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2012年2月20日 (月)

家に備える防災グッズ【7】

今回は「視界」のうち、照明について考えます。

まず最初に、東日本大震災被災者の、生の声です。
「被災時には、ライトは何個あっても良い」

停電下の生活では、あらゆる場面で照明が必要になります。昼間でも、例えばトイレの個室では必要なのです。ですから人数や用途に合わせて、いろいろなライトが備えることをお勧めします。

家に非常用照明を備える場合まずお勧めしたいのは、「各部屋に最低一個ずつ」、ということです。どの部屋にいるときに停電しても、すぐに暗闇の中で行動できなければなりません。特に地震での停電時は、様々な危険物が散乱している可能性が高いですから、照明なしで動くのは危険すぎます。ですから、まず各部屋に一個ずつ、を基本と考えてください。

置き場所についてですが、絶対に置いておくべき場所があります。それは「玄関」です。地震の揺れの中で、とにかく玄関へ来ました。脱出を目前にして、そこから何かを取りに戻ることは、絶対というほど不可能です。その場にあるものしか持ち出せません。慌てると、それさえも簡単ではないのが現実です。これは阪神・淡路大震災の教訓ですし、管理人自身の体験からもそう言えます。ですから、非常持ち出しはもちろん、すぐ手に取れるライト類も、玄関に用意しておく必要があるのです。

では、どのような照明を用意したら良いのでしょうか。管理人は以前別記事で、防災グッズから「ロウソクを外すべき」と主張しました。安価で長時間持つというメリット以上に、災害後の混乱の中では、火災に繋がる危険があまりにも大きいからです。計画停電の夜のように、静かに過ごすのとは訳が違います。

ではどんなものが良いかというと、これはもう電池の持ちと明るさで、LEDライトしかありません。でも、いろいろな種類があります。管理人の装備の「一部」をご覧ください。
Lights_mini
これはもちろん全部が家用ではなく、持ち歩き装備や普段使っていないものも含まれます。家用の装備としては、基本的には、それなりに強力な懐中電灯タイプが複数欲しいところです。家用ですから、コンパクトさより光量を優先しましょう。単三電池2~4本を使用するLED懐中電灯ならば、十分な明るさがあります。画像では、上段左から4~6本目や上段の一番右の銀色の奴のクラスです。

さらにできれば捜索や救難用に、強力なライトも欲しいもの。画像の黄色い大型ライトは、LEDではなくハロゲン灯ですが、単ニ電池4本使用で、とにかく強力です。暗闇では100mくらいは十分に見通せ、建物内なら反射光で部屋全体が見えるくらい明るくなる光量ですが、このタイプでも1500円くらいです。ちなみに管理人は、同クラスの充電式を車に載せています。シガーライターから充電できるので、レジャー用としても活躍しています。

緊急避難時や、避難生活の様々な作業では、両手を空けられるヘッドランプが役立ちます。東日本大震災で、捜索する自衛隊員がヘルメットにつけていたのは、画像のものとほぼ同じタイプです。単三電池1本タイプで、価格は1500円程度からあります。

居場所で長時間使う明かりとしては、懐中電灯より、全周に光を放つランタンタイプがいいですね。画像のものは外国製の800円ほどの安物ですが、明るさも持続時間も十分です。単三電池3本使用です。このクラスは防水機能が無いので室内専用ですが、キャンプ用のランタンならば屋外でも使うことができます。
Survive_021

計画停電の頃に有名になった技ですが、懐中電灯をランタンというか、ボンボリにする方法です。
Survive_024
LEDライトをレジ袋の中に入れてやると、柔らかな光が四方に散りますので、部屋の照明にお勧めです。これは発熱量の大きなハロゲンライトだとレジ袋が溶ける恐れがありますので、LED限定の技と考えてください。

冒頭の「各部屋にひとつずつ」用や、玄関用としてお勧めしたいのが、このタイプ
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赤外線人感センサーつきのLEDライトです。人がセンサー範囲に入ると自動点灯し、このタイプは30秒で消灯します。毎日十数回の点灯を繰り返しても、単ニ電池二本で一年以上は楽に持ちます。本体をラックから外せますので、壁に取り付けておけば、すぐに手に取れる非常照明としてもいいですね。玄関にあれば、なには無くともこれだけは確実に手に取れます。センサーモードにしておけば、人がいれば停電になった瞬間に点灯してくれるのですから、気持ちの面でも余裕に繋がります。ちなみに、我が家では玄関灯です。

防災グッズの定番といえば、このタイプ。
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手回し充電式ライト+ラジオ+携帯電話充電器です。これはこれで非常に便利なグッズであることは疑い無いのですが、そこに阪神・淡路大震災の教訓があります。機能が集約されているが故の問題です。

それは、誰かがトイレに行ったりしている間は、ラジオを聴けない、ということです。情報が欲しいときそれが途切れるのは、平常時では想像できないストレスになるのです。ですから、このライトはあくまでもバックアップと考えて、それぞれが専用ライトを持っていれば、避難生活のストレスを軽くすることにもつながります。

用意したライトの置き場所ですが、非常持ち出しリュックの中に全部しまったりせず、普段から手に取りやすい場所に、必ず1~2本は出しておきましょう。揺れる暗闇では、引き出しやリュックをかき回す余裕はありません。特に就寝時には、横になったまますぐに手に取れる場所に必ず常備を。それが一番大切では無いかと、管理人は考えます。

ちなみに、ここで紹介したライトは、黄色い大型ライトを除いて、すべて単三電池使用です。電池サイズを統一しておけば、備蓄も楽になります。とりあえず単三電池20本パックでもあれば安心でしょう。


非常時に状況を正確に把握して正しい行動をするためには、「視界」の確保は最も重要です。皆様も小さなライトひとつで決して安心せず、「いつでも、できるだけ遠くが良く見えるように」という考え方で装備を選んでみてください。それはあなたに届く情報量の増加を意味し、確実に「生き残る」力の向上に繋がるのです。

次回からは、「防水・防寒」編に入ります。

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LEDライト
ヘッドランプ
ランタン
人感センサー ライト
ラジオ 手回し

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