地震関連情報【6/21、22の宮城県内陸地震他について】
6月21日の午後、数時間の間に宮城県中部を震源とするマグニチュード2.6~3.3、震度1~2の地震が、6回連続して発生しました。
これらの地震の震源深さはすべて10kmとされており、発震機構としては下図の「2」に当たるものと思われます。
この地震は、東日本大震災による大規模な地殻変動の「余効変動」(図中では「余効すべり」と表記)により、陸地側プレートの東向き、つまり太平洋方向への移動速度が上がったために、内陸の浅い部分の活断層に引っ張りの力がかかっていることによる、正断層型地震と考えられます。
これは、海側のプレートの「余効変動」による「スラブ内地震」(上図中の「3」の地震)と対を成すものです。現時点でも多発している、宮城県沿岸または沖の、震源深さ40~60km程度の地震が「スラブ内地震」です。
このような内陸の浅い部分で発生する地震は、大地震後の影響として当初から予想されていたものですが、今回の震源域では、これまでそれほど目立った動きはありませんでした。過去の震源図を見ても、他の場所より多少発生が多いかな、というくらいの感じでした。
今回、そこで小規模ながら6回連続発生したことで、すぐに大規模地震に結びつくものではないと思われますが、しばらくの間はこの震源域の動きを見守る必要があります。この地震は、いわゆる「内陸直下型」となりますから、強い地震が発生した場合、震源直上付近では「ドン!」や「ドドド!」という強い突き上げを感じるはずです。それを感じたら数秒以内に強い揺れが来ますので、すぐに避難体制を取ってください。
一方、6月22日の午前5時33分と午後4時59分ごろ、三陸沖深さ10kmで、マグニチュード5.1と5.2の「アウターライズ地震」が発生しています。津波の発生はありませんが、さらに大規模(マグニチュード6台後半以上)で発生した場合、地上の揺れはあまり大きくないものの、大きな津波が発生する「津波地震」となる可能性があります。
これは上図の「1」に当たる地震で、図解の通り、海側プレートの「余効変動」によるものです。このように、東北地方の太平洋岸で起きている地震活動は、ほとんどが東日本大震災の余波として予想されているものです。そのどれかが大規模化しないという保証はありませんが、一部ネット上などで言われているような、東日本大震災本震クラスもしくはそれ以上の地震が近いうちに発生する、という可能性はほぼありません。
あくまでプレート境界型大地震後の地殻変動による誘発地震ですから、プレート間に溜まった巨大なエネルギーの放出を超えることは無いのです。しかし、それでも最大マグニチュードは8クラス(それでもマグニチュード9の約30分の一のエネルギーですが)はあり得ますし、大規模な「アウターライズ地震」は大きな津波を発生させやすいものですから、引き続き警戒をしていなければなりません。
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