【緊急特集】豪雨から生き残れ!【1】
7月11日から12日にかけて、熊本県を中心に豪雨災害が発生し、20人以上が死亡または行方不明になっています。亡くなられた方のご冥福と、行方不明の方が早く見つかることをお祈りしております。
この豪雨で、気象庁は大雨・洪水警報の発表に際して「過去に経験したことのないような大雨」という表現を使いました。これは、よりわかりやすい表現で強い警戒を促すという、新たな制度が初めて適用されたものです。
そして文字通り「過去に経験したことのない大雨」が実際に降りました。今回の被災地域は、1990年にも豪雨災害を受けていますが、地元の方の表現では、今回はその時をはるかに超える雨量だということです。
当ブログでも何度も指摘していますが、近年は全地球的な気候変動の影響で、「過去に例のない」気象状況になることが普通になっています。ですから、「過去に災害が無かったから、これからも無い」という発想は、全く通用しません。ましてや過去に災害が起きている場所は、さらに危険度が増しているのは言うまでもありません。
災害が起きる場所は、そこに「災害が起きる条件」が存在していて、それが取り除かれない限り、真っ先に危険になるという当たり前のことを、改めて認識しなければなりません。
豪雨災害の場合、命に関わる状況が発生するのは、洪水、土砂崩れ、地滑り、土石流です。これらに共通することは、一旦大規模に発生してしまったら、安全圏に脱出する時間は、既にほとんど残されていないということです。しかしその一方で、事前に避難する時間は十分にあります。ならばやるべきことはただひとつ。早めの「見込み避難」です。
そこで大切なことは、「9割以上は無駄足」を当然と思う意識です。ぎりぎりまで様子を見て、災害の発生をピンポイントで察知し、一発勝負で避難が成功するなら良いのですが、そんなことは誰にもできません。
仮にそれが成功しても、気象災害の場合、その時点では豪雨、暴風のまっただ中ですし、自分の居場所がまだ大丈夫でも、避難すべき道路が寸断しているかもしれません。特に危険度が大きな山間部ほど、道路が一本切れたら進退窮まる状況になりやすいのです。
誰もが、家を離れたくありません。でも、離れなくては生き残れない「かもしれない」。その「かもしれない」をどれだけ重く考えられるかです。そして、この先ますます「かもしれない」の確率が上がって行くことは疑いありません。意識の改革が必要です。
今回の被害状況を見るまでもなく、気象災害から「生き残る」ために必要なことは、早めの避難しかありません。そのために、自分の居場所の危険要素を正しく認識し、十分な安全マージンを取って行動をしなければなりません。
行政やメディアは「十分な警戒をしてください」としか言いませんが、上記のような早目の避難こそが、「生き残る」ために唯一できる「十分な警戒」なのです。避難勧告や避難指示が出るのは、状況がかなり厳しくなってからです。その時、外は既に大荒れです。子供やお年寄りが、それから避難するだけでも十分に危険すぎる状況です。そしてその状況が、さらに家を出ることをためらわせるという悪循環に陥ります。
大荒れの中を避難するためには、傘をさして、荷物を小脇に抱えてというわけには行きません。カッパなどの雨具と、当面の食品や着替えを用意しなければなりません。それはもちろん、地震用の非常持ち出しと共用できます。豪雨が多い地域では、むしろ気象災害対応優先の備蓄内容にしておくべきです。少なくとも、しっかりとしたセパレート型のカッパに、ゴム長靴は必須でしょう。そして、折りたたみスコップなどです。何に使うかは、あまり考えたくありませんが。
ところで、一部に災害避難時にゴム長靴は厳禁、などという「トリビア」もあるようです。中に水が入ったり、泥地にはまる脱げやすく、靴を失うことがあるというのがその理由のようで、そんな時にも脱げない「ひもで締められる靴」でなければならないとか。つまり、下画像のような靴ということでしょう。
これは管理人の私物ですが、こんなもの普通は持っていませんよね(笑)まあ、登山靴やハイカットのキャラバンシューズでも良いのですが。ローカットのスニーカーなどでは、多少きつくひもを締めても、結果は大して変わりません。
そんな「机上の空論」で足をずぶぬれにするより、管理人は機能を優先しますけどね。皆様はいかがでしょう。でも心配ならば、簡単にできる対策はあります。過去記事をご覧ください。
■(過去記事)家に備える防災グッズ【11】はこちらから
次回も、豪雨災害について考えます。
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