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2012年8月17日 (金)

トンデモ技術解説(笑)☆HAARP陰謀論を斬る【4】

HAARPはなぜ「地震兵器」とされるのか、それに対し「信奉者」はどのような説明をしているのか、そしてそれがどれだけバカバカしい話か検証して行きます。なお、mixiでやった時もそうだったのですが、この辺りを書くとどうしても文中に(笑)が多くなってしまいます。実際、笑わなければやってられません(笑)これでも控えめにしましたので、どうかご容赦を(笑)

ではまず、HAARP陰謀論者の説明をまとめてみましょう。こんな感じです。

『HAARPから「ある種の電磁波」が電離層に向けて発射され、電離層で反射して特定の場所に照射される。そしてその電磁波が地中の断層などに「作用」して、地震を発生させる。電磁波は地中にも浸透し、地球の反対側まで到達するので、地球上いかなる場所も「狙い撃ち」することができる』

そして、阪神・淡路大震災、中国・四川大地震、ハイチ大地震、そして東日本大震災など、世界の多くの大地震災害がHAARPの仕業、つまり米国の陰謀であると。基本的に、最後にはすべて欧米、特に米国の陰謀に落ち着くわけで、それを大前提にすべての話が構築されています。管理人はまだ見ていませんが、先般のイラン地震など、「信奉者」は快裁を叫んでいるのでしょうね。

では、電磁波がどのような「作用」で地震を引き起こすというのでしょうか。これはいろいろ無茶なことが言われていますが、比較的多いのが、電磁波で地殻を「共振」させるか、地下水を加熱、膨張させて、断層の破壊を促すというものです。

まず「共振」ですが、物体にいくら電磁波を当てても、物理的な振動は発生しません。これなど、建物被害の話で良く出る「共振周期」という理屈、いや言葉を使っただけの、科学以前の話です。構造物は「固有振動周期」に近い振動を与えられると共振して崩壊しやすい、ならば地殻もそのような崩壊をするはずで、それを電磁波で引き起こすという理屈です。

その「根拠」とされていると思われるのが、電子レンジ。電子レンジは物体に電磁波を照射し、分子の振動を励起させることで加熱します。ここから、「電磁波」と「振動」という言葉だけを抜き出して、当てはめたものでしょう。分子レベルの振動と、物質全体の振動をいっしょくたにしただけです。

すると、もう少し科学的(笑)な、電磁波で地下水を加熱・膨張させて、断層を破壊するという理屈が登場します。ところが、物体を加熱できるのは、電子レンジに使われている極超短波(ごくちょうたんぱ。マイクロ波。以下マイクロ波)で、その周波数は2.45GHz(ギガヘルツ)近辺です。でもHAARPの使用周波数は、はるかに低い3~30MHzの短波帯です。

そこで「信奉者」は、公式発表などウソだと決めつけて、HAARPからマイクロ波が発射されているということにしてしまいました。あのアンテナから発射が可能かどうかということなど、知らぬ存ぜぬです。当然、無理ですが。

ところが、ここで完全に理屈が崩壊します。電離層で反射させて見通し距離以上に到達させられる電波は、一部の例外を除くと短波帯だけです。マイクロ波は、電離層を突き抜けてしまうのです。だからこそ、衛星通信に使われています。

つまり、電磁波を電離層で反射させて、世界のどこでも「狙い撃ち」できるという理屈を、自ら否定してしまいました。しかし彼らは負けないのです。今度は、とんでもない理屈が登場します。それは、HAARPから発射された短波帯の電波が、電離層で反射した後に「マイクロ波に変換されて」地上に降り注ぐとのこと。

まだ続きます。地上に降り注いだマイクロ波は大半が地表で反射されますが、一部はまたもや「周波数が変換されて」地中に浸透し、地殻や地下水を加熱すると。あれ、マイクロ波じゃなくなっちゃいましたね。しかしまあ反射するたびに自由に周波数帯変換ができるなんて、全くもって「夢の技術」ですね(笑)

完全にお笑いの世界なのですが、我慢して(笑)続けます。一応まとめますと、HAARPによって発射された、短波から変換されたマイクロ波が、さらに周波数が変わって(何に変わるかは見つかりませんでした)地中に浸透し、地殻や地下水を加熱して地震を引き起こす、ということのようです。

地下水の加熱による地震は、どうやら火山の水蒸気爆発のようなイメージらしいです。火山で起こるのだから、電磁波でも起こると。そこで物質の性質やエネルギー量などを真面目に考えることは、「信奉者」にはタブーなのです。そして、こんな「特殊技術」の根拠になっているのが、軍の存在です。軍は我々には決して知らされない、悪魔の技術を隠し持っているに「違いない」というのが前提なわけです。ロズウェルに始まり、いつでも軍は「軍事機密」を盾に我々を欺く。あのマジェスティック12にも、軍人が深く関係していたじゃないか。だからここでも「そうに違いない」と。

では今回の最後に、究極の事実をひとつ。それは「いかなる電磁波も、地中には浸透しない」ということです。地中レーダーのように、地面に直接アンテナを接触させて大出力で送信すれば、ある程度の深さまでは到達しますが、空間を伝播してきた電磁波が地中に浸透することは、基本的にはありません。その大部分が反射されます。特に直進性が高いマイクロ波は、それが顕著です。地面に微細な割れ目があれば、少しは浸透したり、地中で発生した電磁波が空間に放射されることはあるものの、いずれにしろ地下深くを振動させたり加熱したりするような大きなエネルギーが浸透することは無いのです。

この事実だけでHAARP地震兵器説は完全否定できるのですが、一応流れを追ってきました。ではこれで終わりかというと、実はまだ続きがあるんですね。彼らは自説に科学的な「裏付け」を与えたいのに、どんどん無理が出て来る。ならばと凄いものを持ち出して来るわけです。ある意味、ここからが真骨頂かと(笑)

次回に続きます。


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HAARPは存在する絶対に

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