台風17号接近
台風17号が、本州に上陸する確率が高くなってきました。30日午前11時45分の時点でも、中心気圧950ヘクトパスカルという「強い」勢力を維持しています。予想進路の海水温がかなり高めであり、台風のエネルギーとなる水蒸気の供給が活発に行われると思われることから、この程度の勢力を保ったまま、本州に接近するものと思われます。
この台風は、中心付近の最大風速が秒速40メートル、瞬間最大風速が秒速60メートルに達し、それほど大きな雨雲を伴っていないことから、どちらかといえば「風台風」の傾向があります。移動速度は現時点で時速45キロメートルとかなり速めで、今後偏西風の影響でさらに加速すると思われます。
これらのことから予想されることは、台風の接近に伴い、急激に風と雨が強くなることです。
台風が接近、通過する地域では、無用な外出を控えてください。強風の中では、何が飛んでくるかわかりません。万一、風や飛来物で窓ガラスが割れるような被害に備え、強風下では窓に近づかず、応急処置用にブルーシートやロープなど、屋外作業用のレインウェア、ゴム長靴、ヘルメットの用意をお勧めします。まだ間に合います。なお、ガムテープは貼る前に濡れると貼りつきませんから、屋内以外には使えません。
台風の予想進路の海岸部では、潮位が普段より高い大潮の時期であり、気圧の低下、強い海風による高潮の被害も予想されます。暴風雨が来る前に、建物の浸水対策を行ってください。低地にお住まいの方は、貴重品を上階に上げ、穏やかなうちに安全な場所に避難してください。
特に海岸部では、強い風で車が吹き飛ばされる恐れがあります。風を受ける面積の広いミニバン、パネルトラック、バスなどは特に危険です。台風の接近中は、さえぎるものの無い場所を車で走ることは危険です。また、高速道路や橋の上も、同様の危険があります。
河川の上流部沿いや山間など、土砂災害が予想される地域の方は、対策はひとつです。穏やかなうちに、安全な場所に避難してください。「過去に何も無かったから大丈夫」とか、「様子を見る」という発想は捨ててください。気象状況は既に過去とは違い、急速に「過激」になっています。また、様子を見ていて危険を感じる段階には、すでに周囲は暴風雨です。避難行動自体が危険になります。お年寄りやお子さん、身体の不自由な方は、特に早めの避難が必要です。
また、自分の居場所が比較的穏やかでも、上流部で土砂崩れや地すべりが発生すれば、何の前触れも無く土石流に襲われることもあります。そうなってからでは、為すすべはありません。
山間部にお住まいの方だけでなく、旅行で訪れている方も同様です。少しでも危険を感じたら、ためらわずに地元の方や自治体から情報を得て、安全な場所に避難してください。もし危険場所に留まる場合は、必ず建物の2階以上にいてください。土石流や土砂崩れ、地すべり災害の場合、土砂が流れ込む建物の1階で犠牲者が出ることが非常に多いのです。
ある程度「慣れっこ」になってしまっている台風ですが、「もう昔とは違う」ということを肝に銘じてください。昔と変わらないのは「後悔先に立たず」ということです。無駄足を恐れずに、穏やかなうちに対策と避難を完了してください。
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