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2012年8月14日 (火)

なぜ陰謀にされたのか?☆HAARP陰謀論を斬る【2】

ところで、なぜHAARPが陰謀の手段として「人気」になったのでしょうか。

まず考えられるのは、科学実験プログラムなのに、軍が絡んでいるということ。軍事利用を視野に入れているので当然ではあるのですが、トンデモ、エセ科学の世界では、軍が関係する裏には必ず陰謀、隠蔽が存在するというイメージが、UFO墜落事件とされる「ロズウェル事件」以来定番であり、それは現代にも「エリア51」の謎などに形を変えてマニアの間に息づいています。

そして、その手の話がお好みの層が、HAARP陰謀論を拡散する中心であることは、その手の多くのサイトのニュアンスからわかります。そのような層は米国内に多く存在し、主にネット上で「私たちが欺かれている」というような「情報」を発信しています。元来、舶来ものに弱い日本人ですし、ある意味で「本場の情報」ですから、そんな話はこちらの「信奉者」の間にも深く浸透しています。東日本大震災後にも、海外からの情報を「海外だから正しい」というように、無条件に信用するような例も多く見られます。

もっとも、実際には外国語サイトが直接読まれているのではなく、それらを意訳し、時にはさらに尾ひれをつけた、日本語の「定番サイト」の内容が拡散しているのですが。その手の「情報」の主要部分の多くがほとんど同じ文章、つまりコピペに近い形で転載されていることから、それがわかります。中には、自動翻訳の意味不明の日本語をそのままコピペしているような、管理者自体が理解していないようなサイトも見かけます。そのようなサイトを量産しているような場合、その裏には様々な目的や意図が透けて見えたりもします。面倒なのでそちら方面には触れませんが。

1995年の阪神・淡路大震災の時にも、当時建設中だった明石海峡大橋のプロジェクトに、軍需を多く手がける米国の超保守系巨大建設会社「ベクテル社」が関係していることから、「日本が反米化しないよう警告するため、橋の基礎に小型核爆弾を設置し、その爆発によって地震が起こされた」などと言う、検証の価値も無い話が拡散しましたし、東日本大震災後にも、同様の話が出ています。

基本的に、「世界は影の意思に牛耳られている」というような話が大好きな方々が、「私たちだけが真実を知っている」と言わんばかりに、この手の情報を拡散しているということが言えましょう。

さらに、HAARP陰謀論には強力な「援軍」が存在します。それは「元」ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏。なぜカッコつきで「元」と表記したかというと、この人はすでにジャーナリストとしての義務と良心を放棄しているからです。つまり、事実だけを発信しているのでは無い。でも、いやだからこそ、「信奉者」の間では「ネ申」的存在です。実は、管理人もこの人の著作を読んだことがあります。その上で、ただの大嘘つきだとは思ってはいません。それなりに鋭い視点を感じることもありますが、この人がHAARP陰謀論を主張しているのです。

この人の最大の問題は、前記の通り事実と確認されていないこと、裏付けの取れないこと、想像されるだけのことを、事実と同列に扱うということです。そして「ネット上にしか真実は存在しない」と公言し、ネット情報の中から自説に都合の良いものをピックアップして羅列することで、読者に「なるほどそういうこともあるかもな」という心証を形成するのが、非常に上手なのです。

そのせいもあってネット住人には非常に好評で、HAARP陰謀論も、わが国では「某巨大掲示板」を中心に盛んに語られ、拡散されてきました。しかもフルフォード氏はやたらと日本びいきで、「陰謀にまみれた欧米中心の世界を救うのは、日本人の覚醒しかない」と、ガイジンに弱い日本人心理を巧みにくすぐるのです。

もちろん日本でもたくさんの書籍を刊行しており、いろいろな意味で「上手いなあ」と思わせます。管理人も、氏に印税を献上したひとりですが(笑)氏の書籍は、はっきり言ってかなり面白いです。なるほどと思わせられることもあります。しかし、提示した情報に対してきちんとした検証が行われることは、ほとんどありません。目に見える事象、そしてそこから想像される事象が羅列されますが、「何故そうなっているのか、それは事実なのか」というリサーチはまずありません。

もっとも、氏が指摘するのは「大国の陰謀」ですから、そう簡単に事実は見えません。そこで、ネット上で拾った断片的な情報や、その存在さえ曖昧な「協力者からの情報」を羅列し、自説を展開、補強する手法です。ですから、書いてあることを盲目的に肯定するのはたやすい一方、否定する情報が与えられません。否定するためには、自分で情報を集めなければならない。しかし、ネットでキーワード検索でもしようものなら、「信奉者」が拡散した肯定情報ばかり飛び込んで来る(笑)

おそらく、その辺も氏の「思う壺」なのでしょう。最初から全面的に信用していなくても、基礎的な知識を持たずにそんな情報に接したら、気がついたら「信奉者」、もしくは心情的シンパになってしまう可能性が高い。本当に上手です。


そんなわけで、当ブログではそのような主張には一切耳を貸さず、科学的事実のみからHAARPによる陰謀は可能なのかを検証して行きます。はっきり言って実にバカバカしい話なのですが、体系的に否定する情報がネット上には本当に少ないのです。何故なら、専門家が反証すべきレベルの話ではありませんから。

ならば、それが趣味の世界に収まらず、エセ防災情報として拡散していることを危惧する管理人は、「防災屋」の立場で反証を行います。正直言って、管理人もこの手の話は「ネタ」としては嫌いではありません。しかし、多くの人の命がかかっている状況どころか、実際に多くの人命が失われた事実まで、陰謀とやらのためだったなどと、モニタの向こう側からしたり顔でばら撒いている手合いが、心情的にも許しがたいものですから。

次回へ続きます。


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