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2012年4月19日 (木)

東京都の地震被害想定が修正されました

東京直下型地震の被害想定が、先の「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト・最終成果報告会」の報告を受けて修正されました。例の、首都圏でも最大震度の想定が従来の6強から7になったという、あの報告です。

なんでも、想定死者数が1.5倍になったそうですが、とりあえず個人の災害対策の視点からは、そんな数字をそれほど気にする必要はありません。必要な情報は、阪神・淡路大震災並みの最大震度7もありうるということと、その時何が起こるか、ということだけです。何が起こるかは、従来と特に変わりません。ただ、その規模が大きくなるということです。それだけわかってれいば十分でしょう。

気にし無さすぎかって?ならば、数字の変化を知ることで「生き残る力」が上がる方法を、ぜひ教えていただきたいくらいです。我々が想定すべき状況は、常に「最大・最悪」であり、細かい数字など、基本的にはどうでも良いのです。どこかで聞いたセリフですが、「地震は会議室で起きるんじゃない!」ということです。

ただ、その時何が起きるかは、絶対に知っておかねばなりません。そういう点では、行政の想定はあくまでマクロなので、実際の生活レベルまで落とし込まれていません。だからレポートを読んでも、大して役に立たないのです。普段いる場所で、たまたま行った場所で、その時、目の前で何が起きるか。そこで生き残るためにはどうすればいいのか。それを考えるために、このブログは存在します。

とはいえ、「こうすれば大丈夫」というような、わかりやすい方法はそれほどありません。すべての災害対策に共通することですが、普段からの意識と準備も含めた、総合的な対策と行動が「生き残る力」を高めるのです。災害直後は、状況が流動的に変化する、まさに「戦場」です。そこで必要なのは、状況を正しく読み取り、正しいタイミングで正しい行動をするための知識、判断力、装備、そして体力です。

でも世間では、「こうすれば大丈夫」的な、トリビア的で単純な情報がウケるものです。つい先日、天ぷら油に火が入ったら、シーツを水で濡らして掛けろという●違い沙汰の「指導」を見ました。これは、昔は結構普通に言われていたことなのですが、今になってそれを書いた奴、一度でも自分でやったことがあるのか?せめて他人がやったのを実際に見たことがあるのか?きちんとしたイラスト入り印刷物でしたけどね。そんなものがまだまだ世間には「公式に」はびこっています。

しかし、実は管理人、その方法は見たことがあります。上手くやれば不可能ではありません。ただし、それは、特殊な条件下でした。消防による実験です。周りになにもないコンクリートの部屋で、床に置いて加熱した天ぷら鍋に火を入れ、それを「訓練された」消防隊員が濡れたシーツで消すというもの。でもそれができたからと言って、そのまま「指導」するのはナンセンスを通り越して犯罪的行為に等しい。

まず、当然ながら消防隊員は火の扱いに慣れていて、しかもそれは訓練展示に過ぎません。失敗しても延焼するものはありませんし、まったく慌てる要素が無い。そして最大の違いは、鍋が床においてあるということ。シーツを落とし込むように全体にかけるのは比較的容易です。でも家庭では、鍋は腰の高さ以上の場所じゃないですか。目の前で火を吹き上げる鍋にゼロ距離、いやマイナス距離まで近づいて、奥まで覆いかぶせるようにシーツをかけることなど、素人には絶対に無理です。

しかも、掛ける前に水滴が一滴でも油に落ちたら、火のついた油が爆発的に飛び散ります。これは料理やる方なら、だれでもご存知ですよね。熱い油に落ちた一滴の水の恐怖を。しかもこの方法、鍋をひっくり返す危険も大きく、一度失敗したらやり直しが効かないというオマケまでついている、ほとんど命をかけた罰ゲームのようなものですよ。そんなのを平然と「指導」することは、ほんと犯罪に等しい。「危険が予見されるのに、必要な対策を取らなかった」どころか、それを推進しているのですから。

これは、火のついた油の表面を、(適当量の)水分を含んだシーツで覆えば、酸素の遮断と水の冷却効果で消火できるというトリビアに過ぎず、実際の災害現場に使えるような話では無いのです。ちなみにこの方法、シーツの水分が少なすぎると消火できないか、できても短時間で再発火します。多過ぎれば、前述のように水蒸気爆発を起こします。

やたらとしつこく書いていますが、それはこの手の「防災情報」が、世間には山ほどあるからなのです。当ブログでは、今までにもそんな「机上の空論」を数多く否定してきましたし、これからもネタには事欠かない(笑)でしょう。最も危惧するのは、そんな誤まった情報を信じたがために、生命や財産を失う人が出はしないか、ということなのです。あなたは机上の空論や、名ばかりの「指導者」のやっつけ仕事に命を託せますか?

それに類することですけど、例えば直下型だのプレート境界型だのという地震のメカニズムなど、興味がなければ全く必要の無い情報です。管理人はそういうのも「趣味」ですから調べますけど、防災・減災には全く役立ちません。ですから、興味が無かったらそんな報道や、もちろんこのブログのそんな記事まで、無視しちゃってください。

そういう話ばかり気にして、肝心の身の回りの対策がおろそかになっている人、結構いますよ。例えばP波とS波の速度の違いを知っていても、P波を感じた瞬間に行動に移る助けにはなりません。むしろそんな知識は無くても、地震が来たらこうする、と普段から考えている人の方が、ずっとすばやい行動ができるのです。


なんだか東京の被害想定の話から、ただの毒吐き日記になってしまいました。こんなものをお読みいただいた方、すいません。でも、とにかく「机上の空論」と、それをしたり顔でのたまう奴には、本当に気をつけてくださいね。命かかっているんですから。


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