【茨城県南部発震】臨時地震警戒情報【10/31】
本日10月31日、午後3時50分頃、茨城県南部の深さ50kmを震源するマグニチュード4.4の地震が発生し、茨城県水戸市などで最大震度3を記録しました。
この地震の震央は茨城県南部の埼玉・栃木県境寄りで(下図の黄色×印)、オレンジ色で示した茨城県南部などの震源域の中でも、ここ1ヶ月ほどの間は最も活発な活動が見られている場所です。また、同震源域内の霞ヶ浦周辺や、千葉県北東、北西部に比べて、大きめの地震が起きる傾向が見られます。
この地震は最大震度3ではありましたが、関東南部ではゆらゆらという感じではなく、一瞬ぐわっと振り回されるような、周期が短くて速度の速い横揺れを感じられた方も多いのではないでしょうか。
実は、あれが内陸直下型地震に特有の、周期1~2秒の通称「キラーパルス」です。管理人は埼玉県南部のファミレスにいましたが、店内の客の多くが「あ、地震!」と声を上げ、一部の客は椅子から腰を浮かせかけました。ゆらゆらとした長周期の震度3程度ならば、気づかない人も多いくらいなのですが。
そんな揺れを感じられた方は、想像してみてください。あれが震度6クラス以上で発生したらどうなるか。阪神・淡路大震災では、あのような揺れで震度7を記録しました。「キラーパルス」は低層建物に最も大きな破壊力をもたらしますが、建物が揺れに耐えても固定していない家具類はすぐに倒れ、人は床の上に四つんばいになることすら難しいということがおわかりいだだけるかと思います。
東日本大震災では宮城県栗原市で震度7を記録しましたが、震源との距離が比較的開いていたためと、震源域が非常に広かったために震動周期が比較的長くなり、震度の割には建物への被害は少なく済みました。地震は、震源との距離が長いほど、そして震源域が広くなるほど震動周期が長くなり、揺れの持続時間も長くなるという性質があるのです。
今震災では、震央から約400km離れた東京都内では震度5強の長周期地震動で高層ビルが肉眼でわかるほど大きく揺れ、約1000km離れた大阪市内では震度3だったものの、それでも高層ビルが大きく揺れたのは、そのような理由です。
さておき、今日の地震からしても、やはり茨城県南部を中心とする震源域は、現在多発している震源域の中でも最も警戒を要する場所であり、その中でも特に、今日の震源でもある埼玉・栃木県境寄りの場所が危険であると、管理人は考えています。
その他の震源域でも、宮城県沖(上図のピンク色)は相変わらず1日1回以上、茨城・福島県沖(上図の黄色)も同じくらいの頻度で発生しています。茨城・福島県沖では、ここ1週間程度の間に深さ20kmという浅めの発震が増える傾向が見られます。茨城県北部(上図の緑)は少し落ち着いて来ているようですが、いずれまたぶり返すものと管理人は考えています。千葉県北東沖(上図の青)は、かなり落ち着いています。現在の多発震源域から外しても良いかとも思いますが、いましばらく様子を見てみたいと思います。
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