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2012年11月24日 (土)

避難所の種類と危険【対災害アクションマニュアル 17】

■第1章 危険を知れ(その15) 【避難所の種類と危険】

今回は避難場所の種類と、それぞれにおける危険を考えます。前回記事の最後に「火災の危険」と書きましたが、それ以外の危険要素も含めるよう変更させていただきます。

まず最初は「一時(いっとき)避難場所」。住宅街の中のあまり大きくない公園、運動場や商業施設の駐車場、中小河川の河川敷などに設定されていることが多い避難場所です。

これは近隣の人々が発災直後の危険を避け、より安全な場所へ避難する前に集まるための場所です。その名の通り一時的な避難を想定している場所であり、特に都市部では、周囲の危険要素が最も多くなります。

市街地では、余震などによる近くの建物の倒壊、出火が最大の危険要素です。また、発災直後の混乱状態の中では、強い余震、近くの建物の倒壊や爆発などによってパニックが起きる可能性もあります。周囲の状況によっては避難場所に入りきらない数の人が殺到し、群衆が将棋倒しになったりする可能性もあります。

河川の下流域の避難場所では、発災後しばらくの間は津波の遡上を警戒しなければなりません。支流のような小さな川では堤防がコンクリート壁になっている場所もあり、一旦河川敷に降りたら、すぐに川から離れることが出来ない場所も少なくありません。

また、避難場所周囲に限らず発災直後の危険として、自動車の暴走があります。すべてのドライバーがすぐに車での移動をあきらめるとは思えず、さらに正常な判断力を失っているドライバーもいるかもしれません。

過去の地震災害では、家から飛び出した途端に車にひかれた実例はありますが、自動車の暴走による事故は知られていません。しかし絶対に起きないとはだれにも言えないのです。むしろ、起きて当然と考えておくべきでしょう。

このように「一時(いっとき)避難場所」やその周囲では、危険要素からあまり距離が無いことと、さらに発災直後の混乱による相乗的な危険が加わることが考えられます。


次に「広域避難所」です。これは大河川の広い河川敷、大きな公園、運動場、スタジアム、大規模商業施設など、広い範囲から数万人規模の避難者を受け入れられる避難場所です。

このような場所の多くは、一旦その中に入ってしまえば、しばらくの間はかなり安全ではあります。しかし、安心し切るわけには行きません。

そこでの危険は、まず河川敷における津波の危険が最大のものと言えるでしょう。過去記事でも書いた通り数十cmの冠水でも人は簡単に流され、そして高い確率でパニックを誘発します。誤報やデマによってもパニックが発生することも考えられます。

また、パニック状態にはならないまでも、屋外の場合は突然の強い雨でも、群衆はあわてて右往左往することになるでしょう。その中での事故は十分に考えられます。

さらに、特に夜間には水や食料、雨具、防寒具、お金などの盗難や強奪にも警戒が必要です。残念ながら、これは確実に起きるでしょう。災害時における日本人の我慢強さ、秩序正しさは間違いなく世界一ですが、すべての人が同じ感覚や考え方ではありません。過去の大災害時にも、このような事例は少なからず発生しています。ただ、ほとんど報道されないだけです。

その対処方法は、とにかく一人にならないこと。特に夜間は、周囲の人と協力して監視体制を作り、行動時は必ず複数で。特に女性はそうするべきです。物ならまだしも、身体に危険が及ぶことも現実問題として考えておかなければなりません。

このように多くの人が集まる場所では、人、群衆そのものが危険要素となるのです。特に災害下で不安心理が強い時には、普段は想像もつかないことが起こります。

もうひとつの危険は、やはり火災旋風です。これは周囲の状況に大きく左右されますが、周囲に大火災が迫って来たら、早い段階での移動も考えて準備しておかなければなりません。火災旋風が避難場所を襲ったら、多くの場合で手遅れなのです。屋内の施設では外の状況がわかりずらいので、意識して監視していなければなりません。

なお、屋外の避難場所に共通する危険として、地盤の液状化が上げられます。埋立地、河川敷やその周辺で起きやすい現象ですが、地盤の液状化は地震の揺れとほぼ同時に発生しますので、発震時にその場にいない限り直接的な危険は大きくはありません。

しかし、当てにしていた避難場所に入れなくなる可能性もありますから、事前にハザードマップで液状化危険地域を確認の上、液状化の危険が無いオプションの避難場所も選んでおく必要があります。

次回は、学校や体育館などの「避難所」の危険を考えます。

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