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2012年9月

2012年9月30日 (日)

台風17号接近

台風17号が、本州に上陸する確率が高くなってきました。30日午前11時45分の時点でも、中心気圧950ヘクトパスカルという「強い」勢力を維持しています。予想進路の海水温がかなり高めであり、台風のエネルギーとなる水蒸気の供給が活発に行われると思われることから、この程度の勢力を保ったまま、本州に接近するものと思われます。

この台風は、中心付近の最大風速が秒速40メートル、瞬間最大風速が秒速60メートルに達し、それほど大きな雨雲を伴っていないことから、どちらかといえば「風台風」の傾向があります。移動速度は現時点で時速45キロメートルとかなり速めで、今後偏西風の影響でさらに加速すると思われます。

これらのことから予想されることは、台風の接近に伴い、急激に風と雨が強くなることです。

台風が接近、通過する地域では、無用な外出を控えてください。強風の中では、何が飛んでくるかわかりません。万一、風や飛来物で窓ガラスが割れるような被害に備え、強風下では窓に近づかず、応急処置用にブルーシートやロープなど、屋外作業用のレインウェア、ゴム長靴、ヘルメットの用意をお勧めします。まだ間に合います。なお、ガムテープは貼る前に濡れると貼りつきませんから、屋内以外には使えません。

台風の予想進路の海岸部では、潮位が普段より高い大潮の時期であり、気圧の低下、強い海風による高潮の被害も予想されます。暴風雨が来る前に、建物の浸水対策を行ってください。低地にお住まいの方は、貴重品を上階に上げ、穏やかなうちに安全な場所に避難してください。

特に海岸部では、強い風で車が吹き飛ばされる恐れがあります。風を受ける面積の広いミニバン、パネルトラック、バスなどは特に危険です。台風の接近中は、さえぎるものの無い場所を車で走ることは危険です。また、高速道路や橋の上も、同様の危険があります。


河川の上流部沿いや山間など、土砂災害が予想される地域の方は、対策はひとつです。穏やかなうちに、安全な場所に避難してください。「過去に何も無かったから大丈夫」とか、「様子を見る」という発想は捨ててください。気象状況は既に過去とは違い、急速に「過激」になっています。また、様子を見ていて危険を感じる段階には、すでに周囲は暴風雨です。避難行動自体が危険になります。お年寄りやお子さん、身体の不自由な方は、特に早めの避難が必要です。

また、自分の居場所が比較的穏やかでも、上流部で土砂崩れや地すべりが発生すれば、何の前触れも無く土石流に襲われることもあります。そうなってからでは、為すすべはありません。

山間部にお住まいの方だけでなく、旅行で訪れている方も同様です。少しでも危険を感じたら、ためらわずに地元の方や自治体から情報を得て、安全な場所に避難してください。もし危険場所に留まる場合は、必ず建物の2階以上にいてください。土石流や土砂崩れ、地すべり災害の場合、土砂が流れ込む建物の1階で犠牲者が出ることが非常に多いのです。

ある程度「慣れっこ」になってしまっている台風ですが、「もう昔とは違う」ということを肝に銘じてください。昔と変わらないのは「後悔先に立たず」ということです。無駄足を恐れずに、穏やかなうちに対策と避難を完了してください。

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お薦め書籍のごあんない

管理人お薦めの書籍を紹介させていたただきます。

発表以来、あちこちで話題の南海トラフ地震ですが、その多くは震度7、津波34m、死者32万人とかの表面的な部分を騒ぎ立てるだけで、核心的情報を求める方の「本当はどうなんだ」という疑問に答えられるものは、それほど多くありません。

そんな、とにかく冷静かつ科学的に南海トラフ地震を理解されたい方に、お薦めの書籍です。前回に引き続き、今回も「Newton」誌ですが、今回は別冊ではなく、通常の月刊版です。価格は税込み1000円で、一般書店、コンビニ、ネット書店入手できます。
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現在発売中の「Newton」11月号の特集記事「南海トラフM9」では、例によってNewtonスタンダードとも言うべきポイントを押さえたわかりやすい解説で、南海トラフで起こる可能性のある事象について、必要にして十分な知識を授けてくれます。これだけの内容を理解していれば、それ以上は何もいらないでしょう。

もっとも、防災的な目で見れば、これほどの知識さえも必要無いのですけどね。予想震源域が過去の想定より広がったとか、そんなことは生活者にとってはどうでも良いのです。要は、「恐ろしくでかい地震と津波が来るかも」という事を知っていれば良いだけです。

それに、この想定がいくら「ワーストケース」だと言われていても、ほとんどその規模の巨大地震が来る確率が高いくらいの話になっていますね。でも、このワーストケースの地震は、マグニチュード値で言えば東日本大震災クラスですが(人類の観測史上4番目です)、強い揺れの範囲や津波の高さは、未だ人類が経験したことの無いレベルなのです。

どうにも「科学的に想定されるワーストケース」という意味が、かなり曲解されています。もちろん、最悪の規模で発生する可能性はありますが、それはごく僅かです。道路を歩いていて、車に突っ込まれる確率の方が、確実に高いと言って良いレベルです。

それより、「Newton」の記事内でも触れられていますし、管理人も過去記事で書きましたが、「死者32万人」は決してワーストケースでは無いということの方が重要です。地震の規模や状況がワーストケース通りでなくても、さらに多くの犠牲者が出る可能性も十分にあります。

しかし、仮に被災地域の全員が理想的な地震対策と避難行動を行えたとしたら、犠牲者数は数分の一以下になるでしょうから、いかにその状態に近づけるかということこそが重要なのです。それは、行政任せでは全く実現しません。語弊を承知で言えば、ひとりひとりが「自分だけは生き残る」または「自分の関係者だけは助ける」と決めて対策を進めなければなりませんし、そうでなければ、効果はあまり期待できません。そして、そんな人が増えることこそが、全体の犠牲を少なくする唯一の方法です。

話が逸れましたが、南海トラフ地震について、センセーショナリズムや煽りを一切廃した正確な情報を欲する方にとって、「Newton」11月号の特集記事は最適です。日本列島規模という、生活者にとって最大マクロレベルでの危険を知ることができますから、ぜひご一読をお薦めします。

毎度のことながら、管理人は発行者や執筆者などとは一切の関係はありません。管理人目線で、良いと思ったものだけをお薦めしています。


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2012年9月28日 (金)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル07】バーチャルフィールドワーク解説編

■当記事は過去記事の再掲載です。内容は加筆修正しています。


前回記事の動画をご覧いただいて、いかがだったでしょうか。大地震の際にそれぞれの場所で何が起きそうか、どれくらいチェックできたでしょうか。

お子さんがいる方は、是非一緒にチェックしてみてください。幼稚園の年長さんくらいになれば、かなりの危険を見つけだすことができると思います。さらに、大人の視点では見落としがちな危険まで、鋭く指摘したりもします。もちろん実際に街を歩いてチェックする際にも、是非お子さんと一緒に歩いて危険の場所と種類を共有し、その時どうするかを良く話し合うことが、お子さんの、ひいては家族皆の安全につながります。

ではここで、管理人がチェックした危険入りの動画をご覧ください。前回と同じ動画に、字幕を入れたものです。以後のテキストは、動画をご覧になった後にお読みください。

■Youtube動画「東京災害危険地帯を行く(その2)」へはこちらから
または下記URLへ。
http://youtu.be/GpRT4fbG5-k

このような「木密地域」には、いかに多くの危険があるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。でも、もちろんこれで全てではありません。あくまで、車で走りながらざっくりと危険要素を視ただけですし、字幕では最も恐ろしい火災の危険には、ほとんど言及していません。どの家が火を噴いていてもおかしくありませんし、実際に多くの火災が発生するでしょう。

そして軒を接した家々に延焼して行きます。119番通報しても消防車はまずやってきませんし、仮にやってきても、効率的な消火はまず不可能です。最悪の場合、短時間で下画像のような状態になります。
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さらに、実は字幕から敢えて外した危険要素があります。皆様は狭い路地の左右を慎重に見て行かれたと思いますが、「上」をチェックされましたでしょうか。路地の上に網の目のように張り巡らされた電線です。

電柱が倒壊したり傾いたりすると、電線が垂れ下がって行く手をふさぎます。特に、道路を横断している電線が垂れ下がると大きな障害になりますが、動画を見てもわかる通り、電線の地中化をしている以外の場所では、どこでもおきる可能性があります。

確実に停電していることがわかれば良いのですが、実際には電気工事で使う検電器でもなければわかりませんから、切れたり垂れ下がった電線に無防備で触ることは、自殺行為にもなりかねません。

そうでなくても、家一軒の倒壊や火災で、細い路地は通れなくなります。そんな状況に遭遇したら、どうしたら良いのでしょうか。

次回へ続きます。

■当記事は、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

2012年9月26日 (水)

酔う前にちょっとだけ・・・

タイトル見て開かれた方、ごめんなさい(笑)ちょっと日記的な雑文など。

先日、新宿の小さな雑居ビルの5階にある店で行われたパーティに参加する機会がありました。ビルの前でメンバーと落ち合い、どやどやとビルに入ります。

そこで管理人は、すっかり習慣になっているいつもの行動です。まずビルの外壁に非常階段があるかをチェック。残念ながら、外階段は無し。次に、エントランスにある「定礎」の銘板で、ビルの建築年度をチェックしました。1990年代なので、新耐震基準。2000年の現行耐震基準は適用されていませんが、まあ合格。

5人乗ればいっぱいのエレベーターで5階に上がると、店の入り口は左側。しかし管理人は、そこで右側にある非常口へ向かい、閉まっている防火扉を少し開けて、非常階段の様子をチェック。ドアの施錠なし(防火扉だからカギは無いのですが)、階段室に荷物など無し。階下はわからないけど、とりあえず合格。

でも、下層階で火事が起きて、防火扉が開けられてしまったら、唯一の脱出口が煙突になるかもな・・・と多少の不安を感じつつ、回れ右。そこで他の参加者から「何やってんの?」との声が。「おれ、防災屋だぜ(笑)」

「さすが!」とその場は笑いに包まれたものの、みなの表情に一抹の不安がよぎりました。ひとりが言います。「こういう雑居ビルって、危ないんだよな・・・」そして一瞬、神妙な空気に。

新宿歌舞伎町で44人が死亡した雑居ビル火災はまだ記憶に新しいですし、1972年、大阪の千日前デパートビル火災で118人が死亡した大惨事以来、「雑居ビル」という言葉には、危険なイメージを持っている方も多いでしょう。ちなみに、管理人が行ったのは飲食店ビルで、フーゾクビルじゃありませんからね(笑)

ともかくも、繁華街の狭いビルでは、多くの人が一抹の不安を感じているのは確かでしょう。過去の例を見ると、とにかく脱出の障害が多くて、大惨事につながったことが少なくありません。ならば、そこでちょっと管理人のような行動をしてみませんか?もちろん実際の効果は高いですし、なにより「何かあったら、まずこう動く」という意識を持てることで、気分的にもかなり楽になります。

店に入ったら、内装でカバーしてある窓の位置を確かめました。そして外が見える窓は、開くのか、ガラスはめ殺しなのか。大きな地震が来たら、落ちて来そうな照明や内装は無いか。ズシンと来たら、頑丈なカウンターに身を寄せようとか、一通りチェックしました。

バッグの中にはパラシュートコードと革手袋に、以前当ブログでも紹介した、12センチのミニバールがあります。最悪の場合、バールで内装や窓ガラスを破って、一階下のフロアまでなら脱出できる可能性があるな、とか考えてみます。テーブルクロスとパラシュートコードでロープ作れるし。

そこまで考えてから、あとはゆっくりとお酒を楽しませていただきました。たとえ確実でなくても、いくつかのオプション手段を考えることで、気持ちはだいぶ楽になります。そして何より、本当に非常事態になった場合、パニックに陥らずにすぐに初動に移れることが重要です。それが「命の一秒」を稼ぎ出すことにつながるのです。

ちなみに、常にズボンのポケットに入っているLEDライトは、暗い店内での会計の際に大活躍してくれました(笑)

このようなちょっとした行動と備えで、気持ちだけでなく実際の安全性も大きく向上します。さらに、他を救える可能性も拡がります。いろいろ不安をお感じのあなた、今日から始めてみませんか?

さて、次回は動画編の二回目、管理人目線の危険要素チェックです。

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2012年9月25日 (火)

【やっぱり起きた】宏観現象による地震警戒情報【9/25検証】

当ブログの記事としては5回目となる今回の警戒情報は、9月20日にアップしました。
■9/20の記事はこちらから

そして、それから5日目の本日9月25日、完全に予想通りの地震が発生しました。あまりに出来すぎのようですが、これは紛れも無い事実です。既に、偶然の要素が入り込む余地は、あまりありません。千葉県北部の井戸に現れる変化と、近隣での地震の発生は、確実に関係していると断言して良いでしょう。

該当すると思われる地震は、9月25日午前1時12分頃、茨城県南部、震源深さ50kmで発生したマグニチュード3.5の地震で、千葉県坂東市などで最大震度2を記録したものです。

では、今回の比較検証を行います。■は9/20時点での予想内容、□は実際に起きた内容です。

【予想発生日時】
■9/20から7日間程度の間
□9/25 (予想から5日目)

【予想発生場所】
■茨城県南部または千葉県北東部及びその周辺部
□茨城県南部

【予想震源深さ】
■40kmより深い
□50km

【予想規模】
前4回の予想では、大まかな地上の震度を予想するだけでしたが、今回は管理人独自の仮説に基づき、少し詳細に予想しました。
■マグニチュード3から5未満程度の比較的小規模で、地上の震度は震度1~3程度。仮に震源深さ40kmだとすれば、最大震度3程度
□マグニチュード3.5 最大震度2
※今回の地震は震源深さ50kmでしたので、もし仮に深さ40kmで発生していたら、地上では震度3程度になっていたと思われます。

このように、完全に予想内容と合致するものです。さらに特筆すべきことは、当ブログで予想を始めて以降、井戸の変化が出ていないときには、茨城県南部及び千葉県北東部での地震は、大きめの地震の余震と思われるものと、9/20の記事にも書いた、9/19の茨城県南部、震度1を除いて、全く発生していないという事実です。

これはもはや偶然とは言えません。

なお、今回の管理人の仮説と地震の規模との関係ですが、そこのみに偶然の要素が絡む可能性があります。つまり、少ないサンプル数から多少強引に仮説を立てたので、今回の合致のみで仮説が正しいと判断するのは早計です。今後引き続きデータを収集して、補強して行きたいと思います。

そのような理由ですので、現時点では「どのような変化だと小さめの地震になるのか」というパターンについては発表しません。まだ、仮説を一人歩きさせるわけには行きませんので。でも少しだけ明らかにしますと、井戸水の匂い、浮遊物、沈殿物のバランスと地震の規模の間に、ある一定のパターンがあるのではないかと、管理人は考えております。

これからも慎重に検証し、できるだけお知らせして参ります。

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続・フィールドワークに勝るものなし【対災害アクションマニュアル 07】

■第1章 危険を知れ(その6)【続・フィールドワークに勝るものなし】

さて、ちらっと予告した通り、今回は動画編です。身の回りの危険を知るとはどういうことか、皆様もバーチャルフィールドワークにトライしてみてください。

今回の動画は、敢えて詳しい場所は記しませんが、東京都内で建物の倒壊危険度、火災危険度が非常に高いとされる木造家屋密集地域、いわゆる「木密地域」とその周辺の映像を繋いだ、約6分間です。Youtubeにリンクします。

本来ならば歩いてチェックするべきところですが、時間の都合もありますから、車で走りながら撮影しました。皆様ご自身がこの地域の住人になられたつもりで、大地震が起きた時と、その後の避難行動中にどのような危険があるのかをチェックしてみてください。

ポイントは、あなたがそれぞれの場所にいる時に大地震に襲われたら周りで何が起こるのか、そしてその時どのような行動をすべきなのか、そこで何ができて、何ができないのかを、実際の場面を想定して考えていただくことです。

同時に、大地震の際に非常に危険とされる地域がどんな様子なのかをご覧いただき、皆様のお近くに似たような場所が無いか、通勤・帰宅途上などに通ったりしていないかもお考えになってみてください。

今回は素の映像のみですが、次回、管理人の目でチェックした内容をかぶせた動画をお送りする予定です。なお、動画の順番はランダムになっており、実際の避難経路の順番とは異なります。

それでは、トライしてみてください。

■Yotube動画へは、こちらから
または下記URLへ。
http://www.youtube.com/watch?v=RD-mEsS-Pk8

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管理人ひとりごと+予告

ちょっと更新をお休みさせていただいてました。

しかしまあ、オカルトやエセ科学ブログは、あまり更新しなくてもタイトルだけでアクセス数維持できるんですね。このブログは、ちょっと更新しないと物凄い勢いでアクセスが減るもので、もうマグロ状態です。いえ、変な意味じゃなくて(笑)、動きを止めたら死ぬという。

さて、やたらと長文ばかりで、ひと目見ただけで読む気が失せる方も多い(笑)当ブログではありますが、文字で表現することの限界は、実は管理人が一番感じております。大切な事をなんとか正確に伝えたいと思う気持ちが余計に文章を長くさせるという、プチ悪循環になっている部分もあります。

そこで、ついにというかやっとというか、動画に進出することにしました。一本目の動画の収録と編集が終わりましたので、程なくアップします。

内容は、現在進行中の【対災害アクションマニュアル】の「フィールドワークに勝るものなし」に関するもので、読者の皆様に、防災フィールドワークの一部分を疑似体験していただこうというものです。

やっぱり、「百聞は一見にしかず」ですよね。動画はYoutubeにアップしたものをリンクします。快適にご覧いただける環境の方ばかりではないかとも思いますが、より多くの情報をお送りするために、敢えて踏み切ります。

とりあえず管理人は画面に出演しませんが、そのうち声くらいは出すかもしれません。最初の動画は約6分あります。「文章だけでなく動画も長すぎる」という声が聞こえて来そうですが(笑)、まずはご覧になってみてください。

では、間もなくアップします。


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2012年9月21日 (金)

【9/21続報】宏観現象による地震警戒情報

つい先ほど今回の警戒情報をアップしたばかりなのですが、協力者様から井戸の状態について続報をいただきましたので、続けてアップします。

昨日の井戸の状態ですが、水の匂いは少し収まってきたものの、「鍋についた焦げのような」黒い沈殿物、大きさは砂粒よりも少し大きめのものが混ざり出したとのことです。

この状態は、管理人が知る限り過去に例が無いもののようですので、先の記事でアップした仮説とは異なる可能性も出てきました。

いずれにしろ、近いうちに(便宜的に7日間程度の間と予想)茨城県北部または千葉県北東部及びその周辺で、深さ40km以深を震源とする地震が発生する可能性が高いという予想には変わりありません。

引き続き警戒をお願いします。

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宏観現象による地震警戒情報【9/21】

■当ブログにて5回目の地震警戒情報です。

千葉県北部の協力者様宅の井戸に、変化が出ています。今回の変化は、水の匂いがかなり強くなっているものの、浮遊物、沈殿物は少ないと言う状態です。

この情報を受けて、管理人は下記の通りの地震を予想します。なお、今回はひとつの仮説に基づく予想を加えます。

■予想発生場所
茨城県南部または千葉県北東部及びその周辺
■予想発生日時
本日9/20から7日間程度の間
■予想震源深さ
40kmより深い
■予想震度
下記

今回の予想震度ですが、過去の経験則による仮説に基づいて予想します。これはあくまで管理人個人の仮説によるものであり、検証のために敢えて公表します。

今回の予想震度は震度1~3程度の、小規模の地震ではないかと考えています。仮に震源深さが40kmだとすれば、マグニチュード値が3程度から最大でも5以下の地震を予想します。

これは過去に現れた井戸の変化の内容と、実際の起きた地震の規模との関連から予想しているもので、もし両者に何らかの関連があるのなら、上記予想の範囲である可能性が高いと、管理人は考えています。

この仮説は、それほど多く無いサンプルケースから、ある程度強引に導き出している部分がありますので、その精度は全く保証できません。被害が出るレベルの地震が来ることはないという意味ではありませんので、普段通りの警戒をしていただきますよう、お願いいたします。

なお、井戸水の匂いが出始めた時間の直後と思われる、9月19日午前4時11分に、千葉県北東部の深さ40kmを震源とするマグニチュード3.7の地震が発生し、最大震度1を記録しています。場合によっては、この地震が今回の変化と関連する地震の可能性も考えられるということも、申し添えておきます。

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カロリーメイトトライアル(笑)

たまにはお気楽な記事なども。

管理人は、普段持ち歩くカロリー補給用食品として、大塚製薬のカロリーメイト(ブロックタイプ)をお薦めしています。もちろん大塚製薬の回し者でもなんでもなく、お薦めする理由は、サイズのコンパクトさと補給できるカロリーのバランスが最良だと思うからです。

カロリーメイトは箱入り状態で96グラム。箱から出したアルミパック2個で90グラム(いずれも管理人実測)で、ひと箱分4本のブロックで、400キロカロリーを補給できます。あまり負担にならない重さの割には高カロリーというわけです。

管理人が持ち歩いているバッグには、常時1~2箱は入っていて、災害対応だけでなく、外出先で小腹がすいた時には、迷わずいただいております。カロリーメイトのもうひとつのメリットは大抵のコンビニやスーパー、ドラッグストアで売っていることで、食べてしまったらすぐに補給しておけるので安心です。

そんなわけで、管理人はイチ推ししているわけです。ところで、カロリーメイトは味が5種類もあります。元祖チーズ味、フルーツ味、チョコレート味、メープル味に、ポテト味。結構いろいろ楽しめるわけですが、こと災害用非常食料として考えた場合、管理人はその中の一種類に限って、特にお薦めしたいと思います。

それは、このパッケージ。
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フルーツ味です。

含まれるカロリーや栄養素はみなほとんど一緒ですから、基本的にはどの味でも良いのですが、実際に食べてみると、ある条件下においてはフルーツがダントツなのです。

その条件とは「水がない」ということ。災害発生直後、特に出先では十分な水を確保できないことが考えられます。水分なしで、しかも喉が渇いた状態でカロリーメイトを食べると、パサパサ感がかなり強くて、飲み込みずらく感じます。この感じは、管理人の感覚ではチョコレート味が一番強いかなと。

ではなぜフルーツ味が良いのかというと、食べたことのある方ならおわかりかもしれませんが、その「酸味」がポイントです。一番酸味が強いフルーツ味は唾液の分泌を促し、水なしの状態で一番食べやすいのです。フルーツ味のブロックにはドライフルーツのチップが含まれていて、それをじっくり噛んでいると、どんどん唾液が出てきます。ついでに、レモンでもかじっている想像をすればより効果的(笑)

水が手に入らない状況では、この差は大きいですよ。非常食料の定番である乾パンなど、水なしでたくさん食べるのはとても辛いという被災者の声が阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも出ているのに、何故かあまり広まっていません。以前の乾パンには氷砂糖が入っているものが多かったのですが、これは乾パンの味気なさとパサパサ感を少しでも和らげるための、先人の工夫だったのです。でも最近は、コストダウンのためか、氷砂糖なしの乾パンが目立ちます。

カロリーメイトのフルーツ味は、つまり乾パンにおける氷砂糖ような機能も併せ持っているわけです。同様の理由で、管理人が二番目にお薦めしたい携帯用食品SOYJOYは、一番酸味が強いブルーベリー味が特にお薦めですね。ぜひ参考にしてみてください。


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2012年9月19日 (水)

フィールドワークに勝るものなし【対災害アクションマニュアル 06】

■第1章 危険を知れ(その5)【フィールドワークに勝るものなし】

今回から「家の周りの危険」について考えます。

大地震が起きて、あなたはなんとか家から脱出しました。または、近所にいる時に、大地震に襲われました。

その時、あなたはどのようなアクションをしなければならないでしょうか。まず最初に何をするか、そして、どちらの方向に、どのように逃げるか。特に揺れている最中に屋外に出たら、あなたの身体に危険を及ぼすものは、なんでしょうか。

過去の例を見てみましょう。1978年の宮城県沖地震では、死者28人の約64%である18人が、避難中に倒壊したブロック塀や石塀の下敷きになったことによる死亡でした。
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画像はイメージですが、同様の原因による負傷者は数倍以上の数になります。

1995年の阪神・淡路大震災では、道路沿いのビルが数多く倒壊したり、外壁やガラスが大量に落下したりしました。
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早朝のため人通りがごく少なかったために、幸いにしてほとんど人的被害はありませんでしたが、これが日中ならば、恐るべき結果になっていたでしょう。

2005年の福岡西方沖地震では、福岡最大の繁華街である天神地区で、ビルのガラスが大量に落下しました。
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こちらも人的被害はありませんでしたが、これも単なる幸運に過ぎません。

そして東日本大震災でも、津波のために地震直後の被害の多くは把握されていませんが、同様のケースが少なく無かったのは間違いありません。そして津波によって発生した大火災は、海岸線の街を数キロに渡って焼き尽くしました。
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1923年の関東大震災において、死者約11万人のうち約9万人が火災による犠牲だったという事実は、決して昔話ではありません。当時より耐火、耐震性が向上したとえはいえ、街の規模はあの当時の数倍以上に膨れ上がっているのです。それは、危険要素が増えたことと同時に、「安全圏への逃げ道が長くなる」ということも意味しています。

近年は建物や壁の耐震性を上げる取り組みが進んではいますが、街中にはいまだ多くの危険が存在します。想定される首都圏直下型地震や南海トラフ地震が最大級で発生した場合、さらに大火災や爆発による巨大な危険が加わります。このように、大地震発生直後から少なく見積もっても48時間程度、状況によってはそれ以上の間、地震(余震)、火災、場所によっては津波や土砂災害の大きな危険が続くのです。

かつて、こんな地震に関するこんな防災標語がありました。
「1分過ぎたらもう安心」
一つの震源で起きる単発の地震ならば、それはほぼ正しいものです。そして、多くの場合はその通りです。しかし、東日本大震災において、複数震源が短時間で連鎖するという現実をつきつけられた今、その発想は捨てなければなりません。揺れが完全に収まるまでは安心してはなりませんし、特に海沿いや大都市圏では、さらに大きな危険が連鎖的に発生するのです。

そのような現実を踏まえ、大地震の第一撃を「生き残る」ために、さらにその後しばらくの間を乗り切るためのアクションを継続しなければなりません。なんとなく、避難所に入ったらもう大丈夫くらいに思っていませんか?しかし状況は流動的です。あなたの居場所でどのような危険が発生するかは、完全に予測しきれるものではありません。

でも、そこで大きな差になってくるのが、周囲の危険要素を事前に知っているかどうか、ということです。自分の居場所で何が起こる可能性があるかを知り、その対処法をシミュレーションしておくことが、「生き残る」可能性を大きく向上させます。

地震の際の大きな危険要素である地盤の揺れやすさ、津波到達範囲、土砂災害危険地帯、大火災発生危険地帯などの情報は、ハザードマップや防災本を見れば把握できます。しかし問題は「今そこにある危機」なのです。いくら揺れにくい場所だったとしても、古い壁がひとつ倒れ、あなたがそこにいたら終わりです。

そんな危険を知る方法は、あなた自身がフィールドワークを行うしかありません。自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の頭で考えるのです。

ここでは「家の周りの危険」と便宜的に言っていますが、もちろん職場、学校、よく行く場所、そして初めて行く場所でも、常に「防災の目」で周囲を見ることを習慣にしなければなりません。それが、あなたが「命の1秒」を稼ぎ出すための近道であることに疑いはありません。

次回は、その具体的なフィールドワークの方法に入ります。

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危険を減らすアクションとは【対災害アクションマニュアル 05】

■第1章 危険を知れ(その4)【危険を減らすアクションとは】

前回は、家の中の「小さな危険」について、典型的な例を列挙しました。それを参考に、皆様それぞれのご家庭の事情によって、そのほかにどんな危険があるか、考えてみてください。それぞれは生命に直接関わる危険とは言えなくても、さらに大きな危険へ連鎖する可能性を秘めています。ですから、事前にできるだけ排除しておく必要があります。とは言え、すべての危険を完全に排除、つまりどんな揺れが来ても何も起きない対策など、全く不可能です。気にし出したら、それこそ夜も眠れません。

では、どうするか。そんな「小さな危険」への対策は、二種類に分けられます。ひとつめは、物理的な対策です。前回の事例の中には、移動・転倒対策が可能なものの、実際にはあまり対策されていないものも含まれています。例え電子レンジ、機械式米びつ、テレビとテレビ台、家具のガラス扉、壁掛け時計、本棚の中の本、ベッド、パソコンなどです。

これらは、市販されている対策器具、具体的には衝撃吸収ジェルマット、移動防止器具、飛散防止フィルム、落下防止ワイヤーなどを使うことで、その危険をかなり抑えることができます。要は、完全に危険を無くそうとするのではなく「その近くから離れる間だけ」、危険な状態にならなければ良いくらいに考えます。あらゆる状況が想定される災害対策においては、完全主義は通用しないこともあると、多少は開き直りも必要かと思います。

大切なのは、より危険なもの、例えば高い場所にありがちで重量のある電子レンジ、普段の居場所に近い家具のガラスなどから対策したり、最も守らなければならない対象、例えばお子さんの居場所周りから始めるなどの、「優先順位」を考えた上での対策です。

ふたつめは、むしろこちらの方が大切であり、当シリーズのテーマでもある「行動」、つまりアクションです。このアクションも、二種類に分けられます。

まずひとつめのアクションは、家の中で「その時」の行動を考え、実践することです。揺れが来たらどこへ移動するか、移動できなかったら、その場でどうするか。その時、周りにある危険は何か、どうすればその危険を避けられるか、家の各場所から脱出口、玄関や庭へ最短何秒で移動できるかなどを何度もシミュレーションし、実際にやってみてください。

これは、家族全員でやっておかなければなりません。お子さんも、幼稚園の年長さんくらいになれば、その瞬間に自分で身を守る行動ができるはずです。それを教え、実際にやってみるのです。そしてもし小さな地震が来たら、ある意味でチャンスです。大したこと無いと無視せず、事前に取り決めた行動、例えばすぐに玄関に移動するなどの行動を、実際にやってみます。

小さいとは言え、実際の地震の緊張感の中で何ができるか、何ができそうも無いかを、自分自身で知っておくことが大切なのです。場合によっては、東日本大震災のように小さな地震から大きな地震へ連鎖することもありますから、小さな地震も最初から甘く見てはいけません。

このようなアクションは、実は「その時」に完全に同じ行動ができることだけを目的にしているのではありません。震度6強レベル以上では、屈強な男性でも揺れの最中に移動するのは困難ですし、恐怖で足がすくんでしまう人も多いでしょう。東日本大震災の時、関東では最大震度5強になりましたが、皆様はその時、どうだったでしょうか。

でもそんな時、普段のアクションの違いが顕著に出ます。事前に考え、行動しておくことで、何もしていない場合に比べて少しでも「考える」余裕が生まれ、一瞬の判断で危険を避けられる可能性が確実に大きくなるのです。これは理屈ではなく、間違いの無い事実に裏打ちされていることです。


もうひとつのアクションは、危険を事前に摘み取る行動です。前回のリストに挙げた危険、例えばキッチンでは食器を洗ったらすぐに収納すればばらまかれる危険は無くなり、使用中の包丁は調理台の上ではなく、シンクの中に置けば、揺れで飛び出すことはなくなります。トイレの天井棚に置くのはトイレットペーパーなど軽いものだけにしたり、水タンクのふたは目立たない場所を一カ所でも粘着テープて留めておけば、いきなり飛ぶこともありません。

家の各場所から玄関などの脱出口への「避難経路」からはつまづきそうなものや、踏んで怪我をしそうなものを取り除いておきます。特に石油ストーブは、避難経路からは外れた場所におくべきです。家具の上からは重量のあるものを下ろし、押し入れの衣装ケースは下段に移し、本棚は重い本を下段に集めます。そのような過程では、どうしても「防災のための断捨離」が必要になりますから、思い切りも必要でしょう。

このようなちょっとした細かいアクションを積み重ねることで、前回挙げたリストの大半は、その危険度を大きく下げることができます。実際の危険の種類とアクションは、それぞれのご家庭の事情によって様々に変わるわけですが、まず危険の内容を良く知ることが大前提であり、それぞれの事情に合わせてご自分で考え、行動に移すこと。これが物理的な危険を減らすだけでなく、「その時」の行動を変えるのです。

最後に、実は前回のリストに入っていない部分について。それは「玄関」です。玄関には、一般に身体に危険を及ぼすものはあまりありません。すぐに脱出できる体制を取るためにも、地震を感じたらまず玄関へ行き、ドアを開けて待機することを習慣にしてください。アパートやワンルームマンションなどでも、玄関スペースは脱出への最短距離であることに変わりありませんから、まずは地震を感じたら玄関へ移動を基本とし、その経路の危険を摘み取って行くわけです。

面倒なことも多いのですが、大災害から「生き残る」ことにどこまで真剣になれるか、それにかかっています。このシリーズでは、具体的な危険排除の方法より、その考え方と実際の行動を中心に考えて行きますので、具体的な対策は過去記事をご覧ください。

次回からは、「家の周りの危険」について考えます。


【関連過去記事へのリンク】
家の中の地震対策【1】はこちらから
家の中の地震対策【2】はこちらから
家の中の地震対策【3】はこちらから
家の中の地震対策【4】はこちらから
家の中の地震対策【5】はこちらから
家の中の地震対策【6】はこちらから
家の中の地震対策【7】はこちらから
家の中の地震対策【8】はこちらから
家の中の地震対策【9】はこちらから
家の中の地震対策【10】はこちらから
家の中の地震対策【11】はこちらから
家の中の地震対策【12・最終回】はこちらから

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2012年9月18日 (火)

【事後報告】宏観現象による地震警戒情報

大変申し訳ないことに、今回は事後報告となってしまいました。事前に情報をお知らせできなかったのは、管理人の不注意のせいです。お詫びいたします。

9月14日午前2時22分頃、千葉県北東部、深さ40kmを震源とするマグニチュード5.1の地震が発生し、茨城県小見玉市などで最大震度4を記録しました。

この地震に関し、管理人は千葉県北部の井戸に現れる変化を事前に把握していなかったため、井戸に変化が出てもおかしくないタイプの地震ながら今回は変化なしとして、特に記事にしませんでした。

しかし、実際には変化が出ていました。

実は、9月10日の夜くらいから、井戸水に浮遊物、沈殿物の混入が確認されていたそうです。今回は水の匂いや変色はほとんど無かったとのことです。もしこの情報を事前に伺っていたら、管理人は下記のような予想をしたはずです。

【9月11日から7日間程度の間に、茨城県南部または千葉県北東部およびその周辺の震源深さ40km以深の震源で、最大震度4以上の地震が起きる可能性が高い】

そして9月11日から4日目に、実際に上記の条件にすべて当てはまる地震が発生しました。やはりこの井戸に現れる変化は偶然では無く、ある一定条件における地震活動の影響であると判断して良さそうです。

これで今回の事後報告も含め、当ブログで記事にし始めてからの4回すべてで、井戸の変化と関連があると思われる地震が発生しました。規模に関しては、この4回ではすべて震度4以下でしたが、過去には震度5弱も発生しています。

井戸の変化の内容と地震の規模に関しては、まだそれほどデータの蓄積がありませんので、詳しく予想できるほどでは無いのですが、典型的な変化が出た場合には、すべて震度4以上が発生しているという相関は見て取れます。

以後、できるだけ事前に情報をお知らせできるように努めてまいります。

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2012年9月17日 (月)

続・家をひっくり返せ!【対災害アクションマニュアル 04】

■第1章 危険を知れ(その3) 【続・家をひっくり返せ!】

今回は家の中の「小さな危険」について、具体的に考えます。但し、ここでは大型の家具や戸棚、窓ガラスなどの地震対策は、既に終えているとします。

さて、前回「家をひっくり返す」という荒技(もちろん想像の世界ですが)をやってみて、いかがだったでしょうか。モデルルームのような生活感の無い部屋でもなければいろいろなものがなだれ落ちて来るでしょうが、もちろんそれを全部防ぐわけには行きません。

対策を考える前に、典型的な部屋ごとの危険を、個別に考えてみます。以下はあくまで一例ですが、家の中の危険を探す際の参考にしてください。いわゆる「家具の固定」が済んでいても、身体に危害を及ぼす危険は、ざっと考えてもこれだけあるのです。

■ダイニングキッチン
(冷蔵庫は移動・転倒対策済み、戸棚は転倒防止、開放防止ロック済みという前提です)
□食器洗い機と、その中の食器類
□洗った後の、収納前の食器類
□カウンター上などに置いた瓶詰め類
□電子レンジ
□炊飯器
□作り付けではないガスコンロ、鋳鉄製の五徳
□加熱中の鍋、フライパン類
□床置きの機械式米びつ
□使用中の包丁、ナイフ類
キッチンは危険物が山ほどあります。

□ダイニングテーブル・椅子
□ワゴン
□食器棚上の上の収納物
テーブル類やワゴンは、移動防止器具をつけていないと激しく動き回ります。収納物が多いキッチンは、食器棚の上にもいろいろ乗っていませんか?ホットプレートとか。

■リビング
(大型家具、ピアノ等は移動・転倒対策済みの前提です)
□テレビ、テレビ台
□ソファ、テーブル
□サイドボード・カップボード等のガラス扉
□ガラスのディスプレイケース
□壁掛け時計
□額縁、フォトフレーム
□鉢植えの植物
□床置きの空気清浄機、ストーブ・ファンヒーター
薄型テレビは、ブラウン管タイプに比べて比較的地震には強いのですが、テレビ台ごと動きます。専用の固定器具が欲しいところ。サイドボート等のガラスは、美観を考えると飛散対策しずらいもの。中のものが暴れて、内側から割れることがあります。

■和室
(和タンス等は転倒対策済みの前提です)
□ペンダント型照明
□押し入れの中の衣装ケース等
□柱時計
□ちゃぶ台
□和タンスのひきだし
和室の照明は蛍光灯がむき出しのペンダント型が多く、天井との距離も近いので、暴れて飛散する可能性が高いもの。重量のある衣装ケースは、特に上段の場合は押し入れの扉ごと飛び出してくることもあります。タンスは固定しても、引き出しまではなかなか難しいものです。

■寝室
(洋服タンス類は対策済みの前提です)
□ベッド
□ドレッサー、三面鏡等
□姿見(大型の鏡)
ベッドが床の上を滑ると、壁との間に挟まれたりすることもあります。あと、やはりガラス類が危険です。ドレッサーなどは、一般に移動、転倒防止が難しいものです。

■書斎
(デスクと本棚本体は転倒対策済みの前提です)
□本棚の本類
□パソコン、ディスプレイ
□ステレオなどオーディオ機器類
一般にあまり広く無いスペースに多くのものがあることが多い部屋ですから、これ以外にも部屋によって崩落物の危険はいろいろ考えられます。

■子供部屋
(本棚本体は移動・転倒対策済みの前提です)
□ベビーベッド、二段ベッド等
□勉強机
□おもちゃ類
□本棚の中の本
寝ている子供を守ってくれる可能性が高いベッドも、移動対策をしていないと、周りにいる人を傷つけることもあります。ベビーベッドはあまり対策していないのでは?床に落ちたおもちゃ類は、素足で踏むと危険なものも。金属製のミニカー・飛行機や、硬質プラスチック製のおもちゃが割れた破片などが最たるものです。レゴブロックのようなものでも、素足で強く踏むとかなりダメージを受けます。

■浴室・洗面所
□洗濯機・乾燥機
□洗面台周辺の備品類
□鏡
洗濯機の上の乾燥機は、重心が高くて特に転倒しやすいもの。固定式の鏡も、落下したり、他のものが衝突して割れることもあります。

■トイレ
□水タンクのふた
□棚の上の収納物
水タンクのふたは一般に固定されおらず、重量もありますので、激しい揺れで飛ばされる可能性があります。棚の上には普通は重量物は無いでしょうが、一気に頭上からばら撒かれます。

このように一体どうしろというくらい、たくさんの危険がありますね。前述の通り、これらを全部防ぐことなど不可能です。ここで言わんとしていることは、まず「我が家はもう対策済みだから大丈夫」という考えを、一切捨てていただきたいということなのです。危険とは何も致命的なものばかりでなく、身体を傷つけて行動を遅らせる可能性のあるものは、すべて危険と考えなければなりません。未対策のお宅の方は、ここで思い切り戦々恐々としてください。

でも、本当に一体どうしたら良いのでしょうか。それは次回に続きます。


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2012年9月15日 (土)

管理人ひとりごと9/15

当ブログも、今年1月12日のスタートから数えて、ひとつ前の記事がおかげさまで300本目となりました。ずいぶんいろいろ書いてきましたが、まだまだネタはありますよ。301本目は、管理人のひとりごとです。


テレビを視ている時に、突然ニュース速報が。その瞬間、つい巨大事故や大災害のニュースを期待してしまう。でも、自分に全然関係ない自治体の選挙結果だったりすると、がっかりを通り越して腹が立つ(笑)、なんてご経験はありませんか?

まあ、それは当然だと思います。人は、そういうメンタリティを少なからず持っているものですから。「他人の不幸は蜜の味」という言葉、これは本来、商売などで関係者に問題が起こると、その分の利益が自分に回ってくるというようなニュアンスですが、それ以前に、人は他人の不幸を見るのが好きですよね。そうやって、無意識のうちに自分の「相対的な幸福」を確認したい。でなけりゃワイドショーはあんなに流行りません。

でも、少なくともそういう感覚を表立って認めることは恥、もしくは強く憚られるという感覚を、我々は持っているはずですけどね。

大事件、大災害を期待する人、最近増えています。特に震災後、「リセット願望」とも呼ばれる、自分を苦しめている今の秩序など、一度全部破壊されてしまえばいい、だから大災害が起きて欲しいというよな人も増えています。それでも、そんな話はネットの隅っこの方で語られているだけです。もし人前で大っぴらに「みんな死んじゃえっ!」って叫ぶ勇気があれば、なんでもできますって(笑)

何が言いたいのかって、ブログランキングで妙なサイトが急上昇してきたもので。海外の方が作ったものを自動翻訳して、日本語タイトルをつけただけみたいですね。いろいろ不幸を「期待」されているようで。我々が憚って口にしない感覚をあれだけ前面に出されると、さわやかですらありますね(笑)

でも、根拠の無い予知だ体感だと言っている手合いより、事実を羅列しているだけまだマシですよ。あのブログのせいで当ブログのランクが下がったことは、別に何とも思いません。本来同じ土俵に乗るものではありませんから。こんな理屈っぽい放送大学みたいなブログより、ワイドショーの方が数字取れるのは当たり前です。

でも、放送大学がワイドショーや「あなたの知らない世界」(笑)みたいなのと伍する位置にいるという、マスメディアではあり得ない現象を起こしていただいている、当ブログご愛読者の皆様に改めて感謝する次第です。

実はこの1ヶ月で、ブックマークから当ブログへ来ていただいている方の数が、約3倍になっていますし、一日の平均アクセス数が、2倍近くになっています。とてもありがたく思うのと同時に、皆様にブックマーク解除されたりしないよう、充実した情報をお届けしなければならんなと、程よい緊張感も感じています。

正直、妄想でどんなことでも書ける、オカルトやエセ科学系がちょっとうらやましくなりますよ。もし商売でやるなら、絶対そっちにしますわ(爆)

これからもよろしくお願いいたします。


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2012年9月14日 (金)

家をひっくり返せ!【対災害アクションマニュアル 03】

(当記事は、通算300本目となります)

■第1章 危険を知れ(その2) 【家をひっくり返せ!】

あなたの周りの危険を、具体的に知る方法に入りましょう。まず最初は、何より「自宅の危険」からです。

1995年の阪神・淡路大震災では6434人が犠牲になりましたが、その約86%もが、自宅内で死亡しています。これほどの高い比率は、早朝の発災だったため在宅率が高かったこと、現在より建物の耐震化率が低かったことなどが影響している部分もあります。

しかし仮に昼間に発災したしても、その時自宅にいるのは乳幼児と一緒の女性、お年寄り、病人、身体障がい者など、災害対応能力が高くない層が中心です。それは他を救助する余裕が小さいということでもあり、より高い安全性が確保されている必要があります。

しかも、もし自宅に重大な危険が存在するなら、特に就寝中や入浴中という一番無防備な時間を、危険な場所で過ごさなければならないのです。これは第2章の「建物を守れ」にも関連することですが、とにかく地震・津波対策は、まず自宅の安全確保から始めなければなりません。

では、大地震における自宅内の危険とは何か。既に教訓から得られた多くの情報があります。建物の倒壊を別にすれば、タンスが一瞬で倒れた、テレビが飛んだ、ピアノがひっくり返った、窓ガラスが吹っ飛んだ、食器がぶちまけられた等々。すでにそれらの対策をされている方も多いでしょう。

でも、本当にそれで大丈夫ですか?このような話になると、つい「死者」のことばかり取り沙汰されますが、「負傷者」はその数十倍、数百倍というオーダーで存在します。身体がどんな状態になっても、生きてさえいれば「負傷者」です。たとえ意識が無くても、自力で動けなくても。

大地震の第一撃を乗り切っても、震源が海底の場合、海岸近くでは津波が、そうでなくても火災の危険が襲って来ます。山間部では余震による土砂崩れや、土砂ダムの形成による土石流の危険が迫ります。一刻も早く安全圏に脱出しなければなりません。その時、あなたは素早い行動ができる状態でいなければならないのです。

例えばテーブルが足に激突しただけで、その後移動速度は極端に落ちます。足の裏を切ったりしたら、さらに遅くなります。足を骨折でもしようものなら、動けません。自宅の中で、あなたの身体にそのような危害を及ぼす危険まで意識していますか?

そのような「細かい危険」を知るために、管理人はある方法を提案します。それは、「家をひっくり返せ」というもの。もちろん比喩的表現ですが、イメージの中で、あなたの家を横倒しにしてみるのです。その時、何が起きるか。

とりあえず固定済みの家具類は動かず、ロックした戸棚は開かず、飛散対策済みのガラスは割れないとします。その上で、何がどう動くか。部屋ごとに四方に「ひっくり返して」みてください。対策済みの場合でも、危険を及ぼしそうなものは、かなり多いのではないでしょうか。もし無対策なら、無事でいられる可能性は非常に小さくなります。

最大級の地震に襲われた場合、家の中の状態は、家ごと横倒しにされた時の最初の状態、つまりいろいろなものがなだれ落ちて来る状態に、かなり近くなります。しかも一方向からではなく、ほぼ全方向から。これは特に阪神・淡路大震災のような、浅い震源の内陸直下型地震の揺れで特に顕著になります。そして、想定される「首都圏直下型地震」は、このタイプとなる可能性が、かなり高いのです。

先に中央防災会議から発表された、例の「首都圏で震度7の可能性」とは、首都圏直下で想定される最も浅い震源でマグニチュード7以上の地震が発生した場合、地盤の弱い一部地域で最大震度7クラスの揺れとなるという意味です。しかもその場合、揺れ方は阪神・淡路大震災と同じ、震動周期1~2秒程度の、中・低層建物に対して最大級の破壊力をもたらす、いわゆる「キラーパルス」となる可能性が高いのです。

ですから「震度7」という数字で騒いでいる場合ではありません。それが起きた場合、「キラーパルス」の発生こそが、最大の脅威なのです。そして、想定される最大震度が上がったということは、より広い地域に、大きな被害をもたらすレベルである震度6強~6弱の「キラーパルス」が襲いかかる可能性があるということです。それを知った上で、「防災本」の震度予想図を見直してみてください。

次回は、家の中の具体的な危険について考えます。

※管理人註:文中の「キラーパルス」の定義について補足です。厳密には震動周期だけでなく、断層の破壊が進行する方向に向かって発生する、合成・増幅された地震波のことですが、当ブログでは便宜的に、震動周期のみで考えています。地下で起きることなど、私たちに関係ありませんから。


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謹んで報告申し上げます

9月1日、管理人は「お笑いと怒りの防災の日」という記事をアップしました。その中で、8月31日の読売新聞に掲載された防災記事の内容があまりに稚拙で不正確なため、正式に抗議を行うと宣言しました。

■「お笑いと怒りの防災の日」はこちらから

ここでその結果を報告させていただきます。でもその前に、少しだけ経緯を振り返って見ます。実はその見開き4ページのカラー記事は、横浜で行われた防災イベントの「広告」として企画されたものでした。一応小さく「広告」との表記がありますが、管理人も最初は気づかなかったくらいで、多くの人が「読売新聞の防災記事」と認識するでしょう。

さらに、「企画・制作 読売新聞東京本社広告局」と明記されていますので、文責は読売新聞にあると判断し、広告局宛に抗議メールを送りました。

内容を要約すると、【広告ではあるが、特集記事の体裁であり、多くの読者は「読売新聞の記事」として認識する。内容の明らかな誤りは看過できない。「防災の日」前日という、防災記事への注目度が高い時に、御社のようなクオリティペーパーがこのような稚拙で不正確な記事を掲載したことに、強く抗議する。記事を監修した防災ジャーナリストに抗議せよというならそうするが、まずは御社の見解を伺いたい】というようなものです。

もちろん、広告です。監修者も、クライアント側です。制作した読売新聞側が「あれは間違いです、文句は本人へ」なんて言える訳ないという「大人の事情」など、管理人もわかっています。でも、制作側の都合で間違った知識を広められたらたまったものじゃない。特集記事の体裁を取っていること自体、広告ではなく記事として認識させようという制作意図があるわけですし、「あれは広告です」という言い逃れは、倫理的には出来ないはずです。

それでは、結果を報告します。それは、


「完全無視」


でございます。せめて「貴重なご意見ありがとうございました。今後の紙面造りに活かさせていただきます」くらいの返信は来るかなと思ったのですが、見事に無視です。まあ、上記のような型通りの返答など、火に油を注ぐことにもなりかねませんから、かなり扱いは難しいのですけどね。

一応、「許可をいただければ、回答をブログに掲載したい」とも書いておきました。無断で掲載するつもりなどありませんが、どこの馬の骨かわからないブロガーなど、信用ならんという判断もあったのでしょう。こういう時のために、メール送信フォームには「回答できない場合があります」と、ちゃんと書いてあります(笑)

まあ、そんなわけです。きっと「正しい判断」なんでしょうね。下手な回答はクライアントの機嫌を損ねることになるし、素人ブロガーが騒いでも影響力は大して無いだろうし、もし話が大きくなっても、最後は「広告」だと逃げられる。もし奴が変な騒ぎ方するなら、「その道のプロ」に対処させる。なんせこっちは個人情報明かしてますからね。とにかくどうせ大した影響力無いから、ほっとけ。そういうことでしょう。

管理人は以後、「読売新聞とは、影響力が小さな読者からの抗議は無視する会社」と定義することにします。普通の企業ならともかく、マスメディアですからね。

その通り、当ブログに大した影響力はありません。でも、これをご覧になった方に管理人が強くお伝えしたいのは、「テレビ、新聞、書籍などのマスメディアに出ていたから大丈夫」という発想は、一切捨てていただきたい、ということです。これはいろいろな分野に言えることでもありますが、こと防災に関しては、その多くが「間違っているか、いらないか、不十分」な情報と言っても過言ではありません。

なにせ、マスメディアの防災情報が本当に役立つものばかりなら、このブログは生まれていかなったのですから。


※ちなみに、管理人は読売新聞の定期購読者ではありませんが、当該記事の掲載分は自分で購入しております。もし今後、読売新聞側から何らかのアクションがありましたら、随時報告させていただきます。


■■当ブログは、カテゴリ【日記・コラム】です。

2012年9月13日 (木)

さて、どうやるかが問題だ【ニュース解説】

東京都は昨日(9/12)、首都直下型地震を踏まえた地域防災計画の修正素案を公表しました。概要は、下記の通り。産経ニュースから抜粋し、引用させていただきます。

(以下引用)-----------
 東日本大震災と今年4月に見直した首都直下地震の被害想定を踏まえ、東京都は12日、最大約9700人と想定される死者を3分の1に抑えるなど、減災目標を掲げた地域防災計画の修正素案を公表した。修正は5年ぶりで、パブリックコメントを募った上で、11月の都防災会議で決定する。

 目標では、最大震度7をもたらすとした首都直下地震の新たな被害想定をもとに避難者約339万人を約半分に、全壊・焼失棟数約30万棟も4割にそれぞれ抑えるとした。「木造住宅密集地域」対策促進で火災被害を減らし、平成32年度までに住宅耐震化率を81%から95%に引き上げるなどして、倒壊被害も抑制する。

 企業には3日分の飲料水や食料の備蓄のほか、一斉帰宅を抑制するように求めることで、帰宅困難者による混乱を防ぐ。
(引用終了)------------

この計画通りに事が進めば、それは結構なことなのですが。

最大のポイントは「平成32年度までに、住宅耐震化率を81%から95%に引き上げる」という部分なのですが、そう簡単に事は進みません。何故なら、耐震化の意思や能力のある家主は、所有建物の耐震化をほぼ完了していると言っても良い状態だからです。

現在、耐震化推進の障害となっている個人所有建物は、主に経済的な理由で耐震化工事を行う意思や能力に欠ける家主の所有であり、いくら「耐震化推進」と音頭を取っても、この先劇的な改善は望めません。

実効性のある制度、例えば該当建物の家主に耐震化工事資金を低利で融資したり、強制力を持った条例を制定し、ある程度厳格に運用するなどしない限り、この修正案も画に描いた餅になりかねません。

実際、都内の幹線道路沿いの既存不適格建物(耐震強度が基準に満たない建物)に対しては、震災時に倒壊して道路を塞ぐことが無いように、耐震化工事を義務づける条例の制定もかなり前から検討されていますが、未だに実現していません。実現しても、どれだけ強制力を持たせられるかは、かなり疑問ではあります。

長い間遅々として向上しない都内の耐震化率の裏には、そのような理由があるのです。ですから、問題はこの計画を受けて、どれだけ実効性のある制度を構築できるかにかかっていると言えます。


次に、帰宅困難者による混乱を防ぐため、都内の企業に「一斉帰宅を抑制するように求める」としていますが、これも実効性は大いに疑問です。最大級の首都直下地震が発生した場合の帰宅困難者は、350万人とも650万人とも言われますが、そのような異常な状況下で、企業が社員を本当に留め置くことができるのかにも疑問符がつきます。

ある程度の効果は上げるでしょうが、発災直後に数百万人レベルで帰宅行動を始める人が出るのは防げないでしょう。現に、東日本大震災時の都内では、大企業の総務部から社員に対してすぐに帰宅しないよう要請が出ても、あまり効果が無かった例が多発しました。「お願い」ベースでは、強力な実効性は無いのです。

これも強制力を持った対策、例えば主要駅前や幹線道路への流入を警察や自衛隊が封鎖するくらいの強力な対応をしなければ、混乱は必至と言わざるを得ません。もちろんこれには幅広いコンセンサスや法整備の問題も絡み、すぐに実現するようなものではありません。しかし、災害はそれを待ってはくれません。「その時」は、今日、明日かもしれないのです。

いろいろ悲観的なことばかり書きましたが、行政はマクロ規模で街を守るという発想であり、あなた個人の生命や財産は守るためには動いてくれません。

ならば、やることはひとつです。「自分の身は、自分で守る」のです。


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2012年9月12日 (水)

本当に知るべき危険とは?【対災害アクションマニュアル 02】

■第1章 危険を知れ(その1) 【本当に知るべき危険とは?】

ちょっと学生時代を思い出してみてください。あなたは、期末試験でどうしてもいい点を取りたいとします。ライバルに勝ちたいとか、進級が危ういとか理由はともかく(笑)あなたはどうするかといえば、試験範囲を一所懸命勉強しますよね。教科書だけではわかりにくければ、参考書とかも買い込んで。

この参考書というのがまた千差万別ですから、良く売れているものを選びたくなります。売れているイコール評判が良い。つまり「よくわかる」と思うのが普通です。そこで、あなたはどこの本屋でも良く見かける参考書を買ったところ、これがまた実に面白い。歴史の参考書ならば裏話のコラムが楽しく、数学ならば頭の体操や裏技のようなコラムが充実していて、ついついそちらばかりに目が行ってしまいます。これは売れるのもむべなるかな。本音を言えば、試験のことなど考えたくないものですから、余計にのめりこんでしまいます。

おかげで歴史の裏話や数学の裏技のようなことにはずいぶん詳しくなったけれど、肝心の期末試験は惨憺たる結果に・・・まあ、当然ですよね。「試験に出る」問題の対策をやっていないのですから。勉強のピントが、激しくズレています。

現在の「防災情報」も、実はそんな状態だとお感じにはなりませんか。特に東日本大震災後、本屋やコンビニにはいくつもの「防災本」が並び、テレビやネットにもそんな情報が山ほどあります。でも、そんな情報の大半が、あれが起きるだのこれが起きるだの、なぜ起きるだの、起きたらどうなるだの、そんな話ばかりが目立ちます。

ではそれに対してどうするかという部分は、家を補強せよ、家具を固定せよ、津波からすぐに逃げよ、すぐに帰るな、街中では頭を守れ、水は家族の3日分用意せよとか、通り一遍の情報が少々。でも、例えば家具の固定ひとつにしても、実際にやるとそうは簡単には行きませんが、その対策などはほとんど見かけません。管理人の考えでは、巷に溢れる「防災情報」の半分以上、場合によっては8割ほどもが、「生き残る」ためには大して必要ない情報です。興味の対象としては結構ですが、例えばプレートがどうこうという地震のメカニズムを知っていても、「生き残る」ためには何の役にも立ちません。

では震度7や、34メートルの津波が来る(かもしれない)とかいう話は?まず、それがあなたの活動範囲のことでなければ、不要な情報です。では、例えば最大震度7が予想される地域の方、あなたが襲われるかもしれないのは、どんな震度7ですか?阪神・淡路大震災と東日本大震災では、同じく最大震度7を記録しています。でも、阪神・淡路大震災では10万棟もの建物が全壊したのに対し、東日本大震災では、建物の倒壊はそれほど多くはありませんでした。あなたを襲うかもしれないのは、どちらの震度7かご存じですか?

揺れ方の違いの理由を知る必要は、特にありません。しかし、違うのです。この場合に必要な情報とは、最大震度よりも揺れ方の違いですが、それはあまり重視されていません。せいぜい「直下型」と「海溝型」という言葉だけで区別されているくらいで。でも、どちらのタイプがどこで起きるかで、対策の優先順位ややり方が変わって来たりもします。また、最大震度が上がるということは、強い揺れの範囲も広がるということでもありますが、両者は強い揺れの範囲にも大きな違いがあります。

「それは防災本に出ている揺れの予想図を見ればかる」と言われそうです。それもいらない情報なのかと。確かに、強い揺れの予想範囲にご自分のいる街が入っているのを見て恐怖を感じ、災害対策を進められた方も多いでしょう。なんだ役に立つ情報じゃないか。もちろんそれは否定しません。でも、大地震の際にあなたの命に危険を及ぼすのは、街全体ですか?敢えて「えげつない」表現をしましょう。あなたの身体を潰し、切り裂き、焼くのは一本の梁、ひとつのタンス、一片のガラス、一枚の瓦、そして最初は小さかった火なのです。それこそが本番で「試験に出る」問題とも言える、本当の危険なのです。

あなたを直接取り巻く身近な危険を知り、危険から遠ざかる方法を考え、危険を摘み取るアクションを実際に起こすこと。そのレベルにまで落とし込んでこそ、すべての情報は「必要な情報」に昇華されるのです。しかし多くの人にとってそれは面倒で、こまごまとしすぎ、余計な負担を強いるものです。どこまでやるかは、それぞれのお考え次第でしょう。

ただひとつ確かなことは、スポーツ選手が良く口にする「練習は裏切らない」という言葉の意味と、なんら違いは無いということです。でもスポーツや試験勉強と違うところは、「本番」の日が決まっていないということですが。ともかくも、災害対策も正しくやったらやっただけの成果が、「生き残る確率が上がる」という形で現れます。そのための第一段階として、「本当の危険を知る」ということが必要なのです。それを最も良く体現したのが、いわゆる「釜石の奇跡」だとも言えます。

こんなことは、既に災害対策を進められてる皆様には、釈迦に説法の類かもしれません。それでも、今一度考え直してみてください。マクロに捉われすぎて、ミクロを見落としていませんか?極論すれば、マクロ情報はこれだけ知っていれば良いのです。「でかい地震が来たら、こんな風に揺れる」

それを、あなたの居場所で何が起きるか、津波、火災、土砂災害などに落とし込み、さらにあなたの周囲3mの危険にまで落とし込んで考えなければなりません。それを実践するために使える情報を、この章でお知らせしたいと思います。

次回から、「危険を知る」具体的な方法に入ります。

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2012年9月10日 (月)

目次のようなもの【対災害アクションマニュアル 01】

今回は、当マニュアルの構成についてお知らせします。いうなれば、目次のようなものです。

まず「対災害アクションマニュアル」という名前についてですが、これはとにかく「アクション」を起こして欲しいという願いと、災害から「生き残る」ためには、知識や装備よりも、その瞬間の「アクション」の内容が重要だからです。ですから、内容的には災害対策における様々なアクション、つまり行動の仕方を中心に構成します。

タイトルに防災や減災ではなく、敢えて「対災害」という言葉を使ったのは、災害対策は「戦い」であるという考えからです。巨大災害という強大な敵に対抗するには、正しい戦略、戦術と効果的な武器、つまり装備が必要であり、それは即ち「戦い」なのです。

当マニュアルは、全部で4つの章で構成する予定です。各章の記事の最後には、関連する内容の過去記事へのリンクも貼りますので、参照しながらご覧いただければ、より深くご理解いただけるかと思います。また、必要に応じて特番記事を挿入して行きます。なお、内容的には対地震・津波災害が中心になりますが、火山、気象災害などについても、適宜述べて行きます。

章構成は、下記の通りの予定です。
■第1章 危険を知れ
■第2章 建物を守れ
■第3章 脱出せよ
■第4章 命をつなげ

これは、個人が行う災害対策について、優先順位の高い順から並べています。大災害から「生き残る」ためにはこの順番こそが重要だと、管理人は信じます。途中からご覧になられた場合も、第1章から通読されることを、強くお勧めします。

記事タイトルは、その回の内容を要約したタイトルに続いて【対災害アクションマニュアル 通し番号】となります。
■例:津波から生き残れ【対災害アクションマニュアル99】
同タイトルの記事が複数回に渡る場合は、頭に「続、続々」をつけます。各章の中における記事番号は、本文文頭に表記します。

なお、マニュアルと言っても「これをやれ」と一方的に教示するようなものではなく、その理由と関連する話題も盛り込んで行きますので、例によってかなり長文になります。連載回数も、50回以上になるのは確実かと。

それでは、次回から本編に入ります。最初は「第1章 危険を知れ」。まずあなたの身に迫る危険を知らなければ、効果的な対策はできません。

え?もう震度7とか津波34メートルとかご存じだと?いえ、そんなものはほとんど何の役にも立ちませんよ。


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はじめに【対災害アクションマニュアル 00】

ある自称“敏腕”編集者と管理人との、実際にあった会話。

編集者「今度、オリンピックの元金メダリスト監修の、泳げない人向けの水泳マニュアル本を出すんだ」
管理人「本読んで泳げるようになるの?」
編集者「いや、泳げるようなるかどうかじゃなくて、『泳げるような気になる』のが重要なんだ。そうじゃなけりゃ売れないし。だから金メダリスト」

この会話は、ある意味でひとつの真相を突いているのではないかと思います。マスメディアに乗る情報は、大抵の場合「数字」、つまり売り上げや視聴率などに囚われています。ですから、そこに「本当に役に立つ、使える情報」があるかどうかではなく、人の目を惹くキャッチーな情報やブランドを散りばめて、最大公約数的なそこそこの満足感を与えられるものが「勝ち」であり、そんなエンターテインメント性が不可欠なのです。

どんなに良いものでも、売れなければ「負け」です。そんなわけで、マスメディアでは「首都圏震度7」「津波高34m」や「死者32万人」などという情報を、その内容よりも単なるアイキャッチとして、一人歩きさせているわけです。さらに、誰もが言う内容でも、ナントカ「教授」とかが言うと妙に納得させられたりもしますから、変に肩書きを強調したりもします。

一方その対極にあるのが学術書などで、エンターテインメント性はゼロ。内容はとことん深いものの、深すぎて一般生活の場面では応用しずらく、それ以前に専門的すぎて、一般人には理解不能なことも多々あります。何より、面白くも何ともない。しかもその範囲は細分化されており、広範な情報が必要な一般生活に、あまねく役立つものでもありません。

そこで求められるのが、「本当に必要なことを横断的に、誰にでもわかりやすく」網羅した情報です。こと人の生命に関わる災害対策情報に関しては、それが必要なのです。本を読んで泳げるようになれなくても、せいぜい本代を損するくらいなものですが、誤っていたり不十分な災害対策で満足していては、生き残れません。

管理人は、中学生の頃から自然災害や防災、そしてサバイバルに興味を持ち、長年に渡って様々な情報を見てきました。その結果、時代による変化は多少あるものの、「本当に役に立つ体系的な防災情報」はいつの時代も、そして現在もごく少ないと痛感しています。当ブログは、そんな状況に一矢を報いるつもりで始めた、管理人のチャレンジでもあります。

これから始める「対災害アクションマニュアル」は、その最初の集大成のつもりです。言うまでも無く一銭の儲けにもなりませんが、この情報を利用していただいた皆様が災害に対して「強く」なって欲しい、そしてひとりでも多く、大災害から「生き残って」欲しい、その想いだけで取り組んで行きます。

それでは、始めます。

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2012年9月 7日 (金)

【予想の地震は起きたのか?】宏観現象による地震警戒情報【9/7まとめ】

9/1に今回の地震警戒情報をアップし、7日目の今日が間もなく終わりますので、まとめをしてみたいと思います。

9/4の続報記事では、「現時点では予想に該当する地震は起きていない」とし、その後もそれらしい地震は発生していません。一方、予想期間中には茨城県北部及び茨城県(北部)沖を震源とする地震が数回発生していますが、これらの地震は震災後に地震が多発している震源域で発生しているものであり、過去にはその周辺の地震と千葉県北部の井戸の変化には特に相関が見られなかったため、今回も直接的には無関係であると考えています。

しかし、今回の井戸の変化が今までとは少し違ったものであり、その後に100km近く北方の茨城県北部での地震が比較的多く発生したということはひとつの事実として記録し、今後の推移を引き続き見守って行こうと思います。現時点では、絶対に無関係と言い切れるほどの確証は得られていません。

ところで、予想範囲内の地震は本当に発生していないのか、気象庁の発表データを改めて見直してみたところ、ひとつ見落としがあることがわかりました。

今回の警戒情報は、ブログ内に表示はありませんが、9月1日の午前11時39分にアップしました。
■9/1の記事はこちらから

その後管理人は完全に見落としていたのですが、実は記事アップから20分後の午前11時59分頃、茨城県南部、深さ50kmを震源とするマグニチュード3.1の地震が発生し、茨城県笠間市などで震度1を記録しています。

今回は井戸に現れた変化が過去に例の無いパターンと内容だったために、震源深さと震度は敢えて予想から外していましたが、この地震の発生時期、震央の位置、震源の深さは「いつも通り」のパターンで、規模のみ普段の変化時よりも小さな地震です。

この地震が、今回の予想の地震であるとは完全には言い切れない部分もありますが、時期と内容からすると、予想の地震である地震である可能性は高いと考えています。

今回現れた井戸の変化は、実は8月末頃から現れ始めていました。2~3日の間に短い間隔で水の匂い、浮遊物、砂の混入が断続的に認められていたとのことで、それが8月31日に、過去に例の無い、焦げ臭いような強い匂いに変化したとの情報をいただいたために、9月1日の午前中に警戒情報記事をアップしたものです。

その変化のパターンと匂いの種類が過去の経験則に当てはまらなかった訳なのですが、その変化内容と、9月1日に予想震源域で震度1クラスが発生したという事実も記録し、今後の予想に資するデータとしたいと思います。

今回はあまりすっきりしない形ではありますが、一応「予想の地震が起きた」としてよろしいかと思います。そのように考えれば、当ブログで予想した3回とも、「的中」したと言えます。もっとも、ここでやっているのは「予知ごっこ」ではなく、あくまで宏観現象の検証です。

少なくともこの井戸の変化に関しては、それを警戒情報のレベルにまで高め得る精度がありそうなことがはっきりして来たという事が言えるのでは無いかと、管理人は考えています。今後も、情報がありましたら、引き続き公開、検証をして参ります。

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新シリーズのおしらせ

いつもご愛読ありがとうございます。新シリーズのお知らせです。

先に、次回シリーズは様々な状況からの脱出の仕方をまとめた「脱出せよ!」を始めると案内させていただきましたが、少し変更させていただきます。

今年1月の当ブログ開始以来、様々な災害対策をシリーズでお知らせして来ましたが、ふと気が付くと、関連する情報があちこちにバラけてしまっている部分が増えてしまい、「さあ、これから対策を始めよう」という時に、どこから見たら良いのか、何から始めたら良いのか、わかりづらくなってきてしまいました。

そこで、【災害対策マニュアル】と題した新カテゴリーを作成し、個人で行うべき災害対策をシリーズ化することにしました。「生き残る」ために必要な対策を、優先順位の高いから順次アップして行きますので、記事の順番通りにご覧いただければ、効果的に新たな対策を進めたり、既存の対策のチェックするためにご利用いただけるかと思います。

「脱出せよ!」は、その中のひとつの章として基本的な部分をお送りしながら、様々なケースにおける事例を、特集記事の形で並行してお送りして行こうと考えております。

基本的には、一冊の本を書き上げるつもりで臨みます。「本当に必要な災害対策」をまとめて行きますので、どうぞご期待ください。間もなく、スタートです。


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2012年9月 4日 (火)

管理人ひとりごと9/4

管理人のひとりごとです。

最近、おかげさまで当ブログのアクセス数が急上昇しています。ご愛読いただいている皆様に、まずは御礼申し上げます。

そこで、管理人は思うわけです。何故なんだろうな、と。内容についてのご支持をいただけているとは思うのですが、それだけでこんなに急に増えるものだろうか、とも。そこで、ご愛読いただいている皆様に、ちょっとお伺いしたいのです。あなたは、どこで当ブログの存在をお知りになられたのでしょうか?

どこかで話題にでもなっていれば嬉しいのですが(笑)、管理人にはそれが全く見えていません。アクセス解析を見ても、リンク元にはブログ内のページが並ぶだけで、外部のリンク元はあまり表示されません。それも、いつも大体同じポータルサイトですし。

キーワード検索によるアクセスもこのところ急増していますが、これは「防災の日」に絡んで、防災情報への需要が増えたためだと考えております。でも、それだけでは説明しきれないほどの急増です。いや、ほんとありがたいのではありますが。

よろしければ、あなたが当ブログをお知りになった理由をコメント欄か、もしくはメールでこっそり(笑)教えていただければ嬉しいなと思っております。「どこどこで見たよ」とか、一言でかまいません。ちょっと教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。


もうひとつ。防災関係のお仕事や、防災士などのボランティアなどをされている読者の方で、当ブログの内容を参考にしていただけているようなケースがありましたら、もちろん詳細は結構なのですが、「こんな風に使っているよ」とか教えていただければ幸いです。

むしろ、詳しい方からの「この記事はおかしいだろう」というようなツッコミを歓迎したいくらいなのですが。当ブログはあくまで管理人の個人的知識と経験をベースにやっておりますので、これがマスターピースだとは思っておりません。多くの方から、広くご意見をいただきたいと思っております。

なお、プロフィールページにさりげなく書いておりますが、管理人は埼玉県登録の防災士です。当ブログの内容を、実際の防災啓蒙活動に役立てていただけけていれば、それは無上の喜びでもあります。

以上二点、お手すきの時にでも、一言で結構です。ちょっっと教えてください。よろしくお願いします。


それから、ちょっと前に予告した新シリーズ「脱出せよ!」ですが、少し落ち着いたら始めることにします。ちょっとバタついていますので。


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宏観情報による地震警戒情報【9/4続報他】

9月1日にアップした、千葉県北部の井戸に出た変化に伴う警戒情報に関する続報その他です。

本日9月4日午後1時の時点では、今回の変化に関連すると思われる地震は、発生していません。

近い場所の地震としては、「茨城県沖」を震源とする地震が、9月2日に震度3、3日に震度1、さらに本日4日に「茨城県北部」を震源として、震度2で発生しています。2日と3日の地震は、発震機構的には警戒すべき地震と同タイプの、震源が比較的深い「スラブ内地震」ですが、震央の位置は茨城県北部沖の海底であり、井戸の場所から100km近く北方ですので、現時点では直接の関係は無いものと判断しています。

しかし、このような距離でも影響が出る可能性も考慮し、井戸の変化との関連を引き続き注意深く見守っています。なお4日の震度2は、前記の地震と震央はごく近いものの、震源深さが10kmと浅いため、発震機構としては別物です。

今回井戸に現れた変化は、発生のパターンと水に出た臭いの種類が、過去に知る限りの経験則に当てはまらない部分が多いため、この変化が今までと違うタイプの地震の前兆なのか、それとも今回は地震の発生と関連が無いのかは、現時点では判断できません。

ただ、今回の井戸の変化の中に、経験則によると比較的大きな地震と関連がありそうな種類のものが、小規模ながら含まれていますので、引き続き警戒すべきだとは考えています。


なお、こういうことを書くと、何も起きなかった時の言い訳のための伏線を張っていると思われる向きもあるでしょうが、管理人は、山ほどあるエセ科学、オカルトブログのような「予知ごっこ」をしているわけではありません。あくまで、過去の実績から地震との関連が強いと思われる宏観現象の検証過程を公開しているだけですので、誤解の無きようにお願いいたします。

確実に地震を「予知」できる宏観現象が存在するのならば、はるか昔にその方法と理論が確立されているはずですが、残念ながらそのようなものは存在しません。ただ、ここで公開している井戸の変化については、管理人の考えでは「恐るべき精度」であり、警戒情報としても有用なレベルと判断し、公開しているものです。

そのような前提で、今後の情報をご覧いただければと思います。何か変化がありましたら、随時お知らせします。


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2012年9月 3日 (月)

続・「死者32万人」の読み方

8月31日にアップした『「32万人」の読み方』の続編です。前回は、あくまで発表された想定に沿いながらその内容を考えて見たのですが、今回は違った方向から。
■前記事はこちらから

「32万人」は、想定される最大級の南海トラフ地震が発生した場合の、最悪の想定死者数として発表されました。十分にインパクトの強い数字ですから、イメージとしては「そんなに犠牲者が出るかもしれないのか」という感じだと思います。

しかし逆の意味でも、これはあくまでも、ある条件下における「想定」に過ぎないのです。つまり、さらに多数の犠牲が出る可能性もあります。想定される南海トラフ地震では、関東から九州までの非常に広い範囲に被害が及びますが、それぞれの予想被災地域の条件は多種多様であり、もちろんそれらが十分に考慮された数字とは言え、すべての危険要素を完全に網羅し切ったものではありません。

例えば、首都直下型地震に関する想定では死者数が11000人とされていますが、その中には、650万人に上るとされる帰宅困難者が、余震や火災の拡大などで二次的に犠牲になる数は含まれていません。何故なら、それは「想定のしようがない」からです。前提となる条件があまりにも多岐に渡り、しかも過去の「実績」が無いために、統計的手法で算出することができないのです。

南海トラフ地震の想定にも、それは当てはまります。大災害における複合的な不確定要素が悪い方に傾いた場合、被害はさらに拡大する可能性があるのです。もちろん、その逆もあります。最悪の規模の地震や津波が起きても、想定より少ない被害で食い止められる可能性です。いずれにしろ、「32万人」という数字だけをひとり歩きさせるべきではありません。それはあくまでひとつの指標に過ぎないのです。

当ブログでは、何度か「大災害下では、人間の命など確率の前にひざまづかされる数字に過ぎない」という表現をしました。しかし我々は、ただの数字では無い。「意志を持った数字」なのです。自分や大切な人の命を守るために、能動的に行動することができます。

人間が左右できない要素については、その帰趨はまさに「神のみぞ知る」ことです。極端に悪い状況の中では、手の打ちようも無いこともあるでしょう。でも、すべての場所がそうなる訳ではありません。少しでも「生き残る」ための選択肢が残されている状況では、それを見抜く知識を持ち、正しくて効果的な行動ができ、有効な装備を備えているかどうかで、運命を変えられる可能性が生まれて来ます。

語弊を承知で敢えて乱暴な言い方をすれば、周りで何万人も犠牲になろうとも、あなたが生き残ればそれでいい。もちろんそれは他の犠牲をいとわずに他人を蹴落としてでも生き残れということでは無く、あなた自身が地獄の中で一筋の光明を見いだし、自らその明かりへ向かうための「正しい力」を身につけよということです。混乱と恐怖の中で右往左往するだけの群衆から抜け出し、意志と目的を持って行動する、人としての尊厳を保った存在になっていただきたい。

さらにきれいごと抜きで言えば、他を救うための行動は、「使命」か「余裕」がある場合だけです。「使命」のためには、命を賭さなければならないこともあります。しかしその必要が無く、しかも「余裕」が無いのならば、まずあなた自身が生き残らなければ、他を救うこともできません。そしてその「余裕」を生むのが、普段から正しい知識を得て、正しい行動を知り、正しい備えをすること、それ以外にはありません。

正しい知識を得るとは、「本当に必要な情報を吟味する」、「正しくない知識を排除する」ということと同義でもあります。例えば、野球が上手くなりたいのなら、野球選手のゴシップなど知っている必要はありませんし、「練習中に水を飲んだらバテる」(管理人はその世代の人間です)というような誤りを排除しなければならないということです。

しかし、現実には災害に関してもゴシップに類するようなものや、明らかな誤りや不十分な知識の方が、はるかに人気があるようです。オカルトやエセ科学、根拠も実績も無い「予知」など言うに及ばず、「32万人」にしても、ただその数字だけで騒ぐのならば、ゴシップ情報に等しいものに貶められます。

そのような不良情報のカオスの中から、本当に必要な情報を見いだし、それを正しく身につけること。大災害から「生き残る」確率を上げるには、それしかありません。当ブログをご愛読いただいている皆様はそんなこと百も承知で、日々災害対策をお考えかと信じておりますが。

最後に、敢えて極論しましょう。想定死者数が32万人だろうと100万人だろうと(早くも一部に350万人とかの煽りも出てきていますが)、そんなことはどうでも良いのです。あなたの居場所で何が起きて、その時何ができて、あなたはどうするか。知るべきなのは、それだけです。

「生き残る」ために、あなたは何をしていますか?

【追記】最近、当ブログをご覧いただいた皆様へ。
当ブログでは、管理人が吟味し、できるだけ実践してきた様々な災害対策をシリーズ記事でお送りしております。決して少なくない分量ですが、是非過去にさかのぼってご覧ください。記事は、内容ごとにカテゴリー分けしてあります。

また、ご覧いただいた上でのご意見、ご感想などを頂戴できれば幸いです。各記事のコメント欄か、管理人宛メールにてお願いします。メールは、PC・スマホからは左サイドバー一番下の「メール送信」から、携帯電話からは
smc-dpl@mbr.nifty.com
までお願いします。

なお、当ブログの内容を他所に引用していただいたり、リンクしていただくのはご自由ですが、その場合は管理人宛にメールでご一報いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。


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お薦め書籍のごあんない

管理人お薦めの書籍を紹介させていただきます。

それは「Newton臨時増刊 首都直下型震度7 大災害予測」(画像)
㈱ニュートンプレス刊、価格800円(税込)
Photo

最近、何かとこの手の書籍を書店やコンビニで見かけますが、はっきり言ってほとんどがインパクト優先で、やたらと被害想定や災害メカニズムを喧伝するばかりで、「生き残る」ために役立つ情報はあまり無いのが現実です。

管理人はそんな本を見つけるたびに購入し、いろいろ見てはいるのですが、どれも「?」がつくものばかり。一番腹立ったのが、タイトル「震度8の真実!」と言う奴。内容以前に、あんたらそこまでして売りたいか?いいかげんにせえよ、徳間書店。内容も、まあその程度ですよ。やたらと恐怖を煽るようなね。

でも、中には良いものもあります。その筆頭が、今回のお薦め。管理人はよく、災害対策の基本を「そこで何が起きるかを知り、どうするかを考える」と表現しますが、その「何が起きるかを知る」部分に関して、この本を超えるものはおそらく無いでしょう。さすがサイエンスマガジンと言える内容です。但し残念なことに、一番お薦めしたい部分が、東京23区限定の内容なのですが。

前半部は、大都市を巨大地震が襲った場合に起こることを、多くのデータ、実験の結果を踏まえて、わかりやすいビジュアルで解説しています。この辺がNewtonの真骨頂という感じで、恐怖を煽るようなことは一切無く、あくまで科学的に、淡々と解説してくれます。管理人としては、その方が災害の恐怖をよりリアルに感じられますね。

そしてさらに秀逸なのが後半。東京23区の災害危険度を、ひとつの区に見開き2ページを割いて、詳細に図示しています。そこからわかるのは、丁目ごとの建物倒壊危険度と火災危険度と、それらを合わせた総合危険度、地盤の液状化危険地域です。

さらにその地図中には、広域避難場所、災害拠点病院、救急指定病院、避難所、帰宅困難者支援施設、給水所、区役所、消防署、警察署が表示されています。この地図はかなり使えますよ。実に手間のかかった、本当に必要な情報が詰まった内容です。

この一冊で、巨大地震時に東京23区で「何が起きるか」は、すべてわかると言っても過言ではありません。必要な情報が、必要なレベルで十分に網羅されています。東京23区にお住まいの方、または通っている方には、管理人から絶対のお薦めです。

まず、この本で「何が起きるか」を知ったら、「どうするか」については、ぜひ当ブログの過去記事をご利用ください。必要なことは網羅してありますし、今後もさらに充実させて行きます。


最後に、念のため附記します。これはあくまで管理人の個人的な見解によるお勧めであり、発行者や監修者などとの一切の関係はありません。管理人は自らの信念とプライドに賭けて、良くないと思うものは絶対にお薦めしたりしません。良いものだけを良いと言うことをお約束します。


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2012年9月 1日 (土)

宏観現象による地震警戒情報【9/1】

千葉県北部の、協力者様宅の井戸に変化が出ました。

数日前から出ていた水の匂いが急に強くなり、炭を焦がすような、過去に例の無い匂いになっているとのことです。このため、地震警戒情報をアップします。

なお、今回は通常の場合と様子が異なり、過去の経験則に当てはまらない部分がありますので、予想内容をあまり絞り込まず、下記の通りとします。

■予想発生場所
茨城県南部および千葉県北部とその周辺
■予想発生時期
本日から7日間程度の間
■予想震源深さ
予想せず
■予想規模
予想せず

もちろん、上記予想以外となる可能性や、該当する地震が起こらない可能性もあります。しかし、今回の変化自体は比較的大きなもののようですので、当面の間、警戒をしてください。

続報等がありましたら、お知らせします。

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お笑いと怒りの「防災の日」

今日は「防災の日」。大正12年(1923年)の今日、いわゆる関東大震災が発生し、11万人以上とも言われる犠牲者が出た日です。まずは、不遇の死を遂げた犠牲者のご冥福をお祈りします。

この地震は、相模湾東部の海底が震源でした。東京の被害ばかりが大きく取り上げられますが、横浜の方が揺れが強く、さらに街区の約半分が焼失しました。いちばん揺れが強かったのは、当時は小さな漁村だった小田原付近で、木造の集落は完全に壊滅しました。さらに、三浦半島、湘南海岸などを津波が襲い、沿岸部は壊滅しました。

そんな日にどうかとは思いますが、今日は「お笑い」レベルのお話です。いえ、お笑いを低レベルと言っているのでは決してありませんが。

近年はエコカーブームです。あるエコカーは、ガソリン1リッターで38km走るとカタログに謳っています。でも、全く同じ車が、米国では1リッターで20kmとなっているのです。これは、米国ではカタログデータ通りの性能が無いと、すぐに誇大広告として訴訟を起こされるからなんですね。だから実用燃費で表示されます。日本では、カタログデータが38kmなら、まあ実際には20km走ればいいかな、くらいの曖昧さが許容されているわけです。

一方、防災の話。世に防災の「専門家」は数多いますが、当ブログでも何度も指摘している通り、皆それぞれ言うことがマチマチで、明らかな誤りや机上の空論がまかり通っています。でも、それが表立って批判されることもなく、しっかり「次の仕事」をしているんですね。ある意味で、言いたい放題です。生命に関わる危険がある誤りを撒き散らしても、べつに何のお咎めがあるわけでもなく。つまり防災の「専門家」が言うことなど、車の燃費みたいなものなんですね。まあ、話半分に聞いておけばいいかな、くらいで。その程度に思われているから、批判も無い。

でも、車の燃費が悪かったらお金が減るだけの話ですが、災害対策の誤りは、生命と財産を失うことに直結するのですが。

昨日8月31日、管理人は出先で大手全国紙を読んでいました。すると、見開き4ページにも渡る防災特集が。監修したのはテレビでも良く顔を見る、防災アドバイザーだかジャーナリストだか(忘れた)です。もう結構なお歳という感じです。記事を読んでいて、管理人はだんだん、竹中直人のような「笑いながら怒る人」に変化して行ったのです。なんだこの内容は。ほとんど漫才のネタになるぞ。こんな内容で、防災特集だと?笑わせるな。でも、ツッコミのネタとしては、かなり笑える。中でもいちばん怒りと笑いを誘ったのは、以下の内容。

どうやら、外出時には「三種の神器」を必ず持っていけと言うことらしいのです。三種の神器その一は、「ペットボトルの水」。まあこれ自体はいいでしょう。でも、500ccのペットボトルは500グラムあって、あの容積のものを常時バッグに入れておくのは、特に女性にはかなりの負担です。普通のハンドバックには入らないし。まあそんな事は考えていないのでしょうね。なんたって神器ですから。

さらにこう続きます。飲んでカラになったペットボトルも、常時持っていろと。は?という感じ。なぜなら災害時に水を汲む容器になるからとか。そのために、いつもカラボトルですか?第一、災害時は飲める水を確保できないのが最大の問題じゃないですか?それにカラのペットボトルなど、コンビニや自販機の横でいくらでもうなってますがね。これって、ボケですか?

ところが、次はさらに破壊力を増すのです。三種の神器その二は、「携帯電話」(!)そんなもの、言われなくてもだれでも持ってますがな。そしてその理由が振るってます。「災害時に連絡を取るため」だと(笑)災害時に携帯通じりゃ誰も苦労せんて!充電器や予備電池持ってろというのとは次元が違う、ミラクルワールドに入って来ましたな。

そして究極の、その三。ちなみに、これは「必須」だそうですよ。それは「コンパス」。方位磁石です。理由を見て、怒りを通り越して、なんだかうれしくなって来ました(笑)管理人の大好物、究極の「机上の空論」の登場です。なんとコンパスを持つ理由は、大地震の後は、建物が倒壊したりして見慣れたランドマークが無くなるので、帰宅方向がわからなくなるから、だそうでございます!野山を分け入る訳じゃなし、周りに人もいるし、でもコンパスが「必須」なんだそうで。

このお方、一体どんな状況を想像しているのでしょうか。ここで、一枚の写真をご覧いただきましょう。
Photo
これは、管理人が福島県南相馬市の津波被災地でボランティア活動中に撮影したものですが、津波によってほとんどの地物が失われ、現在地が良くわからなくなったので、地元の消防団員に場所を聞いているところです。でも、こんな風に指さされても、その先に瓦礫と海しか無いのですから、なんだか良くわかりません。それでも道路はあるわけで、ある程度の場所は把握できるのです。こんな場所でも、コンパスなど要りません。

このお方は、「防災の権威」らしいけど、少なくともこんな最前線に行ったことなど無いか、運転手つきの車で移動しただけなんでしょうね。第一、コンパス以前に、自分の居場所からの帰宅方位をどうやって把握するのでしょうか。その前に地図だろうって。それに、方位がわかっても、道は決してその方角に向かうだけではありませんから、それをたどるのが難しいわけです。だれでもいきなりできるわけじゃない。このお方、絶対オリエンテーリングとかやったこと無いのでしょうね。どうも広大な野山をまっすぐ進むような想像をされているらしい。

その程度の「想像の産物」を、「必須」とか言って全国紙の特集に堂々と書く勇気は、管理人にはありませんね。(もちろん声もかからないけど笑)まあ、だれが見ても「?」な内容ですから、見た人は皆、こう思うでしょう。
「防災の専門家って、この程度なんだな・・・」
これでは、防災屋はいつまで経っても、車の燃費程度の扱いでしょうね。「頭から信用したら、バカみるぞ。文句言っても無駄だし」と。

その他にも、いろいろツッコミどころ満載ではありましたが、この辺にしておきましょう。でも、管理人はとにかく本気で頭に来ています。自分が一所懸命やっていることを、汚されているに等しい。だから、正式に抗議を行います。こちらがいちブロガーだからと言ってナメずに、誠意ある対応をお願いしますよ。読売新聞と渡辺さん!

結果は当ブログで報告します。


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津波注意報解除

9月1日、午前0時10分気象庁発表。

発表されていたすべての津波注意報は解除されました。何も起きなくて幸いでした。

「防災の日」9月1日は、なんとも騒がしく幕を開けたという感じです。今日は防災訓練が行われるところも多いでしょうに、深夜まで警戒されていた警察、消防、自治体など関係者の皆様、お疲れ様でした。訓練に備えて、お休みになってください。

でも、そういう訳にも行かないんですよね。大規模訓練だと準備が朝までかかったり。本当にお疲れ様です。


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フィリピン地震・津波続報

昨日8月31日、午後9時48分頃にフィリピン諸島東方沖海底で発生した地震は、昨日23時41分の気象庁発表によると、地震の規模がマグニチュード7.9から、7.6に修正されました。

また、フィリピンのレガスピ検潮所で、高さ0.03mつまり3cmの津波を観測との発表もありました。幸いなことに、それほど大きな津波は発生していないようです。

津波注意報対象地域沿岸部の皆様は、引き続き津波情報に注意し、念のため津波注意報解除までは警戒を続けてください。

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