普段持ち歩く防災グッズ【7】
今回は、持ち歩ける「防水・防寒」グッズを具体的に考えます。
別のエントリにも書いたのですが、我が国だけでなく、世界の地震災害を見ても、雨や雪などの悪天候下で発生したという記憶がありません。そのためか、「防水・防寒」に関する教訓が非常に少なく、それが軽視される理由のひとつになっているような気がします。
東日本大震災が事実上初めて、厳しい寒さと小降りとは言え雪の中で起きた大規模地震災害ではないでしょうか。阪神・淡路大震災より、ずっと厳しい気象条件でした。そしてその寒さのために、犠牲者が少なからず出ました。その教訓を生かさなければなりません。
「防水・防寒」の基本は、言うまでも無く服や身体を濡らさないことです。そのために持ち歩きたいのが、100円ショップのビニールカッパです。
これは、できればもっとしっかりした物の方が機能的には望ましいのですが、100円ショップものは素材が薄い分、畳むと一番軽量コンパクトになりますので、普段から持ち歩くに適してると言えます。画像のようにフリーザーバッグに入れて空気を抜くと、さらにコンパクトになります。フリーザーバッグは密閉できるので、濡れたカッパをしまう際にも便利です。地震災害以前に、夏場のゲリラ豪雨で活躍することが多いでしょうし。
カッパは降水が無いときでも、ウインドブレーカーとしても役立ちます。サイズはコートの上からも羽織れ、できれば肩掛けカバンや小型のリュックを背負った上からでも羽織れるように、2サイズくらい大きなものを用意すると良いでしょう。大は小を兼ねます。
持ち歩きグッズに欠かせないのが、アルミレスキューシートです。これの保温力は絶大で、身体に巻いた上からカッパを着れば非常に暖かい上、これ自体が雨具代わりにもなりますし、拡げて張りかければ雨よけシェルターに、地面に敷けば冷気を遮断するグラウンドシートに、くるまれば寝袋代わりに、荷物をくるめば防水シートに、たき火の近くで拡げれば熱の反射板にと、工夫次第でとにかく利用範囲が広いグッズです。
画像左は、さらに高機能の封筒型レスキューシートです。通常の使い方に加え、寝袋として絶大な保温力を発揮しますが、それでも収納サイズは変わりませんし、価格もリーズナブルです(下記)
移動時の保温と雨や雪に対応しやすい、ジャケットタイプもあります。これは管理人もまだ入手していないのですが、優れた防災グッズだと思いますので、参考までに。フードもついています。
これも、畳むと非常にコンパクトですし、機能の割には手頃な価格です(下記)
また、手の防水・防寒と怪我防止も大切です。避難生活中の作業用途も含めて、管理人は作業用の厚手のゴム手袋や、園芸、台所用の薄手のゴム手袋の準備を、以前からお勧めしてきました。被災後には軍手より防水性の高いゴム手袋が欲しかったという、東日本大震災被災者の実際の声によっても、その必要性が証明されました。
ただ、機能的には申し分ないものの、厚手のものは多少かさばることと、正直なところ使用時は美観的にあまりよろしく無く、被災時はともかく平常時に手が寒いからと気軽に使う、というのも現実的ではありません。
そこで次善の策として管理人が常備しているものを紹介します。
薄手の作業用手袋と、ラテックス手袋です。これらは、後の「安全・衛生」の項目でも再登場しますが、ここでは手の保温と防水のためのグッズとしての登場です。手袋は、もちろん厚手の方が保温性は高いのですが、非常時の作業性を考えて、敢えて少し薄手のものにしています。防水が必要な場合は、手袋の上からラテックス手袋をかぶせてしまいます。
これはあくまで、常時持ち歩くことを前提として、他の用途も考えた組み合わせであり、負担にならないのであれば、防水性があって保温力が高い手袋を用意すべきではあります。
長くなりましたので、次回へ続きます。
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■参考データ
100円カッパ+フリーザーバッグ 重量104グラム
レスキューシート(画像の通常タイプ) 重量60グラム 価格500円。
レスキューシート(寝袋タイプ) 重量81グラム、価格700円前後
マウンテンサーマルジャケット(英国製) 重量不明 価格1400円
※問合せ先:㈱ケンコー社 TEL 06-6374-2788 MAIL kenkosya@sweet.ocn.ne.jp
作業用手袋(画像のもの) 重量65グラム、価格850円前後
ラテックス手袋は、薬局、ドラッグストアで購入できます。
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