家に備える防災グッズ【4】
今回は、「カロリー」編です。
家での備蓄ですから、これはもうかなり自由度が高くなります。要は常温で長期保存ができる食品なら大抵のものが備蓄食糧とすることができますので、工夫次第でいろいろ用意できます。
栄養面での注意点は、どうしても炭水化物が多くなりがちなので、たんぱく質、脂質を、肉類や魚介類の缶詰などで十分に補給できるようにしておきたいものです。
阪神・淡路大震災の教訓では、缶詰があっても缶切りが無くて困ったというものがありますが、その後缶詰の多くがプルトップ缶になっているので、楽にはなりました。もし普通の缶詰を備蓄する場合は、必ず缶切りを一緒に入れておきましょう。
停電で冷蔵庫が使えない状況では、野菜類など生鮮食品が決定的に不足しますので、長期になるとビタミン、ミネラル類の不足が体調に影響を及ぼしてきます。これをカバーするために、多種類のビタミンやミネラルが配合されたサプリメントも用意しておくと良いでしょう。必須ミネラル類は、乾燥わかめ、煮干し、干しぶどう、ピーナッツなどの乾物で補給するのも方法です
主食としては、生米はそれなりに保存に耐えますが、炊飯に水を大量に使いますので、レトルトの白米パックやアルファ化米(ごはんを乾燥させたもの。少量の水で戻せ、そのままでも食べられる)をメインにすると良いでしょう。餅も、焼くだけで食べられて、いざとなったら生でもかじることができますのでお勧めです。一切れずつ真空パックされたものが備蓄に適しています。パンはカビが生えやすいので、保存用の缶入りなどでなければ、備蓄には適しません。
レトルト食品は、カレーを代表にさまざまなものがありますので、いろいろ用意して置くと良いでしょう。被災時はいつにもまして食事の楽しみが大きくなりますが、しばらくは暖かい食事がおなか一杯食べられることは少ないので、バリエーションが多いことは、気持ちを元気に保つためにもとても大切です。ただし塩分濃度が高い、味の濃いものはなるべく避けます。塩辛すぎると、あとで喉が渇きます。
気持ちの余裕という面では、お茶やコーヒーがあると、とても気が休まったという被災者の声があります。これは特に備蓄しなくても、普段使っているものが持ち出せば良いでしょう。
ここまで備蓄食糧について基本的な考え方を述べてきましたが、条件をまとめますと、常温で長期保存ができ、加熱してもしなくても食べられ、水を多く使わず、あまり塩辛くなく、必要なカロリーと栄養素が摂れるもの、ということになります。
乳幼児がいる場合は、粉ミルクや幼児用の菓子類(ビスコの評判がいいですね)などの備蓄も当然必要です。大人用にも、甘い飴類、氷砂糖やチョコレート、クッキー類、汗をかいた時の電解質補給用の塩飴なども、疲労感を軽くし、気持ちの余裕を保つために効果的です。これは過去多くの被災経験者から上がった生の声です。
このような要素をふまえて、備蓄食糧を選んでください。基本的には家族全員の三日分と言われますが、それ以上補給を受けられない事態も考えられます。費用や備蓄スペースとの兼ね合いもありますが、少し余裕を持って揃えておいた方が良いでしょう。
次回は、一般に言われている備蓄食糧の疑問点と問題点です。
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