです。

手に入りやすいもので保温力をアップする方法として、新聞紙や段ボールは有効です。新聞紙をなるべく空気を多く含むように折り畳んで服の下に入れると、かなり温かくなります。段ボールでも同様の効果があります。

空気は最良の断熱材ですので、服の中に動かない空気の層(スタティックエア)をたくさん作ることで、外気の冷たさを遮断し、体温が放出されるのを防ぐからです。体温で暖められた空気は軽くなって上昇しますので、この時に首元をしっかり締めていないと、温かい空気がどんどん逃げてしまいます。それを防ぐためにも、首元をマフラー、タオルなどでしっかり塞ぐことが大切です。


これらの対策で身体を温かく保ち、カロリーの無駄な消費を押さえることで、対策をしない場合よりずっと長い時間行動したり、持ちこたえたりすることができるはずです。

これで「防水・防寒」編は終わりです。次回は「安全・衛生」編です。

■参考データ
ワッチキャップ(米軍放出品) 重量73グラム、価格1000円前後

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2012年2月 6日 (月)

おことわり

いつも「生き残れ。Annex」をご贔屓にしていただき、ありがとうございます。ここの情報は、皆様のお役に立てているでしょうか。

今年1月12日にスタートしたばかりの当ブログも、三週間ほどの間にアクセスが急激に伸び、参加しているブログランキングのうち、「人気ブログランキング」では、自然災害系41ブログ中、第1位をキープ中です。自然災害系が含まれる生活・文化ジャンルでは、2/6現在、12947ブログ中、第569位からなお上昇中です。

もうひとつのランキング、「にほんブログ村」では、地震・災害系のこちらも41ブログ中、第5~6位辺りにおります。この急上昇も、ひとえに、読者の皆様のおかげです。改めてお礼申し上げます。


ところで、管理人がこのブログを始めたのは、何もランキングなどのためではありません。ずっと以前、特に阪神・淡路大震災の後から、巷の「防災情報」の不備や不良情報の多さに辟易していた管理人は、2007年10月からミクシィのコミュニティという形で、科学的、実践的で正しい防災情報を発信して来ました。

そして東日本大震災の発生を受け、正しい情報を広く発信することで、ひとりでも多くの方が「生き残る」力をつけて欲しいという願いを、さらに強く持つようになりました。そのための第一弾として、このブログを開設したわけです。

そのような理念を持っておりますので、紹介する商品などは、あくまで管理人が「防災屋」の目でセレクトしたものを“勝手に”紹介させていただいているもので、アフィリエイトや、商品紹介によるキックバック等は一切ありません。逆に、扱い会社名、連絡先を表記しているものは、ブログで紹介することの許可を受けたものに限っています。もっとも、当ブログのスタイルをご覧いただければ、管理人に何らかが還流することは不可能であるのがおわかりいただけると思います。関連広告もありませんし、情報を投げっぱなしにしてますから(笑)

むしろ、「防災屋」として自分の目にかなったものや情報だけを紹介したいので、しがらみからは出来るだけフリーでいたいと考えております。もし、管理人、もしくは主宰するSMC防災研究所となんらかの関係がある先を紹介する場合には、必ずその旨を明記いたします。

そして当然ながら、当ブログは「ステルスマーケティング」等とも無縁です。当ブログには、管理人とSMCのメンバー以外の意思は一切存在したしません。個人的には、ユーザーのふりをして商品を売り込む手法に対し、非常に不快に思っております。


そのような形で、これからも「本当に役に立つ防災情報」だけを発信して行きたいと考えております。皆様のご支援を多くいただければ、またなにか新しい展開に繋がることもあるかと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


なお、当ブログの内容を他所に引用したり、リンクをしていただくことはご自由ですが、その場合はぜひとも管理人までご一報いただければ幸いです。

管理人 てば拝


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普段持ち歩く防災グッズ【7】

今回は、持ち歩ける「防水・防寒」グッズを具体的に考えます。

別のエントリにも書いたのですが、我が国だけでなく、世界の地震災害を見ても、雨や雪などの悪天候下で発生したという記憶がありません。そのためか、「防水・防寒」に関する教訓が非常に少なく、それが軽視される理由のひとつになっているような気がします。

東日本大震災が事実上初めて、厳しい寒さと小降りとは言え雪の中で起きた大規模地震災害ではないでしょうか。阪神・淡路大震災より、ずっと厳しい気象条件でした。そしてその寒さのために、犠牲者が少なからず出ました。その教訓を生かさなければなりません。

「防水・防寒」の基本は、言うまでも無く服や身体を濡らさないことです。そのために持ち歩きたいのが、100円ショップのビニールカッパです。
10002
これは、できればもっとしっかりした物の方が機能的には望ましいのですが、100円ショップものは素材が薄い分、畳むと一番軽量コンパクトになりますので、普段から持ち歩くに適してると言えます。画像のようにフリーザーバッグに入れて空気を抜くと、さらにコンパクトになります。フリーザーバッグは密閉できるので、濡れたカッパをしまう際にも便利です。地震災害以前に、夏場のゲリラ豪雨で活躍することが多いでしょうし。

カッパは降水が無いときでも、ウインドブレーカーとしても役立ちます。サイズはコートの上からも羽織れ、できれば肩掛けカバンや小型のリュックを背負った上からでも羽織れるように、2サイズくらい大きなものを用意すると良いでしょう。大は小を兼ねます。


持ち歩きグッズに欠かせないのが、アルミレスキューシートです。これの保温力は絶大で、身体に巻いた上からカッパを着れば非常に暖かい上、これ自体が雨具代わりにもなりますし、拡げて張りかければ雨よけシェルターに、地面に敷けば冷気を遮断するグラウンドシートに、くるまれば寝袋代わりに、荷物をくるめば防水シートに、たき火の近くで拡げれば熱の反射板にと、工夫次第でとにかく利用範囲が広いグッズです。
Photo
画像左は、さらに高機能の封筒型レスキューシートです。通常の使い方に加え、寝袋として絶大な保温力を発揮しますが、それでも収納サイズは変わりませんし、価格もリーズナブルです(下記)

移動時の保温と雨や雪に対応しやすい、ジャケットタイプもあります。これは管理人もまだ入手していないのですが、優れた防災グッズだと思いますので、参考までに。フードもついています。
Giftshow_007
これも、畳むと非常にコンパクトですし、機能の割には手頃な価格です(下記)


また、手の防水・防寒と怪我防止も大切です。避難生活中の作業用途も含めて、管理人は作業用の厚手のゴム手袋や、園芸、台所用の薄手のゴム手袋の準備を、以前からお勧めしてきました。被災後には軍手より防水性の高いゴム手袋が欲しかったという、東日本大震災被災者の実際の声によっても、その必要性が証明されました。
Blog_004
ただ、機能的には申し分ないものの、厚手のものは多少かさばることと、正直なところ使用時は美観的にあまりよろしく無く、被災時はともかく平常時に手が寒いからと気軽に使う、というのも現実的ではありません。

そこで次善の策として管理人が常備しているものを紹介します。
Photo_2
薄手の作業用手袋と、ラテックス手袋です。これらは、後の「安全・衛生」の項目でも再登場しますが、ここでは手の保温と防水のためのグッズとしての登場です。手袋は、もちろん厚手の方が保温性は高いのですが、非常時の作業性を考えて、敢えて少し薄手のものにしています。防水が必要な場合は、手袋の上からラテックス手袋をかぶせてしまいます。

これはあくまで、常時持ち歩くことを前提として、他の用途も考えた組み合わせであり、負担にならないのであれば、防水性があって保温力が高い手袋を用意すべきではあります。

長くなりましたので、次回へ続きます。

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■参考データ
100円カッパ+フリーザーバッグ 重量104グラム
レスキューシート(画像の通常タイプ) 重量60グラム 価格500円。
レスキューシート(寝袋タイプ) 重量81グラム、価格700円前後

マウンテンサーマルジャケット(英国製) 重量不明 価格1400円
※問合せ先:㈱ケンコー社 TEL 06-6374-2788  MAIL kenkosya@sweet.ocn.ne.jp

作業用手袋(画像のもの) 重量65グラム、価格850円前後
ラテックス手袋は、薬局、ドラッグストアで購入できます。 


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普段持ち歩く防災グッズ【6】

今回は「防水・防寒」について考えます。

管理人は、このブログをはじめ本館のmixiコミュニティでも何度も指摘している通り、一般的な防災指導において、この部分が欠落していたり、不十分なケースが非常に多いと感じています。

寒い季節に起きた東日本大震災以降、被災者の声を反映してか、それでもかなり変わってきたのを感じてはいますが、まだまだ不十分です。この問題、すなわち体温の維持は水分、カロリーと並んで、人間が生きるための根幹となる要素であり、もっと重視されなければならない部分なのです。


寒い季節、外出時には基本的には暖かい服装をしています。しかし一旦被災し、屋外や暖房が無い場所で長時間過ごすことになると、寒さはあちこちから忍び込み、生命を脅かします。それを防ぐために、持ち歩ける最低限の装備で最大の保温をしなければなりません。そのために効果的なグッズはどんなものでしょうか。

まず、体温を失う最大の要因は、身体や服が濡れることです。水分が体温によって蒸発するときに気化熱を奪い、体温を奪います。それを補うために、人体はカロリーを消費して熱を発生させます。つまり、寒いとそれだけカロリーを無駄遣いして、行動するための体力が奪われるのです。

もし水に落ちたりして服がずぶ濡れになったら、寒いのをこらえて一旦服を脱ぎ、水分をできるだけ絞ってから再び着ます。服に含まれる水分が多いほど蒸発が続き、体温を奪い続けるからです。カロリーが十分に摂取できない非常時には、著しく体力を消耗してしまいます。


ここで体温の低下、つまり「低体温症」のメカニズムを確認しておきましょう。

寒いときに身体が震えるのは、人体の生命維持機能によるもので、筋肉を強制的に動かすことで熱を発生させ、体温を上げるための反応です。それでも体温が低下すると、人体は生命を守るために体幹、つまり主要臓器に血流を集中させ、手足などの末端への血流を少なくします。生命維持に必要の無い部分を切り捨てることによって、エネルギーを効率良く使い始めるのです。手足先がかじかんだり感覚が無くなって来るのは、その初期症状です。「低体温症」になりつつあるのです。

そのような場合には、軽い体操をしたり、特に手足の筋肉を意識して動かして熱を発生させるのと同時に、脳に向かって「こちらにも血液を送れ」という信号を送ってやらないとさらに血流は少なくなり、動くことができなくなります。寒さが厳しい場合には、血流が止まった手足先などから凍傷になります。そしてさらに体温が低下すると、主要臓器も体温が維持できなくなり、「低体温症」による死亡、つまり凍死につながるのです。

これは決して厳寒地だけの話ではなく、水分やカロリーが不足している状況では、どこでも十分に起こりうることなのです。特に体が小さい子供、代謝機能が低いお年寄り、身体が弱っている人にとっては危急の問題です。なお、冷たい水に落ちた時に溺れやすいのは、体温の急激な低下によって急性的に「低体温症」の状態になり、手足が動かなくなるからです。

東日本大震災においても、地震や津波から避難できても、雪の舞う屋外や暖房の無い避難所で、少なくない命が「低体温症」で喪われています。せっかく災害の第一撃から生き残った命を喪わないために、そこまで行かなくても、避難行動力を維持し、さらなる危機に陥らないためにも、非常時の防水・防寒をもっと重視しなければなりません。

次回は、体温を維持するために役立つ「防水・防寒」グッズを、具体的に考えます。

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2012年2月 5日 (日)

普段持ち歩く防災グッズ【5】

今回は、「視界」編の続きです。

メガネやコンタクトレンズを使用している人は、それらを失うとピンチなのは言うまでもありません。実は管理人の私も、メガネが無いとかなりキツい視力なので、切実な問題です。

外出中は基本的にメガネもコンタクトも装用していますので、普通なら失くす心配は無いのですが、災害時の混乱の中では落としたり、破損したりすることは十分に考えられます。東日本大震災の際には、避難時にメガネが破損した人が、再び自分に合ったメガネを手に入れるまでに一ヶ月以上かかったという話を聞きました。その間、矯正なしで過ごさなければならなかったのです。

最良の対策は、予備を用意することに他なりません。コンタクト派の方も、災害後しばらく続くであろう劣悪な衛生状態を考えると、やはり予備のメガネは欲しいところです。ろくに手も洗えない状況では、コンタクトレンズの脱着で目にダメージを負う可能性もあります。

普段から自宅、勤務先、車の中などに予備メガネを置いておきたいものですが、問題は外出中に失った時です。コンタクトレンズの予備は持ち歩き易いものの、メガネはそうでもありません。破損防止のためにハードケースに入れておくと、それなりの容積になってしまいます。でも持ち歩くカバンなどに余裕があれば、是非予備の持ち歩きをお勧めしたいのですが、いかがでしょうか。

ご自分の裸眼視力で、照明もろくに無い夜間、それもどこに危険が潜むかわからない状況下を、メガネなしで行動できるかを考えて見てください。不安になられたら、多少無理をしてでも持ち歩くことをお勧めします。次善の策としては、度の合った使い捨てコンタクトレンズを数日分、予備メガネのある場所にたどり着けると思われる期間分だけ持ち歩くのも現実的です。その際、ウエットティッシュなど衛生用品も一緒にしておくことを忘れずに。

その問題を応急的に解決するグッズもありますが、それは後述します。


「視力」に関する最後の問題は、目の傷害です。大災害時は、猛烈なホコリ、煙、漏れた化学物質による刺激など、目を傷めて視力を失う危険がいくつも考えられます。その際にどうやって目を守るかを考えると、一番効果的なのは、やはり専用の防護ゴーグルです。しかしその問題は、一般に通気性が無くて曇りやすい、メガネの上から装着できないか、できても密着性が損なわれる、普段持ち歩くにはかさばり過ぎるということなどです。そこで目を守る機能を持ちながら、かつ軽量コンパクトであるものを考えたら、ここに行き着きました。
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水泳用のゴーグルです。これなら、外的刺激に対する目の保護はほぼ完璧です。それに、大型のゴーグルよりも意外に曇りずらいのです。内側に曇り止め剤を塗っておけば、さらに安心です。画像のものはスモークレンズですが、もちろん素通しのものもあります。

でも、目が悪い人はどうしたら良いのでしょうか。実は、一部の水泳用ゴーグルはレンズ交換式になっており、視度補正レンズが用意されています。すべての視度には対応していませんが、視力をかなり補正することはできます。管理人も、水泳をするときに使っています。

水泳用ゴーグルがあれば、目に対する傷害の大部分を防ぐことができるでしょう。そして視度補正レンズを入れてあれば(ここで文頭に戻ります!)、メガネやコンタクトレンズを失った際の予備にもなります。そう考えると、かなり使えるグッズだと思いませんか。視度補正レンズは、実際に目に当てて、見え方を確かめてから購入できますので、スポーツ用品店で相談してみてください。

正直なところ、ビジュアル的にはあまり使いたく無い感じですが(笑)、被災直後には役に立つ機会があり得ると思いますから、あくまで“転ばぬ先の杖”として考えてみました。例えば、煙が立ち込めるビルの中を避難しなければならない時など、絶大な効果を発揮してくれるはずです。でも、必ずしも常時持ち歩かなくても、出先に用意しておいて、災害時に持ち出すという感じでも良いかもしれません。

次回は、「防水・防寒」編です。

■参考データ
水泳用ゴーグル(画像のものはスワンズ製、視度補正レンズつき) 重量46グラム

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2012年2月 4日 (土)

普段持ち歩く防災グッズ【4】

さて今回は、「視界」編です。

大災害の目まぐるしく変わる状況の中で的確な判断をするためには、五感を研ぎ澄まさなければなりせん。その中でも最も大切なのが、「視界」だと考えます。ではまず、災害下で視界を失う状況を考えて見ましょう。

まずは停電による照明の喪失。一般に地下鉄や地下街を想定しがちですが、普通のビルの中も、真っ暗な場所が多くなります。窓の無いデパートの中で、停電になることを想像してみてください。夜間ならば、屋外も真っ暗です。関東地方の方は、あの計画停電の夜を思い出してください。多少の月明かりがあっても、建物の影、木立、地下道などは、墨を流した様な暗闇です。

次に、視力矯正の問題。メガネやコンタクトレンズを使っている方は、それらを失うと周囲から得られる情報量が激減し、的確な判断や行動が難しくなります。

そして、目への傷害。猛烈なホコリや煙などのために、目にダメージを受けたり、目を開けていられなくなることも考えられます。これらのケースに、持ち歩きグッズでどのように対応できるか、考えて行きます。

まず、防災グッズの中心的存在であり、東日本大震災の被災地では「いくつあってもいい」という声も聞かれた、ライト類です。持ち歩くライトに必要とされる条件は、軽量コンパクト、防水性能、そして十分な照度です。

私は夜間の計画停電の時、赤色誘導灯を持って近所の夜回りに出ていました。暗い街をライトを持って歩く人の姿も多く見られましたが、しかしそのほとんどがペンライトレベルのもので、足元を照らすのが精一杯という照度のものでした。平常時の街歩きならともかく、その程度の明るさでは、非常時の暗闇では不安です。

私が考える必要照度の目安は、真っ暗闇でも10m先の人の顔が容易に識別できる明るさ、というものです。そのくらいでないと、先々の状況を確かめながら、素早く移動することは困難です。例えば真っ暗闇のビルの中で、床の落下物を避けながら進むべき通路を探すようなケースを想像してみてください。10m先が薄ぼんやりでは、素早く動けないはずです。

十分な明るさを確保しながら、電池の持続時間もできるだけ欲しい。そうなると、LEDライトをおいて他にありません。さらに、堅牢なボディと雨の中や水中に落としても大丈夫な防水性能も必須です。コンパクトさでは単4電池使用モデルが有利ですが、電池の持続時間の長さと、他の機器と電池サイズを共通にするという発想から、一番入手しやすい単3電池モデルがお勧めです。

最近はライトの明るさを「ルーメン」という単位で表しますが、最低でも25ルーメンは欲しいところです。これは商品のパッケージに表記してあります。下画像は、私の装備です。
Photo_012
小さい方は単3電池1本モデルで、明るさは26ルーメン、連続点灯8時間。これを常時ポケットの中に入れています。大きい方は単3電池2本モデルで、明るさは80ルーメン、連続点灯8時間。こちらはバッグの中に入れています。80ルーメンあれば、暗闇で50メートル先も十分見通せます。私は二本持ち歩いていますが、とりあえず単3電池1本仕様の、このクラスのLEDライトがあれば大抵のケースに対応できると思います。

ところで、緊急避難時に重要なライトですが、落としてしまうこともあり得ます。混乱の中では拾うのも困難なこともあるでしょうから、そのための対策が必要です。ライトには大抵ストラップがついていますが、さらにちょっとした工夫をしました。
Light_016
Light_020
上画像は、ストラップに「タイラップ」を巻いて、手首部分で絞れるようにしてあります。つまり、某ゲーム機のコントローラーのストラップと同じです。下画像のように、「輪ゴム」でも同様の効果があります。輪ゴム一本でできる、予防安全です。

こうしてあれば落とすことはありませんし、万一建物の倒壊に巻き込まれても、ライトが身体から離れませんから、被発見率が高くなります。

ライトの収納場所で大切なことは、ワンアクションで手に取れる、いつも決まった場所にしておくということです。非常時にライトが必要な状況は、即ち視界が失われている時です。その中でカバンの中をごそごそやっていて、中身をぶちまけたりしてしまってはおしまいです。そんなことの無いように、カバンでもポケットでも、いつでも「手を入れればそこにある」状態にしておくことが大切です。

ところで私は汎用性の高さを考えて、敢えて手持ちのライトを持ち歩いていますが、緊急避難時などに両手を空けられるヘッドランプを持ち歩くのも良いと思います。これは皆様の考え方次第で、どちらでも良いと思います。画像は単3電池1本タイプのヘッドランプで、26ルーメン、連続点灯10時間のものです。
Head

ここで紹介したモデルは少し高めの価格(下記)ですが、それに見合った性能はありますし、いざという時に命を託す可能性があるものですから、個人的には惜しく無い投資だと思っています。
なお、LEDライトは年々明るさと電池の持続時間が進化していますので、最新モデルを選ばれるのが、結局は一番お得かと思います。

長くなりましたので、その他の項目は次回に続きます。

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■参考データ
単3×1本モデル サンジェルマン㈱GENTOSパトリオ6 重量61グラム(タマゴ一個分)、価格850円前後。
単3×2本モデル サンジェルマン㈱GENTOSパトリオ7 重量113グラム、価格1300円前後。
ヘッドランプ サンジェルマン㈱GENTOS GTR 重量91グラム、価格1300円前後。
※重量はすべて電池込み。データは管理人調べ

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マスコミもセンセイも暴走中

恐怖は、カネになります。

あの「4年以内70%」記事以来、ひたすら恐怖を煽るようなメディア報道が目立ちます。それでも最後に防災の心得をつけておけば、なんでも良心的な防災情報の仲間になっているようです。

あの「4年以内70%」は、首都圏直下型地震の確率とされたものでした。でも、その後富士五湖地震が起きたので、すっかり東海・東南海・南海地震の連鎖と富士山の噴火ネタに「旬」が移っています。特に富士山ですね。何故なら、一番ビジュアル的な恐怖を煽りやすいからでしょう。

学者の方々もマスコミに乗せられてか、ついつい過激なコメントになるようですね。こんなのとか(引用元:女性セブン)なお、個人攻撃が目的ではありませんので、固有名詞は伏せます。
■以下引用------------
○○○大学歴史都市防災研究センターの○○○教授は語る。

「日本の大動脈である東海道の主要な道路や鉄道は全て崩壊してしまうでしょう。大地震の後に噴火してしまったら、救援物資も届かなくなってしまう。火山灰に弱い飛行機は飛ぶことができず、食料の輸入も難しくなってしまうでしょう。稲作は0.5cm、畑作や畜産は2cm以上の火山灰で1年間収穫が望めない。輸入が絶たれた状況では飢饉が訪れてもおかしくありません」
----------引用終了■

「飢饉」だそうです。地震、噴火の規模も、建築、交通に関わる根拠も示さず(そちらの専門では無いでしょうし)、「全て崩壊」などと安易に表現しています。もちろん重大なダメージを受けるでしょうが、復旧不能にまで完全破壊されるわけでは無いでしょう。それに飛行機が飛ばないと、なんで食料の輸入が絶たれるのでしょうか。日本全国の空港が閉鎖されるわけもでなし。それ以前に、食料の輸入は大半が船便だと思いますが。これなど素人の思いつきレベルとどう違うのでしょうか。

船にしても、太平洋側の港が被害を受けたとしても、東北も日本海側の港もあります。道路の復旧力は、我が国が世界一であることが、東日本大震災で証明されました。降灰地の農業は大きなダメージを受けるでしょうが、日本全土に及ぶわけでもありません。要は、ご自分の“専門”である「飢饉」という言葉を引き出すために、いいように被害を想定しているようにしか見えません。

他の“教授”の発言で、こんなのもあります(引用元:女性セブン)
■以下引用------------
「噴火の際に、山の半分から3分の1ほどが崩れる山体崩壊が起きてしまう可能性を政府はまったく想定していません。もし崩れるようなことがあれば、土砂の速さは最大時速100kmを超えることもあります。
川に沿って土砂は流れ、海まで達するでしょう。1792年に雲仙普賢岳が噴火し、山体崩壊が起きたときには1万5000人もの人が亡くなりました。現在の山梨・静岡の人口を考えれば、最低でも15万人、10万世帯にものぼる被害となるでしょう」
----------引用終了■

3000メートル超の巨大火山の三分の一が吹っ飛ぶ大噴火を想定している政府など、世界のどこにも存在しません。被害想定をするということは、税金を使ってその対策をしなければならないということですから、人類史上に記録が無いような規模の噴火など、想定するわけがありません。学者のように、論文出して終わりじゃないんです。それに大規模な山体崩落を起こすのなら、問題は土石流の速度ではなくて崩落量でしょうに。でも近年の超巨大噴火として知られる、大規模な山体崩落を起こした1980年のアメリカ、セントへレンズ火山噴火でさえ、そんな規模に達してはいませんし、先史時代から今まで、富士山がそのレベルの噴火をしているわけでもありません。

さらに、被害「想定」を18世紀との人口と街の集積度の比較でしか考えていません。現代では、火山噴火はほぼ完全に予知できますし(というか、そちらの世界の方の発言なんですけどね・笑)、避難体制もそれなりに整えられています。それを、何の観測網も連絡網も避難体制も無かった時代と、被災面積だけで単純比較するなど、学究の徒がすることなのでしょうか。知らないで間違った発言をするのとは、問題が根本的に違います。そんな薄弱な根拠で、15万人を“殺し”ますか?

一応、もっと長い発言をマスコミ的なインパクト優先の端折り方をされたために、発言の真意が歪曲されている可能性も考えられます。「4年以内70%」報道も、まさにそうでした。

いずれにしても、「防災意識を高める」という美名の下に、こんな“報道”が堂々と垂れ流されているわけです。否定する知識が無ければ、「平成の大飢饉」も、俄然現実めいたニュアンスを帯びてしまいます。マスコミの姿勢は毎度のことながら、科学者たる人々が、こんな素人以下の発言をしていることに、暗澹たる気持ちになりますよ。いかがですか?皆様。

富士五湖地震の後、「あの地震は東海地震と富士山噴火の引き金に“ならないわけがない”」くらいの発言をされていた“教授”もいましたが、ほぼ同一震源で1931年9月16日にマグニチュード6.3、1983年8月8日にはマグニチュード6.0の地震が発生し、その後特に大きな変化が無いことは、どのように説明されるのでしょうか。

「今回は違う」という、整合性のある理論なり発見なりを期待したいですが、少なくとも新しい話は出てきていませんね。強いて言えば、東日本大震災による大地殻変動の最中だ、ということくらいでしょうか。

言うまでも無く、三震源連鎖地震や富士山噴火が、絶対に起きないとは誰にも断言できません。いや、いつかは起きるでしょう。しかしそれを語る時、専門家の名を借りて、あまりにも稚拙な「怖い話」にすりかえられてはいないでしょうか。

私も好き好んで批判をしているわけではありませんが、あまりにも目に余るので、今回はひとつの雑誌からの引用だけで、好き放題言わせていただきました。こんな報道でも、防災意識を高めて自己防衛を始めるきっかけになれば良いという考え方もありますし、確かにその効果はあるでしょう。
でも、思うのです。

「その程度でいいのか?」と。


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普段持ち歩く防災グッズ【3】

今回は「カロリー」です。もちろん食品のことなのですが、極端な話、カロリーが採れれば固形物でなくても、飲料でも良いわけです。しかし持ち歩きやすさや食べた時の満足感を考えると、やはり固形物ということになります。

ここで求められる条件は、なるべく軽量コンパクトかつ高カロリーであることです。そうなると、そのために開発された食品にかなうものはありません。定番は、やはりこれでしょう。
Photo_014
いろいろ考えても、総合的にカロリーメイトを超える商品は、なかなか無いと思います。

もうひとつ要求される条件は、「入手のしやすさ」です。平常時に、ちょっと小腹がすいた時に食べてしまっても、コンビニなどですぐに補給できないといけません。カロリーメイト以外では、商品名で言えば「SOYJOY」や「スニッカーズ」辺りもなかなか良いですね。ちなみに私は、長年に渡ってカロリーメイト派です。

ところで、昔から非常食の定番と言えば「カンパン」ですが、非常食として売られているものは、保存性重視で缶入りのものが目立ちます。でも普段から持ち歩くには大きすぎです。下写真はどこでも手に入るものではありませんが、こんな風なパッケージのものなら、持ち歩きやすいと思います。
Photo_015
カンパンの問題は、カロリーがあまり高くなくて、なにしろ味気ないことでしょうか。

良く「防災マニュアル」の類で、非常食として普通のチョコレートを勧めているものがあります。確かに軽量・コンパクトで高カロリーという条件は満たしていますが、それこそ机上の空論です。チョコレートは28℃を超えると溶けてしまいますが、そのことを全く考慮していません。フリーザーバッグなどに入れておくという手もあるものの、余計な手間ですし、中で溶けたらベトベトです。

でもチョコレートの味と機能性は捨て難いということであれば、このようなタイプが良いでしょう。
Photo
チューブ入りなら、一挙に問題解決です。さらにこれを塗ってやれば、味気ないカンパンもぐっと美味しくいただけるというものです。でも、どこでも手に入る訳ではないということが難点でしょうか。

常時カバンに入れておける、入手しやすい高カロリー食品ということになると、この辺に限られて来てしまうと思います。あとは、それぞれの条件に合わせて、持ち歩く量を調節してください。


その他、非常時にあるとうれしいものとして、飴類や氷砂糖があります。カロリーや糖分の補給というだけでなく、甘いものは疲労感を軽減し、良い気分転換にもなります。

あと特に夏場に欲しいのが、塩分の入った飴類です。発汗と共に塩分などの電解質が失われたままにしておくと、めまいや脱力感に見舞われます。さらにひどくなると、脱水症状や熱中症を引き起こします。ただでさえ水分が十分に採れない環境下では、致命的なことにもなりかねません。ですから、汗をたくさんかいた時は、適量の塩分補給が必須です。もちろんこれは飴類でなくても、食塩をなめるだけでも十分です。

飴類は溶けますので、一粒ずつ包装されているものを、小分けして持ち歩くと良いでしょう。

最後に、これは持ち歩きグッズとは少し違うのですが、参考までに。
避難生活が長くなると、生鮮食品が不足して、ビタミン不足に陥りがちです。そのために、食品の備蓄にビタミンのサプリメントを入れておくことをお勧めします。多くのビタミンが配合された「マルチビタミン」というようなものが良いのですが、特に必要なのが、炭水化物のエネルギー化を促進し、疲労回復にも効果があるビタミンB1、免疫力をアップするビタミンCだということは覚えておいてください。

次回は、【視界】について考えます。

【つづく】

■参考データ
カロリーメイト 重量94グラム(一箱)
画像のカンパン 重量132グラム
※数値は管理人の実測。上記以外のものは調べていません。

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2012年2月 3日 (金)

普段持ち歩く防災グッズ【2】

「普段持ち歩く防災グッズ」について、具体的に考えて行きます。このシリーズの【1】で挙げた6つの要件のうち、今回は「水分」です。

これはもちろん、水そのものを持ち歩けるのが一番ですし、すでにそうしている方も多いでしょう。でも500cc入りペットボトル一本の重量は約500グラムもあり、それなりにかさが張りますから、だれでも可能というわけでもありません。しかも500ccでは、いいところ1日分に過ぎません。

ならば、発災後に水を補給をすることが、絶対に必要です。しかし停電・断水はすぐには復旧しないでしょうし、商店の品物は、あっという間になくなります。

そこでお勧めしたいのが、「浄水ストロー」です。
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「浄水ストロー」はサインペン一本分ほどのサイズと重量で、持ち歩いてもほとんど負担になりません。濁りがあまりひどくない水なら、大抵は飲用にすることができます。本体はろ過資材が入っているだけで殺菌能力がありませんので、消毒剤の小瓶が付属しています。画像のようにフリーザーバッグに一緒に入れておけば、コンパクトで衛生的です。

さらに「浄水剤」があれば、より安心です。これも塩素系(次亜鉛素酸ナトリウム)で、容器は目薬くらいの大きさと重量ですから、こちらも負担になりません。
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では、非常時にどんな水が飲めるのでしょうか。ビルの中ならば、まず屋上の配水タンクの水がいちばん有用です。タンクの流出口には水抜き用のバルブがあるはずです。もし無かったり、工具が無くて開けられなくても水を取り出す方法はありますが、それは後述します。

配水タンクの水は、もちろん水道水そのものですからそのまま飲めるものの、特に夏場に停電・断水で長時間に渡って循環が止まった場合には、雑菌の繁殖もあり得ますから注意が必要です。

屋内では、トイレのタンクの水も使えます。寒い地域では、水道管凍結防止用の水抜きバルブがついていますので、水道管の中の水も使うことができます。さらにいざとなったら、トイレの便座の中にたまった水も使えます。

そして雨水、川、用水路、池、噴水の水など、要はろ過と消毒さえできれば、ほとんどが命をつなぐ水となるのです。

飲めない水は、濁りが極端にひどい水、高濃度の有害な化学物質、放射性物質や病原体に汚染されている水などですが、濁りはタオル、ネルシャツ、洗濯用ネット、コーヒー用フィルターなどを使ってろ過すれば、かなり軽減できます。細菌など病原体には上記のグッズでもかなり対処できますが、さらに手軽な方法があります(ウイルスによる汚染を除く)
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これは「スーパーデリオス」という商品です。これは中空糸膜と活性炭フィルターでろ過することで、細菌、微生物、寄生虫とその卵などのレベルまでろ過することができます。これだけでも大抵は安全な水になりますが、浄水剤を併用したり、煮沸することができれば、なお安心です。なお、煮沸する場合は、10分間沸騰させるのが目安です。

「スーパーデリオス」はマヨネーズ容器と同じようなボトルがついていますが、ろ過資材が入ったキャップはペットボトルにもつけることができますので、キャップ部分だけ持ち歩いても良いでしょう。


人間は水の補給が3日間無いだけで、死に至ります。それ以前に、まともに行動できくなります。水の確保は、「生き残る」ための最優先課題なのです。

他からの支援が得られない非常時に、上記のような水を「作る」グッズの有無が、どれだけ有効かを想像してみてください。文字通り「命の水」なのです。対処方法を持たずに汚染された水を飲んで、下痢になると身体の水分を大量に失いますし、体調を崩すだけでも、ろくに治療が受けられない非常時には命にかかわる事態にもなり得るのです。とくにお子さん、老人、身体の弱い方には重大な問題です。

各グッズはもちろん買ってそのままではなく、取り扱い説明書を良く読んで、できれば試しに使ってみて、使い方に習熟しておく必要があるのは言うまでもありません。

最後に、あまり露骨にお勧めはできないことなのですが、ビルの屋上の配水タンクについて。配水タンクの素材は薄い金属板かFRP(ガラス繊維強化プラスチック)がほとんどですので、バールなどの道具で穴をあけることは比較的容易です。ですが、これは「生き残る」ための最後の手段ということにしてください。

一度穴を開けると、雨水やゴミなどが入って、せっかくの浄水が汚染されてしまうということも十分に考慮しなければなりません。

次回は、「カロリー」編です。

■参考データ
浄水ストロー「MIZU-Q」 重量(本体+浄水剤容器)31グラム、価格1980~2400円程度

浄水剤「ピュア」15cc 重量30グラム、価格1250~1300円程度

スーパーデリオス 重量(本体+収納袋)64グラム、価格2500~3200円程度

※いずれも管理人調べ。

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普段持ち歩く防災グッズ【1】

今回から何回かに渡り、『普段持ち歩く防災グッズ』を考えて行きます。まずは基本的な考え方からです。

本文では、基本的に都市部へ電車通勤・通学をしている人を想定します。自動車やバイクでの通勤を想定しないのは、その積載力の高さから。あくまで「徒歩」での非常に限られた運搬力の中で、どれだけのことができるかを考えて行きます。その他、必要に応じて他の想定も加味して行きたいと思います。

まず、普段持ち歩く防災グッズ(以下、持ち歩きグッズ)に求められる条件を考えます。

まず何より、軽量・コンパクトであること。非常時に屋外を中心に使うものですから、堅牢で操作が容易であること。直感的に使い方がわからないものなど、非常時には役立ちません。機械類には、なるべく防水性能も欲しいところ。できるだけ複数の用途に使用できるもの。持ち歩きグッズは出来るだけ減らしたいものです。なるべく安価で、入手が容易なもの。高価なものは思い切って使えませんし、失くしたらしばらく入手できないようなものでも困ります。大体そんなところでしょうか。

ところで持ち歩きグッズに限らず、すべての災害対策グッズに要求される、基本的な要件があります。この要件を外すと、非常時に役に立たないただの“オモリ”になってしまいかねません。私は、その基本要件を6つのジャンルに分けました。以下の通りです。
■水分
■カロリー
■視界
■情報
■防水・防寒
■安全・衛生
これらを確保するためのグッズを揃えて行くわけです。あと、これは人によりますが、さらに■救護という要件、つまり他を救うためのグッズを用意することもあると思います。

次回からはそれぞれの要件ごとに、実際に起こりうる状況と、それに見合ったグッズを考えて行きます。手っ取り早くグッズのリストだけ見たいと言う方も少なく無いと思いますが、それだけでしたらいくらでも他に情報はあると思います。しかし当ブログの目的は、あくまで総合的な「生き残る」力のアップであり、通り一遍のグッズがあれば解決という考えは持っておりません。

ついでに申し添えますと、一般的な「防災グッズ」の中には、根本的勘違いをしていたり(持ち出しリュックの雨対策などいい例です)、コストの問題などで致命的とも思えるダウングレードがされていたりするものがあるのを、普段から大変気にしております。それなりのモノなら何でも良いというものではありません。

災害対策においては、その時に起こることを正確に知り、それに対処する心構えと装備を身につけることで、様々に変化する状況を柔軟に、そして力強く乗り越えて行けるのだと信じます。魂の入っていない机上の空論では、「生き残る」ことは困難です。

なお、これから紹介するものはすべて、私が実際に持ち歩いているものです。

【つづく】

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2012年2月 2日 (木)

おしらせ

いつも『生き残れ。Annex』をご覧いただきまして、ありがとうございます。これからの予定についてお知らせいたします。

これからmixiの本館コミュニティとリンクしたシリーズを考えていたのですが、Annexオリジナル記事に急遽変更いたします。

実は例の「4年以内、70%」報道以来、キーワード検索でここへ来ていただく方が急増しております。その中で特に目立つワードが「普段持ち歩く防災グッズ」に類するものです。

そのような声にお応えして、外出先で大地震に遭遇した時、「生き残る」力を与えてくれるグッズとは何か、それをシリーズで考えて行きます。

それは具体的なグッズの紹介でもありますが、重視するのは「考え方」です。災害対策とは、本来それぞれの状況に合わせた「オーダーメイド」でなければならず、通り一遍の最大公約数的な対策でまかない切れるものではありません。

その時、何が起きて、何が必要なのか。状況によって、どう変わるのか。基本となる「考え方」を提示しますので、皆様ご自身でもお考えいただき、具体的な備えに繋げていただきたいと思います。

それが、あなたの「生き残る」力をもっとも高めてくれる方法なのです。ご期待ください。



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本当に必要な防災グッズとは?【7・最終回】

地震を中心とする大災害が発生した場合、一般に「3日間は自力でしのげ」と言われ、その分の備蓄をすることが奨励されています。これは大体3日目くらいから、被災地に水や食料、医薬品などの公的支援が届くということが前提になっている考え方です。しかし東日本大震災で明らかになったように、被災地が非常に広い範囲に及んだり、道路が寸断されてしまった場合には、さらに長い期間に渡って公的支援が得られないこともあります。

仮に、現在想定されている東海・東南海・南海地震が短期間で連鎖して発生した場合、関東から四国・九州までの太平洋岸という人口とインフラが集中している地域が被災し、最悪の場合4000万人、つまり我が国の人口の三分の一が「被災者」になる可能性があります。

それは最悪のシミュレーションですが、そこまで行かなくても、大都市圏が広範囲に被災した場合には、速やかな公的支援が得られない可能性は非常に大きいと考えなければなりません。それでも、とにかく支援が得られるまでは自力で「生き残る」必要があります。そんな場合、命をつなぐために一番大切な要素はなんでしょうか。

それは「水」です。

人間は、健康な大人ならば何も食べなくても、最大3週間は生きられる可能性があります。しかし水が無ければ、ほとんどの人は3日で死に至ります。災害報道で良く聞く、閉じこめられた人の生存率が急激に落ちるまでの時間を表す「黄金の72時間」(Golden 72hours)とは、すなわち水無しで生きられる限界を表しているのです。ただ、これはもちろん条件が良い場合のことであり、子供、老人、身体の弱い人や、暑さ、寒さ、怪我などの悪条件があった場合には、当然ながら短くなります。

すでに多くの方が水の備蓄をされていると思います。しかし想定より長い期間にわたって、外部からの支援が得られない場合はどうしますか?備蓄はいつかなくなります。

その場合には、水を「作る」のです。

我が国は、水の国です。雨や雪も多く降りますし、国土のあちこちに水が流れています。それを利用しない手はありません。しかし都市に存在する水を、そのまま飲用するわけには行きません。

それでも有害な化学物質が大量に含まれているような水でなければ、ろ過と煮沸をすることで、かなり安全な水にすることができます。その方法は別稿にゆずるとして、ここでは最も簡便な方法を紹介します。我が国は、高度産業国家でもあるのです。

Delios
画像は、「スーパーデリオス」という商品です。キャップ部分に中空糸膜フィルターと活性炭フィルターが入っており、水中の不純物から細菌までをろ過して、安全な水を作ることができます。条件が良い水の最大ろ過能力は200リットル、つまりドラム缶一本分にもなりますので、ひとつあるだけで非常に心づよいものです。キャップはペットボトルと同じサイズですので、大型のペットボトルにつければ、効率的にろ過ができます。これがあれば、風呂の残り湯でも安全に飲むことができるのです。ボトル部分はサイズも素材もマヨネーズの容器とほぼ同じで、空気を抜けば丸めてコンパクトに持ち歩けます。
価格は2500~3200円程度と、取り扱い店によってかなり開きがあります。

次はこちら。
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浄水ストローです。これは水を直接口で吸って飲むものですが、殺菌能力はありませんので、塩素系消毒剤がセットされています。川の水などを容器に汲み、消毒剤で殺菌してから、ろ過材が入った本体でストローのように飲むわけです。軽量コンパクトですので、普段から持ち歩くのも負担になりません。右が私の持ち歩きスタイルで、フリーザーバッグに入れて、カバンに入れています。家族ひとりに一本ずつあると良いでしょう。
価格は1980~2400円以上と、こちらもかなり開きがあります。

これは徒歩移動中に水の補給があまり期待できない、帰宅困難時対応グッズとしても優秀です。川の水も雨水も、みんなあなたの「水場」になるんですよ(笑)

さらに大量の水を作りたい時、これが役立ちます。
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浄水剤です。これは不純物が無いきれいな水か、ろ過済みの水に入れて、微生物や細菌を消毒するものです。「スーパーデリオス」と併用すれば、さらに安心です。
価格は、画像にもあるとおり15ミリリットル(大さじ一杯分)で1250円程度です。

これらの商品は、ホームセンターなどの防災グッズコーナーではまず目にすることがありませんが、登山・アウトドア用品店なら大抵は扱っています。また、商品名で検索すれば、ネットショップがたくさんヒットしますので、入手は簡単です。でもこんな商品は、海外では手に入らないことが多いでしょう。我が国はまさに「災害列島」ではありますが、こんなに優れた商品が簡単に手に入る国であることを、「生き残る」選択肢もとても多い国であることを、誇りに思おうではありませんか。

水に関してひとつ補足しますと、喉が渇いたからと言って雪を直接食べてはいけません。雪を食べると身体を中から冷やしてしまい、体力を大きく消耗します。下がった体温を上げようとして、カロリーが無駄に使われるのです。雪は必ず溶かして、体温程度にまで暖めてから飲む必要があります。一番簡単な方法は、ペットボトルなどに雪を詰めて、それをしばらく服の中に入れておき、体温で溶かして暖める方法です。

最後に念のため申し添えますが、各商品のメーカー、取扱い店とも一切の関係はありません。あくまで「防災屋」の目でセレクトし、自分でも使っている優れた商品を紹介しております。

今回で【本当に必要な防災グッズとは?】のシリーズは、一旦終了します。

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2012年2月 1日 (水)

本当に必要な防災グッズとは?【6】

今回は、低コストで効果的な「防水・防寒」グッズの紹介です。

まずはこれ。
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ニットキャップです。なんだと思われるかもしれませんが、非常時にはとても重要なのです。実は、人間の体表面から放出される熱のうち、毛細血管が集中している頭部からの割合は、なんと全体の40%にも及びます。つまり、頭を保温しないと、膨大なカロリーの無駄遣いをしているわけです。普段は、おなかがすいたらすぐに何か食べられる、つまりカロリーの補給ができるので気づきずらいのですが、非常時でろくに食べられない時は、その差は歴然と現れます。

普段あまりキャップをかぶらない方は、試しに寒い日の外出時、ニットキャップの有り無しを比較してみてください。かぶっていると身体が楽なだけでなく、血液を無駄に冷やさないことで、身体全体の暖かさが全く違います。災害時は快適さも重要ですが、少ないカロリーを無駄なく使い、行動できる体力をなるべく温存することが大切なのです。そして、極限状態にまでなってしまった場合、このわずかな残存カロリーの差で生死が分かれることもあるということを、現実の問題として考えてください。

とりあえず頭を保温できればなんでも良いのですが、耐熱性を考えると、ウール100%のものがベターでしょう。画像は私が普段から愛用しているものです。ウール100%の米軍放出品「ワッチキャップ」で、価格は1000円ほどの手頃なものです。

次は手。軍手は「防災グッズ」の定番ですが、防寒用としては風通しが良すぎて、寒い時に濡れてしまうと、かえって苦痛どころか、厳寒地では凍傷の怖れもあります。そこでお勧めなのがこれ。
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作業用の、厚手のゴム手袋です。できれば、防寒用の内貼りのついたものが理想的。これひとつで絶大な防水・防寒効果がありますし、避難生活中の作業用としても多用途に使えます。アウトドアでは、手を濡らさず、暖かく保つのは非常に重要なのです。

こんなのも、かなり実用的です。
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園芸用、台所用などの薄手のゴム手袋です。防水はもちろん、それなりの防寒効果があります。もちろん、ろくに手が洗えない避難生活中にも大活躍です。不自由な避難生活中に体調を崩すと、生命に危険が及ぶこともあり得ます。衛生状態の維持は、平常時以上に大切なのです。

さらにゴム手袋は、負傷者救護時の血液感染防止用、カッパと併せて放射性物質防護用としても、是非とも用意しておきたいものです。余談ながら、私は震災後に福島県の某地域で、緑の奴を実際に使って来ました。いずれもホームセンターで、安価で入手できます。

最後は火。身体が凍えてきたら、なんとしても暖めないと命に関わります。たき火をしたいところですが、雨、雪、強風の中では、マッチや100円ライターではなかなか火が起こせません。

山や森の中ならともかく、例えば雨の都市部で、燃やしやすいものがあるでしょうか。火口なるものもあまりなく、あっても湿っていて、木材などもみんな濡れているのです。そんな中で「強引に」火を起こさなければなりません。そこで用意したいのが、これ。
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ターボライターと着火剤です。これなら強風の中でも、湿り気のある火口でも、かなり着火しやすくなります。さらに着火剤があればなお簡単。画像のライターはツールつきでツインバーナータイプのアウトドア用品ですが、コンビニで売っている300円程度のものでも、十分に使えます。

それをさらに強力にしたのがこれ。
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カセットボンベ用のバーナーです。キャンプ用や工作用のガスバーナーは良く見かけますが、これは低価格のカセットボンベを使うのがポイント。強力な炎で、多少濡れたものでも乾かしながら着火してしまいます。気温が低いとガスの気化熱でボンベが冷え、気化が追いつかずに火力が弱まりやすいので、ボンベ保温用として携帯カイロとセットにしておくと良いでしょう。これなど、普段からキャンプでの火起こし、屋外の害虫退治、工作などだけでなく、魚をあぶったり、冷凍グラタンに焦げ目をつけたりなど、いろいろ使いでがありますよ(笑)

災害時に火を手軽に起こせるということは、実用面だけでなく気持ちの面でも大きなプラス効果があります。何より暖かいと元気がでますし、冷えた食品も温められます。これはイワタニ製で、価格は1700円前後です(ボンベ別)

最後の最後は、ちょっとしたアイデアを。
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防災グッズの定番、アルミレスキューシートですが、たき火の際に実に効果的な使い方があります。たき火は、身体の片側は暖かいのですが、反対側が寒い。そこでたき火の近くにレスキューシートを広げれば、ストーブの反射板と同じ効果があります。表現はどうかと思いますが、「両面焼き」(笑)になりますし、広い範囲に熱を反射することもできますので、たくさんの人が火に当たれます。表裏で色が違うものは、金色の面を火に向けると、熱の反射率が上がります。

かなり長くなってしまいましたが、是非参考にしてみてください。いわゆる「防災グッズ」でなくても、工夫次第でいろいろなものが利用できるのです。冬、冷たい雨や雪の中、強い風が吹き、身体の熱がどんどん奪われ、ふるえが止まらない。そんな中に放り出されて、このままでは生き残れない。そんな時何が欲しいか、皆様ご自身でも考えて見てください。

あなた命を守るのは、あなた自身です。そしてあなたが生き残らなければ、大切な人を守ることはできないのです。

『本当に必要な防災グッズとは?』シリーズは、次回で一旦最終回となります。

【つづく】

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