地震関連情報5/21【三陸沖地震について】
三陸沖で、地震が多発しています。
5月17日から、本日5月21日の午後4時までの間に、マグニチュード4.4~5.8の有感地震を、10回観測しています。これらの地震はほぼ同じ震源かごく近くで、深さもすべて10kmと推定されています。
震央の位置は東日本大震災本震の震源域より外側で、いわゆる「アウターライズ」に当たる場所であり、すべて震源深さ10kmということからしても、「アウターライズ地震」の性格が強いものと考えられます。
現在のところ最大マグニチュードは5.8で、陸上での最大震度は3ですが、この付近でマグニチュード6台後半から7以上のクラスが発生した場合、「津波地震」となる可能性があります。
震源が陸地から遠いために、陸上での震度はそれほど大きくならないことが考えられますが、このタイプの地震は、震源深さが浅いために海底の大きな変形を比較的伴いやすく、陸上の震度からは一般的に想像しにくい大きさの津波が発生することがあります。
陸上の揺れは被害が出るような大きさでは無いのに、大津波が発生する地震を、俗に「津波地震」と呼びますが、三陸沖での一連の地震のタイプと推定される「アウターライズ地震」は、その代表的なものです。この他に、海底の断層が一気にではなく、数十秒というよな時間をかけてゆっくりとずれる、通称「ぬるぬる地震」というようなものもあります。この場合は、陸上での揺れをほとんど感じないのに、大きな津波が発生することがあります。
東日本大震災のような海溝型の大地震の後には、「アウターライズ地震」の発生がメカニズム的に予想されており、今までにも震災本震直後のマグニチュード7.5を最大に、既に何度か発生しています。幸いに、本震直後以外は津波を発生させるほどではありませんでしたが、いつ大規模に発生してもおかしくないのです。
我が国の過去の例や、海外の地震での例を見ても、東日本大震災と同様の海溝型大地震の後、数年から数十年経った後でも、本震の影響による「アウターライズ地震」の発生が、多数確認されています。東日本大震災震源域付近は、いまだに、そしてこれから長きに渡って、「アウターライズ地震」の危険の真っ只中にあると言っても過言ではありません。
震災後、本震直後を除いて、これほどまでにアウターライズでの地震が集中したことは、管理人の記憶では初めてではないかと思います。今後どのような動きになるのかは全く予断を許しませんが、大きな津波を伴う地震の危険性が、かなり高まっている可能性を考えておかなければならないでしょう。
東日本大震災被災地の皆様、地震の際には揺れが小さかったからと言ってそれだけで安心せず、すぐに津波情報を確認してください。「アウターライズ地震」の場合、震源が震災本震より外側、つまり陸地との距離があるので、震災による津波よりは、陸地に到達する時間が長くかかることは考えられますが、とにかく小さな地震でも、すぐに津波情報を確認されることを、強くお勧めします。「津波てんでんこ」の教えを、今度こそ最大限に生かさなければなりません。
当ブログの過去ログに、「アウターライズ地震」について図解した関連記事がありますので、併せてご覧ください。
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