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2012年8月27日 (月)

十勝地方及び福島県沖地震について【地震関連情報】

8月25日午後11時16分頃、北海道十勝地方南部の深さ49kmを震源とするマグニチュード6.1の地震が発生し、浦河町などで最大震度5弱を記録しました。なお、震源深さとマグニチュード値は、発生直後の速報値から上記の通り訂正されています。

この地震の前震と考えられるマグニチュード5.2、震源深さ60kmの地震が、8月22日午前10時33分ごろ、ほぼ同一の震央で発生しています。

気象庁の発表によれば、25日の地震は北西-南東方向に圧縮軸を持つ逆断層型地震で、震源深さからも、太平洋方向からのプレートの移動によって発生した圧縮力による、いわゆる「スラブ内地震」と考えられます。22日の地震も、震源が少し深い他は、同一の発震機構であると考えて良いでしょう。

ところで、最大震度5弱を記録した浦河町は、今までにも何度も大きな地震に襲われています。管理人は札幌に住んでいたことがありますが、イメージ的には北海道南部で地震が起きると、必ず浦河町の名前が出てくると感じられるほどでした。特に1982年3月21日の地震は、当時の震度基準の震度6(烈震)を記録し、大きな被害が出ました。

ならば今回の地震も同様の地震かというと、違います。浦河町付近に強い揺れをもたらす地震の多くは、襟裳岬より西側の「浦河沖」海底の、深さ20km付近の比較的浅い場所で起きることが多いのです。その辺りは「地震の巣」と言える地震多発地帯で、小~中程度の地震はかなり頻繁に発生しています。

しかし、今回の地震の震源は日高山脈の真下に当たる内陸部で深さも50~60kmと、いわゆる「浦河沖地震」とは別物なのです。今回の震源域は、普段は地震の発生があまり多くない地域ですし、発震機構もこの地域としては比較的珍しいものです。今回の発震機構は上記の通り圧縮力による逆断層型とされていますから、この地震は広義において、東日本大震災による地殻変動の影響のひとつと考えて良いでしょう。

震災後に太平洋プレートの西向きの動きが加速したことにより、北海道沿岸部の地下では北西方向に向かってプレートが潜り込む速度が上がっていますが、その動きによる圧縮ストレスによって、地殻岩盤(スラブ)内の比較的深い場所で破壊され、地震が発生したものと言えます。この地殻変動は、その動きを少しずつ弱めながらも、今後も数十年というタームで続くことが考えられますので、同様の、場合によってはさらに大規模の地震が発生することも考えられます。

今後の可能性ですが、まず1~2週間程度という短い時間のうちに、さらに同一震源またはその周辺での地震が続くことを警戒しなければなりません。これは次の地震の発生を予想しているとか言う話ではなく、大きめの地震が発生した後しばらくは、同一震源及び周辺部で地震が連続する可能性を、常に考えるべきだということです。
なぜなら、ある地震が、さらに次の地震の前震である可能性は常にあるからです。

東日本大震災の前、3月9日と10日には、かなり大きな前震がありました。しかしその状況がどこにでも当てはまる訳ではなく、確率的にはあくまでレアケースではありますが、その一方で「ここではそんなこと絶対に起こらない」と言い切れる場所など、わが国には存在しないのです。

次に、8月26日午前3時37分ごろ、福島県沖の深さ90kmで発生したマグニチュード5.1の地震について。この地震で、福島県福島市、宮城県岩沼市などで最大震度4を記録しました。この地震の震源域も、特に東日本大震災後に、非常に多くの地震が発生している震源域です。しかし、この地震もその辺りで多発している地震とは別物なのです。

参考までに、震災から3ヶ月近く経った2011年の6月25日から6月1日の7日間に発生した地震の震源図を掲載します。なお、この図は東京大学地震研究所が発表している「東大ハーベスト 震源マップ」からお借りしました。
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あの頃は、一週間でこんなに地震が起きていたのです。特に東日本では、毎日揺れるのがごく当たり前でしたよね。それもなんだか遠い記憶になりつつありますが。

さておき、震源を表す点にすっかり埋もれてしまってよくわからないのですが、福島県南部沖辺りをご覧ください。点の大きさは地震の規模、色は震源深さを表しています。ピンクが0~30km、オレンジが30~80km、黄緑が80~150km(以下略)です。ここで、今回の震源深さ90kmが含まれる黄緑色の点の分布を見ると、特に集中もせず、地震多発地帯全体にほぼ満遍なく散らばっているのがわかります。この傾向は震災後ずっと変わらず、現在も同様です。

発震機構的には、圧縮力による逆断層型「スラブ内地震」である可能性が高いのですが、このタイプの比較的深い地震は、少なくとも震災後の発生傾向からは、集中的、連続的に発生する可能性は高くはないと言うことができます。但し、前記の十勝内陸地震でも記した通り、さらに大きな地震の前震である可能性は捨てきれませんんし、周辺の多発震源域に影響を与えないとも言い切れません。

可能性を考えたら何が起きてもおかしくないので、何一つ断言はできません。歯切れの悪い表現しかできませんが、こと地震に関しては、歯切れの良い断言など不可能なのです。それに変えて、当ブログでは良く「警戒度を上げる」という表現を使いますが、状況によって波動的に警戒度を変えるなど事実上困難であることは、承知の上です。

それはあくまで便宜的な表現であって、管理人が言わんとするとことは、「何が起きても対応できる」意識と装備へ日々近づけて行くことと、それをしっかり維持することを実践していただきたいということです。起きてからでは遅いのですから。

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