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2012年4月13日 (金)

首都圏直下型地震を生き残れ!【7】☆オフィス編

■オフィスで生き残れ(その4)

今回は「プレート境界型(海溝型)地震」の特徴についてです。なんだかオフィスに限らない話になって来ていますが、これはすべてのケースに共通することですので、このまま続けます。

ひとつ注釈しておきますと、内陸直下でもプレート境界型地震は発生します。例えば、懸念される南関東直下型地震もプレート境界型となる可能性がありますが、ここではプレート境界型のうち、海底のプレート境界である海溝付近で発生する、いわゆる「海溝型」地震について考えます。

「内陸直下型地震」の典型例は阪神・淡路大震災や新潟中越地震、東日本大震災翌日の、長野県栄村地震などです。これに対し、「プレート境界型(海溝型)地震」は、東日本大震災や、想定される東海・東南海・南海地震などが該当します。「内陸直下型地震」との違いは、震源が海底で、ある程度陸地からの距離があり、津波が発生する可能性が高いということです。

震源と陸地の距離が開いていると、いきなり「ドン!」と突き上げられるのでは無く、最初のたて揺れ「初期微動」はガタガタ、ビリビリという感じになりやすくなります。これは東日本大震災で実際に感じられた方も多いことでしょう。

そして震源と陸地との距離が長くなるほど、速度の違う「初期微動」(P波)と次に来る横揺れ「主要動」(S波)が到達する時間差が大きくなり、一旦おさまりかけた後、大きなよこ揺れが来るように感じることもあります。もちろん、震源が陸地により近ければ、たて揺れからよこ揺れへ途切れなく続くこともありますが、「内陸直下型地震」のように、たてよこが混ざった激しい揺れに、いきなり襲われる可能性は比較的小さいのです。つまり「緊急モード」に転換し、避難行動を取る時間的余裕が多少は大きいといえます。

ところで、かつてはこんな地震標語がありました。
「1分過ぎたらもう大丈夫」
確かに、ほとんどの場合はそうなのです。地震が「単発」ならば、大きな揺れが1分以上も続くことはまれです。ところが、東日本大震災で経験したように、複数の震源が連鎖した場合は、さらに長い時間に渡って揺れが続きますし、本震が収まらないうちに、大きな余震がいくつも発生することもあります。

しかもその場合、連鎖のパターンにもよりますが、しばらく小さな揺れが続いた後、突然大きな揺れが来ることもあります。これは多くの皆様の記憶にも新しいところでしょう。ですから、最初の揺れが大したこと無いと感じたからといって、すぐに警戒を解いてはいけません。複数震源域が連鎖した場合、例えば震度4くらいから、震度6~7クラスに発展することもあり得るということです。

震災後、東日本を中心に連日のように地震が続いているせいもあり、すぐに「この程度なら大したことは無い」と判断してしまいがちですが、やはりいま一度、あの震災の体験を思い起こすべきでしょう。もし東海・東南海・南海地震が短時間で連鎖した場合は、今度は関東から九州までの地域の方が、「あれ」を体験することになるのです。


「内陸直下型地震」の場合は、複数震源が連鎖する可能性はあまり指摘されていません。これに対して「海溝型地震」の場合は、海溝に沿って「地震の巣」が並んでいるわけですし、ある程度の期間内における連鎖は、過去何度も起きていることがわかっています。でも東日本大震災のような激烈な規模とごく短時間での連鎖は、具体的にはあまり想定されていませんでした。

しかしとにかくあの震災が実際に起き、大規模な地殻変動の影響によって、日本列島全体が震災前より地震が起きやすい状態になっているのは間違いないのです。

本題からだいぶ離れてしまいましたが、最後にまとめを。

最も危険な揺れが発生する、大きな「内陸直下型地震」の場合は、震源の近くでは「ドン!」や「ドドドッ!」という突き上げを感じることが多く、その場合はすぐ直後に強い揺れが襲って来るので、最短時間で身の安全を確保する行動をしなければなりません。一刻の猶予もありませんから、「ここで地震が来たらどうするか」という視点で、普段から取るべき行動を考えておくことです。

一方、大きな「海溝型地震」の場合は、最初のたて揺れは「内陸直下型地震」ほど激しく無い「ガタガタ」、「ビリビリ」という感じになりやすいのですが、そこで地震の規模を安易に判断せず、すぐに避難行動に移る必要があるのは変わりありません。そして複数震源が短時間で連鎖した場合には、比較的小さな揺れから突然大きな揺れに変わることもありますので、常にその可能性を考えて、危険が完全に去ったと判断できるまで、避難行動や身を守る行動を続けなければなりません。

震災後、震度5弱程度の地震は珍しくなくなりましたし、東日本を中心に多くの方がその規模を体験されています。でも事実上、その程度の震度では大きな被害が出るほどではありません。

過去に広範な被害が出るような地震を体験されていない方も、それ以上、つまりご自分が体験された最大の地震より「大きい」と感じられたら、様子を見たりせず、迷わず避難行動に移ってください。そして、最も安全で効果的な避難行動のために、普段から「その時、その場所ではどうするか」を具体的に考え、必要なものを揃え、できるだけ実際に動いてみてください。それが「生き残る力」を確実に強くします。


・・・などと言う内容は、シリーズ最初に書くべきでしたね。それではこれから、オフィスに続いて都市生活のいろいろな場面における避難行動について、具体的に考えて行きます。

正直なところ、この辺まではそれほど珍しく無い内容ではありますが、この先は管理人独自の、妙にうがった目線(笑)でお送りします。

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