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2012年2月27日 (月)

家に備える防災グッズ【10】

今回から「安全・衛生」編です。

家に備える「安全・衛生」グッズの目的は、地震などからの緊急避難時の傷害を防ぎ、その後の不自由な避難生活中にも身体をできるだけ痛めず、衛生状態を維持することで、病気や体調を崩すことを防ぐということです。

まず緊急避難時ですが、安全な場所に到達するまでの間、様々な危険から身体を守らなければなりません。その際に考えられる危険は、倒壊物、瓦礫、ガラス等の接触や、衝突、転倒などによる外傷、火災の熱、煙や化学物質の吸入による障害、放射性物質の付着、吸入などが考えられます。

まず発災直後ですが、阪神・淡路大震災の教訓としても良く知られているのが、「家の中に靴やスリッパを置いておけ」というものです。飛散したガラス、食器などの中を素足で避難したために、足に怪我をしてその後の行動が困難になった人が非常に多かったのです。特に寝室や寝る場所のすぐ近くには、そのまま履いて外に出られる靴か、最低でもスリッパは置いておかなければなりません。

家を出る時は、できるだけ底が厚くて頑丈な、防水性の高い靴を履きます。瓦礫などの中を進む時には、クギなどの踏み抜きや瓦礫などの接触による傷害が考えられ、それは発災直後が一番危険なのです。そして場合によっては暗闇、水の中や、液状化などで足下が見えない、足場の悪い中を移動する中で、できるだけ足を守らなければなりません。ひとつの例として、下画像のようなキャラバンシューズや踏み抜き防止インソールを入れた長靴をお勧めします。
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登山靴やコンバットブーツ(下画像)のようなものがあれば強度は理想的ですが、編み上げのものは脱着に時間がかかるのが難点ですので、ジッパーで脱着できるものが良いでしょう。画像のものは管理人が防災活動やボランティアなどで使用しているジッパーつきコンバットブーツです。性能的にはレスキュー隊や自衛隊が使用しているものに近いもので、靴底もかなり強度があって簡単には貫通しないものの、耐ふみ抜き性能に完全を期すならば、踏み抜き防止インソールの併用をお勧めします。

いずれにしても、くるぶしまで保護できるハイカットの靴の方が、安全性が格段に向上します。このような頑丈で防護性能の高い靴は、特に避難生活初期には非常に重宝します。キャラバンシューズやコンバットブーツは長距離歩行にも使えますので、可能ならば出先に用意しておくのも良いでしょう。

爪先や足の裏に鉄板が入った「安全靴」も良いのですが、重量があることと、どうしても固くて足にフィットしずらいので、特に長距離を歩くための装備としては、あまりお勧めしません。最近はスニーカータイプのような簡易なものもありますが、足場の悪い中の行動を考えると、やはりブロックパターン底の方が適しています。


頭部を保護するために欲しいのが、ヘルメットです。
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避難行動中はもちろん、あとで物資を取りに行ったり、救助活動などのために損傷した建物内に入る時には是非欲しいものです。画像は管理人宅の廊下の状態ですが、どこかにしまい込んでいては、緊急避難時に使えません。非常持ち出しリュックのストラップに軽く結びつけて置いても良いでしょう。

管理人宅のヘルメットは、下画像のようになっています。
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壁にかけたヘルメットの中に、100均ビニールポンチョ、カップ型マスク、タオル、園芸用ゴム手袋をフリーザーバッグに入れてセットしています。こうしておけば、最悪の場合でも危険、悪天候、寒さに対応する最低限の装備が一緒に持ち出せるわけです。

あれこれ頭が働かない緊急時のためには、とにかく最小の手順で最大の効果が発揮できるように、普段から備えておくことです。細かいことですが、ヘルメットには反射テープを貼って、夜間の視認性を上げています。こんな装備が、車の中にあっても良いですね。

防水・防寒編でも触れましたが、家に備えるカッパは、その後の作業や放射性物質防護にも効果的な、上下セパレートタイプも用意しておくと良いでしょう。これも前出ですが、手の保護のためには厚手の作業用ゴム手袋や、瓦礫やたき火も安全に扱える厚手の革手袋も欲しいところです。軍手と併せて用意しておきましょう。
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避難時の服装ですが、防寒を別にすれば、一番気にしたいのは耐熱性です。火災の危険がある時は、化学繊維の服は非常に危険です。一部の「防災マニュアル」には、火に近づく時は、「女性はすぐにストッキングを脱げ」というものもあります。これは確かに間違いではありません。ナイロンなどの化学繊維は簡単に溶けて高温のまま肌に貼り付きますから、特に直接肌に触れているものが最も危険です。

しかしそれ以前に、普通の服は化学繊維が使われているのが当たり前ですから、もし火が迫ったら化学繊維の服はすぐに脱ぐと覚えておきましょう。化学繊維が溶けて肌に貼り付くくらいなら、素肌の方がまだマシと言えるくらいです。そんな場合はビニールカッパや、最近流行りのダウンコートも危険です。

なお、熱に強いのは綿、絹、ウール、革などの天然素材100%のものです。火災の危険が大きい時は、余裕があればできるだけ天然素材の服を身につけるべきです。例えば革のコートとジーンズはかなり耐熱性が高いものです。

火災のすぐ近くを通らなければならないような時は、上記のような対策をしてから、板などでできるだけ輻射熱を避けながら、最短時間で一気に駆け抜けなければなりません。髪の毛も非常に熱に弱いので、長い髪はまとめてヘルメット、ウールのニットキャップ、綿や絹のスカーフで包むようにしましょう。赤ちゃんや幼児は綿のフード付きカバーオールや大きなバスタオルなどで全身をくるむと良いでしょう。防災ずきんがあれば、もちろんとても有効です。

これらの対策で、熱に対する安全が絶対に確保できるというものではありませんが、安全性が高まることは間違いありませんので、是非覚えておいてください。あまり考えたくありませんが、ギリギリの状況になった時に、確実に差が出ます。

次回は、衛生について考えます。

お薦めの折りたたみ式ヘルメットです。

作業用ゴム手袋
作業用革手袋


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コメント

こんばんは。
便利そうな物を見つけて、買いました。
ゼロスリム「SLIM-AS」という踏み抜き防止の中敷です。鉄板が入っていないので動き易いです。3.4mmと厚いですが、軽いです。
<JIS T8101の踏み抜き規定1100Nに対して2倍近い強度(2100N)<があり
と、説明されていました。他の踏み抜き防止の中敷よりも強度があると思います。普段履きに使って安全性を高めるのも良いかも知れないですね。

いつもお世話になってます。
アシックスでも安全靴を取り扱っているんですね。
普段使いにするにはギリギリ、仕事には無理でも「安全靴感」が薄いので買い替えの候補になります。
欠点は、防護性と歩行性、値段です。
防護性:ハイカットモデルが無いです。
歩行性:作業靴なので長時間の歩行には支障が出そうです。
値段:¥7000〜と高めです。
歩行性を重視するなら、同じ値段でそれなりの見た目と性能のウォーキングシューズが買えます。それに特殊繊維の踏み抜きインソールを組み合わせてさほど歩行性は失われません。

普段使いの靴で万全を期すなら①特殊繊維の踏み抜きインソールを入れて②蓄光の靴ひもを使い③つま先と踵部分に反射&蓄光テープを貼るとかどうです?
非日常に備える為に、日常を壊しては本末転倒ですけどね。

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