首都圏直下型地震を生き残れ!【14】☆デート編
■デートで生き残れ(その2)
今回は、繁華街でちょっと奮発して食事をします。でも、特に店は決めていません。街をぶらつきながら、良さそうな店を探しましょう。
店の前に出されたメニューや、店の中を覗きこんだりしながら、街をぶらぶらと歩いて行きます。こういう時、男性がさりげなく車道側を歩くスマートだと言われますが、それは地震対策としても有効です。
もし繁華街の歩道で大地震が来たら、最初の危険は落下物です。まずは、手近なビルのエントランスなどに駆け込んで落下物を避けなければなりませんから、その際に女性を先に押し込めるポジションです。つまり、相手の身体を一瞬でも先に安全圏に入れられ、さらに自分の身体が外部からの危険の盾になるのです。
そういう発想は性差別だとか言われることがあるかもしれませんが、非常時には(一般に)筋力と複合的な状況判断能力に優れた男性がリードすべき、むしろ「見せ場」であると、男性である管理人は思っております。早い話が、男の方が「向いている」という理由だけです。軍隊の大半が男性兵士であるように。
のっけからちょっと脱線しますが、こんな時男性が少し先に立って歩く方が、「俺についてこい」的でカッコいいという意見もあったりもします。でも、この場合に相手の身体をいちばん守りやすい位置は、車道側の斜め後方なのです。これはボディガードがひとりで要警護者を守る際の位置取りで、後方からの方が前後左右と上を広く見渡せるので危険をいち早く発見できますし、後方から迫る危険の盾にもなりやすい。さらに自分の身体の前にいる要警護者をコントロールしやすい、つまり建物や車に押し込む、地面に押し倒して覆いかぶさるなどの行動がしやすいわけです。
ちなみに、ボディガードふたりの場合は前後の対角線上に、4人の場合は要警護者を囲む正方形の頂点となります。ニュースでVIPが映った際、警護しているSPの配置をそんな目で見ると、ちょっとマニアックな楽しみ方ができますよ。でも、デートの際に何の説明もせずにこのガードポジションをとると、「前を歩いて」と言われることも少なくないと思いますのでご注意を。
さて、早く食事をしないと(笑)。すっかりおなかがすきました。店を選ぶ基準は、普通はメニューと価格と雰囲気でしょう。でもそこに「防災の目」も、是非加えてください。まず、建物の耐震性は高そうか。建築基準法の耐震基準は、1981年(昭和56年)に大幅に強化されていますから、事実上、昭和55年以前に竣工した建物は、それ以降に比べて耐震強度が低いのです。旧そうな建物なら、エントランスの「定礎」銘板で竣工年をチェックするという方法があります。
次は周辺の状況です。割れそうなガラス窓、はがれそうな外壁、落ちそうな看板などは周りにありませんか?避難経路となる歩道には、自転車や路面店の商品が溢れたりしていませんか?すぐ近くに、倒壊しそうな旧い建物はありませんか?ビル外部の非常階段の出口が施錠されていたり、荷物が山積みになったりしていませんか?立ち止まって店の前にあるメニューを見るように、ビルに入る前に一旦立ち止まり、周りをぐるりと見渡してみてください。そこで目に付いたものをひとつ覚えているだけでも、非常時の危険を大きく減らすことができるのです。
では、ここのビルの2階にあるレストランにしましょう。通路を歩きながら、通路の構造、広さ、混雑程度、非常口や非常階段の位置、避難時の方向、火災が出そうな店舗など、避難の際に障害になりそうなものなどをチェックします。
さて、階段を上って、レストランの前に着きました。なかなかいい感じの入り口です。でもそこを通る際、幅と周囲の様子のチェックを忘れずに。大人数が殺到した時に通り抜けられるか、否か、その際に障害となる内装や装飾類は無いか。停電で開かなくなる自動ドアではないか。
店に入ると、ふたりを黒服のギャルソンが恭しく出迎えてくれました。なかなかいい感じです。さあ、ゆっくりと食事を楽しみましょ・・・いえ、まだなんです。
次回に続きます。
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