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2012年5月11日 (金)

【緊急特集・番外編】命を大切に【本当に最終回】

5月6日に茨城県つくば市などで発生した竜巻は、至近距離から撮られた映像がいくつも出て来ました。中には、自分に向かってくる竜巻を、すぐ横を通過するまでずっと追ったものや、撮影中に窓ガラスが割れて、慌てて逃げる様子が映っているものもあります。

それらはメディアでしつこい程に繰り返して流されましたが、皆様はそんな「スクープ映像」を見てどう思われましたか?撮影者は勇気あるなとか、なにバカやってるんだとか、自分もあんなスクープをモノにしたいからカメラを持ち歩こうとか。管理人は、あんな映像を「無邪気なスクープ」と呼びたい。ただ、無知がなせる業にすぎません。

米国には、「ストームチェイサー」という人々がいます。メディアや学術的研究のために、ハリケーンや竜巻を追いかけてはその直近まで迫って映像や気象データを記録するプロです。そんなプロでさえ、いやプロだからこそ、自分に迫ってくる竜巻を動かずに撮るなどと言うことは絶対にしません。あんな映像で、撮影者が無事だったのは単なる偶然、それもかなり確率の低い偶然に過ぎないのです。

たまたま飛来物が何もぶつからず、ガラスの破片も浴びず、竜巻の方から逸れてくれただけです。もしあのまま直撃されたら、最後の瞬間を記録した「大スクープ」になっていかもしれません。まあ、メディアは大喜びでしょうが、そもそもあんな映像を「スクープ」として繰り返し流した上に、撮影者にインタビューまでするメディアの姿勢がおかしい。確実に模倣者を生むでしょう。でも、メディアは映像を流しておきながら、「撮影などしないですぐに避難してください」とか付け加えておけば、責任逃れ完了です。

そもそも、3/11の教訓は何だったのか。いや、ほとんど教訓にさえなっていないどころか、「不適切な事実」でもあるかのように、意識的に忘れられているようにしか思えませません。

それは、津波が目の前に迫っているのに低地で撮影を続けたり、第一波が引いた後、撮影のために自ら低地に降りていったために犠牲になった人々のことです。その数は、被災地全体で何百人とかではきかない数に上るはずです。撮影中に間一髪で助かった人の映像もよく流されましたが、その裏で、同じようなことをしていた人がどれだけ犠牲になっているのかは、すっかり忘れられています。

一方で、「津波は一回では終わらない。後の方が大きいことも多い」という事実を知っていさえすれば、「たかがスクープ映像」と命を引き換えにする人などいなかったでしょう。しかし残念ながら、多くの「無知」と「功名心」(敢えてこう表現します)が、無駄に命を失わせる結果になったのです。

ここで犠牲者の尊厳だとか、遺族の心情だとかを引き合いに出すのは問題外です。間違った行動は、あくまで間違った行動でしか無いのです。そこから目を逸らしてはいけない。そしてそんな犠牲者の「声無き声」を聴き取り、同じ過ちを繰り返さないようにすることが生きている人間の責務であり、多くの犠牲を無駄にしないことだと、管理人は信じます。

しかし現実には、「レポーター」になりたがる人は、あまりにも多い。youtubeなどの存在や、メディアの姿勢もそれに拍車をかけます。「視聴者撮影」のスクープ映像が、あまりに珍重されすぎる。秋葉原の無差別殺傷事件の時も、血まみれの現場にカメラを向ける輩が山ほどいましたが、3/11の大惨事が起きても、基本的には何も変わっていないのでしょう。

そんなの個人の勝手だという声もありそうですが、こと災害時には、自ら進んで危険に近づくことなど、迷惑以外の何物でもありません。もし危機に陥ったら、誰が救助に行くのですか。負傷したら、誰が手当てするのですか。それで犠牲になったりしたら、家族、親族、友人を悲しませ、関係者には大きな迷惑をかけます。何をかをいわんやです。


いろいろ書きましたが、災害に遭遇した場合は、とにかく身の安全を確保することだけを考え、記録を残そうなどと、ましてや近くで迫力のある映像を撮ろうなどとは、決して考えないことです。メディアに珍重されても、撮影者がスターになれるわけでなし、むしろ見えないところで、多くの人から「大馬鹿者」と罵られるのがオチです。記録を残すならば、確実に身の安全を確保してからです。そしてその前提となるのが、災害に対する正しい知識です。

それが、今回「も」繰り返された視聴者スクープ映像の氾濫を見て、管理人がどうしても言っておきたかったことですが、全ての人に理解されるなどという夢は見ておりません。でも、どなたかの記憶の隅にでも残っていて、ひとりでも危険に晒される人が減るのなら、それが管理人の望むところです。

とにかく、まずは命を大切に。


これで、5月6日からの緊急特集を、本当に終了します。次回からは、しばらくお休みになっていました、「首都圏直下型地震を生き残れ!」シリーズを再開します。


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