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2012年6月 7日 (木)

地震関連情報【6/7三陸沖地震について】

本日午後12時06分ごろ、三陸沖深さ10kmを震源とするマグニチュード5.3の地震が発生し、石巻市などで最大震度1を記録しました。

この地震は、震央の位置と震源深さから、東日本大震災後の地殻変動による「アウターライズ地震」と考えられます。規模的には小さな地震ですが、この場所でマグニチュード6台後半から7以上の大規模な「アウターライズ地震」が発生した場合、東日本の太平洋沿岸に津波が到達する可能性が大きいため、敢えて記事としてピックアップします。


震災直後からずっと、大規模な「アウターライズ地震」発生の危険は指摘されていましたが、最近になって、再び巨大「アウターライズ地震」の危機をあおるような、記事や書籍が特に目につくようになった気がします。震災震源域付近における地震活動がとりあえず落ち着きを見せつつある中で、巨大「アウターライズ地震」による大津波の発生は、最も現実的な危険度が高い脅威と言えますから、「商売のネタ」としても好適なのでしょう。

その影響かどうか、ネット上には例によってエセ情報が溢れているようです。管理人が目にしたのは、「アウターライズ地震はマグニチュード9を超える」とか「震度6強の揺れが10分以上続く」とか、全く根拠の無い噴飯ものの話です。とにかく、なんとか巨大災害の脅威が迫っていることにしたい手合いが多いらしい(笑)

上記のどちらも、まったくあり得ないことです。単一の震源で発生する地震のエネルギーが、震災本震のような広大なプレート境界域の破壊による放出エネルギー量を超えることなど絶対にあり得ませんし、陸地から数百キロ沖合いのアウターライズで発生する単一地震で、陸地が震度6強になるということもありません。

さらに「アウターライズ地震」とは、発振機構的には、浅い「内陸直下型地震」と同じものです。震源深さ10km以下の内陸直下型地震の特徴とは、震源が浅いために強い地震波が伝わる範囲が狭くなり、しかも強い揺れの持続時間は、その他のタイプの地震に比べて短いのです。つまり、上記のような現象は全く起きません。

「アウターライズ地震」の脅威は、陸地の揺れがあまり大きくないのに、大きな津波に襲われることがあるという、この一点に尽きます。

ネット上では良くあることですが、本来は無関係の複数の情報が、恣意的あるいは感覚的に合成され、それがまことしやかに伝播する典型的な例です。ここでの「震度6強」とは、宮城県栗原市の一部を除く、震災本震での最大震度です。「10分間揺れが続く」というのも、震災で東北各地に実際に起きたことですが、これはプレート境界が広い範囲に渡って連鎖的に破壊され、さらに多数の余震が連続して発生したことによるものです。それでも、最大の揺れがずっと続いたわけでは無いのですが。

このようなデマ情報は、震災震源域付近において、現在最も恐ろしいと考えられる「アウターライズ地震」が、震災で実際に起きた恐ろしい現象や情報と、「恐ろしい」という、あまりに曖昧な共通項で合成されたものにすぎません。

残念ながら、この手のデマ情報は、災害の脅威が大きければ大きいほど数多く発生し、その拡散を止めることはできません。そんな中で、こんなくだらない情報に踊らされないためには、情報の受け手であるあなた自身の姿勢が全てです。

これは管理人の考えですが、世の中にはそれほど「面白い情報」も、「ものすごい特ダネ」も転がってはいないのです。ましてや「不特定超多数」が見るネット上になど。勝手に目や耳に入ってきて、「これはすごい!」と感じた情報は、まず疑ってかかることをお勧めします。

正しい情報は自らが能動的に集め、確証が持てないものは、複数の情報と照らし合わせてクロスチェックしなければなりません。その情報による行動の成否が命に関わるものならば、なおさらです。

このブログにしても、もしかしたら管理人が皆様を騙そうとしているかもしれませんよ(笑)。それは冗談ですが、管理人が正しいと思っている情報も、それが絶対だと言い切れないものもあるのは事実です。とにかく、常に理性的な判断をしたいと望むならば、ひとつの情報を理由もなく盲信しないことです。


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コメント

「余震の規模が本震のそれを上回ることは【絶対に】あり得ない」という話はよく聞くのですが、なぜ「絶対」なのか分かりません。きっとそういうものなんでしょうけど、、、

>tntさん

「余震が本震の規模を超えない」というのは、地震学的には本当です。地震とは岩盤にストレスがかかり、岩盤の弾性限界を超えたときに、バキバキっと割れることで起こります。余震とは、その時の「割れ残り」が割れたり、バランスが崩れた岩盤内の応力が平均化されるような働きで起こるものですから、最初に最も大きなストレスがかかった状態での放出エネルギーを超えることはありません。余震とは、文字通り「余り」なのです。

最初に「地震学的には」と前置きしたのは、防災的にはその限りではないからです。つまり「余震」でなかった場合です。まず「アウターライズ地震」は余震ではなく、海溝型巨大地震による地殻変動(余効変動)の影響で誘発される、震源もメカニズムも別物の地震です。基本的には、海溝型よりはるかに狭い範囲の岩盤が「引きちぎられる」ような形の正断層型地震ですから、プレートの動きによって蓄積された巨大なエネルギーの放出を超えるものではありません。しかし、最大でマグニチュード8級はあり得ると思われますが。
ちなみに、東日本大震災後に発生した最大の「アウターライズ地震」は、本震直後に発生したマグニチュード7.5です。少なくとも、「アウターライズ地震」が、震災本震のように世界の観測史上有数の規模になることは考えられません。

一方で、同一や近隣の震源で起こる大規模地震の「前震」が起きることもあります。東日本大震災でも、3月9日と10日に、比較的大きな「前震」が起きています。このような場合もありますから、警戒しなければなりません。なお、少なくとも現在の地震学では、ある地震が大規模地震の「前震」であるかどうかを、事前に知る方法はありません。時間が経ってみなければわからないのです。

地震学的な発生メカニズムが「余震」であれば、本震を超えることは無いのですが、それ以外の地震が発生したら、その限りではありません。ですから、ある程度の大きさの地震が発生したら、後に続くのが「余震」だけだと決め付けず、しばらくはさらに大規模な地震を警戒するのが、防災における考え方だと思います。

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