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2012年12月15日 (土)

【女川町立病院へ】宮城・震災から1年8ヶ月【8】

女川町編の二回目です。

今回、管理人は海抜16mの高台上にある女川町立病院(現・女川地域医療センター)にも行ってみました。
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2011年11月の前回訪問時は高台上に被災者と思われる方が見えましたので、そこへのこのこ上がって行く気にはなれませんでした。その頃の町はまだ静まりかえっていて、「見物人」がうろつくような雰囲気ではないと感じたのです。

被災地訪問時は常に防災士の制服を着て、ただの物見遊山だと思われないようにしていはいたのですが、気持ちの上では「所詮は見物人」という負い目のようなものもありました。でも今回は復興への槌音もかなり響きはじめており、その雰囲気にも助けられて病院の高台へ上がって見たのです

実際にその高台に立って海や町を見下ろした感想は、「うそだろ、おい」というひとことに尽きます。16mと言えば、ビルの5階です。その高さにいて、誰が津波に、それも2mの濁流に襲われると考えるでしょうか。それも津波到達からほんの数分で水が来るとは。病院では一階に避難していた方々が二階に上がり切る前に濁流が突入し、犠牲者が出ました。それほど時間が無かったのです。

高台からの画像とYoutube動画をご覧ください。あなたがもしここにいたら、津波が来ることを想像できますか?台風のように大波が押し寄せたのではなく、海全体の水位がここまで上がったのです。
ほとんどの被災建物の撤去が終わった中で、根こそぎ横倒しになった4階建ての女川町交番ビルだけは、そのままの姿で残されています。詳細はわからないのですが、モニュメントとして保存されるのでしょうか。
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Photo
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※画像のGPS高度計表示には、プラスの誤差が含まれています。

■女川町立病院からの映像はこちらから

「1000年に一度」レベルの大地震とリアス式海岸の津波エネルギー集約効果が重なるとこういうことが起こると、理屈ではわかります。でもそれは普通の人間の感覚をはるかに超越したことだったということを、改めて突きつけられました。

敢えて例えれば、大雨で増水した川の堤防が切れて大洪水になっても、それはある意味で「想定の範囲内」です。でも、その川がある豪雨の日突然、数分のうちに堤防の三倍の水位になったとしたら。そんな「起こるはずの無い」ことがあちこちで起きた、それが今震災なのです。

次回は、訪問順と異なりますが東松島町と仙台市内のレポートをお送りし、大川小学校での実地検証は、当シリーズ最終回として年内最後にお送りします。

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