【緊急特集】ホテルで生き残れ!【8・最終回】
5月13日に広島県福山市で発生し、7人が犠牲となったホテル火災を受けて始めたこの緊急特集は、今回で終了します。次回からは、通常のシリーズ記事に復帰します。
さて、最終回の今回は、ホテルをはじめ、ビル内、地下街など密閉性の高い空間で火災に遭った場合に、「生き残る」確率を大きく高めるグッズと工夫を紹介します。これらはすべて当ブログで紹介済みのものですが、テーマに合わせて再掲載します。
まず、ビル火災における死因ですが、一般に「焼死」とされるケースの大半が、煙に巻かれたことによる有毒ガス中毒に起因するものです。そしてそのうちの大部分が、不完全燃焼によって発生した一酸化炭素(CO)による中毒です。まず有毒ガスを吸入し、意識を失ったり行動できなくなることで、さらにガスを吸入して死亡したり、火に包まれて「焼死」してしまうのです。
そして、有毒ガスを吸入してしまう最大の理由が「逃げ遅れ」です。火災の発生に気付くのが遅れた場合はもちろん、気付いてからも、停電や煙で視界を失い、避難経路がわからずにパニックを起こし、右往左往しているうちに煙に巻かれてしまうのです。つまり、このふたつの原因に対処することができれば、火災による犠牲は大きく減らせるということになります。
停電下やあまり濃く無い煙の中で視界を確保するためには、ライトが必要です。当ブログでは、常に小型LEDライトを持ち歩くことをお勧めしています。明るさは、目安として25ルーメン(照度単位)以上のものでないと、真っ暗なビルの中などでは素早く行動できません。照度は、商品パッケージに大抵は記載してあります。そして、落としたりぶつけたりにも耐える強度と、悪天候下でも使用できる防水性能が必要です。
管理人が常時持ち歩いているいるのがこちら。
単三乾電池1本使用で、26ルーメンの明るさがあり、ボディは堅牢で防水性もあるものです。ストラップには、タイラップを巻いて手首に固定できるようにしてあります。これで、混乱の中でも落とすことはありませんし、万一暗闇の中で倒れたり、生き埋めになったりしても、ライトが常に身体から離れませんから、他者からの被発見率が飛躍的に高まります。
なお、タイラップでなくても、ストラップに輪ゴムを巻いておくだけで代用できます。これで、まず視界をかなり確保できます。
そして、最も大切な呼吸の確保です。「防煙フード」です。
これは空気を入れて膨らませ、頭からかぶるプラスチックバッグで、5分程度は確実に呼吸ができます。しかも煙の刺激から目を守りますので、視界の確保にもなります。
これがあれば、熱の問題さえ無ければ、視界ゼロの中を壁伝いに進むなどの避難行動も可能になりますから、「生き残れる」可能性は飛躍的に高まります。なお、大きな透明ビニール袋を膨らませてかぶり、首元をしっかり締めることで、同様の効果を得ることもできます。
このふたつを常時持ち歩くことで、ホテルを始めとするビル火災から「生き残る」確率を、自ら高めてください。それほど負担になる重さでもありませんから(下記)、パートナーの分も用意しておくのも良いでしょう。
もちろん、これらの装備の威力を最大限に生かすのは、その時何が起こるかに関する正しい知識、それに見合った行動、そして事前の情報収集です。それなくしては、どんな防災グッズも宝の持ち腐れになりかねません。
あなたの命は、あなた自身が守るのです。そして、あなたが生き残らなければ、大切な人を守ることはできないのです。
【緊急特集・ホテルで生き残れ! おわり】
◎参考データ
LEDライト GENTOSパトリオ6 連続点灯8時間 重量60グラム 850円前後
防煙フード 重量57グラム 価格550円前後
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