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2012年10月 1日 (月)

オプションを用意せよ【対災害アクションマニュアル 09】

■第1章 危険を知れ(その8)【オプションを用意せよ】

前回記事を動画をご覧になって、いかがだったでしょうか。あれはあくまでざっくりと危険要素を指摘しただけで、実際に徒歩で避難する際には、さらに細かい危険がたくさんあるわけです。

揺れている最中の危険はもちろん、あのような「木密地域」では一軒の家の倒壊や出火、電柱などの倒壊で、いとも簡単に道路が通行不能になることもおわかりいただけたと思います。下画像は、阪神・淡路大震災における、木密地域の被害状況です。
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阪神・淡路大震災で焼け野原となった神戸市長田区は、まさにあのような「木密地域」だったのです。下画像は、管理人が撮影した、最近の長田区市街です。道路は昔通り細いままですが、建物がすべて新しくなっていることが、あの時「全滅」したことを、無言のうちに伝えています。
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大地震の時、かつての神戸市長田区のような、そして現在も各地に点在する大規模な木密地域にあなたがいたら、そして炎や瓦礫に行く手をふさがれたら、どうしますか。非常に厳しい状況です。


そこで「生き残る」確率を上げるために必要なことは、ただひとつ。それは「オプション」、つまり選択肢の存在です。これがダメならあれ、あれがダメならその次というように、できるだけ多くのバックアップ手段を持っているかどうかが、避難行動の速度と確実性を大きく変えるのです。

具体的には、複数の避難経路を事前に設定・調査し、その優先順位を決めておくことが必要です。そしてそのためには自分の目で見て、自分の足で歩き、自分の頭で考えなければなりません。これはあらゆる危険地帯に住んでいる場合や良く行く場所においてはもちろん、初めて行く場所でも、建物の中でも、常に「その時何が起こるか、その時どうするか」という視点で周囲をチェックするのです。

いくら防災本を読んでも、帰宅支援地図を見ても、あなたの身体に直接危害を及ぼす危険要素や、目的の行動ができなかった時のオプション手段はわかりません。そんな「机上の情報」だけで安心していませんか?そこではあなた自身が実際に行う事前行動によって得られた情報が必要不可欠であり、そんな情報を得るために行動が、管理人の言う「フィールドワーク」なのです。

そして、その「フィールドワーク」こそが、地震災害において最も危険度が高い、最初の1分から数時間の間を「生き残る」ために、最も効果的な備えだということに疑いはありません。

動画の最後に入れた「あなた自身の意識と備えで、生き残れ。」という言葉は、そんなメッセージを込めています。
次回は、実際のフィールドワークの際に参考となる、チェックリストをお送りします。

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