2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

« 宮城・震災から8ヶ月の光景【3】 | トップページ | 首都圏直下型地震を生き残れ!【6】☆オフィス編 »

2012年4月10日 (火)

首都圏直下型地震を生き残れ!【5】☆オフィス編

■オフィスで生き残れ(その2)

今回は、多くの場合で地震対策を済ませた一般家庭よりも危険要素の多いオフィス内で生き残るために、どのような判断をし、どのような行動をするべきなのかを考えます。

大地震から生き残るために、すべての建物内で共通する要素とは、「生存空間の確保」と「飛散物からの防護」です。さらに「火災からの避難」がありますが、それは別稿でまとめます。

まず、何より「生存空間の確保」です。わかりやすく言えば、転倒物、落下物がぶつからない場所に、身体全体を入れることです。その点、オフィスには頑丈なデスクがあるのが普通ですから、それは大きなメリットです。事務用デスクは、建物が倒壊した場合でも、高い確率で生存空間を確保できる頑丈さがあります。

ところで、皆様はご自分が使っているデスクの下に、実際にもぐってみたことがありますか?いざやってみると、これが意外に難しいはずです。特に身体が大きな人は、一番守らなければならない頭部を入れると、背中や足がはみ出してしまったりしませんか?そこに物が落ちて来たら、大きなダメージを負ってしまいます。

ましてや、デスクの下に段ボール箱やPC関係機器があったりすると、さらに困難になります。ですから、まずはご自分のデスクに実際にもぐってみて、邪魔になるものをできる限り排除しておかねばなりません。揺れが激しい場合は、もぐったデスクごと激しく振り回されますから、デスク脚などをつかんでがっちりと身体を確保していないと、デスクの下からはじき出されてしまうかもしれませんので、そのような体勢を取れる状態にしておくことです。自分のデスクは、あなた専用の最も身近で有効な地震シェルターなのです。

でも、どうにも潜り込めない場合や、自分のデスクについていない時もあります。そんな場合に、普段からの「観察」がモノを言います。

まずはご自分のオフィス内で、普段から倒れそうなキャビネットや棚などの場所と倒れる方向や、激しい揺れで暴れやすいキャスター付きのコピー機などの場所を把握しておき、揺れを感じた瞬間にその場所から離れるのです。これは普段から意識していれば、ほとんどの場合2~3秒もあれば可能な行動です。重要なことは、最大の揺れが始まる前に危険の少ない場所に移動し、揺れを「迎え撃つ」体勢を整えることです。

そんな動きを実際に何度も繰り返しておけば、その瞬間に足がすくんで動けなくなる可能性も小さくなります。大きめの地震に遭った時に動けなくなった経験のある方は、特に「訓練」を繰り返しておくべきです。

さらに、オフィス内で「生存空間」ができる場所を普段から見つけておくことです。たとえば、デスクの間の通路に伏せれば、大抵の転倒物や天井の落下から身を守れます。デスクのすぐ後ろにキャビネットなどがある場合は、デスクに身を寄せて伏せれば、キャビネットが倒れても、三角形の生存空間が残ります。この場合は、ガラス扉のついたキャビネットや、載せたものが落ちてくるオープン棚は避けなければなりません。

窓側の通路も基本的には避けるべきでしょう。最近は飛散対策を施したガラス窓も多いのですが、その効果が絶対だとは言い切れませんし、対策を施していない場合は致命的な結果になる可能性が大きくなります。

デスクと壁の間の、目安として2m以下の間に入るのは危険です。激しい揺れの中では、滑り止めを施していないデスクは床の上を大きく動き回るので、壁との間に挟まれる可能性があります。

パーティションや内装材ではない、建物の躯体(くたい)、つまり建物そのものの頑丈な壁や柱が近くにあれば、それに身を寄せて姿勢を低く保つのも良いでしょう。その場合は、周囲からの転倒、飛散物から距離を置けることが必要です。

そのような行動の際には、いずれの場合も頭部を守らなければなりません。手近にあるファイル、バインダー、書類の束、膝掛け、座布団など何でも使えます。そして、特に後頭部から首の後ろ側を守ります。何も無い場合は両腕で頭を抱えるだけでもかなりの効果があります。腕を負傷しても、頭や首を傷つけるよりはマシというものです。

これが訪問先の他社オフィスになると、ごく限られた情報で判断しなければなりません。応接室やパーティションで区切られた商談スペースなど、自分の居場所でもっとも効果的な行動は何かを、頭の隅ででも意識しておくべきです。

建物に入る以前には、まず建物の周辺にどのような危険があるか、避難場所はあるか、旧耐震基準の古い建物ではないか、非常階段の位置はどこか、オフィス内が見えるならば、倒れそうなもの、倒れる方向、それを避けられるデスクの間や、倒れても三角形の空間ができる場所、コピー機の位置などを探す「防災の目」で見ておくことです。これは慣れれば1~2秒もあればさりげなく行えるはずです。あまりキョロキョロして不審がられませんように(笑)

ちなみに、もし管理人が応接室に通されたら、まずはありがちなガラス扉付きのキャビネットや展示棚、ガラス入りの額に入った絵画や窓の位置を確認し、逃げるべき方向を考えます。そしてもし大地震が来たら、バッグで頭を守りながらソファに身を寄せて伏せ、生存空間を確保するでしょう。その時まず自分の身を守るのを優先するか、取引先の人をかばうのかは、皆様ご自身の判断で。

でも、もし取引先の人が固まってしまっていたら、管理人なら大声で「床に伏せる!頭を守る!」と命令口調で言いながら、突き飛ばしてでも伏せさせると思います。それがベストと判断できるなら、ためらわないことです。ちなみに管理人、かつては二十年以上に渡って営業マンでした。

ところで、この「頭を守りながら伏せる」という行動は、普段からかなり意識や訓練をしていないと、なかなかとっさにはできないものです。特にオンタイムである仕事中は、服を汚したく無いという意識や「きっと大丈夫だろう」という意識が強く働きやすいものです。

これは「正常化バイアス」と呼ばれる心理状態です。人は日常が破壊されることを望みませんから、危険な状態を認識しても、それを自ら積極的に否定または過小評価(=正常化)しようとしてしまうという、だれもが陥りやすい心理なのです。それは管理人も含め、普段から防災を意識している人とて例外ではありません。つまるところ、最短時間で効果的な避難行動を取るためには、この「正常化バイアス」を超えられるかどうかにかかっていると言っても過言では無いのです。

そのためには、まず人は自分に迫った危険を過小評価しがちになるという事を自ら認め、その上で正しい知識をもって、できるだけ正確な脅威評価をしなければならないのです。とは言え、それは口で言うほど簡単なことではありません。

そこで次回は、どのような場合に緊急避難行動に移るべきかという目安について、考えてみたいと思います。

■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。

■■当ブログがお役にたてましたら、下の各ランキングタグへご支援のクリックをよろしくお願いいたします。

↓ 4/10現在、自然災害系ブログ第1位です。

↓ 4/10現在、地震・災害系ブログ第3位です。
にほんブログ村 その他生活ブログ 地震・災害へ

« 宮城・震災から8ヶ月の光景【3】 | トップページ | 首都圏直下型地震を生き残れ!【6】☆オフィス編 »

地震・津波対策」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 首都圏直下型地震を生き残れ!【5】☆オフィス編:

« 宮城・震災から8ヶ月の光景【3】 | トップページ | 首都圏直下型地震を生き残れ!【6】☆オフィス編 »