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2012年11月13日 (火)

管理人ひとりごとスペシャル【11/13】

何がスペシャルかなんですが(笑)、今回管理人は、ここでひとつカミングアウトをしたいと思います。なぜ今かという理由は特に無いのですが。

あの2011年3月11日、実は管理人は日本にいませんでした。ですから、本来なら東京都内か埼玉南部で遭遇していたはずの、震度5強の揺れも実際には経験していません。ずっと昔から防災に関心を持ってきたのに、まさに「その時」にいなかった。それが気持ちの上でかなり負い目になっているのは確かです。海外にいたから、怖い目に遭わなくて済んだという発想は全くありません。

当ブログの内容からもおわかりいただけると思いますが、管理人は基本的に「現場主義」です。机上だけの理屈では役に立たない、とにかく現場に立って自分の身体感覚にまで落としこまなければ、実際には使えないと防災に限らず考えていますから、多くの人が経験した大地震を、自分の身体感覚で測れていないということが負い目なのです。

皆が「怖かった」と言います。「身体が動かなかった」、「死ぬかと思った」とも聞きます。ではどのように怖くて、どのように身体が固まって、何ができて、何ができなかったのか。その実感は、管理人の中にはありません。さらに、初めて大規模に発生した長周期地震動とはどんな感じで、さらにそれに短周期地震度が混ざった揺れとは実際にはどう感じるものなのかは、いくら話を聞いても実感することはできません。

帰国後、福島でボランティアをやっている時に直下型の震度5弱を経験しましたが、それは規模的にもメカニズム的にも震災本震とは全く別物であり、ある意味で、「想定の範囲内」でした。

しかしそんな負い目が、その後のボランティア活動や被災地支援、ひいては当ブログの誕生のための大きなモチベーションになっているのは確かです。管理人は、常に「本当のことを見たい、本当のことを伝えたい」と、強く願っています。

もっとも、それも管理人が関東の人間だからであって、もし東北の住人で、海外に行っている間に故郷が壊滅し、家族や知人が亡くなったとしたら、一体どう感じるのかはわかりません。でも、そこにいたら自分の命も無かったかもしれないとしても、自分がいても家族を助けられなかったとしても、管理人は「現場にいなかった」ことを、いろいろな意味で悔やむことだけは確かでしょう。実際に被災地に入っても、「あとから来て一体何がわかるんだ」という悔しさのようなものは、常に感じています。


ところでその時管理人はどこにいたかというと、米国のワシントンD.C.にいました。なぜそこにいたかということに、ちょっと手前味噌になりますが触れておきます。

管理人は、米国のドキュメンタリー専門TV局「ディスカバリーチャンネル」の大ファンでありまして、ここ数年、テレビはほとんどNHKとディスカバリーチャンネルしか視ていません。一部のエンタメ番組を除き、民放は全然興味が無くなりました。

そのディスカバリーチャンネルでは、2010年から11年にかけて、番組レビューを書いて一定数以上投稿するといろいろなインセンティブがもらえるキャンペーンを行っていました。その最高賞が、ディスカバリーチャンネル本社とワシントンD.C.旅行招待だったのです。

管理人は、本気で狙いに行きました。何故なら、ワシントンD.C.の博物館群を見るのが、昔からの夢だったからです。そしておかげさまで最多レビュアーとなり、招待を受けたのでした。そして本社訪問の日付が、3月11日だったのです。画像はメリーランド州シルバースプリングのディスカバリーチャンネル本社です。
Washington_179
Washington_180

震災当日、現地では10日の晩ですが、現地のホテルで家族からのメールを受け、すぐにCNNをつけました。ちなみに、関東・東北地方が大規模な通信障害に陥っている最中でも、日米間のメールも電話も全く問題なく使えました。もちろん系統が全く別のせいですが、こんな経験からも、可能であれば海外経由で被災地と連絡を取る方法もあるのだということを、以前にちょっと書いています。海外にいる人に、情報を中継してもらうわけです。

物理的に情報インフラが破壊されていては仕方ありませんが、通信トラフィックの集中による規制のために通信できないのなら、迂回すれば良いのです。被災地からの発信は比較的容易なので、国内の遠隔地を情報集約拠点としておいても、かなり効果的です。実際に、都内対他地方の通信がほとんど途絶していた中で、都内にいた家族の無事を遠隔地の実家に知らせたのは、米国にいた管理人でした。


CNNでは震災報道特別番組が始まっています。FOXでもやっていましたが、なぜかABCは通常編成です。驚いたことに、米国でもNHKワールドなどの映像を使い、ほとんどリアルタイムで震災報道が流れています。ライブ映像もありました。

はるか海外で、自分の国が「壊れていく」映像を何もできずにただ見続けるのは、それは異常な体験でした。あまりにも現実感が無くて、ただ呆然と画面を見ていることしかできませんでした。「祖国」という言葉を、これほど強く意識したことはありません。

現地のCNN報道特番を少し画面撮りしてありますので、Youtube動画でご覧ください。米国東部標準時間の3月11日午前5時35分過ぎ、日本時間では3月12日の午後2時35分過ぎ、つまり米国時間で発災から二日目の明け方の映像です。眠れずに、ただずっと見続けながらカメラを回しました。4分18秒です。
■Youtube動画はこちらから

そして3月13日、成田空港の閉鎖解除後の第一便で、しかも計画停電の混乱が始まる前日に、無事帰国できました。帰りの機内には予定通りに日本に向かう米国人も多くいました。急遽取材に向かうTV局のクルーもいます。しかし機内では、果たして成田からの電車は動いているのか?道路は走れるのか?余震はどれくら起きているのか?そして、原発はどうなっているのか?そんな情報はほとんどありませんでした。日本に着いたら一体何が待っているのだろう・・・。日本に近づくにつれて、皆だんだん無口になって行きました。

しかし結果的に、信じられないくらいスムーズに帰宅できました。大地震から二日後だというのに、本当にこの国は凄いと思いましたよ。街の様子も、普段とあまり変わっていないし。そしてその後の電力、物資不足と原発事故の影響は、管理人も皆様と同じ体験をすることになったわけです。


あくまで個人的な長話におつきあいいただき、ありがとうございました。


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コメント

ご無沙汰してます。
「CNNの映像はこちら」のリンク先がメールアドレスになってますので訂正をお願いします。

ディスカバリーチャンネルのそういうキャンペーンがあって日本人が招待されて行ってきたという話はどこかで聞いた記憶がありました。まさかそれがてばさんだったとは。しかも震災当日とは何とも不思議な縁?ですね。

勝手な想像ですが、「負い目」というのは少し違うかもしれませんね。前の記事にもお名前の出た都司さんは震災直後からNHKに出ておられましたが、津波の解説をしながら悲痛な呻き声をあげられてました。同時に実験が不可能な事象をリアルタイムで目にしていることへの興奮が明らかに感じられました。科学者として当然の反応であって批難するつもりは全くありません。テレビを通じてアレを見てしまった全ての人が興奮したはずですからそれを不謹慎!とかいう人は偽善者です。その興奮を声高に言い散らす人がいたらそれはどうかと思いますが。

もしてばさんが現場にいて生き残って何かが出来たとしても、何かが出来なかったことへの「負い目」は感じたはずです。自分も実家が混乱と恐怖の極限にあった時には散らばっている親戚たちの中継所としてあちこちに電話をかけまくりましたが、結局それしかできませんでした。今だにボランティアにも行けてません。それが自分の中でくすぶってます。どんな立場でも普通の日本人なら似たような感覚を持ってると思います。

以前mixiでも紹介させていただきましたが、
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1518.html
ここで紹介されている本がなかなかに凄いです。あちこちで紹介されてますし、自衛隊にスポットを当てた本ですので既にお読みになってるかもしれませんね。まだでしたら是非どうぞ。鳥肌ものです。外国には行ったことがありませんが日本人って凄い!と思いました。

>tntさん

お久しぶです。リンクミスのご指摘ありがとうございました。修正いたしました。

ええ、実は私だったんです。今でも、ディスカバリーのサイトでは、当時の番組の再放送時には、私の超マニアックな(笑)レビューを読んでいただけますよ。

レビュアーの上位ふた組、4人が招待されたのですが、実はディスカバリー本社は一昨年9月に立てこもり事件(SWATが突入して犯人を射殺)が発生し、セキュリティがとても強化されていて、訪問日程をかなり厳しく制限されたのです。招待しといて何だ、って話ですが、その辺は日米間でいろいろあったみたいです。そのために何度も調整して、やっと決まったのが3月11日で、それに合わせて旅行日程を決めました。まったく、皮肉なものです。

ですから、現地では日本が大変なことになっているのを知りながら、本社見学をしたんですね。むこうの人も当然、日本の状況は知っているのに、誰もそこに触れない。もう一組の方とも、敢えて話題にもしない。ちょっと異様ではありました。まあ、騒いでも何も出来ないのですけどね。

でも、その後行ったスミソニアン航空宇宙博物館では、職員からお悔やみの言葉をかけられました。うれしかったですよ。日本人も多く行く施設だからこそというのもありますけど、やはりね。その時点では、死者は数百人という情報しか持っていなかったのですが、私は数千以上の犠牲をほぼ確信していたのです。2010年のチリ地震津波時の避難実績などから、恐るべき数の犠牲が出ているはずだと。正直、考えたくなかったです。そして事実は想像をはるかに超えてしまいました。

遠くにいたから何もできなかったのですが、国内にいても、できたことは限られたでしょう。負い目というのも、要は自意識過剰なんでしょうね。そこにいれば、何かできたかもしれないという思い上がりなのかもしれません。あと、やはり真実をこの目で見たかった、身体で感じたかったというのはあります。防災屋なのに、みんな知っている恐怖を知らないのですから。なんだか、私が忌み嫌う机上の空論をほざいているような気にもなります。

都司さんですけど、あの方は悪い意味じゃなくて、真の地震ヲタなんですね。研究成果を発表する時の嬉しそうなことと言ったら。ある意味で、とても無邪気です。まあ私もヲタ気質ですから、その感覚はわかります。でも誤解されることも多いでしょうね。

講演でも、ふつう「大人」なら言えないような、それはマズイでしょうという発言が結構ありました。でもそこに悪意や作為は全く感じず、本当にそう思っているんだなというのが伝わってはきましたけど、アンチの人がいたら揚げ足を取られそうでハラハラしましたよ。本当に「学者」なんだな、という感じです。優れた学者って、たいてい浮世離れしているものですよね。

ご紹介の本、読んでみようと思います。でも、凄いのはわかってます。今震災で、日本の凄さを再認識しました。いろいろ文句は言われていますけど、被災地救援にしても原発対応にしても、日本だからここまでできるんです。このレベルは、世界中どこでも無理ですよ。

特に自衛隊の壮絶なまでの活動は、わかっているんです。元来持っている能力に、日本人としての気持ちが注ぎ込まれた活動が、どんなに凄まじく、どんなに感動的なものかは。涙なくしてはきっと読めないでしょう。私も自衛隊に知り合いもおりますし、いろいろ話も聞きます。この国が持つ能力は、本当にすばらしいですよ。


あの時海外にいたことで、日本の凄さをより強く感じられたということが、もしかしたらよかったことなのかもしれません。

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