【緊急特集・番外編】雷や雹から生き残るために
緊急特集最終回の今回は、雹と雷に関連した話です。
今回、茨城県の知人から、こんな話を聞きました。「直径10ミリくらいの雹が降っている時、子供たちが普通に自転車で走っていた」と。すぐ近くでは、ゴルフボール大の雹が降っていた時ですから、場合によっては大怪我をしていたかもしれません。
正直なところ、雹など降ると、子供(いや、大人もちょっと・笑)はかなり興奮しますよね。何も考えずに見物に外に出たり、わざと浴びてみたり、積もった雹を拾い集めたり。でも、雹が大きければ子供は大人以上のダメージを受けますし、今まで述べて来た通り、同時に豪雨、突風、落雷、竜巻の危険も大きいのです。時間帯的にも、午後から夕方にかけてと、子供の下校時間や、外で遊んでいる時間に起きやすい気象現象でもあります。
ですから、子供に対しての正しい教育は、これからますます必要になって来るでしょう。黒い雲に覆われたら、すぐに建物の中やそれに準じた場所に逃げ込むか、できるだけ低い場所へ行き、辺りが明るくなるまで動くな、というように。特に、郊外の開けた場所にいる子供たちには、絶対に必要な教育です。
例えば、広い河川敷の堤防の上などにいたら、雷様ここに落ちてくださいと言わんばかりの危険度です。子供に限ったことではありませんが。
そんな危険だけでなく、突風であおられて車道に飛び出したり、飛来物に当たることも考えられます。台風の時にはだれも外に出ませんが、激しい雷雨では、台風なみの強風と豪雨になることもあるのです。特にこれからは。今回、突風で大型トラックが転倒する事故もありましたが、これは台風ではなく「雷雨」だという現実を、改めて認識していただきたいと思います。一過性の雷雨だからと言って、甘く見る理由はどこにもありません。
是非実行していただきたいのは、登下校路や子供の行動範囲を親子で歩き、ここで大きな地震が来たらどうするか、ここで雹や激しい雷雨になったらどうするか、どこへ逃げるかなどを一緒に考え、教えてあげることです。もちろん、その前に親自身が正しい知識を持っていなければなりません。
学校の近くによくある「こども110番の家」というような、子供の緊急避難を受け入れる家や店の場所も一緒に確認し、自然災害の際の協力体制についても確認しておきましょう。気象災害は犯罪よりもはるかに遭遇する確率が高いですし、実際、受け入れ側も自然、特に気象災害はあまり考えていないことも多いのではないかと思います。子供を守るために、これらは是非実行してください。
次に、落雷を受けた場合について。そこで起こることは、ショックによる意識喪失、呼吸停止、心停止(心室細動)、やけどです。そのうちやけどは、それほど重傷にはなりませんので、可能ならば水で冷やしますが、優先順位は高くありません。
まず最初に119番に連絡します。複数の人がいれば、手分けして。そして意識、呼吸、脈拍を確認しますが、混乱する現場で、不慣れな人が呼吸と脈拍を正確にはかる事は難しいので、とにかく意識を確かめます。肩を叩きながら、耳元で大声で呼びかけます。なお、雷に打たれた人に触ると感電する、というような迷信も一部にありますが、雷の電気が身体に残ることは絶対にありません。
呼びかけを何度か繰り返して反応が全く無かったら、すぐに心肺蘇生法、いわゆる心臓マッサージを始めます。近くにその技術を持つ人がいるかいないかで、運命が分かれます。ならば、あなた自身が学び、だれかを救える人になってください。
AEDがあれば、多少意識があってもすぐに装着します。状態が急変することもあるからです。それにAEDには心電計がついていますので、心臓の状態を正確に把握することもできます。そのAEDも、訓練を受けていなければ正しく使うことは全く不可能です。是非、救急救命講習を受けてください。日本赤十字社や、消防署、各種団体で行っています。
なお、雷撃や感電による心停止(心室細動)は、電気ショックには電気ショックでというわけではありませんが、AEDによる蘇生率が最も高いのです。すぐ近くにAEDが無くても、意識が無い場合は心臓マッサージを続けながら、誰かにAEDを探しに走らせてください。救急隊が到着するまで、決してあきらめずに。救急隊が到着したら、要救護者の状態をできるだけ正確に伝え、AEDを装着している場合は、AEDも一緒に渡します。心電計のデータが記憶されていますので、その後の処置に役立つからです。
さて、今回が最終回と言っておきながら、長くなりましたので、もう一回だけ書きます。災害すべてに共通する、とても重要な話ですので、もう一回だけお付き合いいただれればと思います。
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