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2012年4月16日 (月)

【シミュレーション解説編】地震・オフィス

本編の解説編です。

このストーリーでは、1980年以前に建築された「既存不適格建物」(現行の耐震基準を満たさない建物)であるオフィスビルが倒壊してしまいます。そうなったら、いかなる事前の対策も無意味になってしまいますし、個人レベルで対策できるものでもありませんから、書いていて「シミュレーションとしてはどうなんだろう」という思いがありました。

でも、耐震強度の低い建物は、いかなる細かい対策をも無意味にしてしまう危険性があるという現実を知っていただきたくて、敢えてこのような形にしました。このビルを倒壊させないためにできることは、全面建て替えを除けば、耐震補強工事しかありません。

そしてそれ以前に、オフィス内の状況や行動に、問題がたくさんあるのがおわかりいただけたと思います。箇条書きにしましょう。まず、オフィス内の状態から。
■ロッカーの転倒防止対策が取られておらず、さらに上には重い段ボール箱が置いてある。
■ロッカー類が倒れると、人を直撃したり、脱出経路を塞ぐ配置になっている。
■デスクの島と壁の間にスペースが少なく、デスクが動くと人が挟まれる配置になっている。
■ロッカーのガラス扉や窓ガラスに、飛散防止フィルムなどの飛散対策がされていない。
■机の下に物がたくさん置いてあり、もぐりこめるスペースがない

次に、課員の行動について。
■最初のたて揺れ(初期微動)を感じても、誰も避難行動に移れていないので、おそらく普段から意識も訓練もできていない。
■激しいよこ揺れが始まっても、一部を除いて身を守る行動に移れていない。
■停電を想定した非常用照明が準備されていない。また、あったとしてもその存在が認識されていない。
■無事だった者が、重傷者の存在を知りながら、救護もせずに助けを呼びに行こうとした。

とまあ、散々な会社のようです。本文に書いてはいませんが、これではヘルメットなどの防災グッズ、非常用食糧や水、帰宅困難対策セットなどが用意してあるとも思えません。意識も、訓練も、対策も、備蓄もまったく無く、徒手空拳で大災害を迎えなければならなかったのです。そして、そのことを社員のだれも気にしていなかったようなニュアンスも感じますね(←他人事みたいに言ってますが、管理人の作です)

もちろん、これは最悪を想定したフィクションなのですが、この貿易会社の状態と社員の行動を完全に笑い飛ばせる方、どれだけいらっしゃるでしょうか。ご自分のお勤め先のいろいろを、良く思い出してみてください。そして、何か不備があったら、上の方と相談して、できるだけ対策を進めてください。

殺し文句(になるかどうかは保証しませんが笑)は、「社員の安全はBCPの基本ですよ!」

最近は、災害被災後における企業のBCP(事業継続計画)の策定や、ハード面での対策が一種の流行みたいになっていますが、一番基本となる部分をおろそかにしている例は、はっきり言ってかなり多いのです。

その基本とは、前述の通り社員の安全です。まずオフィス内で怪我をさせない。帰宅困難時等に十分な支援をする。社員の家族の災害対策までアドバイスし、災害時にもできるだけ支援をする。家族が無事でなければ、社員は仕事に打ち込めないからです。そんな大して費用もかからず、コンサルもいらない(笑)対策が、その気になればすぐにも可能です。そしてその効果は、BCPの効果を最大限に発揮できることでしょう。人が動かなければ、いかなるプランも動かないのです。

ちょっと話が逸れますが、外回りの人の「帰社困難」というのは、帰宅困難よりかなり深刻ですよね。防災グッズ類もあまり持ち歩けませんし。そんな時の対策も、企業としてやっておくべきでしょう。例えば、災害時でも繋がりやすいPHSを貸与するだけでも、状況はかなり改善します。これはもちろん社員の安否確認や安全確保のためでもありますが、仕事面でもより素早い対策、対応ができる可能性があります。

管理人が本編であるシミュレーションストーリー・オフィス・地震編をmixiのコミュニティにアップしたのは、2008年3月13日。東日本大震災の三年も前です。被害のイメージとしては、阪神・淡路大震災の状況を反映していますが、地震災害で起こることとその対策は、ずっと前から、そして今でも大して変わっていないということがおわかりいただけると思います。


最後に、本編では地震が起きる前に夜空に閃光が走っています。これが大地震の前に実際に起きるかというと、実のところ、可能性は余り無いと思います。昨年4月に宮城沖で起きた大規模余震の際にテレビに映った閃光は、揺れによる変電所のトラブルだということがわかっています(オカルト派は無茶な解釈をして楽しんでますが)。

ではこれは何を表現したかというと、お気づきの方もあるかもしれませんが、管理人が防災の道に入る原点となったバイブル、小松左京先生の「日本沈没」において、主人公の小野寺が伊豆の海岸で「東京大地震」に遭遇するシーンへのオマージュです。あちらは、幕のような電光によって天城山系の稜線が浮かび上がりますが、それをビルの稜線で表現してみたものです。科学的根拠は薄弱ですので、その点はご勘弁ください。


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