2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

« 追悼・あの日から1年 | トップページ | 家に備える防災グッズ【15】 »

2012年3月12日 (月)

防災・減災への気持ちを新たに

再び3月11日が巡ってきて、静かに過ぎて行きました。多くのメディア報道などで、あの時の惨状が、やり場の無い悲しみ、怒り、やりきれなさが甦りました。傷口には、まだかさぶたさえろくにできていません。

あの日に起きた出来事の中でどうしても対比されるのが、いわゆる「釜石の奇跡」と、石巻市・大川小の悲劇です。津波被災区域の小中学生の事実上全員が、「間一髪で」助かった釜石と、全校児童の7割が犠牲になった大川小の違いは、どこにあったのでしょうか。

釜石市では、小中学生に対して自主判断で避難行動ができる教育と訓練が徹底されており、それが完全に機能しました。中学生が指定避難場所の危険性を判断し、小学生を連れてそこを離れ、さらに高台へ移動することで難を逃れたのです。これに対し、引率の教員が思考停止状態に陥り、避難のための貴重な時間とタイミングを逸してしまったのが大川小でした。

大人の責任がどうこうとかは、ここで議論することではありません。純粋に、そこから得られる教訓は何か、ということです。


これは、スポーツ選手が良く言う「練習は裏切らない」という事と、なんら変わりはありません。そして「練習で出来ないことは、本番でも出来ない」、言い換えれば「普段やっていることしか出来ない」という事に過ぎません。ましてや、ただでさえ冷静な思考が難しくなる災害時には。

釜石では、子供達がが必要な知識とスキルを身につけていて、それが機能しただけのこと。普段からの訓練の成果です。それは正しい練習をたくさんやってきたスポーツ選手が、試合に勝つのと同じことです。ですから本来は「奇跡」では無く、「釜石の成功」または「釜石の勝利」とも呼ぶべき事例です。

しかし大川小では、肝心の「チーム監督」である大人が、あまりに強大な敵を前にして思考停止していたことが、あの時その場にいた人の証言から明らかになっています。中学生の野球チームが、プロ野球チームと戦ってなす術が無いように。

しかも逃げ場が無かったのではなく、すぐ目の前に高台があったのです。純粋に「生き残る」ことを最優先したなら、山に駆け上がれば良かった。しかし、大人は校内にいる他の避難者、避難中の事故、保護者への引渡しや責任問題など様々な「大人の事情」に捉われ、判断が出来なくなっていたのです。

練習不足では、試合に勝てません。ましてや、本で読んだ知識だけで試合に臨んだら、完膚なきまでに叩きのめされます。ただ、それだけのことです。


残念ながら、災害対策の世界では、そのような事例は山ほどあります。
家具を「固定しろ」、落下物に「注意しろ」、火災を「防げ」、負傷者を「救護しろ」など、やったことも、現実の状況をつきつめて考えたことも無い人間が、上っ面の言葉だけで「指導」しています。机上の空論の、そのまたコピペがはびこっています。せめて内容が正しければマシなのですが、ウソや間違い、実行不可能なことがいくらでもあります。災害対策は、トリビアクイズではありません。

その程度で満足するかどうかは個人の自由ですが、その結果は「本番」で確実に現れるということが、釜石と石巻の事例が教えてくれる、最大の教訓では無いかと思います。

大災害を実際に経験した人は、全体から見ればごく少数ですし、管理人も経験はありません。しかしそこから得られる経験と教訓を共有し、自分の置かれた状況に具体的に当てはめて考え、実際に対策することで、「生き残る」力は確実にアップします。机上の空論、エセ科学、オカルトで生き残れるなら、苦労はしません。

当ブログ及び管理人は、過去の教訓を最大限に生かした、科学的・実践的な個人レベルの災害対策を目指しています。過去の災害で喪われた多くの命が教えてくれたことは、「行政や他人任せではいけない」ということです。管理人が言う「生き残れ。」は、「自分の身は自分で守れ」と同義なのです。

東日本大震災一周年を機に、改めて防災・減災への気持ちを引き締めたいと思います。

■■当ブログがお役にたてましたら、下の各ランキングタグへご支援のクリックをよろしくお願いいたします。

↓ 3/11現在、自然災害系ブログ第1位です。

↓ 3/11現在、地震・災害系ブログ第2位です。
にほんブログ村 その他生活ブログ 地震・災害へ

« 追悼・あの日から1年 | トップページ | 家に備える防災グッズ【15】 »

日記・コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 防災・減災への気持ちを新たに:

« 追悼・あの日から1年 | トップページ | 家に備える防災グッズ【15】 »