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2012年12月27日 (木)

【年末年始の災害対策 5】帰省編

年末年始にはふるさとへ帰省する方も多いと思います。ふるさとに着いたらほっと気を抜きたいところですが、そこでもやはりちょっと気をつけたいことがあります。ここでは、ふるさとの実家に着いてからのことを考えます。

実家と言ってもいろいろで、いわゆる田舎だったり都市部だったり、新しい一戸建てもあれば伝統の旧家屋のこともあますね。集合住宅のこともあるでしょう。

そこでまず気になるのは、建物の耐震性と地震対策です。親御さんだけが住まわれているような家の場合、耐震性があまり高くないケースも少なくないと思います。これはすぐにどうこうできる問題ではないものの、まずご自分の実家の建物がどのような状態かを知っておく必要があります。

その基準のひとつは、例によって建築基準法による耐震基準です。これは1981年(昭和56年)に大幅に強化改正され、2000年(平成12年)にさらに強化改正されていますので、建物の竣工が1982年以降か2001年以降かで、どの基準が適用された建物か判断できます。改正年度を外すのは、改正年内の竣工建物には、旧基準のものが含まれているからです。

ただし新築後に増改築をしていると、新築時の耐震性に満たない場合もありますので、特に部屋を追加しているような場合は、この限りではありません。

場合によっては築数十年から100年を超えような旧家屋もあるわけですが、そんな建物でも必ずしも耐震性が不足しているとは限りません。でも、一般的には不足気味と考えられます。旧い日本家屋は壁が少なくて縁側など開口部が広いので、構造的に有利とも言えません。また、耐火性に関しては確実に脆弱です。まず、そのような視点で実家の建物を見てみてください。

次に周囲の状況。海に近ければ、津波の到達予想範囲と避難場所、経路、方法を改めて確認しておいてください。山間部ならば崖崩れや土石流の直撃を受ける場所でないかを確認します。幼い頃から「当たり前」だった風景を、改めて「防災の目」で見てみるのです。

私事ながら、管理人の実家の近くに急な崖があり、小さな頃はそこで良く遊んでいたのですが、数年前、地震や豪雨でもないのに突然大きく崩落しました。何十年も何も無いからと言って、それが安心する理由にはならない。危険な要素がある場所は、いつそれが現実になってもおかしくないのだということを、改めて思い知らされた気がしました。特に崖崩れに関しては、地球高温化傾向による降水量の増加で、確実に崩れやすい方向へ向かっているものと考えられます。


続いて、家の中の地震対策です。自分の家の地震対策はしっかりやっている方でも、子供の頃からずっと「何もなく」過ごした実家では無条件で安心したいものですが、そうは行きません。管理人は、この部分を一番危惧しています。親御さんだけが住まわれているような家では、家具の転倒対策が十分で無かったり、ガラスケースが載っていたり、重量物が天袋に入っていたりすることも多いのでは無いでしょうか。

そこへ、帰省した家族が泊まるわけです。小さなお子さんも一緒に。しかも大抵はお酒が入って、移動の疲れもあって熟睡でしょう。そんな時、普段寝室に使っていない居間などを寝室にするでしょう?もし地震が来たら、そこにあるタンスはあなたやお子さんの上に倒れて来ませんか?ガラスの額やケースは落ちて来ませんか?

そういう視点で、実家の中を見てください。できることなら、帰省の際に家具の転倒対策をやってしまいましょう。ホームセンターへ行けばほとんどの対策用品は揃います。具体的な方法は、当ブログシリーズ記事「家の中の地震対策【1】~【12】」にありますので、参照してみてください。
■家の中の地震対策【1】へはこちらから

少なくとも、布団を敷く際にはできるだけ家具の転倒範囲外へ、特にお子さんが寝る場所は安全な場所にしなければなりません。その他、タンスの前に頑丈なちゃぶ台を移動しておけば、完全に倒れずに生存空間が残せるなどの工夫もある程度はできます。

大地震が来たら、家が倒壊する前に未対策の家具が倒れます。もし家が倒壊しても、必ずしも生存空間が無くなる訳ではありませんが、転倒した家具は確実に人体にとっての脅威となります。つまり、潰されます。ですから、実家での地震対策は、家具の転倒に対する備えを最優先すべきだと考えます。前述の通り、決して対策十分とは言えないケースが少なくないと思いますし。

一年を終えて帰省したら、気持ちとしてはそんな細かいことなど気にしたくないものです。何十年も何事も無かったふるさとの街は、これからもずっと平和だと思っていたい。でも、その保証が全く無いどころか、東日本大震災以降、日本列島のどこでも(もちろん南西諸島でも)地震災害の危険性が高まっているのです。


最後になりますが、ひとつ大切なことを忘れていました。それは、帰省の機会に親御さんと地震など災害発生時のことを良く話し合っておくことです。自分たちはどのような行動をするか、どのように連絡を入れるかなど。

そして、親御さん側の行動も一緒に考えておきましょう。でもある程度のお歳になると、災害をあまり現実的な話として受け取られない方も多いものですので、あまり押しつけがましくなりませんように。最低限、避難場所と経路の確認だけはしておかなければなりません。

もし親御さんがあまり話に乗って来なかったら、非常にあざとい方法としては、お孫さんに「じじばばすぐに逃げてね」とでも言わせるのが一番だったりしますが(笑)

■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】です。

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