地震関連情報3/19
本日午前11時56分頃、青森県東方沖、深さ60kmを震源とするマグニチュード4.7の地震が発生し、青森県下北半島で最大震度3を記録しました。
規模的には大したことの無い地震ですが、この地震は発生場所、震源深さ、推定される発震機構などにより、先日3月14日に三陸沖で発生した、マグニチュード6.8のアウターライズ地震と関連がある、言うなれば「対になった」地震と思われます。
東日本大震災震源域付近の模式図をご覧ください。
この図の1番が、14日に発生したアウターライズ地震です。震災によって北アメリカ、太平洋プレートが固着していた部分が破壊され、太平洋プレートの西向きの動き(図では右から左)の抵抗が少なくなって移動速度が上がった結果、図の「アウターライズ」の表面近くが引っ張られて起きるのが、正断層型のアウターライズ地震です。なお「アウターライズ」とは、プレート沈み込み帯の海溝より沖側になる、地殻が盛り上がった部分のことです。
これに対し、太平洋プレートが沈み込む地殻の内部では、プレートの早い動きによる圧縮力が強まり、それによって発生するのが、図では3番の逆断層型スラブ内地震です。今日の青森県東方沖地震は、14日の三陸沖地震の震央に対し、太平洋プレートと北米プレートの接触面を挟んだほぼ反対側(陸側)の深い部分で起きているため、管理人は逆断層型スラブ内地震と判断しています。
なお、模式図ではスラブ内地震が内陸直下で起きているように描かれていますが、海底下で起きることもあります。要はプレート沈み込み帯の陸側の深い部分(50~80kmくらい)で発生するのです。
管理人が何故この地震を取り上げたかというと、このような地震を発生させるメカニズムが、三陸北部沿岸及び内陸から、北海道の太平洋沿岸に連なる震源域を動かす可能性があるからです。津波を発生させるような大規模地震になることもあり得ます。
アウターライズ地震は震源が陸地から遠いために、地上の揺れがあまり大きくなくても大きな津波を発生させることがある一方、スラブ内地震は陸地近くまたは陸地直下で発生しますので、地上の揺れが比較的大きくなりやすいのです。しかし震源が深いために海底の変形を伴いずらく、津波が発生する可能性は比較的小さいものの、もし発生した場合には、短時間で陸地に到達します。
この震源域で震災本震のような巨大地震が発生することは考えられないものの、震災で地盤が沈下し、防波堤も沈降したり破壊されている場所が多い被災地には、2~3m程度の津波でも大きな脅威になります。北海道の太平洋沿岸沖も、過去大きな地震が繰り返されてきた震源域ですので、この動きによって地震が誘発される可能性があります。
北海道の太平洋沿岸も含めて、当分の間は警戒を強める必要があると、管理人は考えています。
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