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2012年12月17日 (月)

【ニュース解説】アウターライズ地震ではなかった

去る12月7日、三陸沖を震源とするマグニチュード7.3(速報値)の地震が発生し、宮城県石巻市で1mの津波を観測しました。この地震について、管理人は震源位置と深さからアウターライズ地震であると判断し、気象庁も当初はアウターライズ地震であると発表していました。

しかし後の12月10日、地震波の詳細な解析を行った気象庁は、この地震は一般的なアウターライズ地震ではない非常に特殊なタイプの可能性があると、改めて発表しました。以下に時事通信の記事を転載させていただきます。

(以下転載)-----------------------------

【見出し】「アウターライズ型」違った=7日の津波地震で気象庁―日本海溝付近、複雑な動き

2012年12月7日夕に起きた三陸沖を震源とする最大震度5弱の地震について、気象庁の斎藤誠地震情報企画官は10日の記者会見で、「余震を含め解析したところ、当初説明した単純なアウターライズ型地震ではなく、複数の断層面が動いた可能性が高い」と述べた。

東日本大震災の巨大地震と津波以降、懸念されてきたマグニチュード(M)8級のアウターライズ型地震が今後起きる可能性は否定できず、引き続き注意する必要があるという。

斎藤企画官によると、太平洋プレートが陸側プレートの下に沈み込んでいる日本海溝の外側(東側)で、最初に断層が圧縮されて上下にずれる逆断層型地震が発生。続いて日本海溝の内側(西側)で断層が引き延ばされてずれる正断層型地震が起きたと推定される。

宮城県石巻市で観測された最大1メートルの津波を引き起こしたのは後半の正断層型地震と考えられるが、震源の深さや具体的な断層面がまだ分からず解析を続ける。

一連の地震の規模は速報値M7.3から、暫定値M7.4に引き上げられた。

(転載終了)-----------------------------

つまり、圧縮力による逆断層型地震と引張力による正断層型地震という二つの全く違うタイプの地震が連続して発生し、後の正断層型地震によって小規模の津波が発生したということです。

この地震では、陸地から240km沖という遠距離で深さ10km(速報値)と浅い震源ながら、東日本の非常に広い範囲で震度5弱から4を記録するという、普通はあまり考えられない、まるで深い震源の地震のような揺れ方をしました。そして、マグニチュード値の割には発生する津波が小さかったという特徴もありました。

このため、管理人もすぐにアウターライズ地震だと判断はしたものの、腑に落ちない部分もあったのです。当ブログ12月7日の記事にも書いてますが、遠距離の浅い地震の割には揺れが大きく、しかも横揺れが明らかに二段階に分かれていたので、単発の地震ではなく複数の地震が連鎖したものと考えました。そして、そのうちひとつで津波が発生したために、マグニチュード値の割には津波が小さかったのではないかとも考えました。一般に、マグニチュード7.4(暫定値)の単発アウターライズ地震ならば、普通はもっと大きな津波が発生するはずなのです。
■12月7日の記事はこちらから

上記の気象庁発表によると、管理人が感じた揺れ方からの分析はほぼ正しかったようです。ただ、このような複雑な地震が発生することがあるということは、全く考えていませんでした。もっとも、専門家にとっても「想定外」だったようですが。なお、上記記事には書かれていないものの、最初の逆断層型地震は恐らく深さ40~80kmくらいの場所で発生し、直後に深さ10km程度の正断層型地震が発生して、それが津波を発生させたのでしょう。

ちなみに、以前当ブログでお話を取り上げた、福島県南相馬市から埼玉県に避難されている女性も、今回の地震の揺れは「新しい」と表現されていました。震災後に何百何千という余震を体験してきた経験からしても、かなり変わった揺れと感じられたようです。


ところで、マグニチュード値とはその地震全体で放出されたエネルギーの総量ですから、単発の地震でなければ、マグニチュード値がそのまま揺れや津波の規模と比例するわけではありません。例えば東日本大震災のマグニチュード9.0というのは、南北500km、東西200kmに及ぶ震源域全体で放出されたエネルギーの総量ということです。

今回の地震も、連鎖地震で放出されたエネルギー総量はマグニチュード7.4に達したものの、津波を発生させた地震ひとつのエネルギーはそれほど大きくなかったのでしょう。そして深い震源から反射、屈折しながら伝わる地震波と浅い震源から伝わる地表波が合成され、広い範囲で大きな揺れとなったのではないかと考えています。

今回、管理人も「こんな地震も起きることがあるんだ」ということを知ることが出来たわけですが、専門家もすぐに判断できなような複雑な地震が発生したということに、震災後に地下で起きていることの複雑さが感じられます。なにしろ震災による大地殻変動は、まだ始まったばかりなのです。

そして記事にもありますが、今回の地震のメカニズムがどうあろうと、震災震源域の沖側でマグニチュード8クラスのアウターライズ地震が発生する可能性は、今後長きに渡って続くということだけは確かなのです。

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コメント

納得です!当時はJR秋葉原の総武線構内にあるコーヒー屋さんにいました。ゆれくるコール(iPhoneのアプリ)が57秒前から反応し出して10秒前に小さな揺れ、0秒になると同時に大きく揺れました。

構造が古い部分にいたためかかなり大きく揺れたことと、ゆれくるコールがドンピシャだったことで頭から飛んでましたが、よくよく思い返してみると10秒前からの揺れは縦揺れじゃなかったですね。仙台の母はかなり長く揺れてたと言ってましたが、二つの地震だったと考えるとそれも納得ですね。

>tntさん

うちのケーブルテレビ緊急地震速報も、約1分前から震度3を発報し、5秒前のカウントダウンが始まる数秒前からゆっくりとした長周期の震度2程度を感じました。そして0秒とほぼ同時に、少し短周期の震度4程度を感じました。全く同じですね。

最初の揺れは深くて遠い震源だからかなり長周期、次は本来は短周期の浅い地震だけど遠かったので周期が長めになったという理屈ともぴったりと合います。

地面の下は、まだまだわからないことだらけのようですね。

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