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2012年11月26日 (月)

おすすめ書籍のごあんない【11/25】

管理人おすすめ書籍のごあんないです。

今回ご紹介する本は、なんだか他の防災系ブログでも取り上げられていたようですけど、内容については通り一遍の触れられ方ですね。こんな本がありますというだけで記事にするなら、誰でもできますが。当ブログで紹介させていただく本は、すべて管理人が自腹で購入した上で、良いと思ったものだけです。もちろん出版社、著者等とは一切の関係はありません。アフィリエイトもやってませんから、販売サイトへのリンクもありません。

さて、今回のおすすめはこちら。
Photo
「災害時 炊き出しマニュアル」 特定非営利活動法人キャンパー・一般社団法人日本調理科学会共著
東京法規出版 価格1600円(税込)

この本の情報量はすごいですよ。大きく二部構成になっていて、前半は二週間に及ぶ炊き出しメニューの実際。間食も含めたメニュー構成、栄養価、材料、調理法、調理時間割りなどが、マトリックス形式で掲載されています。

さらには被災地方別のメニューのアレンジまで網羅されていて、至れり尽くせりという感じです。ただ、メニュー構成を見た正直な感想は、「避難所の炊き出しでこんなにいいもの食べられるの?」

もちろん理想的な構成ということではありますが、このメニューは炊き出しだけでなく、平常時の食事にも普通に流用できます。使用食材の種類も多く、普通にスーパーで買い物ができるか、大型冷凍車で被災地入りすることを前提としているようなレベルですから、日々の献立に頭を悩ます皆様にもお勧めです。なにしろ炊き出しメニューですから栄養価が高く、バランスも良く、そして作るのが簡単なものばかりですし。

しかし前半部は、それなりに料理ができる方でないと、誰でも実地ですぐに作れるという構成ではありません。作り方も書かれていますが、料理経験の無い方が本を見ながら作れるというレベルではないのです。日常的に料理をしている方には十分な情報量ですが、前半部は機材も人員もかなり揃い、経験もある集団が組織的に行う炊き出しのための情報と言って良いかと思います。


そして後半部が、この本の真骨頂と言えるかもしれません。ひとことで言えば「炊き出しのやりかたと注意点」です。混乱し、様々な制約があり、計画通りに事が進まないことが多い被災地において、どのように被災者を満足させる炊き出しを遂行するか。

被災地で○○の炊き出しがありましたなどというニュースは、イメージ的にはほのぼの系なもので、自分たちもやってみたいと思われた方も多いでしょう。しかし、被災地での炊き出しというミッションは、とても過酷なものだと知るべきです。

少し例を挙げれば、まず衛生面。食中毒など絶対にあってはなりません。作る量や配膳量は、確実に全員に行き渡らせると同時に、大量に残らないようにコントロールしなければなりません。他のグループとバッティングして作り過ぎたりしないように調整も必要です。食材の保存、場所の設営、炊き出しの告知なども簡単ではありません。それに炊き出しメンバーは被災地に負担をかけないように、寝食から排泄まで自己完結しなければなりません。

そのようなことを、平常時のシステムが止まった被災地で確実に遂行するのがいかに困難か、この本を読んで知っておくのも良いでしょう。未経験の素人が、善意だけでいきなりやれる事では無いということがわかります。

私事で恐縮ですが、ちょっと管理人の過去(笑)に触れさせていただきますと、イベント業に携わっていたことがあります。限られた時間や条件の中で、同時進行的に大人数が動くだけでも緻密な計画と経験が必要すし、必ず何かイレギュラーが発生します。しかし遅れや、ましてや流れを止めることは許されない。しかも制約だらけの被災地となれば、その大変さはどれほどか。「誰でもできる炊き出し」などと言うノンキな事は、管理人には絶対に言えませんな。

この本のサブタイトルは「誰にでもできる炊き出しを目指して」となっていますが、そうなんですよ。目指しているんです。実際には、とてもじゃないけどいきなり誰にでも出来るものじゃありません。緻密な計画と豊富な経験、そして強い意志が必要なのです。そして本書は、「目指す」ためのマニュアルとして一級品です。

もちろんマニュアルですから、提示された問題点には解決方法が具体的に示されていますので、炊き出しを行う各種団体、町内会、ボランティアグループなどのメンバーが共有すべき情報として、とても有用です。もちろん個人レベルでも、メディアでは表面しか語られない、被災地の「食」についての認識を深めるための資料としてお勧めできるものです。それに、前述の通り「簡単・バランスメニュー集」としても大いに参考になりますよ。

ちょっと大袈裟に言えば、炊き出しの解説の中から被災地の現実や被災者の心理までが浮かび上がってくる、そんな本でもあります。

ぜひご一読を。

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