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2012年12月13日 (木)

【アウターライズ地震その後】地震関連情報【12/13】

12月7日に発生した三陸沖アウターライズ地震(マグニチュード7.3)の後、同震源域ではかなり活発な余震が続いています。最大の余震は本震直後にマグニチュード6.3に達し、これが仮に内陸直下10kmで起きた場合、地上の揺れは震度5強から6弱クラスになることもあるレベルですが、震源が陸地から約240kmと遠方の海底のため、地上は震度3でした。

その後、マグニチュード5台から4台後半が何度も起きていますが、本震から一週間近く経って、次第に減ってきている状況です。なお、気象庁が発表するのは陸地の揺れが震度1以上の有感地震、つまり人体に感じる揺れとなった場合であり、陸地まで人体に感じる揺れが届かない規模の余震は、さらに多数発生しているわけです。

この状況からして、断定はできないものの今回の地震がさらに大きな地震の「前震」である可能性は小さくなってきましたが、これでひとまず安心と言える状況でもありません。アウターライズ地震は、青森県沖から福島県沖辺りまでの東日本の太平洋沿岸すべてで発生する可能性があるのです。

現に、青森から福島沖を震源とするアウターライズ地震は、地上の揺れは震度1から2と小規模ながら、震災本震後ずっと散発的に発生を続けており、当ブログでも何度か記事にしています(カテゴリ『地震関連』参照)

震災本震震源域のさらに沖側になるアウターライズ地震の震源域は、本来は地震が起きやすい場所ではありません。しかし震災による大規模な地殻変動によって太平洋プレートが陸側に最大20m以上も移動したために、その引っ張り力によって新たに誕生した「地震の巣」なのです。

12月7日に発生したマグニチュード7.3は、宮城県の金華山沖というまさに海底の移動量が最大だった場所の沖側、つまり最大の引っ張り力がかかっていた場所で発生しており、メカニズム的にも非常に整合性があります。ただし、この地震でアウターライズに溜まったエネルギーがほとんど解放されたと考えるのは早計ではあります。これで終わりではないと考えなければなりません。

その他の場所でも、引っ張り力が現状ではあまり解放されておらず、加えて太平洋プレートの沈み込み速度が上がっているために、継続的に平常時より大きな引っ張り力がかかっていると考えられます。繰り返しますが、青森沖から福島沖辺りまで、震災本震震源域沖側のどこでも大規模なアウターライズ地震が起きてもおかしくないのです。


さらに、こんな危険もあります。今回の地震はある意味で幸運なことに地上の揺れがかなり大きかったので、すぐに津波の警戒へと移行できました。しかし地震のタイプによっては、地上であまり揺れを感じなくても、大規模な津波が発生することがあるのです。

今回揺れが大きくなったのは、断層のズレが一気に激しく進んだからです。でも、断層がゆっくりとズレる、通称「ぬるぬる地震」というタイプになることもまれにあります。このタイプは主にプレート境界面で発生することが多いのですが、アウターライズで発生しないと言い切ることはできません。

現に、推定マグニチュード値が8.2から8.5とされる1896年の明治三陸地震では、地上の揺れは現在の基準で最大でも震度4程度で、三陸海岸でも震度2~3程度の場所も多かったと記録されています。しかし約30分後に到達した津波は最大遡上高さ38.2mと、局地的には東日本大震災の津波に近い規模だったのです。この地震のタイプはプレート境界型(海溝型)地震とされていますが、震央位置は岩手県沖200kmと、アウターライズ地震と同様の場所で起きています。

さらに、推定マグニチュード値が8.1から8.4とされる1933年の昭和三陸地震は、明治三陸地震の影響によって37年という時間を経て発生したアウターライズ地震であり、明治三陸地震の震央のわずかに沖側が震央です。

この時の地上の震度は旧基準での震度5とされていますが、地上の被害はほとんど無かったそうです。明治三陸地震と同様に震源が陸地から遠かったために揺れが長周期となり、建物に対する破壊力は小さかったと思われますが、当時の耐震性の低い建物でも被害がほとんど無かったのですから、現在の基準では震度4から5弱程度、つまり先日の三陸沖地震と同じくらいだったと思われます。しかし約30分後に到達した津波は、現在の岩手県大船渡市で最大遡上高さ28.7mを記録する大津波でした。

このような事実がありますから、全く安心することはできないのです。先日の三陸沖地震はマグニチュード7.3という規模の割には地上の揺れが大きく、その割には津波が小さかったのですが、その逆もあるということです。

東日本大震災の本震震源域でのプレート境界型(海溝型)巨大地震は、それこそ数百年から1000年タームで発生しないでしょう。しかしその影響によるアウターライズ地震は、本震震源域沖側のどこでも、今後数十年に渡って最大マグニチュード8クラスで発生する可能性があるということを、決して忘れてはならないのです。

なお、マグニチュード値が1上がると、放出されるエネルギー量は約30倍になります。マグニチュード7と8の地震は全く「別物」です。

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