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2012年5月 8日 (火)

【緊急特集】竜巻から生き残れ!【5】

【4】から続きます。今回は、ちょっと長文です。

今回は、竜巻から生き残るための、その他の情報をまとめます。

まず、茨城県つくば市で発生した竜巻について。気象庁は暫定的に「F2」クラスと発表していますが、後に「F3」と訂正されると管理人は考えています。被害規模が「F2」を超えているからです。なお、管理人は、米国で使用されている「EFスケール」(改良藤田スケール)を基準に考えています。竜巻が頻発する米国で改良されたスケールの方が、より実態に即していると考えているからです。

また、気象庁はレーダー解析によって「竜巻は最高速度70km/hで移動した」と発表していますが、実際にはそれほど速くなかったと、管理人は考えております。レーダーエコーは、激しい降雨などの乱反射(クラッター)によって、プラスの誤差が出やすいからです。撮影された竜巻の映像でも、それほどの速度は出ていないのがわかります。但し、風の強さや地形などによって、速度が速まる可能性はあります。

一部に、「竜巻の時は橋の下に逃げてはいけない」という「指導」があります。管理人に言わせれば、それも机上の空論に過ぎません。確かに、橋の下の広い空間に突っ立っているだけでは、意味がありません。むしろ、遮蔽物の無い河川敷で、より速度を上げた風による飛来物の危険がより大きくなりますし、人間も簡単に吹き飛ばされます。河川敷は、竜巻災害においては本来非常に危険な場所なのです。ですから、管理人は「頑丈な構造物に囲まれた、できるだけ狭い場所」という表現をしています。

橋の下で、できるだけ橋のたもとの橋台に近づき、可能ならば橋の構造部材(主桁、プレートガーダーなど)の間に入るなど、なるべく狭い空間で、身体をしっかりと保持するのです。もちろんそれ以前に、近くに鉄筋コンクリート建物などがあれば、そちらへ行くべきです。竜巻とは元来、地上構造物が少ない開けた場所で起きやすいものですから、大きなビルなど避難場所が豊富にあることは少ないのです。周囲に木造家屋と橋しか無いような、さらには橋しか無いような場所で竜巻に遭遇することも十分に考えられます。そしてそんな場所には、身体が収まるような側溝も窪地も、大抵はありません。あれば御の字です。

周囲のどこよりも橋の下が安全ならば、橋の下に行くのです。そして、その構造を利用して最大限の安全を確保しなければなりません。それを、理由も説明せずに、ただ「危険だ」とかだけ書いているお気楽な「防災マニュアル」も少なくありません。もっとも、製作者がその理由を知らないのでしょうが。

一応、「崩壊の危険があるから」というのがその理由のようですが、少なくとも我が国において、竜巻で鉄橋やコンクリート橋が崩壊したことはありません。木造の橋は崩壊の危険が大きいのですが、そんなものがあるような山の中などでは、竜巻は発生しないでしょう。この話は、EF3~4クラスが当たり前、時にはEF5もある米国発祥のようです。あちらのトルネードは、鉄筋コンクリート建物さえ破壊することもありますから、橋を空中に巻き上げることもあるのでしょう。しかしそのクラスに直撃されたら、溝の中で伏せていて助かるとも思えませんが。まあ、理屈だけで思考停止しないように気をつけましょう。モノは使いようということです。


次に前回記事の補足を少し。車から離れられないまま竜巻を迎え撃つことについて書いたついでに、車から脱出する方法について書いてしまったので、あとから読み返すとなんだか「お勧めの方法」に見えないでもありません。しかし、車の中もしくは車の側で竜巻を迎え撃つことは、半分以上は運を天に任せた「最後の手段」です。

竜巻が、車を横転させたり、数メートル飛ばす程度の規模ならばなんとか生き残ることができるでしょうが、もしそれ以上の規模だった場合は、生き残れる可能性は極端に下がります。ですから、車に乗っているときは、まず竜巻から距離を取ること、そして車から下りて、鉄筋コンクリート建物などの頑丈な遮蔽物に入ることが最優先ですので、そのようにご理解いただきたいと思います。もちろん、車ごとトンネルや地下道、頑丈なビルの中などに入れるのがベストではありますが。


さて、これからの季節、何度も竜巻の脅威に晒されることになるでしょう。しかし、その発生はとにかく天の気まぐれであり、強力な積乱雲が発生しても、竜巻が発生する確率は、それほど高くありません。かといって、何の準備も無いままに遭遇してしまうと、致命的な結果にもなりかねません。気象庁が発表する「竜巻注意情報」も、精度が決して高いとは言えませんし、「竜巻注意情報」が発表されていない時に竜巻が発生することも少なくありません。ならば、セルフディフェンスするしか無いのです。

まず、強い竜巻が発生しやすい巨大な積乱雲(スーパーセル)が発生する気象条件は、初夏から秋ごろまでの、晴天で、「大気が不安定」な時です。天気予報で「大気が不安定」という言葉が出たり、強い雷雨が予報されている場合は、それだけで要警戒です。時間帯としては、日照によって強い上昇気流が発生する、午後から夕方にかけてがほとんどです。そのような条件が揃う時を、事前に知っておくことです。

天気予報を見る時に、「大気が不安定」という言葉が出ているか、晴れでも強い雷雨が予報されているかどうかに、まず注意を払ってください。

しかし、積乱雲は非常に狭い範囲で発生しますから、広範囲での予報だけでは不足です。そこで管理人が利用してるのが、Yahoo!の豪雨予報です。これは、事前に登録してある3ヶ所までの場所で豪雨が予想されるとき、数分ほど前までに、降り始めから上がるまでの予想時間と、予想降雨量をメールで知らせてくれるものです。晴れた夏場に豪雨が予想されるとは、すなわち強い積乱雲が発生し、それが登録地域に接近していることを意味します。しかし、それだけでは竜巻の危険に繋げられません。ゲリラ豪雨を降らせるような、ごく小さな積乱雲の可能性の方が大きいからです。

そこで、管理人は国土交通省が提供する携帯サイト「川の防災情報」を閲覧しています。このサイトから都道府県単位のレーダー雨量画像を見ることができますので、激しい降雨の範囲、すなわち強い積乱雲の大きさがわかるのです。

つくば市で竜巻被害があった時も、管理人が住む埼玉南部でも「スーパーセル」が通過していました。通常、積乱雲による強い降雨域は、レーダー画像上では小さな点状になっていますが、あの日は直径10~15kmくらいにもなるようなほぼ円形の広い範囲で時間雨量50~100ミリの豪雨が降り、さらに直径1センチ程度の雹も降りました。その状況から、管理人は強力な「スーパーセル」の発生を認識していました。

しかし正直なところ、あれほどの被害を出すような規模の竜巻は予想していませんでした。もっとも、あんな大竜巻は気象庁も予想していなかったでしょうが。管理人は過去の経験則で判断していたものですが、我が国の気象は、過去の経験則が通用しないような段階に入ったのだと、認識を改めた次第です。なにしろ、過去には「スーパーセル」のような巨大積乱雲が発生すること自体が、滅多に無かったことなのですから。

なお、上記のような豪雨予報メールや、レーダー降雨量画像が見られるサービスは、各社が様々なサービスを行っていますので、いろいろ検索してみてください。ちなみに管理人が使っているものは、どちらも無料です(笑)

ではこれで、つくば市で竜巻被害が発生した5月6日からの緊急特集、竜巻編を終了します。次回は番外編として、強力な積乱雲に伴う、落雷と雹から身を守る方法をまとめます。


■このシリーズは、カテゴリ【気象災害】をクリックしていただくと、まとめてご覧いただけます。

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