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2012年6月14日 (木)

首都圏直下型地震を生き残れ!【32】☆高層ビル編

■高層ビルで生き残れ(その9)

今回は「家具はなぜ倒れるか?」について考えます。もちろん、これはあらゆる場面に共通する問題ですが、高層ビルの大きな揺れに対抗する場合に、特に重要になりますので、このテーマ内で述べることにします。

地震の際に、家具はどのように倒れるのでしょうか。まずそこから行きましょう。実は、これは地震で建物が破壊されるメカニズムと、基本的には同じ理由なのです。そこには建物と家具の「固有振動周期」が関係しています。地震による建物の揺れと、それによる家具の揺れの周期が異なるために、家具は安定を失って倒れるのです。

では、家具がどのような過程で安定を失うかを解説します。まず最初の動きが、下図の1の状態。地震の揺れで、家具の上部が、「慣性力」によって壁から離れる動きをします。揺れが最初からとても強ければ、このまま一気に転倒することもあります。脚払いを受けたような状態です。なお、下図はわかりやすくするために、家具と壁の間隔を誇張しています。
01
しかし多くの場合、次の段階があります。一端バランスを取り戻して壁の方向に戻った家具は慣性力によって、つまり勢い余って反対側に傾き、壁に接触します。上図の2の状態です。家具と壁の間に隙間があれば家具の上部が、完全にぴったりくっついている場合は、全体が壁に押しつけられます。

このとき家具の動きと壁、すなわち建物の動きが全く同調していれば、同時に壁が後ろに「退がる」ことで慣性力を吸収し、一旦は安定状態に戻ります。しかし建物と家具の振動周期は異なりますから、壁と家具は衝突し、家具に押し戻す、あるいは弾き飛ばすような反発力を加えます。その反発力によって、今度は反対側、つまり部屋側にさらに大きく傾くか、転倒します。

そこで転倒しなかった場合、家具は再びさらに大きな速度で壁側に傾き、壁と衝突します。速度が大きいということは運動エネルギーが大きいということですから、壁に加わる衝撃力も大きくなり、その分大きな反発力で押し戻されます。このような動きを繰り返すことで、家具の揺れ幅はどんどん大きくなり、最後には転倒して3の状態になります。これは理科で勉強した「慣性の法則」と「作用と反作用」の連鎖なのです。

家具の背後に壁が無い場合には、家具と床の揺れの周期が異なることで、家具の揺れが増幅されて転倒します。ですが背後に壁があることで、より早い段階で、より重量のある家具でも転倒しやすくなるわけです。強い地震では、数百kgの重量があるアップライトピアノでさえ、このような動きによって転倒してしまいます。高層ビルでは、低層建物より振幅の大きな揺れがより長時間続きますから、対策はより厳重にしなければならないわけです。

このメカニズムをご理解いただいた上で、前掲の実験動画をもう一度、家具の動きに注意してご覧いただければと思います。

家具の転倒を防ぐ最も効果的な方法は、家具の「固定」です。しかし本当に固定と呼べるものは、造り付けの家具だけです。ごくわずかの隙間があれば、つまり家具を手で押してわずかでも動けば、その動きが地震によって増幅されます。

家具の転倒対策とは、すなわちこの動きを防ぐこと、言い換えれば「建物と家具の振動周期を強制的に同調させる」、もっと平たく言えば、「家具と建物を一緒に揺らす」ということなのです。

そのための効果的な方法は、次回へ続きます。

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