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2012年11月10日 (土)

津波防災講演会に参加しました

管理人は今日11月10日、皇居近くの一橋大学一橋講堂で開催された、気象庁主催の津波防災講演会「過去を知って未来に備える」に参加してきました。

内容は、テレビの天気予報でおなじみの気象予報士、木原実氏が軽妙に語る津波講談(お題はあの「稲むらの火)」、元東大地震研究所の都司嘉宣(つじよしのぶ)氏による、津波の科学的解説、気象庁職員永井章氏による、新しい津波警報システムについての解説でした。

管理人としては、中でも都司氏による講演に最大級の賛辞をお送りしたいと思います。過去に知られる限りの、文字通り全国津々浦々の津波被災地での詳細なフィールドワークと、歴史的資料の詳細な分析、伝承の聞き取りに基づく考察と今後の予想には、圧倒的な説得力がありました。実際に現場に出向いて事実を徹底的に調べて行くことで、遠い過去に起きたことも鮮明に浮かび上がって来る、その過程がまさに圧巻です。できることならそれだけを何時間でも聴きたいくらいです。

今講演の内容は、今後当ブログでも逐次反映させて行きたいと思いますが、とりあえず非常に重要な事実をふたつ、ここに記しておきたいと思います。


まず、超巨大地震の集中。20世紀中に発生したマグニチュード9以上の巨大地震は5回ありますが(一般には、人的被害がほとんど無かったアラスカとアリューシャン列島のM9地震が除外されていることがあります)、そのすべてがたった18年間という短い期間に集中しているという事実。100年のうちの18年間ですから、これは偶然ではありません。

しかしその理由は、現在の科学では判然としません。地球の自転速度の変化による影響など諸説ありますが、どれも仮説の域を出るものではありません。

そして21世紀。20世紀最後のマグニチュード9クラス、1964年のチリ地震(M9.5)から40年の空白を経て、2004年にスマトラ沖地震(M9.1)、そして7年後の2011年に東日本大震災(M9.0)が発生しました。過去の事実から考えればこれで終わりでは無く、「次」もそれほど遠く無いと考えるべきでしょう。今世紀の超巨大地震多発期は、既に始まっているのです。


もうひとつは、地震の連鎖。巨大地震が発生すると、その震源域外縁、つまり「となり」で被害が出るレベルの海溝型地震や内陸直下型地震が発生することが非常に多いのです。その期間は、原因となる地震から5年以内が圧倒的に多く、そしてその影響は10年は続くとされます。

東日本大震災の震源域に当てはめれば、本震直後の2011年3月12日の長野県栄村地震、3月16日の静岡県富士宮地震がそれに当たります。そして、今後誘発地震が発生する可能性が高い主な「となり」の震源域は、海底の場合は北海道の太平洋沿岸、青森県東方沖、房総半島東方沖です。このうち房総半島東方沖は、1677年にマグニチュード8クラスが発生して以来、330年以上沈黙している震源域です。

内陸の場合は東北地方の日本海側、北陸地方、そして関東地方南部です。もちろんここに挙げた場所だけに限定されるものではありませんが、大きな地震が誘発される可能性が高い場所であることは確かです。

東日本大震災から1年8ヶ月。いまだその影響のまっただ中にあるということを、改めて認識させられました。大地震と大津波への備えは、今まさに必要とされているのです。

最後に全く余談ながら、当ブログ読者の方で、この講演会に参加された方はいらっしゃいますでしょうか。質疑応答時間に、都司氏に二番目に質問した若い人のとなりにいた赤シャツが管理人です。いえ、たまたまそこにいただけなんですけど(笑)


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