【緊急特集】台風4号の襲来に備えて【2】
【1】から続きます。
台風による暴風、豪雨、土砂災害への具体的な対策は、当ブログで過去に述べた、竜巻や地震による土砂災害とほぼ共通するものです。
暴風雨の最中は無用な外出をしないのはもちろんのこと、飛来物が窓にぶつかってガラスを割り、部屋に突入して来る危険を考えなければなりません。また、竜巻ほどの威力は無いにしろ、屋根瓦が飛ばされたり、屋根が吹き飛んだりする可能性もあります。
ですから基本的には雨戸やカーテンを閉め、ガラス窓から離れていなければなりません。万一ガラスが割れたり、屋根が飛ばされたりしたときの応急的な防水対策のために、大判のブルーシート、ロープ、ガムテープをある程度まとめて用意しておくことをお勧めします。暴風雨が続く間は、屋外での作業などは不可能と考えて、とにかく水から家財を守らなければなりません。
一方、特に山間部では、土砂災害の前兆を察知する必要があります。当ブログ過去記事に掲載した、地震による土砂災害の前兆を再掲します。暴風雨の場合も、基本的にはそれと共通の前兆を警戒します。
■斜面やその下から、泥水が噴き出す。
■沢や川の水が濁る。
■沢や川の水が減ったり、水がなくなる。
■斜面や崖から、小石や土くれが落ち始める。
■斜面に亀裂が入る。
■山鳴りがする。
■山からミシッ、バシッというような音が聞こえる(地すべりによって、木の根が切れる音)
■生臭いような、不快な匂いがする(これはあまり多くありません)
※「川が濁ると危険」なのは、普段は川床に土砂が堆積していない河川の上流部、山間部においてです。中流、下流域では該当しません。
しかし実際には、暴風雨の最中にこのような現象を建物の中から察知するのは、ほとんど無理と言っても良いでしょう。近くの川や沢の様子を見に行って、足を滑らせて転落するような事故も少なからず起きています。実際には、背後の崖から小石がパラパラ落ち始めて、やっと気付くかどうかというくらいです。でもその場合、避難する時間はほとんど残されていないと考えるべきです。ですから、ご自分の居場所が危険だと認識していたら、やはり静かなうちに早めの自主避難をお勧めします。
もし避難が間に合わず、土砂崩れや土石流が発生してしまったら、すぐに二階以上に上がることです。土砂災害における犠牲者は、多くの場合で建物の一階に集中しています。建物ごと上から押しつぶされたり、流されたりしない限り、二階以上に上がれば「生き残れる」確率は大きく高まるのです。
都市部においては、小河川の氾濫、低地やアンダーパスの冠水、豪雨によって容量を超えた下水道が逆流する「内水氾濫」などの被害が考えられます。アンダーパスの冠水に気付かずに車で突入してしまうと、エンジン停止、電源ショートによるパワーウインドウ不作動、水圧によるドア開放不能のため、一気に生命に関わる状況になります。
また、冠水している道路では、内水氾濫の水圧によって、マンホールのふたが開いていることが考えられます。転落したら致命的ですので、足元が見えない水の中は、無理に歩かないようにしなければなりません。
外出されている皆様、ビニールカッパは持参されていますか?暴風雨の中では傘は役に立たないどころか、風でバランスを崩して危険なものとなります。静かなうちに、ビニールカッパをコンビニや100均ショップで入手してください。バッグに防水性能が無い場合は、中身だけフリーザーバッグや大きなビニール袋でくるんでしまえば、濡れても安心です。
台風4号の風と雨は、本州・四国の多くの場所で、本日6月19日がピークとなります。各地で交通機関の乱れも予想されます。いずれの場合でも、とにかく早めに安全な場所に移動して、そこで暴風雨を迎え撃つことをお勧めします。ある意味で「慣れっこ」の台風だからと言って、決して甘く見てはいけません。今までと同じだとは限らないのです。
※記事内容を一部加筆・訂正しました(2012,6,19)
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