【緊急特集】ホテルで生き残れ!【3】
【2】から続きます。
あなたは、ラブホテルの一階ロビーにいます。そして入る部屋を選んでいます。ワクワクしますね(笑)部屋は、もちろん一階の部屋があれば一番脱出しやすいのですが、巨大地震になると、崩壊する危険もあります。ラブホテルは一階部分に駐車場があることが多く、つまり壁が少ないので、一階の耐震強度が比較的低いことが多いのです。管理人ならば、できれば二階にします。一階の崩壊に巻き込まれず、いざとなったら窓から飛び降りても、生命の危険はあまり大きくないからです。
ところで、そこでチェックするのは部屋ではなく、ロビーの構造なのです。ラブホテルのロビーは、客がなるべく顔を合わせないように、ついたてや装飾物などで、敢えて見通しを悪くしていることも多いものです。そして出入り口が、駐車場側と道路側のふたつ以上あるはずです。
非常時に脱出する場合、地震の場合には崩壊の危険が少ない道路側を第一に考えるべきですが、まず非常階段室の出口の位置を確認し、そこからそれぞれの出口の方向を確かめておくのです。非常時には、停電や煙で見通しがさらに悪くなっているはずですから、どちらの方向が出口なのかを一瞬で判断できることが重要です。特に火災の場合は、一瞬の迷いによる数秒のロスが、有毒ガスの吸入によって生死を分けることがあります。過去の火災事例を見ると、出口の目の前まで来ていながら、そこで力つきていた例が少なくありません。
さて、それが済んだら、部屋へ向かいます。通路を歩きながら、非常口の緑色のサインの位置を必ず確認します。特に火災を考えた場合には、屋外の非常階段の存在が重要ですから、最優先で確認を。屋内の階段室は、下層階で火災が発生した場合には、「煙突」となる可能性が高いからです。そしていよいよ部屋の前へ。ドアを開ける前に、はやる気持ちを押さえて、必ず非常口への方向を、できれば複数確認します。ドアを出たら、どの方向へ行けば良いのかを確かめるのです。
管理人は、「普通の」ホテルに泊まる際には、部屋に入る前に必ずすべての非常口まで一旦歩いてみて距離感を掴み、非常ドアの構造や脱出設備を確認するのですが、まあ、ラブホテルでそれをやれとは申しません(笑)そしていよいよ部屋に入りましょう。その後の行動にどうこう言うのは野暮の極みではありますが、以下は管理人が考える理想的な行動ということで。
大抵のラブホテルは、窓に扉がついていたり、厚いカーテンがかかっています。一度それを「ちょっとだけ」開けて、外がどうなっているのか確かめます。ベランダやバルコニーがあるか、いざとなったら飛び降りられるか、他の屋根伝いなどの脱出が可能かなどです。
部屋の中に避難はしごや救助袋、緩降機などの脱出設備がある場合もありますが、はしごはともかく、救助袋や緩降機の設定は、慣れていないとかなり難しく、火災などの緊急時に、だれでも手早く設定できるとは思えません。脱出用具のふたを開ければ、必ず設定方法が図解されていますが、短時間で理解し、設定するのはかなり困難です。これは管理人が実際にやってみた上での感想です(ホテルでじゃないですよ)。一度やっても、緊急時にまたすぐやれる自信はありません。それに同じような機能でも、機器によって設定方法が異なるのです。しかもそれを使う状況ではほぼ確実に停電していて、せいぜい窓からのわずかな明かりか、懐中電灯の明かりくらいしか無いでしょうし、何より冷静とは言えない状態ですから、より困難になります。
これらの用具は、他の脱出経路が無くなり、かつ時間的余裕がそれなりにある場合の予備くらいの感覚でいます。過去には、火災時に救助袋や緩降機を正しく設定できないうちに無理に脱出したことによる転落事故も、実際に発生しています。ですから、避難用具があるから安心という発想は、基本的には持たないことです。分秒を争う脱出の必要が無い場合でないと、なかなか使えないものだと思います。ですから、非常口や窓など、短時間で脱出が可能なルートをできるだけ多く確認、認識しておくことが、何より大切です。
さて、入室後の確認が済んだら、あとは楽しい時間を過ごしてください。次回は、その部分を割愛しまして(笑)、緊急脱出が必要な状況が起きてしまいます。その時、あなたと大切な人が取るべき行動とは。
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