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2012年3月17日 (土)

【シミュレーション解説編】地震・通勤電車

【シミュレーションストーリー】地震・通勤電車の解説編です。

このシリーズの登場人物は、いつもは誤まった初動をしてしまったために最悪の結果になってしまうのですが、このストーリーの主人公、羽島氏は、特に問題のある行動はしていません。むしろ、安全性が高い部分もあるくらいです。

なお、このストーリーをmixiコミュにアップしたのは2009年8月で、既に携帯電話の緊急地震速報サービスは開始されていました。でも当時は管理人自身が一度も発報を経験したことが無かったため、それに関する記述は含まれていません。緊急地震速報が受信できれば、より早いタイミングで防護行動に移ることができます。

大地震発生時、鉄道はまず「非常ブレーキ」で停車します。このブレーキは、普段のブレーキよりはるかに高い減速度です。さらに激しい震動や線路の変形(=軌道変位)によって、脱線する可能性もあります。その際に発生する急激な「減速ショック」から身を守ることが、最大のポイントになります。

通勤電車でどなたも経験があると思いますが、ちょっときついブレーキ程度でも乗客がドドドっと将棋倒しになりかかることがあります。あるシミューレーションでは、時速80km/h程度からの脱線時に想定される減速ショックがかかると、いわゆる「スシ詰め」状態の乗客が、車輌の長さの三分の二にまで瞬間的に圧縮されてしまうそうです。鉄道車両一両の長さは20m程が多いのですが、その中に詰まった乗客が、一瞬で13m程度にまで圧縮されたらどうなるでしょうか。そしてその中で転んだりしたら。特に車輌の進行方向前半部の乗客は、危険極まりない状態になるでしょう。

一方で、ストーリーでは最後まで書いていませんが、長い編成の電車がすべて高架から落下することは、ほとんど考えられません。このケースでも、最悪でも5両目くらい以降は高架上に留まったでしょう。脱線・転覆する場合でも、長い編成のすべてがひっくり返るという可能性は非常に小さいということは、過去多くの鉄道事故事例からもわかります。
Fukuchiyama00
画像は2005年に発生した、JR西日本福知山線脱線事故のものです。時速116kmでカーブを逸脱するという大事故でも、7両編成の4両目以降は線路上に留まっています。つまり、それだけ前方車輌に比べて衝撃が小さかったということです。特に最後尾の2両は脱線もしていません。

つまり地震に限らず、鉄道事故に対する安全性は、編成後方の車輌になるほど増すことが明らかです。さらに車輌後方のドアから乗ることが、より安全性を高めます。

車内では、シートには座れないものと仮定すれば、車輌のドア部分のドア側から二列目くらいまでの間にいるか、車輌のできるだけ後方にいるべきです。急減速時に起きる「人のなだれ」は、車輌中央の通路を中心に発生しますから、ドア付近のドア側にいれば、その流れに巻き込まれない可能性が大きくなります。そして車輌の後半部、できるだけ後ろにいればいるほど、人のなだれに巻き込まれた場合でも、ダメージが小さくなる可能性が増すわけです。

車内がすし詰めで無い場合は、強い揺れを感じたら床に膝を付くくらいに姿勢を低くして踏ん張り、手すりなどに身を寄せてしっかりと掴むことで、急減速時や脱線のショックで飛ばされ、手すりやシート側板などに激突する危険を減らします。

もっとも、もちろん混雑時にはドア付近から車内中ほどにまで詰めるのがマナーですから、「自分だけは生き残る」とばかりに、無理にドア付近に陣取ることなどありませんように。

最後に、余談ながら本文の用語解説を少し。「ラーメン構造」の高架橋という、なんとも言えない語感(笑)の言葉が出てきます。この場合のラーメンとはドイツ語の「枠」のことで、橋脚と橋桁が枠のように一体化した構造のことです。この構造の間を、短い橋桁(ゲルバー桁)で繋ぐ構造が高架橋では良くあるのですが、阪神・淡路大震災では、新幹線や在来線高架橋のゲルバー桁部分が落下したケースが見られましたので、同様の想定をしました。阪神・淡路大震災では新幹線が始発前で、在来線は落橋部分にさしかかる列車が無かったということは、ただ幸運だったとしか言いようがありません。

【おわり】


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