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2012年7月 7日 (土)

首都圏直下型地震を生き残れ!【45】☆大火災編

■大火災を生き残れ(その8)

前回(その7)から続きます。

ここで、前回までの内容を、釜石東中学校の事例と比較してみましょう。釜石東中学校では、普段からの教育と訓練によって「思考停止しない」、つまり状況に応じてオプションを選択する意識が共有されていました。そして、避難行動中でも「情報収集の継続」が行われ、最新の危険を察知した段階で、自らオプションに移行する判断を迅速に下しました。つまり、生徒皆が避難者であると同時に監視者であり、さらに行動を判断、統制するリーダーとしても機能したのです。

そして普段の訓練通り、近くの鵜住居小学校の児童を引率しながら、さらに避難行動を続けました。これは「災害時要援護者」の保護、支援行動に当たります。
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上画像は、最初の避難場所から次の避難場所に移動中のものですが、既に背後に津波が迫っている段階でも、小学生を支援しながら、きちんと統制の取れた行動をしています。もし落伍者が出てもすぐにわかり、迅速な支援が行える隊形です。そして教師や父兄と思われる大人が先頭、中間、そしておそらく最後尾にもついて、全体の監視を行いながら、落伍者の支援に備えているのもわかります。まさに、集団避難行動の理想的な形です。

もちろんこれは普段からの教育と訓練の成果であり、それなくしてすぐにできることでは無いでしょう。ですから、そのような訓練を受けていない集団が、ここまで述べたような行動を実現するためには、強力なリーダーシップが不可欠なのです。少なくとも、災害に対する正しい知識を、誰かが持っていることが必要です。根拠の曖昧な思いこみや誤った知識、ましてやデマ情報に踊らされて右往左往する集団には、相当な幸運に恵まれない限り、それなりの結果が待っているだけです。

ところで管理人は、ここで「災害に対する正しい知識」という表現を使いました。これは「災害の知識」とは別物だということに注意しなければなりません。

特に東日本大震災以降、数多くの災害関連情報が世に出ましたが、管理人に言わせれば、その多くが「災害の知識」に過ぎないのです。プレートがどうこうという地震のメカニズムや、首都圏に震度7が来るとか、東海・東南海・南海連鎖地震が来るとか、津波が最高34mになるとか、富士山が噴火するかもしれないとか。そして、そのとき「マクロ的に」どんな被害が出るかなど。

極論すれば、そんな事を知っていても、防災意識を高める入り口としての効果は大きいでしょうが、「生き残る」ためにはほとんど役に立ちません。大切なことは、そのような情報に接する際には、「自分のいる場所で何が起きるか?」というレベルにまで落とし込む、ということなのです。

例えば、首都圏に最大震度7が新たに想定されたという事は皆知っていても、震度7が想定される地域がどの辺りで、どのくらいの範囲に及ぶのかをご存じの方は、どれだけいるでしょうか。想定によれば、それは海岸沿いの地盤が弱い地域と埋め立て地を中心に、イメージとしては「地図にまかれたゴマ粒のように」点在するだけなのです。あなたは、首都圏=震度7のインパクトだけで「思考停止」していませんか?

もちろん、だから心配いらないということではありません。最大震度想定が上がったということは、強い揺れが想定される範囲が増えたということでもありますから、要はそのような「マクロ情報」を、自分の生活、行動レベルの「ミクロ情報」にまで落とし込んでいなければ、それは「災害に対する知識」とは呼べず、あくまで「トリビア」の類です。知的好奇心は大切ですが、それだけで「生き残る」ことはできません。

想像してみてください。大地震後の混乱の中で、地震のメカニズムや他の場所の被害想定、過去の被害事例の数字などが、一体何の役に立つというのでしょうか。管理人も「自腹を切って」(笑)いろいろな「防災本」を見ていますが、コンビニなどで売っている派手な本ほど、内容は「トリビア」が8~9割というものばかりです。残りの情報も、大抵は圧縮されすぎていて、実際の行動レベルでのガイドとして有用なものは、あまり目につきません。

「釜石の奇跡」の事例にしても、「良かったね、訓練は大切だね」で終わっては意味がありません。そこから得られる教訓は何か、それを自分の生活で具体的にどう生かすかまで考えてこそ、初めて「災害に対する知識」となるのです。

今まで当ブログでも強調して来ましたが、大切なことは、たったふたつです。「そこで何が起きるか」と「そこでどうするか」、これだけです。ドラマのセリフではありませんが、「災害は教室で起きるのではない!」ということです。

さて、話がだいぶそれてしまいましたが、引き続き大火災の中で「生き残る」方法について、考えて行きたいと思います。

次回に続きます。


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