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2012年4月30日 (月)

【シミュレーション解説編】地震・地下街【1】

シミュレーション本編の解説編です。地下街で大地震に遭遇した雪江が取った行動には、どんな問題があったのでしょうか。

まず、具体的な「間違い」を挙げます。
■「早く地上に逃げなければ」ということだけで頭が一杯になり、 周囲の状況を観察することができなかった。
■通路の中央に立ったまま、パニック状態の群集と衝突してしまった。
■さらに自らパニック状態の群集に飛び込んでしまった。
このような行動を取った時点で、雪江の運命はほぼ決まってしまったのです。

ではどうすれば良いか。
地下街で大規模地震が来て、照明が消えたとしましょう。まずはすぐに近くの壁に張り付いてください。一部の人は確実にパニックを起こし、無闇に駆け出すはずです。そして、それに刺激された人々を巻き込んで、群集は一気に膨れ上がります。この流れに飲み込まれたら、無事でいられる確率は非常に小さくなるでしょう。

まずはとにかく冷静に壁に張り付いて、群集をやり過ごしてください。どんな巨大地震でも、地下街が大規模に崩落することはありません。地下街は地面と一体になって揺れるので、「共振現象」による構造破壊が起きません。しかも、地上構造物に比べて強度に余裕を持って設計されているので、仮に一部が崩落したとしても、全体がぺしゃんこになる可能性はほとんどありません。しかし、やはり「地下=閉じ込められる、押しつぶされる」というイメージが強く、地上に比べてはるかにパニックを誘発しやすいのです。さらに、停電によって視界を失うことが、それに拍車をかけます。

ですから、まずはパニックに巻き込まれないことが、「生き残る」ための最初の条件です。カバンなどで頭を落下物からガードし、通路の隅で行動の時を待ちます。停電になっても非常口の明かりは確保されているはずですし、普通なら非常用電源が起動して、ある程度視界が効く非常灯がつくはずです。その場合でも、自分でLEDライトを持っているか否かで、周囲から得られる情報量が大きく変わりますし、もし真っ暗闇になったならば、その価値は言うまでもありません。

もし手元にライトが無ければ、携帯電話の液晶画面の明かりを足元に向け、ゆっくりと壁際を進みます。決して走ってはいけません。落下物などを認識できない中でつまづいたら、無事で済むことは無いでしょう。それに、だれかが走り出すと、不安感から周囲を巻き込み、制御不能のパニックを誘発します。ですから、もし誰かが周りで走り出しても、あなたは決してついて行ってはいけません。周りが走り出したら、あなたは通路の端に寄って、その集団をやり過ごすのです。


本編の想定のように、地上で落下物がひどい場合には、地下街に逃げようとする人々がなだれ込んで来ることも考えられます。とにかく群集の動きに飲み込まれる事だけは避けなければいけません。通路の端で待機するあなたの周辺にはきっと同じように待機している人がいると思いますので、お互いに声を掛け合いながら、人の流れが収まるのを待つことです。

状況が落ち着いて来たら、周りの人と声を掛け合いながら、協力して地上への脱出行動を始めます。地下街内での火災や、場所によっては津波による浸水の危険があります。建物の地上部分で火災が起きているかもしれません。できることなら、ある程度強力なライトを持った人間が先行し、進路の安全を確認した上で「本隊」が前進するようにできれば理想的です。

特に地上に出る時は、一気に階段を駆け上がりたい気持ちをぐっと堪えて、地上の安全を確認してから脱出します。地上に出た途端に、ガラスや落下物が降り注いでくるかもしれません。いかなる場合も、状況がわからないうちに慌てて行動することは、自分の生死を運だけに頼るのと一緒です。そしてそのような行動は、ごく一部の幸運な人を除いて、大多数に致命的な不運をもたらすものです。

さて、今回はここまでにしまして、次回は地下街の「トリビア」について考えます。おなじみの「机上の空論」がいつくも登場します。


■当記事は、カテゴリ【災害シミュレーション】です。

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