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2012年4月16日 (月)

首都圏直下型地震を生き残れ!【8】☆買い物編

■買い物で生き残れ(その1)

一般に防災の話というと、どうしても「男性目線」になりがちなもので、自宅やその近所にいる時間の長い、主に主婦の皆様にとっては、あまりリアリティがなかったりします。今回は、ハウスキーピングをしている皆様が遭遇する危険のうち、買い物に出ている最中に大地震に遭遇した場合を考えてみます。

なお管理人は男性ですが、頻繁に日常の買い物に出ていまして、その経験と検証によって導き出された内容でお送りします。当ブログにアップする内容は、机上の空論ではありません。

日常の買い物において危険度が大きいと思われる場所は、スーパーマーケット(コンビニ、ディスカウントストア等も含む)と、いわゆる「デパ地下」やそれに似た場所です。まずはスーパーマーケット(以下スーパー)から考えてみましょう。

スーパーで大地震に遭遇した場合、考えられる大きな危険は、展示商品の崩落と天井の落下です。一般的なスーパーでは、基本的にはレジ以外に店員が配置されていないため、少なくとも揺れている最中に店員による避難指示、誘導はあまり期待できませんから、自らの判断と行動で危険を避けなければなりません。

一般に、広い店舗内で大地震に遭った場合、まず通路の中央で頭を守りながら姿勢を低くして、揺れが収まるのを待てと言われます。しかし幅が3m以上ある通路(これは避難動線として設定されています)ならともかく、棚の間の狭い通路やワゴンが並んでいる場所では、商品の崩落を完全に避けるのは難しいのです。

できることなら、最初のたて揺れ、例の「ドン!」や大きな「ガタガタ」を感じたらすぐに、できるだけ安全な場所へ移動したいものです。特に離れなければならない場所は、酒類、食器などガラスや陶器が多い場所、精肉、鮮魚コーナーなどガラスケースのある場所、家電品など重量物が多い場所です。

もし強い揺れが始まってしまっても、過去の地震における監視カメラ映像を見ると、崩れて来る商品が通路中央を直撃する可能性はあまり大きくないことがわかりますから、とにかくスーパーやデパートなど陳列棚が多い場所ででは「通路中央へ」、これが基本です。スーパーやコンビニの陳列棚は、底部が幅広くて重心が低い構造のため、激しい地震でも、棚ごと転倒することはまず無いと考えて良いでしょう。阪神・淡路大震災の直下型の震度7でも、陳列棚ごと転倒した例は無いはずです。

ですから、まず揺れが大きくなる前に危険な商品がある場所をできるだけ離れ、床の上を激しく動く陳列棚にはじき飛ばされないように、通路の中央で姿勢を低く保つのです。陳列棚が存在することで、もし天井が広範囲に落下してきた場合でも、生存空間が残る可能性が大きくなるというメリットもあります。

そこで良く言われるのが、頭を守るために「買い物カゴを頭にかぶる」という方法ですが、管理人に言わせれば、これも机上の空論。確かにスーパーの買い物カゴは強度と耐衝撃性に優れているので、落下物から頭を守るためには効果的ではあります。でも多くの場合、買い物カゴにはすでに商品が入っているわけです。強い地震を感じた瞬間、その中身を床にぶちまけて頭にかぶれるかというと、なかなかそうは行かないのではないですか?そうしろと口で言うのは簡単ですが、それは防災ヲタ(笑)の管理人でも難しい。

ですからまだ買い物前か、手近に空のカゴがある場合以外は、その方法は現実的では無いのです。さらに、カゴをカートに乗せていることも多いはずです。ならば、そのカートを利用しない手はありません。

ところで、姿勢を低くする方法ですが、どんな体勢を想像されていますか?ニュースで見られるデパートなどの避難訓練では、バッグなどで頭を守りながら、通路にしゃがんでいる姿が見られます。しかし大きな被害が出るような地震の場合、しゃがんだだけでは確実に転び、床の上を転がり回ることになります。せっかく離れた陳列棚の近くに飛ばされ、商品の直撃を受けるかもしれません。特にハイヒールをはいている場合には、簡単に転んでしまいます。

姿勢を低くするとは、最低でも片膝、できれば両膝を床について、がっちりと踏ん張ることです。スカートの裾の乱れもストッキングの伝線も、イザとなったら無視するだけの心構えをしておきましょう。命がかかっているのです。実際には、四つん這いならなければ身体を確保できない、さらにそれさえ困難な揺れになることもあります。

そんな場合、重い商品を載せたカートが床の上を走り回り、身体にぶつかって来るでしょう。そのダメージもかなりなものになるはずです。そこで、姿勢を低くしながら、カートの脚をがっちりと捕まえるのです。キャスター付きのカートは、強い揺れの中では激しく動き回ろうとします。それをがっちりと捕まえ、全身に力を込めて押さえつけるのです。

その際に、管理人が考える理想的な体勢は、カートの下段に上半身を入れてしまい、床についた両膝を踏ん張り、カートの脚をしっかりと両手でつかむ形です。激しい揺れの中では容易ではありませんが、その体勢は、棚からの商品の落下、天井の落下、他のカートの衝突から身体を守る面積が一番大きくなります。特に一撃で命に関わる頭、首と上半身を、何がなんでも守らなければなりません。これはカートだけでなく、下部が開いたタイプの商品ワゴンでも可能です。

小さなお子さんが一緒だったら、カートの下段に押し込んでから、上段よりも姿勢を低くしてカートの脚をつかみ、思い切り踏ん張って暴れないようにします。親御さんの気持ちとしては、自分の身体でお子さんを守りたくなりますが、その他の方法があるうちは、ギリギリまで「一緒に生き残る」方法を採るべきです。自分の身体だけで守るのは、最後の手段です。

その他の方法として、カートを横倒しにして、上段と下段の間にお子さんの身体や自分の頭を入れて床に伏せれば、真上からの小さなもの以外の直撃が避けられますが、やはりとっさに床に伏せるのは難しいものですし、伏せてしまうと周囲の状況がわかりずらく、すぐに動くことも難しくなりますので、これはひとつの参考としてお考えください。


次に、天井の落下について。普通の天井があまり高くないビルならば、石膏ボードなどの天井材が落ちて来ても、それほど大きな衝撃にはならないと思われます。これに対し、ホールのような天井が高い建物の場合に多い「吊り天井」というタイプは、高い場所から天井材と固定金具がまとめて落ちてくることがあるので、非常に危険度が高いのです。

東日本大震災で、茨城空港ビルの「吊り天井」が落下した瞬間の映像をご覧になった方も多いと思います。できたての最新工法のビルでも、残念ながら地震で「吊り天井」の落下が起こるということの証明です。あの直下にいたとしたら、少なくとも頭と上半身を十分守っていなければ、致命的な結果になったでしょう。2005年の宮城県沖地震では、屋内プールの「吊り天井」が落下して、泳いでいた人の多くが負傷しています。

天井の落下に関しては、この「吊り天井」が最も危険と考えられますから、普段良く行く場所に関しては、「吊り天井」かどうかを確認しておくことをお勧めします。建物の構造を見慣れれば、ひと目で判断することもできるようになるでしょう。ひとつの目安として、大規模ショッピングモール、空港や駅のホール、劇場や映画館、体育館など、柱の少ない、天井の高い建物に使われることが多いタイプで、その空間が広いほど落下の危険性が大きくなり、天井が高いほど落下の衝撃が大きくなります。

Googleで「吊り天井 地震 被害」をキーワードに画像検索すると、過去の被害例や典型的な構造の画像がたくさんヒットしますので、ご覧になってみてください。ちなみに、「吊り天井」だけだど、ほとんどプロレスの技ばかりになります(笑)

これに限らず、普段良く行く店などでは、常に安全性の高い場所や避難経路を意識し、「その時どうするか」というシミュレーションをしておく事が、「生き残る力」を最大限に上げる方法なのです。

次回は、次の「デパ地下」について考えます。


■当記事は、カテゴリ【地震・津波対策】です。

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