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2012年5月27日 (日)

地震関連情報【5/24青森沖地震について】

お待たせいたしました。更新を再開します。

去る5月24日に、青森県沖、深さ50kmで発生したマグニチュード6.0、最大震度5強の地震について、遅ればせながら記しておきます。

まず、この地震に関する気象庁の発表によると、「西北西-東南東方向に圧縮軸を持つ逆断層型地震」であるとのことです。つまり、ほぼ東西方向にかかる圧縮力によって起きた地震ということです。逆断層型地震とは、地殻にかかる圧縮力によって起きる地震です。そして、震源深さ50kmということからして、地殻の岩盤(スラブ)内の比較的深い場所で起きた、いわゆる「スラブ内地震」だと思われます。下図の3に当たる地震です。
Photo

一方、当カテゴリのひとつ前の記事でも書いた通り、5月17日から22日にかけて、三陸沖で震源深さ10km程度の地震が多発していました。これは、発生場所や震源深さから判断して、海溝部の沖側の地殻表面近くにかかる引っ張り力による正断層型地震、いわゆる「アウターライズ地震」だと思われます。上図の1に当たる地震です。

この両者の発生メカニズムには、相関関係があります。まず、海溝型の巨大地震によって、海洋プレート(ここでは太平洋プレート)と大陸プレート(同、北アメリカプレート)の固着域(アスペリティ)が大きく破壊され、両プレート間の摩擦抵抗が小さくなります。すると、海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込むスピードが上がります。これについては、奇しくも5月24日のニュースで調査結果が報道されていますので、一部を引用します。ソースは読売新聞です。
(以下引用)---------
 太平洋の巨大な岩板(太平洋プレート)が東日本の下に沈み込むスピードが、東日本大震災前と比べて平均で約1・5倍、2003年以前に比べると約3倍に加速していることが、北海道大学の日置(へき)幸介教授らの研究で明らかになった。
(引用終了)---------

このような動きは予想されていたことであり、海溝型巨大地震の後に発生する「余効すべり」または「余効変動」と呼ばれるものです。この太平洋プレートの速い動きによって、アウターライズの浅い部分に引っ張りの力がかることによって起きる正断層型地震が、いわゆる「アウターライズ地震」であり、大陸プレートの下に潜り込んだ先で、岩盤が押しつぶされるように圧縮されて起こる逆断層型地震が、いわゆる「スラブ内地震」です。

今回この同じ原因、海溝型巨大地震後の余効変動によっておきる二種類の地震が、一週間以内という非常に短い時間のうちに連続したわけですが、興味深いことに、このような連鎖は初めてではありません。当ブログでも、以前にそのことを記しています。その記事はこちら

まず今年の3月14日、三陸沖深さ10kmを震源とする、マグニチュード6.8の「アウターライズ地震」が発生し、北海道釧路町、青森県八戸市などで最大震度5強を観測するとともに、太平洋沿岸各地でごく小さな津波を観測しました。

そして、その5日後の3月19日、青森県東方沖深さ60kmで、マグニチュード4.7の地震が発生しました。こちらの最大震度は3と、ほとんど意識もされなかったと思いますが、こちらは震央位置や震源深さからして、「スラブ内地震」だと思われます。管理人としては、それらふたつの地震が連続して発生したことは偶然では無いと考えて3/19の記事を書いたわけですが、今回また、比較的似たような状況が起きたわけです。

もちろん、これらの二例だけで相関あり、つまり、「アウターライズ地震」と「スラブ内地震」は短時間で連鎖しやすいと結論づけられるものではありませんが、そのような現象が起きやすいという可能性は、少し高くなったと考えて良いのではないかと思っています。

前述のように、「アウターライズ地震」と「スラブ内地震」は、海溝型巨大地震後に発生する「余効変動」という同じ理由で発生するものです。ですから、近いタイミングで発生する可能性は元来高いものです。しかし、それが数日程度というごく短い間隔で発生しやすいのだとしたら、「アウターライズ地震」の後には、その震源から陸地寄りまたは沿岸部で「スラブ内地震」が起きることを、特に警戒すべきなのではないかと考えます。とりあえず管理人としては、警戒すべき地震の連鎖現象である可能性が高い、ということにしておきます。

この現象については、今後も情報を収集し、何かわかりましたら、またこの場で報告いたします。

※文中で使用している「スラブ内地震」とは、本来は地殻岩盤(スラブ)内部で発生するすべての地震を指します。しかしこの場では、「アウターライズ地震」などと区別するために、海溝型巨大地震後の余効変動によってスラブ内で発生する逆断層型地震に限定して、この呼称を使用しています。


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