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2012年12月17日 (月)

【年末年始の災害対策 1】防水・防寒編

2012年も残すところあと2週間ほどになってしまいました。そして、今年の冬は全国的にとても寒いですね。

これから年末年始にかけて何かと慌ただしくなりますが、そんな中で大地震などの災害が起きないとは誰にも言い切れません。そこで、年末特集として【年末年始の災害対策】と題したシリーズを数回に渡ってお送りしたいと思います。普段と違う年末年始の行動の中で、どんなことに気をつければ良いかをまとめたシリーズです。なお、当シリーズのカテゴリーは【地震・津波対策】とします。

ではまず、年末年始によくある行動からまとめてみましょう。
■忘年会・新年会
■年末年始ライブコンサートなど
■積雪・寒冷地への旅行
■帰省
■初詣
と、こんなところでしょうか。それぞれの具体的な場面を考えると、普段とは違った危険も見えてきます。

それぞれの具体的な内容に入る前に、今の時期に共通する要素からまとめます。それは「寒い」ということ。特に今年は寒くて、しかも荒れ気味で雪も多そうです。

寒い時期に大地震などの災害に遭って第一撃を切り抜けられたら、そこで一番大切なのは何でしょうか。それは「防水・防寒」です。冬の災害下では、暖かい環境が無くなると考えなければなりません。そんな中では、とにかく身体を濡らさない、冷やさないということが最も重要です。そこで年末年始に限らず、冬場の行動時に用意しておきたいグッズや対処方法からまとめます。


まず、身体はどこから一番冷えるかを知っておきましょう。それは「頭」です。頭の皮膚のすぐ下には毛細血管がびっしりと集まっており、人間の身体のいわば放熱装置になっています。頭から放出される熱量は体表全体のなんと40~50%にも及びますから、寒い中で頭を保温しないと、エネルギーの大変な無駄遣いになるのです。

ですから、特にカロリーの補給があまりできない避難行動中は、頭部の保温が特に大きな意味を持ちます。一般的にはニットキャップがお勧めですが、できるだけ衣服のフード、帽子類、スカーフ、タオルなどで頭を覆い、放熱を防がなければなりません。

お勧めは耐熱性に優れたウール100%のニットキャップなのですが、男性用はあまり見かけません。コンビニやスーパーなどで売っているもので保温力は十分なものの、ほとんど化学繊維が使われています。管理人が普段から使っているのは、米軍放出品の「ワッチキャップ」で、ウール100%で価格は1000円前後です。
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ミリタリーショップでしか扱っていませんが、通販もありますので、「ワッチキャップ」で検索してみてください。

次に重要なのが、首です。ここも動脈が皮膚に近いために血液が冷えやすいのですが、それ以上に衣服の中の熱を逃がさないための対策が必要です。体温で暖められた空気は軽くなり、首元からどんどん逃げて行ってしまうのです。ですから首元をぴったり閉めることで、首自体を冷やさないようにすると同時に、服の中の熱を逃がさないようにしなければなりません。マフラー、スカーフ、タオルなどをしっかりと巻いてください。

さらに保温すべきポイントは、手首と足首です。ここも動脈が皮膚のすぐ下にありますので、血液の熱が逃げやすいのです。ここを保温して動脈血を冷やさないことで、手足先の冷えが格段に緩和されます。

そのためにのお勧めは、スポーツ用のリストバンドとレッグウォーマーです。リストバンドは、単独でも指先の冷えをかなり緩和しますが、手袋と併用することで絶大な効果を発揮します。是非一度使ってみてください。レッグウォーマーは男性には一般的ではありませんので、非常用と考えてこんなものはいかがでしょうか。
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防水レッグカバーです。これは保温はもちろん、雨や雪の中を短靴で歩かなければならない時に重宝します。丸めればとてもコンパクトですから、特に積雪地に行く時にはお勧めですし、車の中に常備しておくのも良いでしょう。ホームセンターで千数百円程度で入手できます。

なにしろ、このようなグッズが無くとも、寒冷地での保温のポイントは頭、首元、手首、足首と覚えておいてください。特に頭と首元は重要です。

普段の街中ではあまり意識する必要のない細かい寒さ対策も、十分なカロリーを摂取できず、身体を暖める場所もない災害時には、対策の有無が大きな差となって現れます。行動できる体力をできるだけ温存するために、特に寒冷地に行く際には、しっかりと備えておいてください。

ところで、普段持ち歩く防寒グッズの定番と言えば「レスキューシート」です。
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これ、実際に開いて使ってみたことはありますか?正直なところ、あまり使いやすいものではありません。非常に薄い素材なので少しの風でふわふわと浮き上がり、衣服の外に巻いてもそれほど保温効果は無いのです。防寒用に使う際は、衣服の下に巻くものと考えてください。

あと、問題はその大きさ。大人が「体育座り」をしてくるまろうとしても、足先から首までを十分にカバーするためには小さ過ぎるのです。ですから、特に冬場はできるだけ一人当たり二枚を持ち歩くようにしてください。

「防水」に関しては、これはもうポンチョやレインウェア類に尽きます。
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画像は、100均カッパをフリーザーバッグに入れて空気を抜き、コンパクトにした状態です。

カッパ類は、傘を持っていても必ず用意しておきましょう。暴風雪の中では傘など全く使えませんし、寒い時にはウインドブレーカーとしての効果も絶大です。100均ショップのものでも機能的には十分なのですが、寒冷地では素材が固くなって破れることも考えられるので、もう少し厚手のものが欲しいところです。徒歩移動の場合は軽量のものを各人が、車の場合はある程度しっかりしたものを「乗車人数分」常備しておくことをお勧めします。

ところで、管理人はかつて札幌に住んでいたことがあります。その当時は車で各地を走り回って仕事をしていましたので、冬場の対策については「本場仕込み」です。あちらでは、半端な寒さ対策では簡単に生命に関わる事態となってしまうのです。

そういうレベルを想定して本文を書いていますので、ちょっと大袈裟に思われることもあるかもしれません。でもそこは「大は小を兼ねる」的にご理解いただきたいと思います。

次回は忘年会・新年会編です。

■このシリーズは、カテゴリ【地震・津波対策】です。

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